New England – Explorer Suite (1980)
New England『Explorer Suite』について
New Englandは、ボストン出身のロック・バンドで、Infinity Recordsからデビューした4人組だ。『Explorer Suite』は1980年に出た作品で、同バンドの初期像を知るうえでの1枚にあたる。メンバーはJimmy Waldo、John Fannon、Gary Shea、Hirsh Gardner。いわゆるAOR寄りのポップ・ロックと、少し組曲的な構成を感じさせるプログレッシブ・ロックの要素が同居するタイプのバンドとして知られる。
バンドのプロフィールをたどると、デビュー作ではシングル「Don’t Ever Wanna Lose Ya」が小ヒットを記録し、一定の注目を集めた。その後、レーベル事情もあって活動環境が変わり、後年のアルバムへつながっていく。そうした流れの中で見ると、『Explorer Suite』は、彼らがまだ勢いと試行錯誤の両方を持っていた時期の記録として位置づけられる。
作品の印象
実際の音像は、きっちり整えられたハードさよりも、メロディーの分かりやすさとバンド演奏のまとまりを前に出した仕上がりに感じられる。ギター、キーボード、コーラスの重なりが曲の推進力を作っていて、アメリカン・ロックらしい明快さの中に、少しだけ展開の多い構成が入るところがこのバンドらしいところだ。
同時代の文脈でいうと、BostonやStyxのようにメロディーと演奏の密度を両立させる80年前後のロックの流れの中に置いて考えやすい。New Englandはその中でも、よりストレートなロック感と、部分的にプログレ的な組み立てを持つバンドとして扱われることが多い。
収録内容と8曲構成
この盤は8曲入り。曲数が少なめなぶん、1曲ごとの輪郭がはっきり出やすい構成だ。大作志向というより、各曲のフックやリフ、コーラスの作り方で聴かせるタイプのアルバムと言える。
- 8曲構成
- ロックを基盤にしたポップな旋律
- 要所で組曲的な流れを感じる場面
代表曲について
New Englandを語るときは、やはりデビュー期の「Don’t Ever Wanna Lose Ya」が外しにくい。Top 40入りしたシングルとして知られ、バンドの名前を広めた曲だ。『Explorer Suite』の時点でも、そうしたメロディーの強さはバンドの核として残っているはずで、シングル向きの押し出しとアルバム全体のまとまりが両立しているのが特徴になっている。
リリース情報とこの盤の見どころ
オリジナルは1980年のUSリリース。バンドの初期活動期に出た作品で、当時のアメリカン・ロックの空気をそのまま閉じ込めたような時期の記録だ。プロモーション用の盤として流通したものは、一般流通盤と比べて扱いが異なることがあるが、作品そのものは1980年のアルバムとして見るのが自然だ。
New Englandはその後のアルバムがあまり広く成功したわけではないため、初期作である本作には、バンドが外へ向けて打ち出していた輪郭が比較的素直に出ている。ボストン周辺のハードめなメロディー・ロックの流れを追うときにも、ひとつの参照点になる作品だ。
まとめ
『Explorer Suite』は、New Englandの初期の持ち味であるメロディー重視のロックと、少し構成を意識した作りが見える1980年作だ。ヒット曲で知られるバンドの出発点に近い位置の作品として、またボストン周辺のアメリカン・ロックの一角として、静かに確認しておきたい1枚と言える。
トラックリスト
- A1 – Honey Money
- A2 – Livin’ In The Eighties
- A3 – Conversation
- A4 – It’s Never Too Late
- A5 – Explorer Suite
- B1 – Seal It With A Kiss
- B2 – Hey You’re On The Run
- B3 – No Place To Go
- B4 – Searchin’
- B5 – Hope
- B6 – You’ll Be Born Again