Neuronium – In Concert – From Madrid To Heaven (1988)
Neuronium『In Concert – From Madrid To Heaven』について
Neuroniumは、スペイン・バルセロナを拠点に活動してきた電子音楽グループだ。1976年にMichel Huygen、Carlos Guirao、Albert Giménezの3人で結成され、初期はEMI-Harvestからアルバムを発表している。その後はメンバーの変遷を経ながら、Huygenを軸に活動が続いていく。本作『In Concert – From Madrid To Heaven』は、1988年にUKでリリースされたライヴ作品で、Madrid Planetariumでの演奏を収めた一枚である。
作品の位置づけ
1987年10月3日にマドリードのプラネタリウムで録音された内容で、1988年に初出。Neuroniumの活動史の中では、スタジオ作品とは違う空気を記録したライヴ盤として位置づけられる。1980年代後半のNeuroniumは、Michel HuygenとSanti Picoを中心とする編成が続いていた時期で、この作品もそうした流れの中にある。
Neuronium自身は、自分たちの音楽を「psychotronic music」「cosmic electronic music」と表現してきた。本作もその呼び名に沿うように、電子音の持続や空間の広がりを前面に出した内容として捉えられる。タイトルにある「From Madrid To Heaven」も、会場のプラネタリウムという環境と結びついた言葉に見える。
サウンドの特徴
ジャンル表記はElectronic、スタイルはNew Age、Electro、Ambient。Neuroniumの作品群の中でも、シンセサイザーのレイヤーや持続音、ゆるやかな展開を重ねるタイプの音楽として知られている。スタジオ録音よりも、ライヴならではの時間の流れや、その場の響きが前に出やすいタイプの作品と考えられる。
この時期のヨーロッパ電子音楽の文脈では、VangelisやTangerine Dreamのようなシンセ主体の表現と並べて語られることがある。ただしNeuroniumは、より内省的で、空間の静けさを意識した方向に寄る印象が強い。プラネタリウム録音という条件も、その性格をはっきりさせている。
メンバーとグループ史
クレジット上のメンバーはMichel Huygen、Santi Pico、Carlos Guirao、Albert Giménez。グループの中心人物はHuygenで、1980年代以降のNeuroniumは彼のプロジェクトとして認識されることが多い。Santi Picoは後期の主要な協力者として長く関わり、ライヴでも存在感を持つ。
初期のNeuroniumは、1977年の『Quasar 2C361』、1978年の『Vuelo Quimico』で注目され、その後も『Digital Dream』『The Visitor』『Chromium Echoes』と作品を重ねていく。本作はそうした流れを踏まえたうえで、ライヴという形式で当時の到達点を示した記録盤と言える。
リリース情報と盤の特徴
1988年リリースのUK盤で、ジャケットやクレジットには「℗ © MCMLXXXVIII The Magnum Music Group」「Made in England」とある。録音は1987年、発売は1988年。オリジナルの時点でライヴ盤として出た作品であり、後年の再発ではなく、その年の作品として扱われる一枚である。
まとめ
『In Concert – From Madrid To Heaven』は、Neuroniumの電子音楽をライヴ空間で記録した1988年作だ。プラネタリウムでの録音という条件も含めて、スタジオ盤とは違う聴感を持つ作品として残っている。バルセロナ発のグループが、80年代後半にどのような音像を鳴らしていたかを示す記録、そんな位置づけのアルバムである。
トラックリスト
- A1 – Part 1 (16:51)
- A2 – Part 2 (4:39)
- B1 – Part 3 (12:03)
- B2 – Part 4 (15:47)