Sagittarius – Blue Marble (1969)
Sagittarius『Blue Marble』について
Sagittariusは、1960年代後半のアメリカでGary Usherが手がけたスタジオ・グループだ。Curt Boettcherも関わっており、The Millenniumの『Begin』に参加したセッション・ミュージシャンたちとも近い位置にある。グループ名義だが、当時のスタジオ制作らしい作り込みの強さがまず印象に残る存在である。
『Blue Marble』は1969年作として扱われる作品で、USロック/ポップの流れの中に置くと、フォーク・ロックとサイケデリック・ロックの要素を持つアルバムになる。60年代末の西海岸的な空気、ハーモニー重視のポップ感、スタジオで組み立てた音の質感が見えやすい一枚といえる。
アーティストの位置づけ
Sagittariusは、Gary Usherの制作思想を前面に出したプロジェクトとして見ると理解しやすい。バンドというより、プロデューサー主導のスタジオ・ユニットに近い立ち位置で、Curt Boettcherの関与もあって、同時代のソフトなハーモニー・ポップや精密なサイケデリアとつながっている。The Beach Boys周辺の流れや、The Millenniumの洗練されたポップ作法と比べて語られることも多い。
『Blue Marble』の聴きどころ
この作品では、派手な演奏の押し出しよりも、曲の組み方やコーラスの重なり、アレンジの細部が要点になる。フォーク・ロック寄りの落ち着いた進行の中に、サイケデリックな色づけが差し込まれる場面があり、60年代末らしい制作感が出ている。耳につく要素を過剰に増やすのではなく、音を重ねて輪郭を作るタイプのアルバムである。
実際に聴くと、曲ごとの表情を大きく振るというより、全体の流れで聴かせる印象が強い。ボーカルの重なり方や、伴奏の配置にスタジオ作品らしさがあり、当時のポップ・アルバムとしてのまとまりがある。単独の演奏技巧を見せるというより、曲と音色の組み合わせで進んでいく作りだ。
代表曲やアルバムの性格
Sagittariusは一般的には、後の『Present Tense』のほうが知られやすいが、『Blue Marble』もこのプロジェクトの音作りを知るうえで重要な位置にある。派手なヒット曲で押すタイプではなく、アルバム全体の統一感で聴かせる性格が強い。作品単位で見ると、Gary UsherとCurt Boettcherのポップ感覚がどのように交差していたかを確かめやすい一枚といえる。
2008年盤について
2008年のSundazed Music盤は、クリア・オレンジのヴィニールで出ており、MoonとEarthのグロッシーなプリント2枚が付属する仕様だ。オリジナルの1969年盤とはもちろん別のリリースで、盤としてはコレクション性のある再発盤という位置づけになる。作品そのものは1969年の空気を持ちながら、2008年盤ではその内容を現代の再発フォーマットで手に取れる形になっている。
まとめ
『Blue Marble』は、Sagittariusというスタジオ・プロジェクトの性格が見えやすい作品だ。Gary UsherとCurt Boettcherの周辺で育った、ハーモニー重視のポップとサイケデリックな色合いが、フォーク・ロックの枠組みの中で整理されている。60年代末のUSポップの一断面として、静かな作り込みが際立つアルバムである。
トラックリスト
- A1 – In My Room (2:09)
- A2 – From You Unto Us (1:47)
- A3 – Will You Ever See Me (2:14)
- A4 – Gladys (2:46)
- A5 – I Sing My Song (2:45)
- A6 – I Guess The Lord Must Be In New York City (2:30)
- B1 – The Blue Marble (2:59)
- B2 – Lend Me A Smile (3:11)
- B3 – I Still Can See Your Face (2:42)
- B4 – I See In You (3:14)
- B5 – Cloud Talk (2:24)
- B6 – Navajo Girl (2:33)