Janko Nilovic – Chorus (1974)
Janko Nilovic『Chorus』について
Janko Nilovicは、ギリシャ系・モンテネグロ系の作曲家、編曲家、指揮者、キーボード奏者、パーカッショニスト、ヴォーカリスト、プロデューサー。1941年にイスタンブールで生まれ、1960年以降はフランスを拠点に活動してきた。クラシック、ジャズ、ファンク、ポップ、サイケデリック、イージーリスニングまで幅広く手がけてきた人物で、ライブラリー音源を中心に多くの作品を残している。
『Chorus』は1974年作として扱われるアルバムで、フランス盤は2001年にPulp Flavor Recordingsから再発された。レーベル表記では、MP.34の再発盤にあたる。
作品の輪郭
この盤は、ジャズ、ポップ、ステージ/スクリーン向けの要素を含みつつ、ソウル・ジャズ、ジャズ・ファンク、ヴォーカルの感触が前面に出る内容。Nilovicらしい、リズム隊の動きとアレンジの組み立てが軸になっている作品として聴こえる。
同時代のフランス産ライブラリーや、欧州のジャズ・ファンク周辺と並べて語られることの多いタイプの音で、演奏の切り替えや編曲の運びに重点が置かれている印象。Nilovicの作品全体に通じる、実用音楽と鑑賞用音源のあいだを行き来する作りが見える盤でもある。
アーティストにとっての位置づけ
Nilovicは一般流通のアルバムよりも、ライブラリー・レーベルに残した仕事で知られる。そうした文脈の中で『Chorus』は、彼の作編曲の手際や、ジャズ・ファンク寄りの語法を確認できる一枚として捉えやすい。のちにヒップホップでサンプリングされた楽曲群が注目されるが、その土台にあるのは、この時代の緻密なアレンジとグルーヴの作り込みだといえそうだ。
再発盤としてのポイント
本盤は2001年の再発盤。オリジナルの1974年盤と比べると、現行の流通で手に取りやすい形になっている点が大きい。クレジット上ではPulp Flavor Recordingsによる再発で、オリジナルの時代性を持つ内容を、後年の盤として聴ける仕様になっている。
関連する話題
Janko Nilovicの作品は、後年になってサンプリングの素材としても知られるようになった。プロフィールにもある通り、Jay-Z「D.O.A. (Death Of Auto-Tune)」では「In The Space」が使われ、Dr. Dreの「Loose Cannons」では「Underground Session」が参照されている。The BeatnutsやJoey Bada$$にもサンプル使用例がある。
『Chorus』自体がその代表例として語られるとは限らないが、Nilovicの音楽が持つリズムの切り口、短いフレーズの運び、編曲の密度は、こうした後年の再発見につながる要素として見ておける。
まとめ
『Chorus』は、1974年のJanko Nilovicをフランスのジャズ・ファンク/ライブラリー音楽の文脈で捉えられる作品。ヴォーカルを含む構成と、ステージ/スクリーン向けの実用性を感じさせる作りが同居した一枚で、Nilovicの幅広い作家性を確認しやすい盤として位置づけられる。
トラックリスト
- A1 – Mornings (2:22)
- A2 – Chorus (2:16)
- A3 – The Third Power (3:03)
- A4 – One Together (2:37)
- A5 – Ilion (3:00)
- A6 – Boom Bang (1:52)
- B1 – Christmas Roses (3:04)
- B2 – Hommage A Pelé (3:07)
- B3 – Vox Humana (3:07)
- B4 – Mrs. Brown (2:26)
- B5 – Magical World (2:26)
- B6 – Down Down (2:20)