Chad & Jeremy – Before And After (1965)

Chad & Jeremy『Before And After』について

Chad & Jeremyは、Chad StuartとJeremy Clydeによるイギリスのデュオで、1960年代前半にロンドンで結成された。フォーク寄りの歌声と、ポップ・ソングとしてのまとまりを両立させたグループとして知られ、1960年代の英米ポップスの流れの中で存在感を残した組み合わせでもある。

『Before And After』は1965年に発表された作品で、彼らの初期から中期にかけての活動を示す1枚。1981年盤として日本で出たこのレコードは、オリジナルの時代感をそのまま持ちながら、日本盤として再び手に取れる形になったものといえる。

作品の位置づけ

Chad & Jeremyは、ビート・グループ的な勢いよりも、2人のハーモニーと整ったアレンジで聴かせるタイプのデュオだった。英米のポップスがフォークやシンガー・ソングライター的な感覚へ広がっていく時代の中で、彼らの音楽はその流れにきれいに収まる。

1965年という時期は、ブリティッシュ・インヴェイジョン以後のポップスが多様化していた頃で、同時代にはThe BeatlesやThe Searchers、Herman’s Hermitsのような英国勢がラジオをにぎわせていた。Chad & Jeremyはその中でも、派手さよりも歌の輪郭を見せる方向に立っていたデュオだと言える。

聴きどころ

この作品の魅力は、2人の声が重なるときのまとまりにある。高低の分担がはっきりしていて、メロディを無理に押し出さず、言葉の流れを保ったまま進むところが特徴的だ。演奏面でも、フォーク系の響きとポップ・ソングとしての明快さが前に出る。

実際に耳にすると、音数で押すのではなく、歌とフレーズの整理で聴かせるタイプのアルバムだと感じやすい。曲ごとの輪郭がはっきりしていて、デュオ作品としてのまとまりがある。

代表曲・知られた曲との関係

Chad & Jeremyといえば、一般には「Yesterday’s Gone」や「A Summer Song」がよく知られている。『Before And After』も、そうした彼らの代表的な持ち味、つまり柔らかなハーモニーとメロディ中心の作りを確認できる作品のひとつとして見られる。

大きなヒット曲を並べて聴くと、彼らが60年代のポップスの中でどの位置にいたかが分かりやすい。強いリズムやロック的な押し出しよりも、歌そのものを前に出すスタイルである。

1981年盤としての見方

このレコードは1981年に日本で出ているため、初出当時の空気をそのまま背負ったオリジナル盤とは、流通の文脈が少し異なる。日本盤としては、当時の洋楽再評価の流れの中で、60年代デュオの作品に触れられる形になっている。

再発盤として見ると、オリジナル時代の録音を別の年代にもう一度聴くための窓口という性格が強い。音楽そのものは1965年のままでも、レコードとしての受け止められ方は1981年の日本のリスナーに向けたものになっている。

まとめ

『Before And After』は、Chad StuartとJeremy Clydeの2人組らしい、端正な歌とハーモニーを軸にした作品。1960年代英国ポップスの流れの中で、フォークの要素とポップな明快さを両立させたデュオの持ち味がよく見える1枚だ。Chad & Jeremyの代表的なイメージを、アルバム単位で確かめるにはわかりやすい存在になっている。

トラックリスト

  • A1 – Before And After (2:37)
  • A2 – Why Should I Care (2:43)
  • A3 – For Lovin’ Me (2:13)
  • A4 – I’m In Love Again (2:33)
  • A5 – Little Does She Know (2:52)
  • A6 – Tell Me Baby (3:12)
  • B1 – What Do You Want With Me (2:53)
  • B2 – Say It Isn’t True (1:58)
  • B3 – Fare Thee Well (2:08)
  • B4 – Evil-Hearted Me (2:11)
  • B5 – Can’t Get Used To Losing You (1:59)

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2026.08.22
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