Flue – Vista (1983)
Flue『Vista』について
Flueはオランダ出身のポストパンク・バンドで、1980年代に活動したグループだ。Torsoから作品を発表しており、冷たい質感のあるニューウェイヴ寄りのサウンドと、抑制の効いたメロディ、暗めの空気感をあわせ持つバンドとして知られている。
『Vista』は1983年にオランダで出た2作目のアルバムで、Flueにとっては1981年の『One and a Half』に続く長編作品になる。盤の仕様としては、黒白ラベルのオリジナル盤で、見開きジャケットという形態だ。
作品の位置づけ
Flueのディスコグラフィーはアルバム2枚が中心で、『Vista』はその後期にあたる1枚。バンドの音楽性をそのまま詰めたような位置にある作品として見てよさそうだ。プロフィール上でも、電子的な要素とロックの骨格を持ちながら、ニューヴェイヴやアートロックの要素に触れている。
メンバーはEdward Gijsen、Judith Smorenberg、Cor Bolten、Hans Wegman、Jerome Scharenborgの編成。ギター、シンセ、ベース、ドラムという基本構成に、シンセが前に出る場面もあるタイプのバンド像が浮かぶ。
サウンドの印象
実際に耳にすると、派手に押し切るというより、低めのテンションで進む楽曲が印象に残る。リズムは必要以上に前へ出ず、ギターとシンセが空間を詰めすぎないまま並ぶ感触がある。冷えた質感の中に、旋律がきちんと残る作りだ。
同時代のオランダ勢や、広い意味でのヨーロッパのコールドウェイヴ、ニューウェイヴと並べて語られることがあるのも納得しやすい。たとえば、硬質なリズム感や抑えた歌い回し、陰影のあるアレンジに耳が向くタイプだ。
『One and a Half』との関係
Flueのアルバムは『One and a Half』と『Vista』の2枚のみで、どちらもオリジナルはレコードのみの発表だ。現在は入手が難しい部類とされている。後年、『One and a Half』はデジタル・リマスターされ、7曲のボーナストラック付きで再発されているが、『Vista』はオリジナルの1983年盤が作品の基本形になる。
そのため、『Vista』はバンドの活動を追ううえで重要な一枚というより、Flueというグループの輪郭をそのまま示す記録に近い。初期ヨーロッパ・ポストパンクの空気を、オランダのローカルな文脈で聴ける作品でもある。
まとめ
『Vista』は、Flueの2作目にして最後のアルバム。Torso所属のオランダ産ポストパンクとして、冷たい質感と控えめなメロディを軸にした作品だ。黒白ラベルの見開きジャケットで出た1983年のオリジナル盤が、そのまま作品の代表的な形になっている。
トラックリスト
- A1 – Esmafarja (5:52)
- A2 – Some-Times (4:52)
- A3 – Legacy (3:15)
- A4 – Prolusion (4:31)
- B1 – Topic (5:18)
- B2 – Refuge (3:57)
- B3 – Passionate (4:28)
- B4 – Hermit (4:13)