Karthago – Love Is A Cake (1978)
Karthago『Love Is A Cake』
『Love Is A Cake』は、ドイツのバンドKarthagoが1978年に発表した作品。バンドはベルリンで結成され、Joey Albrechtのギターとボーカル、Gerald Luciano Hartwigのベースを軸に始動した。のちにIngo Bischof、Tommy Goldschmidtらが加わり、70年代前半には重いギターを前面に出した演奏から、より整ったロック・サウンドへと移っていく流れがある。
この作品は、そのバンド史の中では最後期にあたる一枚。1977年夏にスタジオで制作され、Karthagoの名前で出た作品としては、初期のハードな感触やプログレ寄りの展開から離れ、AOR寄りのポップ・ロックにディスコの要素を少し混ぜた内容として位置づけられている。
作品の位置づけ
Karthagoは、1971年のファーストでジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスやFunkadelicを思わせる重いギターとファンキーな歌を提示し、1973年の『Second Step』ではサンタナを連想させるインストゥルメンタル面を強めた。その後、英国オックスフォードへ移って制作した『Rock’n’Roll Testament』では、より滑らかで整ったロックへと傾いていく。
『Love Is A Cake』は、その変化の先にある作品。バンドの初期像を期待すると印象はかなり異なるが、Karthagoというグループが70年代の進行の中でどこへ向かったかを示す記録になっている。
サウンドの印象
この盤は、プログレ・ロックというよりも、メロディを前に出したロック作品として聴こえる。演奏の骨格はロックだが、アレンジは過度に荒々しくならず、鍵盤やコーラスが曲の輪郭を整える方向。ダンサブルな気配が入り、前作までの重さや長尺の展開とは別の手触りがある。
実際に聴くと、バンドの代表的な初期作に比べて、ギターの押し出しよりも曲全体の流れを優先している印象が残る。Karthagoの中でも、時代の空気に寄った仕上がりの一枚といえる。
同時代の文脈
1978年という時期の西ドイツのロックは、プログレやハードロックだけでなく、より洗練されたロックやAOR的な方向へ広がっていた。Karthagoもその流れの中で、初期のサイケデリック/ファンキーな要素から、より整ったソング志向へ寄っていったバンドの一つとして見える。
同時代の比較対象としては、初期の重さや即興性ならジミ・ヘンドリックス周辺、インストゥルメンタルの流れならSantana、70年代後半の整ったロック感覚ではAOR寄りのバンドが思い浮かぶ。とはいえ、『Love Is A Cake』はそれらの要素をそのままなぞるというより、Karthago流の再編成という印象が強い。
バンドにとっての意味
この作品のあと、Karthagoは1976年春の解散を経て活動を終える。つまり『Love Is A Cake』は、バンドの終盤に残されたスタジオ作品として見てよさそうだ。初期の編成変化や拠点移動を経たグループが、最終的にどんな音を残したかを確かめるうえで重要な一枚。
まとめ
『Love Is A Cake』は、Karthagoのキャリア後期を示す1978年作品。初期のヘヴィなプログレ・ファンクからは距離があり、より整ったポップ・ロック、AOR寄りの感触、そこに少しディスコの気配が混ざる内容になっている。バンドの変遷を追ううえで、流れの切り替わりがはっきり出た作品として確認できる。
トラックリスト
- A1 – Rock 'N Roll Man
- A2 – The Friend
- A3 – Rosie
- A4 – Remember
- A5 – I Will Live
- B1 – Love Is A Cake
- B2 – Woman
- B3 – Dreams Of Love
- B4 – Doing The Best I Can
- B5 – Crazy Woman
- B6 – Ira Lee