Triana – Triana (1981)
Triana『Triana』について
スペインのアンダルシア・ロックを代表するTrianaが、1981年に発表したアルバム『Triana』。バンド名と同じタイトルを冠した作品で、グループのディスコグラフィーの中でも、いわば自己名義を前面に出した一枚として位置づけられる。リリース元はMovieplay、国はスペイン。盤としても1981年のオリジナル・リリースで、内袋の印刷物と3枚のインサートが付属する仕様になっている。
Trianaというバンドの背景
Trianaは1974年、セビリアで結成された。アンダルシア由来の旋律感覚と、当時のロック、特にプログレッシブ・ロックの語法を結びつけたグループとして知られる。中心人物はJesús de la Rosa、Juan José Palacios “Tele”、Eduardo Rodríguez Rodwayの3人で、のちにトリオ編成を軸に活動していく。
もともとの出発点には別名義のバンドがあり、そこからメンバーの入れ替わりを経てTrianaへつながっていく。Jesús de la Rosaがベース兼ヴォーカルとして加入したのち、Crosby, Stills & Nashを思わせるようなコーラス感のある編成から、やがてTrianaの独自の形へまとまっていった、という流れが重要だろう。
1981年作としての位置づけ
Trianaは1970年代後半から1980年代初頭にかけて、アンダルシア・ロックの象徴的存在となっていく。その中で本作『Triana』は、活動の後期にあたるアルバムのひとつで、バンド名をそのままタイトルにした点からも、グループの輪郭を強く意識した作品として見えやすい。
1983年にはJesús de la Rosaが交通事故で死去し、バンドの活動は大きな区切りを迎える。そうした意味では、1981年の『Triana』は、オリジナル期のTrianaを追ううえで後半戦の記録として押さえたい一枚になる。
音楽性とジャンルの文脈
ジャンル表記はRock、スタイルはProg Rock。Trianaの音楽は、英米のプログレッシブ・ロックに近い組み立てを持ちながら、スペイン語の歌唱と南スペインの空気感を前面に出すところに特徴がある。派手な技巧の誇示というより、曲の流れや歌の抑揚を軸に聴かせるタイプのバンドとして語られることが多い。
同時代のスペイン・ロックの中では、Rafael BerrioやAsfalto、Bloqueといったバンド群と並べて語られることがある一方で、Trianaは特にアンダルシア色の強さで区別される存在だろう。フラメンコ由来の感触をロックに持ち込んだ点で、後年のスペイン語圏ロックにも影響を残したバンドとして扱われることが多い。
作品の聴きどころとして
実際の音像としては、ギター、キーボード、ベース、ドラムが前に出すぎず、歌を中心にまとまる作りが印象に残りやすい。Trianaの作品は、長い展開で押し切るというより、旋律の運びとスペイン語の響きで引っ張る場面が目立つため、プログレの文脈にありながらも、曲単位でのわかりやすさを持つ。
この時期のTrianaを聴くと、派手なサウンド実験よりも、バンドとしての定着感、つまり「Trianaという音」がどこまで固まっていたかが見えやすい。バンド名をそのままタイトルにしたことにも、その自意識が表れているように思える。
代表曲やヒット曲について
Triana全体の代表曲としては、一般に『Tu frialdad』や『Abre la puerta』などがよく挙げられるが、本作『Triana』については、アルバム全体で聴かれる性格が強い。少なくとも、バンドのキャリア全体を代表する定番曲がこの一枚に集中している、というタイプではない。
オリジナル盤としての情報
- アーティスト: Triana
- タイトル: Triana
- リリース年: 1981年
- 国: スペイン
- レーベル表記: ℗ 1981 Movieplay
- 仕様: 印刷された内袋、3枚のインサート付き
オリジナル盤ならではの付属物が確認できるのは、コレクション面でも興味深いところだろう。インサート類を含めて作品世界を補完する、当時のLPらしい作りになっている。
まとめ
『Triana』は、スペインのアンダルシア・ロックを代表するバンドTrianaが1981年に残した、後期のスタジオ作。プログレッシブ・ロックの枠組みを持ちながら、スペイン語の歌と南部の色合いを軸にしたバンドの個性が、そのまま反映された一枚として見てよさそうだ。バンド名をタイトルにした点も含めて、Trianaというグループの輪郭をあらためて示す作品になっている。
トラックリスト
- A1 – Un Mal Sueño (4:40)
- A2 – Es Algo Tan Maravilloso (4:04)
- A3 – Una Vez (4:12)
- A4 – Y Qué Voy A Hacer Con Tu Sonrisa (4:39)
- B1 – Una Noche De Amor Desesperada (5:10)
- B2 – Por El Camino (6:49)
- B3 – Corre (4:30)
関連動画
- TRIANA – UN MAL SUEÑO (TRIANA – 1981)
- TRIANA – ES ALGO TAN MARAVILLOSO (TRIANA – 1981)
- TRIANA – UNA VEZ (TRIANA – 1981)
- TRIANA – Y QUE VOY A HACER CON TU SONRISA (TRIANA – 1981)
- TRIANA – UNA NOCHE DE AMOR DESESPERADA (TRIANA – 1981)
- TRIANA – POR EL CAMINO (TRIANA – 1981)
- TRIANA – CORRE (TRIANA – 1981)