B-Movie – Forever Running (1985)
B-Movie『Forever Running』について
B-Movieは、1978年にイングランドのマンズフィールドで結成されたニューウェーブ・グループで、地元のパンク・バンド The Aborted の流れから生まれたバンドだ。最初は地元の美容院の名前に由来する Studio 10 を名乗っていたという経歴もあり、80年代初期の英国シンセ・ポップの流れの中で存在感を残したグループとして知られている。
『Forever Running』は1985年に登場した作品で、B-Movieの作品群の中でも、バンド名義のアルバムとして確認しやすい節目のひとつだ。Electronic、Synth-pop の文脈に置かれる音で、当時のシンセ主体のバンドが持っていた、機械的なリズムとメロディ重視の組み立てが核になっている。
作品の位置づけ
B-Movieは、初期のシングル群でシーンに名前を残したバンドだが、『Forever Running』は、その流れをアルバム単位で追うときに重要なタイトルになる。Paul Statham、Steve Hovington、Rick Holliday を中心とした編成で知られ、80年代前半の英国ニューウェーブ/シンセ・ポップの空気を背景にしながら、バンドとしての輪郭をまとめた一枚という見方がしやすい。
同時代の文脈では、Depeche Mode、The Human League、OMD などと並べて語られることがあるタイプの作品だが、B-Movieはよりコンパクトな編成感と、ギターとシンセの接点を残したサウンドで印象づけるバンドとして扱われることが多い。
代表曲として触れられることの多い曲
B-Movieを語るときは、後年まで知られるシングル曲の存在が大きい。特に「Nowhere Girl」は、このバンドを代表する楽曲としてよく挙がる。『Forever Running』を聴くときも、そうした初期から続くメロディの感触や、冷たさだけに寄らない歌の運びが、バンドの持ち味として見えやすい。
音の印象
この時期のB-Movieは、打ち込み的な硬さだけではなく、歌の輪郭を前に出す作りが印象に残る。シンセの音色が前景にありつつ、リズムは過度に密度を上げすぎず、楽曲のフレーズを追いやすい。80年代前半の英国シンセ・ポップらしい構成で、派手さよりも曲の並びと歌の通り方で聴かせるタイプの作品として受け取られやすい。
実際に聴くと、バンドの中にあるポスト・パンク由来の緊張感と、ポップとしての分かりやすさが同居しているのが分かる。ニューウェーブの中でも、ダンス寄りに振り切るというより、バンド演奏の感触を残しながら電子音を重ねていく作りだ。
盤について
このUS盤は Allied プレスで、内側のプレスリングのサイドAに黒い「A」のエンボスがある点が特徴として挙げられている。マトリクス表記は、角括弧内がスタンプ、それ以外がエッチングとされている。
1985年のオリジナル作品として見ると、『Forever Running』はB-Movieの80年代シンセ・ポップ路線を押さえるうえで重要な一枚だ。バンドの初期シングルを知る人には、その延長線上のまとまりとして、また80年代英国ニューウェーブを追う人には、同時代の空気を反映した作品として見えてくる。
まとめ
『Forever Running』は、B-Movieのバンド像を端的に示す1985年作だ。ニューウェーブとシンセ・ポップの間にある質感、代表曲「Nowhere Girl」で知られるバンドのメロディ感、そして80年代半ばらしい電子音主体の構成が、この作品の軸になっている。
トラックリスト
- A1 – Forever Running (5:03)
- A2 – Heart Of Gold (4:09)
- A3 – My Ship Of Dreams (4:03)
- A4 – Just An Echo (4:34)
- A5 – Remembrance Day (4:06)
- B1 – Switch On-Switch Off (4:04)
- B2 – Blind Allegiance (5:00)
- B3 – Arctic Summer (4:47)
- B4 – Nowhere Girl (4:40)