Piramis – 3 (1979)
Piramis『3』について
『3』は、ハンガリーのロック・バンド、Piramisが1979年に発表したアルバムである。バンドは1970年代から活動を続ける長寿グループで、ハンガリー国内のポップ・ロック/ハード・ロックの文脈で知られ、場面によってはプログレッシブ寄りの曲調も取り入れてきた。西欧圏でも一定の反応を得たバンドとして紹介されることがある。
作品の位置づけ
この『3』は、タイトルどおりバンド名義の3作目にあたる1979年作として捉えられる。クレジット上の編成は、Köves Miklós、Som Lajos、Gallai Péter、Révész Sándor、Závodi János。ハンガリー産ロックの中でも、歌ものの推進力とバンド・アンサンブルのまとまりを両立させた時期の記録として見やすい1枚である。
録音とミックスはブダペストのPepita Studiosで行われ、ハンガリー盤として同年にリリースされている。収録曲名はハンガリー語表記で統一されている点も、当時の国内盤らしい特徴といえる。
音の印象
全体の軸はロックとポップ・ロックで、そこにプログレッシブ・ロック寄りの展開が差し込まれる構成。演奏時間はA面19分35秒、B面19分00秒と、LPとしては比較的コンパクトだが、曲ごとの密度は高めで、歌を前に出しながらバンド・サウンドをしっかり鳴らしていくタイプの作品に見える。
Révész Sándorのボーカルを中心に、ギターとキーボードが曲の輪郭を作り、メロディを押し出す場面と、やや組曲的な流れを持つ場面が並ぶ。ハンガリー国内の同時代ロックと比べると、単純なハードロック一辺倒ではなく、歌謡性と構成の組み立てが同居している印象である。
同時代の文脈
1970年代後半の東欧ロックでは、英米のハードロックやプログレの影響を受けつつ、母語の歌詞とローカルなメロディ感を前面に出すバンドが多かった。Piramisもその流れの中にあり、国内のロック・リスナーに向けたわかりやすさと、演奏面の厚みを両立させたグループとして位置づけられる。
同時代の西側バンドと単純比較できる作品ではないが、歌を主役に置きながらアンサンブルで押し切る姿勢には、ハードロック寄りのバンド感と、プログレ寄りの構成意識の両方が見て取れる。
ヒット曲・代表曲について
このアルバム単体で広く知られる代表曲については、ここでは断定しない。ただし、Piramis自体はハンガリー国内で認知度の高いバンドであり、アルバム単位で耳にすると、バンドの持つ歌の強さと演奏の推進力が伝わりやすい。
まとめ
『3』は、1979年時点のPiramisの持ち味をそのまま封じ込めたハンガリー産ロック作品である。ポップ・ロックの聴きやすさ、ハードロックの押し、そして部分的なプログレ的展開が、国内盤らしいまとまりの中で並ぶ1枚。Piramisというバンドの輪郭をつかむうえで、重要な時期の記録として扱える作品である。
トラックリスト
- A1 – Kóbor Angyal
- A2 – Nem Tudom
- A3 – Az Idö Nekünk Dolgozik
- A4 – A Dal
- B1 – Túl Nagyra Nöttél
- B2 – Vágyakozás
- B3 – Gyere Szorits Erösen
- B4 – Más Helyen Keress
- B5 – Amikor Veled Vagyok