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Pink Floyd – Meddle (1971)

Pink Floyd『Meddle』日本盤(1974年リリース)

Pink Floydの『Meddle』は、1971年に発表された6作目のスタジオ・アルバムだ。ロンドン出身の英ロック・バンドが、サイケデリック・ロックの時代から、より構成の長い演奏や音の配置を重視する方向へ進んでいく途中の作品として位置づけられる。のちに「プログレッシブ・ロック」と呼ばれる流れの中でも、重要な1枚として語られることが多い。

この日本盤は1974年リリース。オリジナルの1971年盤から数年後の流通で、国内向けに帯、4ページの歌詞ブックレット、ライヴ写真インサートが付属する仕様だ。レーベル中央の縁取り文字が大文字表記になっている点も、盤面の特徴として挙げられる。

作品の位置づけ

『Meddle』は、初期Pink Floydの実験性を保ちながら、後年の代表作につながる輪郭が見え始める作品だ。シド・バレット在籍期の即興性やサイケデリックな感触から、デヴィッド・ギルモア加入後のバンド・アンサンブルへ重心が移っていく途中段階のアルバムとして聴ける。

収録曲の中では、20分を超える「Echoes」が大きな存在だ。アルバム後半を丸ごと使う長尺曲で、音の連なりや空間の使い方がはっきりした構成になっている。のちの『The Dark Side of the Moon』や『Wish You Were Here』に通じる、バンドの作曲手法がまとまり始める手前の到達点という印象がある。

収録曲と聴きどころ

  • 「One of These Days」: 低音の反復とドラムの推進力が前面に出るオープニング。
  • 「Fearless」: アコースティック・ギター主体の進行に、サッカーのチャント「You’ll Never Walk Alone」が重なる構成。
  • 「San Tropez」: 軽いテンポとピアノ中心の曲調で、アルバムの中では小さな息抜きのような位置。
  • 「Seamus」: ブルース曲で、犬の鳴き声を取り入れた一曲。
  • 「Echoes」: アルバムの核となる長編。静かなパートから厚みのある演奏へ展開していく。

特に「Fearless」は、ロジャース&ハマースタインの「You’ll Never Walk Alone」の引用を含むことで知られる。スタジオ録音の中に、既存曲のフレーズを自然に差し込む作りが見える。

同時代とのつながり

1971年当時のPink Floydは、単なるサイケデリック・バンドというより、長尺曲、音響効果、曲間のつながりを使って独自の形式を探っていた時期にある。イエスやキング・クリムゾンのような同時代の英国ロックと並べられることもあるが、Pink Floydは技巧の見せ合いよりも、音の配置や持続感に重心がある。

『Meddle』では、その方向性が「Echoes」でかなりはっきり形になっている。派手な転調や速い展開だけで押すのではなく、同じモチーフを引き伸ばしながら、空気感と演奏の密度を変えていく作りだ。

録音とリリースのメモ

録音は1971年1月から9月にかけて行われ、Air Studios、EMI Studios Abbey Road、Morgan Studiosで制作された。オリジナルの発売は1971年10月30日で、米国盤が先行、英国盤は1週間後の発売となっている。英国チャートでは3位を記録した。

この日本盤はToshiba EMI製で、1974年の国内流通盤としては比較的早い時期のものにあたる。オリジナル盤とは発売国や付属物が異なり、日本盤では歌詞ブックレットやライヴ写真インサートが加わっている点が目立つ。

まとめ

『Meddle』は、Pink Floydが後年の大成功へ向かう途中で、演奏、構成、音響のバランスを整えていく過程が見える作品だ。短い曲と長い曲が並ぶ中で、最後の「Echoes」がアルバム全体をまとめる役割を担っている。初期の実験性と、のちの大作志向の両方が同居した1枚として、バンドの変化を追ううえで外せないアルバムだろう。

トラックリスト

  • A1 – One Of These Days (5:50)
  • A2 – A Pillow Of Winds (5:10)
  • A3 – Fearless (6:03)
  • A4 – San Tropez (3:42)
  • A5 – Seamus (2:09)
  • B – Echoes (23:31)

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2026.08.27
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