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Sally Oldfield – Easy (1979)

マイク・オールドフィールドの不朽の名作『チューブラー・ベルズ』での神秘的なヴォイスや、初期フォーク・デュオ「サリ・アンジー(The Sallyangie)」での活動を経て、1stソロ『ウォーター・ベアラー(Water Bearer)』でトールキンの幻想世界を見事に描き出したサリー・オールドフィールド(Sally Oldfield)。彼女が名門Bronze Recordsより1979年に放った2ndアルバム『Easy』は、前作の幽玄なアシッド・フォークの叙情性を引き継ぎながら、洗練されたアコースティック・ポップ/アート・ロックの華麗なアンサンブルへと飛翔を遂げた傑作である。

アシュリー・ハウの手腕と、若きハンス・ジマーを含む豪華な演奏陣

ユーライア・ヒープ等を手掛けたブロンズ・レーベルの名伯楽アシュリー・ハウ(Ashley Howe)とサリー自身の共同プロデュースのもと、ロンドンのラウンドハウス・スタジオで録音された本作。バッキングを務めるミュージシャンの顔ぶれは、当時の英国セッション界の頂点を極めた錚々たる名手ばかりだ。

スカイ(Sky)のギタリストとして名を馳せるケヴィン・ピーク、デヴィッド・ボウイやルー・リードの名演で知られる伝説的名手ハービー・フラワーズ(ベース)、名パーカッショニストのフランク・リコッティに加え、実兄テリー・オールドフィールドがフルートで参加。さらに注目すべきは、のちに映画音楽の世界的巨匠となる若き日のハンス・ジマー(Hans Zimmer)がストリングス・シンセサイザーのプログラミングを手掛けている点であり、精緻を極めた音響空間に瑞々しい広がりを与えている。

銀鈴の歌声が紡ぐ「You Set My Gypsy Blood Free」から、洗練の表題曲へ

ケイト・ブッシュやジョニ・ミッチェルとも比肩される、透き通るようなクリスタル・ヴォイスと重層的なセルフ・ハーモニーは本作でも圧倒的な輝きを放つ。生命の輝きを高らかに歌い上げる「The Sun In My Eyes」や、ジプシーの旅情をアコースティック・スウィングに乗せた「You Set My Gypsy Blood Free」では、彼女の詩的イマジネーションが軽やかに躍動する。

ヴィブラフォンの煌めきと都会的なグルーヴが心地よい表題曲「Easy」の洒脱なポップ・センス、そしてB面に配された「Hide And Seek」で見せるミステリアスなフォーク・ディスコ調のビート感覚など、70年代末という時代の空気をしなやかに吸収した多彩なアプローチが光る。

オールドフィールド一族の美意識が息づく、英国フォーク・ポップの至宝

ケルトの神秘主義と都会的な洗練が奇跡的なバランスで融け合い、聴く者の心を穏やかな光で満たしてくれる本作。マイク・オールドフィールドのプログレッシヴな大作群とは異なるアプローチでありながら、オールドフィールド家の血脈に流れる崇高なメロディ感覚と自然への讃歌が確かに宿った、70年代英国女性シンガーソングライター屈指の名盤である。

トラックリスト

  • A1 - The Sun In My Eyes
  • A2 - You Set My Gypsy Blood Free
  • A3 - Answering You
  • A4 - The Boulevard Song
  • A5 - Easy
  • B1 - Sons Of The Free
  • B2 - Hide And Seek
  • B3 - Firstborn Of The Earth
  • B4 - Man Of Storm
2026.05.02
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