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Adam And The Ants – Kings Of The Wild Frontier (1980)

Adam And The Ants『Kings Of The Wild Frontier』

Adam And The Antsの2作目のスタジオ・アルバム『Kings Of The Wild Frontier』は、1980年にリリースされた作品です。英語圏のニューウェーブ、ポップ・ロックの流れの中で、Adam AntことStuart Goddardを中心にしたこのバンドが、一気に広い層へ名前を広げていくきっかけになった1枚として知られています。

この時期のAdam And The Antsは、初期のパンク寄りの編成から一度大きく形を変えたあと、Marco Pirroniらを含む新しいラインナップで活動していた時期です。Burundi風のドラム・アプローチが特徴として語られることが多く、当時の英国ニューウェーブの中でも、リズムの立て方がかなり印象に残るバンドだった。

作品の位置づけ

本作は、バンドにとって商業的な飛躍につながったアルバムです。1981年にはイギリスで最も売れたアルバムになり、翌1982年のBrit AwardsではBest British Albumも獲得しています。Adam And The Antsの名を、カルト的な存在からメジャーな存在へ押し上げた作品、と見てよさそうです。

US盤では英国盤と収録曲順が異なり、“Making History”の代わりに、Adam AntがMarco Pirroniと組む前に書いた曲である“(You’re So) Physical”“Press Darlings”が入っています。こうした差分は、同じアルバムでも地域ごとの聴かれ方が少し違っていたことを示している。

サウンドと聴きどころ

このアルバムでまず耳に残るのは、打楽器の強い押し出しと、曲の輪郭をはっきりさせるギター、そしてAdam Antの歌い回しです。ニューウェーブの軽さだけでなく、行進曲のような推進力や、やや演劇的な構えも前に出ている。

タイトル曲の“Kings Of The Wild Frontier”は、その後のバンドのイメージを決定づける代表曲のひとつ。さらに“Antmusic”も重要で、初期のUK盤ではフェードインで始まる別バージョンが入っていましたが、ヒット後の流通分では、よく知られたドラムスティックのイントロを持つ7インチ・シングル・ミックスに差し替えられています。シングルの成功がアルバムの印象にも影響した例と言えそうです。

同時代とのつながり

Adam And The Antsは、1970年代末から1980年代初頭のパンク後の動き、いわゆるポスト・パンクやニューウェーブの文脈で語られることが多いバンドです。ただ、このアルバムでは単なる当時の流行に収まらない、独自のリズム感と見せ方がはっきりしている。英国のニューウェーブ勢の中でも、同時代のバンドと比べて視覚面・パフォーマンス面の存在感が強いグループだった。

バンドの初期はパンク寄り、のちに新しい編成で大きく成功する、という流れも含めて、Adam And The Antsの転換点を示す作品として捉えやすい1枚です。

US盤について

今回のUS盤は1980年リリースで、Rockfield Studiosで1980年8月に録音された内容に基づくものです。ライナーやレーベル表記にも、他の版と細かな違いがある。内袋には歌詞とナンバー表記があり、写真や映像スチルは入っていません。

また、このUS盤ではレーベル面のクレジット表記に、他の版と異なる書式の違いが見られる。曲名と作曲クレジットの並びが一部で分かれている点など、盤ごとの仕様差が確認できる内容です。

まとめ

『Kings Of The Wild Frontier』は、Adam And The Antsが初期のカルト的な評価から広く知られる存在へ変わっていく過程を示すアルバムです。“Kings Of The Wild Frontier”“Antmusic”のような代表曲を軸に、リズムの強さとポップな押し出しがはっきりした作品として残っている。

1980年という年のニューウェーブの空気の中で、特に輪郭のはっきりした1枚として位置づけられる作品です。

トラックリスト

  • A1 – Dog Eat Dog (3:07)
  • A2 – “Antmusic” (3:36)
  • A3 – Los Rancheros (3:28)
  • A4 – Feed Me To The Lions (2:59)
  • A5 – Press Darlings (4:12)
  • A6 – Ants Invasion (3:20)
  • A7 – Killer In The Home (4:19)
  • B1 – Kings Of The Wild Frontier (3:53)
  • B2 – The Magnificent Five (3:05)
  • B3 – Don’t Be Square (Be There) (3:29)
  • B4 – Jolly Roger (2:09)
  • B5 – Physical (You’re So) (4:26)
  • B6 – The Human Beings (4:24)

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2026.09.18
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