Latitude – 40° North (1987)
Latitude『40° North』について
Latitudeの『40° North』は、1987年に登場した作品。アーティストはUSAとカナダにまたがるクレジットで、メンバーはCraig PeytonとBen Verderyの2名。ジャンル表記はElectronic、Folk、World、& Country、スタイルはNew Ageとなっている。タイトルからも伝わる通り、地理や方角のイメージを持った作品名で、内容もそうした広がりを感じさせる流れになっている。
作品の位置づけ
1980年代後半のNew Age周辺の作品として見ると、シンセサイザーを中心にした音作りと、アコースティック楽器の質感を組み合わせた流れの中にある1枚。Craig PeytonとBen Verderyという2人の名前が前面に出ている点からも、演奏を軸にした作品として受け取れる。電子的なレイヤーとフォーク寄りの響きが並ぶ構成で、当時のNew Age作品に見られる整った音の配置が印象に残るタイプ。
聴きどころ
実際に耳を傾けると、音の立ち上がりが急ではなく、ひとつひとつの音が前に出すぎない作りが目につく。ギターの輪郭と電子音の背景が分かれすぎず、同じ空間に収まっている感じがある。派手な展開で押すより、音色の重なりと余白で進む作りで、長めに聴いても流れが崩れにくい印象。New Age作品にありがちな“雰囲気だけ”に寄りすぎず、演奏の手触りが残るところがこの盤の特徴といえそうだ。
1987年という時代感
1987年は、シンセサイザーやクリーンな録音が広く浸透していた時期でもあり、New Ageやインストゥルメンタル作品が一定の存在感を持っていた時代。『40° North』も、その流れの中で、電子音を使いながらもアコースティックな要素を残す作りになっている。周辺ジャンルの作品と比べると、同時代のスムーズなシンセ主体の作品よりも、楽器の音そのものを聴かせる側に寄っているように感じられる。
盤としての情報
この盤はUSAとカナダでリリースされた作品で、盤面の表記としては「Printed and manufactured in Canada」とある。1987年のオリジナル期のリリースとして扱える1枚。北米圏で流通したタイトルらしい仕様で、印刷・製造がカナダという点も当時のプレス事情を反映している。
総じて
『40° North』は、電子音とアコースティック楽器の接点に置かれた1987年のNew Age作品。Craig PeytonとBen Verderyの演奏を軸に、音の流れと質感を重視した作りが見える。大きなヒット曲を前面に出すタイプではなく、アルバム全体のまとまりで聴かせる内容。時代の空気と演奏中心の設計、その両方が見える一枚。
トラックリスト
- A1 – Trust (6:23)
- A2 – Al Campo De Paco (6:07)
- A3 – She Slowly (5:30)
- A4 – There’s A Hole In The Ozone (5:01)
- B1 – 40° North (3:59)
- B2 – The Champ (5:19)
- B3 – Pilot (5:42)
- B4 – Partial Recall (4:43)
- B5 – Mombasa (5:11)
関連動画
Tangerine Dream – Tangram (1980)
Tangerine Dream『Tangram』
1980年に発表された、Tangerine Dreamのアルバム。ベルリン・スクールを代表する電子音楽グループとして知られる彼らが、シーケンサーを軸にした構成をさらに前へ進めていった時期の作品である。電子音楽、ニューエイジ、アンビエントの流れの中で語られることの多い一枚。
作品の位置づけ
Tangerine Dreamは、1967年にベルリンで結成された。初期は実験性の強い演奏から始まり、のちにシンセサイザーとシーケンサーを中心とする編成へ移行していく。1970年代半ばには独自のスタイルを確立し、80年代に入るとリズム感や構成の明快さが前面に出るようになった。『Tangram』は、その流れの中にある作品で、Johannes Schmöllingが加わった編成によるアルバムとして知られる。
サウンドの特徴
この時期のTangerine Dreamらしく、電子音のレイヤーと反復するシーケンスが中心にある。音の輪郭は比較的はっきりしていて、リズムの推進力も感じやすい構成。空間を広く使う鍵盤の響き、細かく動くフレーズ、持続音の重なりが、曲の流れを作っていく。録音の雰囲気も含めて、70年代後半の内省的な質感から、やや整理された印象へ移っていく段階の作品と言える。
時代背景
80年代初頭の電子音楽は、シンセサイザーの普及とともに表現の幅が広がっていった時期でもある。Tangerine Dreamはその中で、ロックの文脈と電子音楽の文脈をまたぎながら活動していた。『Tangram』は、そうした流れの中で、バンドのサウンドがより構築的になっていく局面を示すアルバムとして捉えられる。
補足
- アーティスト: Tangerine Dream
- タイトル: Tangram
- オリジナルリリース年: 1980年
- ジャンル: Electronic
- スタイル: New Age, Ambient
- リリース国: Japan
ベルリン・スクールの流れをたどるうえでも、Tangerine Dreamの80年代初頭を確認するうえでも、ひとつの節目に置かれる作品である。
トラックリスト
- A Tangram Set 1
- B Tangram Set 2