Telegraph Avenue – Telegraph Avenue (1971)
Telegraph Avenue『Telegraph Avenue』について
Telegraph Avenueの『Telegraph Avenue』は、ペルーのロック史の中でも重要な位置を占める1枚として知られる作品だ。オリジナルは1971年に発表され、こちらは2007年のイタリア盤180グラム・リイシューである。アーティスト名と同じ題名を持つセルフタイトル作で、バンドの初期像をそのまま示す内容になっている。
Telegraph Avenueは1969年ごろにリマで活動を始めた4人組で、オークランドからバークレーへ通る有名な通り名をバンド名に採っている。メンバーはAlex Nathanson、Walo Carrillo、Chachi Luján、Bo Ichikawa。プロフィールにある通り、サイケデリック・ロックを軸にラテンのリズムを取り込み、さらにメロディの立ったボーカルで輪郭をはっきりさせていたバンドである。
作品の位置づけ
このアルバムは、バンドが自作曲に徹していた初期活動の集大成として出てきた1作だ。1971年6月にペルーで初めてLPが出て、当時かなり売れたとされる。ライブ活動で人気を広げ、大学や各種クラブ、ディスコテークなどで演奏を重ねた流れの中で結実した作品という位置づけになる。
その後、1972年に一度活動が分かれ、1972年末には再結成して2曲を録音しているが、バンドとしての本格的な次作は1975年発表になる。したがって、この『Telegraph Avenue』は、バンドの最初期を代表する記録として見られることが多い。
音楽性と聴きどころ
ジャンル表記はRock、スタイルはPsychedelic Rock、Prog Rock。プロフィールの説明では、初期はラテン色のあるサイケデリック・ロックだった一方、この時期の新曲はより速く攻撃的な方向や、フォーク寄りのゆっくりした曲も含んでいたという。アルバム全体としては、そうした振れ幅がある時期の作品として理解しやすい。
この作品について実際の音の細部を断定することは避けるが、バンドが自作曲を中心に組み立て、しかも各メンバーが録音で複数の楽器を担当していたことから、単なるライブの再現ではなく、スタジオでのアレンジ作業に力を入れていたことはうかがえる。リマのロック・シーンの中でも、演奏力と曲作りの両方で評価されたグループだったようだ。
当時のエピソード
バンドの活動には、かなり具体的な逸話が残っている。デビュー前はプエブロ・リブレのパーティーで演奏し、卒業パーティーの出演も多かったという。Club de Leones、Club Yugoslavo、Club Hebraica、Galaxy Discothequeなどでも演奏し、空のプールの中でライブをしたこともあったとされる。
1970年11月のリマ大学での公演も印象的な出来事として記録されている。さらに、週末の出演が非常に多く、金・土・日だけでなく木曜まで増えたという記述からも、当時の人気ぶりが伝わる。
録音時の話も残る。ギターソロ録音中にスピーカーが壊れ、友人がアンプを支えながら作業を続けた場面や、左利き用のHöfnerベースを失ったAlexが右利き用ベースに持ち替え、演奏のためにストラップ位置を工夫したという話がある。制作環境の厳しさと、そこで完成させた作品という印象が強い。
再発盤について
この2007年盤はイタリアのDistrolux S.L.からの180グラム・ビニール再発で、℗ & © 2007 Distrolux S.L.の表記がある。オリジナルの1971年盤に対して、ここでは再発盤として流通している。オリジナル盤との音質や細部の違いについては、手元の情報からは断定しない。
まとめ
『Telegraph Avenue』は、ペルーの70年代ロックが持っていた地域性と、サイケデリック・ロック、プログレッシブ・ロックの要素をつないだ記録として見える作品だ。バンドの初期活動、ライブ人気、そして自作曲中心の姿勢がそのまま形になった1枚で、Telegraph Avenueという名前の由来まで含めて、グループの背景を知る入口にもなっている。
同時代のラテンアメリカのロックをたどるときにも、ひとつの基点として確認しておきたいタイトルだ。
トラックリスト
- A1 – Something Going (4:35)
- A2 – Happy (3:40)
- A3 – Sweet Whatever (2:40)
- A4 – Lauralie (4:00)
- B1 – Sungaligali (3:58)
- B2 – Let Me Start (4:00)
- B3 – Sometimes In Winter (5:30)
- B4 – Telegraph Avenue (3:45)