Dire Straits – Dire Straits (1978)
Dire Straits『Dire Straits』について
Dire Straitsのデビュー・スタジオ・アルバム『Dire Straits』は、1978年6月に登場した作品だ。Mark Knopflerを中心に、John Illsley、Pick Withers、そして当時のメンバーだったDavid Knopflerという編成で始まったバンドの、最初の輪郭がそのまま刻まれた一枚になっている。収録曲は、のちにバンドの代表曲として語られる「Sultans of Swing」を含み、初期Dire Straitsの方向性を知るうえで外せない内容だ。
バンドの出発点が見えるデビュー作
Dire Straitsは1977年に結成された英国のロック・バンドで、ギターを軸にした演奏と、Mark Knopflerの歌とギターの運びで存在感を作っていくグループだ。本作では、派手な装飾を抑えた演奏の中で、各楽器の位置がはっきりしている。後年の大規模なサウンドと比べると、かなりバンドの骨格が見えやすい時期の録音といえる。
録音は1978年2月、ロンドンのBasing St. Studiosで行われたとされている。制作時点ではまだバンドの知名度も高くなく、デビュー盤としての緊張感がそのまま残る仕上がりだ。
「Sultans of Swing」を含む初期の代表曲
このアルバムを語るうえで中心になるのは「Sultans of Swing」だ。小さなライブ・シーンを題材にした曲として知られ、Mark Knopflerのギター・フレーズと語り口のようなボーカルが、Dire Straitsの名前を広く知らしめた一曲になった。シングルとしても重要で、アルバムの評価を押し上げた代表曲といえる。
ほかにも、アルバム全体としては、ギター・ロックの基本形を保ちながら、曲ごとにリズムや展開を変えていく作りが目立つ。いわゆる大げさなアレンジよりも、演奏の間合いで聴かせるタイプの作品だ。
1970年代末のロックの文脈
1978年という時期は、パンクの衝撃が残る一方で、より洗練されたロックやAOR的な流れも広がっていた頃だ。その中でDire Straitsは、派手さを前面に出すのではなく、演奏の明快さと曲の組み立てで勝負する立ち位置にいた。英国のロック・バンドとしては、同時代の他のギター主体のグループと比べても、かなり整理された音像が印象に残る。
後の大作志向の時期を知っていると、このデビュー作の素朴さは対照的だ。とはいえ、Mark Knopflerのギターの音色やフレーズの運びは、この段階ですでに明確で、バンドの核が初めから見えている。
この盤について
今回の日本盤は1978年リリースの作品として扱われるもので、盤面には透明感のあるtranslucent vinyl仕様がある。ランアウトはスタンプ表記とされている。オリジナルの1978年作品と同じく、デビュー当時の内容をそのまま伝える一枚だ。
収録内容、録音時期、そして「Sultans of Swing」で示されたバンドの出発点。Dire Straitsという名前が、まずどのような音で始まったのかを確かめるためのアルバムとして、位置づけははっきりしている。
トラックリスト
- A1 – Down To The Waterline (4:01)
- A2 – Water Of Love (5:27)
- A3 – Setting Me Up (3:20)
- A4 – Six Blade Knife (4:12)
- A5 – Southbound Again (2:59)
- B1 – Sultans Of Swing (5:52)
- B2 – In The Gallery (6:19)
- B3 – Wild West End (4:43)
- B4 – Lions (5:07)