Uriah Heep – …Very ‘Eavy …Very ‘Umble (1970)
Uriah Heep『…Very ‘Eavy …Very ‘Umble』について
Uriah Heepのデビュー作『…Very ‘Eavy …Very ‘Umble』は、1970年に英国で発表されたハードロック作品である。ロンドンで結成されたこのバンドは、のちに英国ロック史の中で重要な存在として語られることになるが、その出発点を示すのがこの1枚だ。ギターのMick Boxが結成当初から在籍し続けている唯一のメンバーで、バンド名はチャールズ・ディケンズ『David Copperfield』の登場人物に由来する。
ここで聴けるのは、のちのUriah Heepらしさにつながる、重さのあるリフ、オルガンを軸にした厚みのある音作り、そしてハードロックの勢いだ。British progressive/hard rock bandとして紹介されることが多いが、このデビュー作ではプログレッシブな構成感よりも、まずは硬質なロックの手触りが前に出る印象が強い。
作品の位置づけ
このアルバムは、バンドにとっての出発点という意味合いが大きい。Uriah Heepはこの後、John Wetton、Gary Thain、Lee Kerslake、John Lawton、Bernie Shaw、Phil Lanzonらを含む多くのメンバー変遷を重ねながら活動を続けていくが、その長い歴史の原型を確認できるのが本作である。デビュー時点で、すでにヘヴィなギターとキーボードのぶつかり合いが骨格になっている点は、後年の作品にも通じる。
同時代の英国ハードロックやオルガン・ロックの文脈で見ると、Deep Purpleや早い時期のLed Zeppelin、さらにオルガン主体のバンド群と並べて語られることが多い。とはいえ、Uriah Heepはそこにコーラスの厚みや独特の曲展開を加えていくタイプで、このデビュー作にもその入口が見える。
収録曲と代表曲
本作でよく知られる曲としては「Gypsy」が挙げられる。アルバム冒頭を飾るこの曲は、バンドの初期像を端的に示す代表的なナンバーとして扱われることが多い。重いギターのリフ、オルガンの押し出し、そして歌の高揚感が前面に出ている。
また、「Walking in Your Shadow」や「Come Away Melinda」も、この時期のバンドの音像を知るうえで重要な曲である。特に「Come Away Melinda」は、もともとフォーク寄りの曲として知られる楽曲をUriah Heep流に組み替えたものとして聴かれることが多く、バンドの解釈力が見えやすい。
音の印象
実際に聴くと、まず耳に入るのはギターとオルガンの密度だ。リフが前に出る場面でも、キーボードが音の隙間を埋めるため、全体として薄くならない。ボーカルは高めのレンジで押し切る場面があり、演奏の圧と合わせて、70年代初頭の英国ハードロックらしい緊張感につながっている。
一方で、単に重いだけではなく、曲によってはテンポの緩急や展開の変化があるため、アルバムとしての流れに起伏がある。デビュー作らしい初期衝動と、すでに完成度を意識した構成の両方が入っている印象だ。
1979年の日本盤について
今回の盤は1979年に日本で出たリリースで、オリジナルの1970年盤とは発売時期が異なる。日本盤としては、当時の価格表記が「¥ 1,500」となっている点も含め、70年代末の国内流通盤として見るのが自然だろう。
オリジナル盤との比較では、少なくとも発売年の違いが大きい。音源自体はデビュー作の内容を伝えるもので、作品の核は1970年の初出盤にある。再発盤としては、その時点でこのアルバムを手に取りやすい形にしたもの、と捉えると分かりやすい。
まとめ
『…Very ‘Eavy …Very ‘Umble』は、Uriah Heepの原点を置いたアルバムである。ハードロックの骨格に、オルガンの厚みとコーラスの広がりを入れた初期像がはっきりしていて、のちの長い活動の入口として重要な1枚だ。代表曲「Gypsy」を含め、バンドの基本線を知るには分かりやすい内容になっている。
トラックリスト
- A1 – Gypsy
- A2 – Walking In Your Shadow
- A3 – Come Away Melinda
- A4 – Lucy Blues
- B1 – Dreammare
- B2 – Real Turned On
- B3 – I’ll Keep On Trying
- B4 – Wake Up (Set Your Sights)