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The House Of Love – The Girl With The Loneliest Eyes (1991)

クリエイション・レコーズの黎明期を「Shine On」や「Christine」の鮮烈な輝きで牽引し、ジーザス&メリー・チェインやマイ・ブラッディ・ヴァレンタインと並んでシューゲイザー/UKインディー前夜の最重要バンドとして君臨したハウス・オブ・ラヴ(The House of Love)。フォンタナ移籍後の波乱とギタリストのテリー・ビッカーズ脱退を経て、ガイ・チャドウィック(Guy Chadwick)を中心に新ギタリストのサイモン・ウォーカーを迎えた彼らが、1991年10月に放った珠玉の12インチ・シングルが本作『The Girl With The Loneliest Eyes』である。

名盤『Babe Rainbow』への序曲:孤独の瞳を照らすジャングル・ポップの美学

翌1992年に結実する3rdアルバム『ベイブ・レインボー(Babe Rainbow)』からの先行シングルとしてリリースされた表題曲「The Girl With The Loneliest Eyes」は、チャドウィックのキャリア屈指のメランコリーと甘美なメロディが光るネオ・サイケデリックの名曲だ。ジャングリーな12弦ギターのきらめきと、深いリバーブに包まれた空間処理は、チャプターハウスやストーン・ローゼズが提示した90年代初頭のUKインディー・サウンドとも見事に共鳴している。

「この世で一番孤独な目をした少女」というノスタルジックで胸を締め付けるリリックを、チャドウィックの憂いを帯びた温かなヴォーカルが包み込み、傷つきやすい魂にそっと寄り添うような深い余韻をもたらす。

フライング・ナンの金字塔、ザ・チルズ「Pink Frost」の白昼夢カヴァー

この12インチ・ヴァイナルをコレクターにとって特別な一枚たらしめているのが、B面ラストに収録されたザ・チルズ(The Chills)のカヴァー「Pink Frost」の存在だ。ニュージーランドのフライング・ナン・レーベルが生んだ80年代オルタナティヴ・ロック至高のナンバーを、ハウス・オブ・ラヴは敬意を込めて取り上げている。

原曲が持っていた死の気配漂う凍てつく孤独感と張り詰めたサスペンスを、彼らは持ち前のサイケデリックなディレイと幾重にも重ねられた幻想的なアルペジオ・ギターで再構築。白昼夢のような幽玄なゴシック・ポップへと昇華させたそのアレンジメントは、バンドの知られざる名演としてファンの間で今も高く語り継がれている。

90年代初頭の英国インディーズが遺した、静かなる宝石

カップリングの「Purple Killer Rose」やアコースティックの陽光が差し込む「Tea In The Sun」も含め、アルバム未収録のテイクが揃った本作は、単なるプロモーション用シングルを超えたひとつの完成されたEPとしての佇まいを持つ。グランジの嵐が吹き荒れる直前、英国のメロディ派インディー・ロックが放った最も美しく、最も切ない光を封じじ込めた12インチ盤である。

トラックリスト

  • A1 - The Girl With The Loneliest Eyes
  • A2 - Purple Killer Rose
  • B1 - Tea In The Sun
  • B2 - Pink Frost
2026.05.03
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