Junior Walker & The All Stars – Peace & Understanding Is Hard To Find (1973)
Junior Walker & The All Stars『Peace & Understanding Is Hard To Find』(1973)
Junior Walker & The All Starsが1973年に発表したアルバム。Motown周辺で活動してきた彼らのディスコグラフィーの中でも、70年代前半の時期を切り取る一枚として位置づけられる作品だ。アーティスト名の通り、中心にいるのはサックス奏者のJunior Walker。そこに Willie Woods、Phillip Wright、James Graves、Jerome Teasley、Victor Thomas が加わる編成で、R&Bとソウルを軸にしたバンド・サウンドを鳴らしている。
アーティストの背景
Junior Walker & The All Stars は、1960年代のMotownを代表するインストゥルメンタル寄りのR&Bグループのひとつ。もともとは「The Rhythm Rockers」として活動し、その後「The All Stars」となり、1961年にHuey P. Meauxの紹介でHarveyレーベルとつながった経緯がある。のちにFuqua系のレーベルがBerry GordyのMotownに吸収されると、1964年からMotown所属となった。
このグループの代表曲として知られるのが1965年の「Shotgun」。サックスのフレーズが前面に出た、短くも強い推進力のある曲としてよく語られる。以後も1972年までチャート上で活動を続け、1979年に解散した。
この作品の位置づけ
『Peace & Understanding Is Hard To Find』は、タイトル曲が初出となる1973年の作品。Junior Walker & The All Starsにとっては、60年代のヒット期を経たあと、70年代のソウル/ファンクの流れの中で作られたアルバムという見方ができる。Motownの看板のひとつとしての役割を担いながら、サックス主体のバンド・サウンドを保っている点が重要だ。
同時代の文脈で見ると、James Brown周辺のファンク、あるいは同じMotown系の緊張感あるソウル作品と並べて語られることがありそうだが、Junior Walkerの場合はやはりリードするサックスの音が中心にある。歌だけで押すというより、楽器の推進力が前面に出る作りが特徴になっている。
聴きどころ
実際に耳を通すと、まず印象に残るのはJunior Walkerのサックスの輪郭。音数で埋めるというより、短いフレーズを強く置いていく感触がある。そこにリズム隊がついて、ソウルのグルーヴを作る構成。バンドとしてのまとまりがあり、演奏の温度感で引っ張るタイプのアルバムだ。
タイトル曲「Peace & Understanding Is Hard To Find」は、作品の顔として受け取られやすい曲名。70年代前半らしい社会的な言葉を持ちながら、演奏面ではJunior Walkerの持ち味がきちんと出るタイプの一曲として聴ける。
代表曲とのつながり
Junior Walker & The All Starsを初めて辿ると、多くの人はまず「Shotgun」に行き着くはずだ。あの曲の勢い、サックスの押し出し、Motownの中でも少し異色の荒さ。その延長線上にあるのが、この1973年作という捉え方がしやすい。大ヒット曲の再現というより、バンドの持ち味を70年代仕様で保っている印象。
まとめ
『Peace & Understanding Is Hard To Find』は、Junior Walker & The All Starsの看板であるサックス・ソウルを1973年の感覚で記録したアルバム。Motown黄金期の代表曲で知られるグループが、70年代にどう鳴っていたかを確認できる一枚だ。派手な逸話よりも、バンドの演奏とグルーヴそのものに価値がある作品として捉えやすい。
トラックリスト
- A1 – I Ain’t Going Nowhere (3:35)
- A2 – I Don’t Need No Reason (2:44)
- A3 – It’s Alright, Do What You Gotta Do (3:29)
- A4 – It’s Too Late (2:54)
- A5 – Soul Clappin’ (4:25)
- B1 – I Can See Clearly Now (3:18)
- B2 – Gimme That Beat (Part 1) (3:27)
- B3 – Gimme That Beat (Part 2) (2:48)
- B4 – Country Boy (2:59)
- B5 – Peace And Understanding (Is Hard To Find) (3:05)