Icehouse – Primitive Man (1982)

Icehouse『Primitive Man』について

Icehouseの『Primitive Man』は、1982年9月に発表された2作目のアルバムで、バンド名をIcehouseに改めた後の早い時期の作品だ。オーストラリア出身のグループとして出発し、初期にはFlowers名義で活動していたが、1981年にChrysalisと契約したのを機に現在よく知られるIcehouseへと改名している。もともとRoxy MusicやT. Rex、David Bowie系の流れを演奏していたという背景もあり、このアルバムにもそうした80年代初頭の洗練されたロックとシンセポップの感触が見える。

作品の位置づけ

『Primitive Man』は、Icehouseにとって初期の代表作のひとつとして扱われることが多い。デビュー作『Icehouse』から続く流れの中で、より広いリスナーに届いた時期の作品であり、バンドの名前と音楽性を結びつける役割も大きい。後年、英国盤では1983年に『Love In Motion』として再発されている。

サウンドの印象

収録音の中心にあるのは、シンセサイザーの輪郭がはっきりしたポップ・ロックだ。電子音の質感を前に出しつつ、バンド演奏の芯も残していて、ニュー・ウェイヴ期らしい整った作りになっている。Iva Daviesのボーカルは、押し出しの強さよりも、線の細さと抑えた表情で曲を運ぶタイプで、曲ごとの温度差をあまり大きくしないまま進んでいく。

同時代の文脈で見ると、Roxy Music以降の都会的なロック感覚と、80年代前半のシンセポップの整理された音作りが近い。ニュー・ウェイヴ、ポップ・ロック、シンセポップの接点に置けるアルバムだと言える。

代表曲・注目曲

このアルバムを語るうえでは「Hey Little Girl」が外せない。Icehouseの代表曲として知られ、後の活動を見ても重要な位置にある楽曲だ。もうひとつ「Great Southern Land」もよく挙げられる曲で、バンドの名前を広めた楽曲群の中でも存在感がある。どちらも、シンセのフレーズと歌の運びが明確で、1982年という時期の音像をよく示している。

メンバーについて

クレジットにはIva Daviesを中心に、Simon Lloyd、John Lloyd、Keith Welsh、Michael Hoste、Andy Qunta、Robert Kretschmer、Paul Wheelerらの名前が並ぶ。Icehouseは時期によって参加メンバーの変動が大きいグループで、このアルバムのクレジットからも、固定的なバンドというより制作体制を含む流動的な編成が見えてくる。

まとめ

『Primitive Man』は、IcehouseがFlowers時代からIcehouseへ移行した後の代表的な初期作品で、1982年当時のシンセポップ/ニュー・ウェイヴの空気をまとったアルバムだ。派手さよりも曲構成と音の整理に重心があり、代表曲「Hey Little Girl」や「Great Southern Land」を通して、バンドの初期像をつかみやすい一枚になっている。

トラックリスト

  • A1 – Uniform (4:09)
  • A2 – Street Cafe (4:22)
  • A3 – Hey’ Little Girl (4:10)
  • A4 – Glam (3:18)
  • A5 – Great Southern Land (5:14)
  • B1 – Trojan Blue (4:59)
  • B2 – Love In Motion (3:34)
  • B3 – Mysterious Thing (4:21)
  • B4 – One By One (3:57)
  • B5 – Goodnight, Mr. Matthews (3:57)

関連動画

2026.09.25
この記事をシェア