Tangerine Dream – Ricochet (1975)

Tangerine Dream - Ricochet

Tangerine Dream『Ricochet』

『Ricochet』は、Tangerine Dreamが1975年に発表した作品。Berlin Schoolの代表的な電子音楽グループとして知られる彼らが、シンセサイザーとシーケンサーを軸にした音作りを前面に出していた時期の一枚である。

バンドは1967年にベルリンで結成され、Edgar Froeseを中心に、Klaus Schulze、Christopher Franke、Peter Baumannらを含む編成の変遷を重ねてきた。『Ricochet』は、そうした流れの中で、電子音楽の輪郭をロックの文脈へ押し出していた時代の作品として位置づけられる。

サウンドの印象

この作品では、反復するシーケンスと持続音が土台になっている。明確なビートで押し切るというより、細かく刻まれるパターンが少しずつ形を変えながら進んでいく構成。音の重なりは多いが、演奏の密度で圧迫するというより、空間の広がりを残した録音の雰囲気が印象に残る。

AmbientとBerlin-Schoolの要素が並ぶ通り、リズムは前に出すぎず、むしろ脈動のように機能している。シンセの質感も、冷たさだけに寄らず、揺れや残響を含んだものとして扱われている感じがある。

当時の文脈

1970年代半ばのTangerine Dreamは、Krautrockの実験性を背景にしつつ、シンセサイザー中心の電子音楽を広く知らしめた存在として語られることが多い。『Ricochet』もその流れの中にあり、同時代のプログレッシブ・ロックや実験音楽とも地続きの位置にある作品といえる。

この時期の彼らは、空間的な広がりと反復の組み合わせを通して、後の電子音楽にもつながる語法を固めていた。『Ricochet』は、その手触りを比較的端的に示すタイトルのひとつとして見られている。

作品の位置づけ

Tangerine Dreamのディスコグラフィーの中では、1970年代中盤の充実を示す一枚。バンドの電子音楽的な方法論が、かなり明確な形で表れている時期の記録である。

  • アーティスト: Tangerine Dream
  • タイトル: Ricochet
  • オリジナル・リリース年: 1975年
  • ジャンル: Electronic
  • スタイル: Ambient, Berlin-School

トラックリスト

  • A Ricochet (Part One) (17:02)
  • B Ricochet (Part Two) (21:13)

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2026.05.09