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American Blues – Do Their Thing (1968)

ZZ Topのリズム隊として半世紀以上にわたり活動を共にしたダスティ・ヒル(ベース、ボーカル)とフランク・ビアード(ドラムス)。彼らがビリー・ギボンズと合流する直前、1960年代後半のテキサスで組んでいたバンドがアメリカン・ブルース(American Blues)だ。

もともとはダラスのアンダーグラウンド・クラブ「ザ・セラー(The Cellar)」などを拠点に活動していたザ・ウォーロックス(The Warlocks)が前身。1968年にアメリカン・ブルースへと改名し、ヒューストンへと拠点を移した。バンド名にちなんでメンバー全員が髪を青く染めていたことでも知られる。ダスティ・ヒルは後年のインタビューで、「当時のテキサスで長髪で歩くのは命がけだったが、青髪の長髪にしていたら周囲が『頭がおかしい奴らだ』と遠巻きにして、かえって手を出されずに済んだ」とユーモア交じりに回想している。

全曲オリジナルで挑んだサイケデリック・ブルース

本作『Do Their Thing』は、1968年にMCA傘下のUni Recordsからリリースされたセカンド・アルバム。ラジオジングルやコマーシャル制作で知られたテキサス州ダラスのスタジオ「Pams, Inc.」にて、同年8月から10月にかけて録音された。

ブルースのカバーが中心だった同年のファースト・アルバム『American Blues Is Here』とは異なり、全10曲すべてをダスティ・ヒルと実兄のギタリスト、ロッキー・ヒル(Rocky Hill)のコンビが書き下ろしている。ダグ・デイヴィス(Doug Davis)のオルガンと歪んだファズギターが絡む「You Were So Close To Me」や「Captain Fire」、クリームを思わせるヘヴィなリフが牽引する「Wonder Man」、5分半に及ぶアルバム最長のブルース「Comin’ Back Home」など、当時の13thフロア・エレベーターズやアシッド・ロックの潮流を吸収したサウンドが収められている。

音楽性の分岐とZZ Top結成への道

意欲的な作風だったもののアルバムは商業的なヒットに至らず、Uni Recordsとの契約も終了。その後、バンド内では目指す音楽性をめぐって路線の対立が表面化した。

生粋のブルースマンとしての道を志向し、伝統的で妥協のないテキサス・ブルースを追求しようとしたロッキー・ヒルに対し、ダスティ・ヒルとフランク・ビアードはよりヘヴィでドライブ感のあるハード・ロック路線を望んだ。この音楽的な方向性の違いからロッキーが脱退。ロッキーは後にライトニン・ホプキンスやフレディ・キング、ジョニー・ウィンターらと共演を重ねるギタリストとしてのキャリアを歩むことになる。

一方、残されたダスティとフランクはヒューストンで新たなギタリストを探していたムーヴィング・サイドウォークスのビリー・ギボンズと出会い、1969年にZZ Topの固定メンバーとなる。アメリカン・ブルースとしての活動は本作限りで幕を閉じたが、後のZZ Topサウンドの土台となった強力なリズム隊のルーツを記録した貴重な作品といえる。

トラックリスト

  • A1 - You Were So Close To Me (3:24)
  • A2 - Wonder Man (2:26)
  • A3 - Just Plain Jane (2:34)
  • A4 - Shady (2:05)
  • A5 - Comin' Back Home (5:35)
  • B1 - Captain Fire (3:18)
  • B2 - Chocolate Ego (3:04)
  • B3 - Nightmare Of A Wise Man (3:24)
  • B4 - Dreams (2:52)
  • B5 - Softly To The Sun (2:33)
2026.11.01
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