Rainbow – Long Live Rock ‘N’ Roll (1978)
Rainbow『Long Live Rock ‘N’ Roll』について
Rainbowの『Long Live Rock ‘N’ Roll』は、1978年に発表された3作目のスタジオ・アルバムだ。Ritchie Blackmoreを中心にしたこの時期のRainbowは、ハードロックの直進性と、当時のヘヴィな感触を前面に出していて、バンドの中でもかなり重要な位置にある作品として知られている。
このアルバムは、BlackmoreとRonnie James Dioの最後の共同作業になった点でもよく語られる。前作まで続いていた両者の組み合わせがここで一区切りつき、Rainbowの初期像を決定づけた時代の締めくくりという見方ができる。なお、ここでの内容は1978年のオリジナル盤に基づくものだ。
作品の輪郭
アルバム全体は、ギターのリフを軸にした硬質な曲作りが中心だ。Blackmoreの演奏は細かく弾きまくるタイプというより、フレーズの置き方で曲を引っ張る場面が多い。そこにDioの歌が乗ることで、物語性のあるロックとしてまとまっている。
特にタイトル曲の「Long Live Rock ‘N’ Roll」は、このアルバムを代表する一曲として扱われることが多い。ライブでも映える構成で、Rainbowらしいシンガロング性を持った楽曲だ。もうひとつの代表曲「Kill The King」も、速いテンポと鋭いリフで知られていて、後年のメタル系バンドにも影響を与えたとされる。
曲の印象とアルバムの流れ
この作品は、単に速い曲ばかりを並べたアルバムではない。重さのある曲、比較的開けた曲、短いインストゥルメンタル的な曲が並び、A面・B面それぞれに流れがある。とくにDioの歌詞は、ファンタジー色を残しながらもロック・バンドとしてのスケールを保っていて、当時のRainbowの個性をはっきり見せている。
実際に聴くと、音の芯がかなり太い。ギター、ベース、ドラムの押し出しが強く、歌がその上でドラマを作る感じだ。派手な装飾よりも、曲の骨格そのものを前に出す作りで、1970年代後半のハードロックらしい手触りがある。
この時代のRainbowにおける位置づけ
Rainbowは、Deep Purple解散後のBlackmoreが自分の方向性をまとめる場として始まったバンドだが、この3作目では、その初期の路線がかなり明確になっている。クラシック音楽由来の感覚、ヘヴィなリフ、Dioの歌う叙事的な世界観。その組み合わせが、この時点でひとつの完成形に近づいている。
一方で、ここから先のRainbowはヴォーカル交代を経て、より商業的な方向へ進んでいく。そう考えると、『Long Live Rock ‘N’ Roll』は、初期Rainbowの硬派な時代を代表する終着点のような作品でもある。
同時代の文脈
1978年という時期は、ハードロックが次の段階へ移っていく途中でもある。Led Zeppelin、Deep Purple、Black Sabbathといった70年代前半からの大物たちの流れを受けつつ、よりメタル寄りの感触も強まっていた時代だ。Rainbowはその中で、ギタリスト主導の構成と、Dioの強いキャラクターで独自の立ち位置を作っていた。
同じ時代のハードロックと比べても、Rainbowは曲の構造がやや劇的で、歌の存在感が大きい。単純なブルースロックの延長というより、もっと演出の効いたロックとして聴こえるところがある。
1982年の日本盤について
今回の盤は1982年の日本盤で、Rainbowの来日記念と2百万枚突破を記念した再発シリーズの一枚として出たものだ。発売元はPolydor K.K. Japanで、ジャケットや収録内容はオリジナルの流れを引き継ぎつつ、日本向けの扱いになっている。
この日本盤では、付属インサートに記載された曲長が他国盤と異なる箇所がある。たとえばA3の曲長は日本のインサートでは4:58表記だが、他の世界盤では3:35表記になっている。こうした違いは、日本盤を手に取る楽しみのひとつでもある。
収録曲の代表的なポイント
- 「Long Live Rock ‘N’ Roll」: アルバムの顔になるタイトル曲
- 「Kill The King」: 速い展開と強いリフで有名な代表曲
- 「Sensitive to Light」: ギターと歌の流れが分かりやすい曲
- 「Rainbow Eyes」: アルバムの終盤を締める、落ち着いた曲調
まとめ
『Long Live Rock ‘N’ Roll』は、Rainbow初期の特徴がよく出た1978年作だ。Blackmoreのギター、Dioの歌、そして「Kill The King」やタイトル曲の存在が、このアルバムを強く印象づけている。1982年の日本盤は、来日記念の再発として位置づけられる一枚で、オリジナルの持つ勢いをそのまま日本市場に届けた盤といえる。
トラックリスト
- A1 – Long Live Rock ‘N’ Roll (4:20)
- A2 – Lady Of The Lake (3:36)
- A3 – L. A. Connection (4:58)
- A4 – Gates Of Babylon (6:45)
- B1 – Kill The King (4:26)
- B2 – The Shed (Subtle) (4:44)
- B3 – Sensitive To Light (3:02)
- B4 – Rainbow Eyes (7:25)