BAP – Vun Drinne Noh Drusse (1982)
BAP『Vun Drinne Noh Drusse』について
BAPは、ケルン出身のドイツ語ロック・バンドだ。ケルシュ方言を前面に出した作品で知られ、この『Vun Drinne Noh Drusse』は1982年の作品として扱われている。タイトルはケルシュ語で「内側から外側へ」といった意味合いの表現で、バンドの言語感覚と土地性がそのまま出た一枚だ。
作品としては、BAPがローカルな方言ロックの枠を越えて、ドイツのロック・シーンで存在感を広げていく時期の重要作に位置づけられる。Wikipediaや公式情報でも、BAPは“German Kölschrock group from Cologne”とされていて、まさにその特徴がよく表れたアルバムになっている。
作品の位置づけ
1980年代前半のドイツ語ロックは、英語圏のロックの影響を受けつつも、自分たちの言葉で歌う流れが強まっていた時期だ。BAPはその中で、ケルシュ方言を使いながらもバンド・サウンドをしっかり押し出し、地域色とロックの推進力を両立させてきたグループとして知られている。このアルバムも、その方向性をはっきり示す作品のひとつといえる。
代表曲やヒット曲としては、BAP全体では「Verdamp lang her」などがよく知られているが、この作品もその後のバンドの評価を支える時期の録音として見ることができる。
盤の内容と仕様
- レーベル表記: ℗ 1982 Musikproduktion West
- リリース国: Germany
- 盤のリリース年: 1984
- 仕様: ゲートフォールド・スリーブ
- 付属品: 12ページのブックレット
- 特典: 「BAP」と書かれた青地に白文字のポータブル・ステッカー
- ランアウト: スタンプ打ち
- ラベル表記: DMMあり
この盤は1982年作品の1984年プレスで、オリジナル時点のリリースとは別の版だ。収録内容そのものは作品として同じでも、ジャケット仕様やレーベル表記、DMM表記の有無などで版の違いが出るタイプのリリースになっている。提示情報では、DMM表記のないほぼ同一仕様の盤も存在する。
サウンドの印象
実際に針を落としたときの聴感としては、バンドの輪郭がはっきりしたロック・サウンドが中心だ。ギターの押し出し、リズムの前進感、そして母語であるケルシュ方言の発音が一体になって、歌の内容を言葉のまま前へ運ぶタイプの作りになっている。英米ロックの直系というより、土地の空気を残したままバンドとしてのまとまりを出している点がこの時期のBAPらしいところだ。
また、ゲートフォールド仕様と12ページのブックレット付きという点からも、単なる音源だけでなく、歌詞や世界観をまとめて見せる意図が感じられる。方言で歌うバンドでは、この手の付属資料が作品理解に結びつきやすい。
同時代の文脈
BAPは、ドイツ語圏のロックにおける地域言語の使い方という点で、SillyやPuhdysのような東西ドイツのロック・グループとも比較されることがあるが、BAPはより明確にケルシュ方言を軸にしている。バンド名義のロックでありながら、都市のローカル感を保ったまま広い聴き手へ届く形を作っていたのが特徴だ。
まとめ
『Vun Drinne Noh Drusse』は、BAPがケルンの方言ロックを代表する存在として歩んでいた時期を示す一枚だ。1982年作品としてのオリジナル性を持ちつつ、ここで紹介している盤は1984年プレスならではの仕様も備えている。ジャケット、ブックレット、ステッカーまで含めて、当時のBAPのパッケージングを確認できるリリースになっている。
トラックリスト
- A1 – Kristallnaach (4:56)
- A2 – Wellenreiter (2:20)
- A3 – Zehnter Juni (4:21)
- A4 – Wie ‘Ne Stein (4:26)
- A5 – Do Kanns Zaubere (4:34)
- B1 – Nit Für Kooche (Teil 1) (1:40)
- B2 – Nit Für Kooche (Teil 2) (4:03)
- B3 – Ahn ‘Ner Leitplank (4:14)
- B4 – Wenn Et Bedde Sich Lohne Däät (4:32)
- B5 – Eins Für Carmen Un En Insel (2:53)
- B6 – Koot Vüür Aach (3:29)