Siouxsie & The Banshees – Join Hands (1979)
Siouxsie & The Banshees『Join Hands』について
『Join Hands』は、Siouxsie & The Bansheesが1979年9月に発表した2作目のスタジオ・アルバムです。ロンドンのAir Studiosで録音され、Mike StavrouとNils Stevensonがプロデュースを担当しています。Siouxsie Siouxの歌、Steven Severinのベース、John McKayのギターとサックス、Kenny Morrisのドラムという編成でまとまった、初期バンシーズの輪郭がはっきり出た作品です。
バンドの初期像が強く出た2作目
Siouxsie & The Bansheesは1976年、ロンドンで結成されたU.K.バンドです。パンクの時代に登場しながら、単純な勢いだけでは終わらない編曲や音の間を持ち込んでいったグループとして知られています。『Join Hands』は、その初期の方向性がさらに整理された時期の作品で、後年のゴシック・ロック文脈でも語られることの多い一枚です。
この時期のバンドは、Siouxsie Siouxの声と存在感、Steven Severinの低音、John McKayのギターの硬さ、Kenny Morrisのリズムがぶつかり合う形で成立している。派手な装飾を前に出すというより、演奏の緊張感そのものが曲の骨格になっている印象です。
収録曲とアルバムの性格
収録曲はバンド自身の作曲が中心で、「Poppy Day」は第一次世界大戦の詩「In Flanders Fields」の冒頭2連をもとにしたもの、「O Mein Papa」はPaul Burkhardの楽曲を下敷きにしたものです。こうした選曲や引用の仕方からも、この時期のBansheesが単なるロック・バンドというより、言葉やイメージの扱いにこだわる存在だったことがうかがえます。
中でも「The Lords Prayer」は、同名の祈りの文句だけでなく、Bob Dylan「Knockin’ On Heaven’s Door」やDillinger「Cocaine In My Brain」、さらにはJohn KanderとFred Ebbの「Tomorrow Belongs To Me」などのフレーズを引用していることがクレジット上でも示されています。曲の素材をつなぎ合わせる発想が見える一曲です。
シングル曲「Playground Twist」
本作に先行して、1979年7月にはシングル「Playground Twist」が発売されています。アルバムの中でも代表曲として扱われやすい一曲で、初期Bansheesらしい不穏さとリズムの硬さが前に出たナンバーです。アルバム全体の空気をつかむ入口としても機能している曲といえるでしょう。
同時代の文脈
1979年という時期を考えると、パンクの熱が落ち着き、その先の音像を探る動きが各地で進んでいた頃です。Siouxsie & The Bansheesもその流れの中で、単純なスピードや荒さより、空間の使い方や反復の強さを前に出していきます。後のゴシック・ロックの雰囲気を先取りした存在として語られることが多いのも納得しやすい作品です。
同時代のバンドと比べると、Joy Divisionのような陰影の強いバンドや、The Cureの初期に通じる緊張感と並べて語られることもあります。ただ、『Join Hands』はそうした後続のバンドと比べても、Siouxsie Siouxの声の置き方と、John McKayのギターの切り込み方がかなり独特です。
日本盤について
今回の日本盤は、帯付きで、4ページの歌詞・解説インサートが付属する仕様です。1979年オリジナルのアルバムを、日本盤として当時の形で聴ける一枚という位置づけです。初期Bansheesのアルバムを、当時の国内リリースの体裁で手にできる点も資料性があります。
まとめ
『Join Hands』は、Siouxsie & The Bansheesの2作目として、初期衝動だけではない構成感と、後のゴシック・ロックへつながる要素を早い段階で示したアルバムです。歌詞の引用、戦争詩に由来する題材、先行シングル「Playground Twist」など、作品の輪郭をつかむ材料も多い。1979年のU.K.ロックの流れの中で見ても、かなり印象の残るタイトルです。
トラックリスト
- A1 – Poppy Day (2:01)
- A2 – Regal Zone (3:46)
- A3 – Placebo Effect (4:38)
- A4 – Icon (5:27)
- A5 – Premature Burial (5:58)
- B1 – Playground Twist (3:00)
- B2 – Mother/Oh Mein Papa (3:24)
- B3 – The Lords Prayer (14:10)