Blue Mercedes – Rich And Famous (1988)
Blue Mercedes『Rich And Famous』について
Blue Mercedesは、ロンドン出身のポップ・デュオ、Duncan MillarとDavid Titlowによるユニットである。『Rich And Famous』は1988年に発表された作品で、電子音を使ったポップ・サウンドを軸にした1枚として位置づけられる。UKのポップ・シーンとダンス・ミュージックの接点にいたグループで、80年代後半らしい都会的な作りのアルバムとして見てよさそうだ。
作品の位置づけ
Blue Mercedesはアルバム単位で大きく長く活動したタイプというより、80年代末のシングル感覚の強いポップ・プロジェクトとして語られることが多い。『Rich And Famous』はその初期の代表的な到達点で、ユーロ・ポップやユーロ・ハウス、ソウルの要素を取り込んだ当時の流行と近い場所にある。ロンドンのポップ・デュオという出自も含め、同時代の英国のクラブ寄りポップと地続きの印象がある。
サウンドの印象
電子的なビート、打ち込みのリズム、メロディを前に出した作りが中心になっている。80年代後半のポップ作品らしく、シンセの質感とダンス・フロア志向のリズムがはっきりしているのが特徴。ソウル寄りのフレーズやコーラス感もあり、冷たいだけの電子音ではなく、歌ものとしての押し出しを残しているところがポイントになる。
実際に聴くと、派手な音作りで押す場面と、メロディをきっちり聞かせる場面の切り替えが目立つタイプの作品に感じられる。クラブ向けのテンポ感を持ちながら、ポップ・ソングとしての分かりやすさも狙っている印象だ。
代表曲について
Blue Mercedesは、アルバム全体というよりシングル「I Want to Be Your Property」で知られる面がある。グループ名を耳にした人の多くがまずこの曲を思い浮かべるかもしれない。『Rich And Famous』も、このシングルに見られるような都会的でダンサブルな感触をそのまま作品全体に広げた内容として捉えやすい。
同時代とのつながり
同じ時代の英国ポップやクラブ・ポップの流れで見ると、ErasureやPet Shop Boysのように、電子音を使いながらも歌の輪郭をはっきりさせるアプローチと比較されることがある。とはいえ、Blue Mercedesはより短命で、よりシングル志向の色が強いユニットとして見られやすい。ユーロ・ハウスやユーロ・ポップの要素が前面に出るあたりも、80年代末らしい空気をよく表している。
日本盤について
この盤は日本でリリースされた1988年盤で、表記には「Made by Warner-Pioneer Corporation, Japan」とある。日本盤として流通していた点も、当時の海外ポップ作品が国内で紹介されていた状況を示している。オリジナルと同じ1988年のリリースなので、初出当時の空気をそのまま伝える盤と考えやすい。
まとめ
『Rich And Famous』は、ロンドンのポップ・デュオBlue Mercedesが1988年に残した、電子音主体のポップ作品である。シングル「I Want to Be Your Property」で知られるグループの輪郭をつかむうえでも、80年代後半の英国ポップとダンス・ミュージックの交差点を確認するうえでも、印象に残る1枚といえそうだ。
トラックリスト
- A1 – I Want To Be Your Property (3:13)
- A2 – See Want Must Have (3:40)
- A3 – Love Is The Gun (3:52)
- A4 – Welcome To Lovesville (3:31)
- A5 – Your Secret Is Safe With Me (4:10)
- B1 – I Hate New York (3:24)
- B2 – Treehouse (4:14)
- B3 – Heaven On Earth (4:24)
- B4 – Run For Your Love (4:34)
- B5 – Crunchy Love Affair (3:51)