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King Crimson – Larks’ Tongues In Aspic (1973)

King Crimson『Larks’ Tongues In Aspic』(1973)

King Crimsonは、1960年代末から活動を始めた英国のプログレッシブ・ロック・バンドで、この『Larks’ Tongues In Aspic』は1973年に発表された作品である。Robert Frippを中心に、Bill Bruford、John Wetton、David Cross、Jamie Muirらが関わった時期のアルバムで、バンドの中でも編成と音の方向性が大きく切り替わった時期を示す1枚として知られている。

この時期のKing Crimsonは、初期の室内楽的な要素からさらに踏み込み、重さのあるリフ、間の使い方、即興的な展開を前面に出している。1970年代前半のプログレッシブ・ロックの中でも、YesやGenesis、Emerson, Lake & Palmerと並べて語られることが多いが、この作品はその中でもかなり硬質で、演奏の緊張感が強い部類に入る。

作品の位置づけ

King Crimsonにとっては、1972年に再編された新しい流れを明確に形にしたアルバムである。前作までとは違い、Frippのギターを軸にしながら、WettonのベースとBrufordのドラムが強い推進力を作る構成になっている。加えて、David CrossのヴァイオリンやJamie Muirの打楽器的な動きが、曲の輪郭を単純なロックに寄せない役割を担っている。

この時期のKing Crimsonは、完成度の高いスタジオ作品だけでなく、演奏の再現性よりも、その場での変化を含んだライブ感でも語られることが多い。『Larks’ Tongues In Aspic』は、その新しいバンド像を記録した中心作のひとつと見られている。

収録曲と聴きどころ

アルバムの核になるのは、表題曲の「Larks’ Tongues In Aspic, Part One」と、続編にあたる「Larks’ Tongues In Aspic, Part Two」である。特にPart Twoは、後年のKing Crimsonでも演奏される代表的な楽曲として知られている。リフの反復、拍のずれ、急な展開の切り替えがはっきりしていて、このバンドの持つ構築性がよく出ている。

曲ごとに見ると、静かなパートと強いアンサンブルが行き来する構成が目立つ。歌ものとしての分かりやすさよりも、演奏そのものの組み立てで引っ張るタイプのアルバムで、聴き進めるほどに細かな音の配置が見えてくる。実際に聴くと、音数が多いのに各パートの役割が比較的明確で、ベースとドラムの押し出しがかなり強いことがわかる。

また、Jimi Hendrixの曲を基にした「Easy Money」など、ライブでの存在感が大きくなった楽曲も含まれている。過度に派手なメロディで押すのではなく、緊張感のあるリズムとフレーズの反復で引きつける作りである。

制作と録音

録音はロンドンのCommand Studiosで、1973年1月から2月にかけて行われた。プロデュース面の情報としては、当時のKing Crimsonらしく、サウンドの細部まで作り込まれている印象が強い。ギター、ベース、ドラムの輪郭がはっきりしていて、そこにヴァイオリンや打楽器が入り込むことで、音の層が増している。

ジャケットのデザインはTantra Designによるもので、作品の内容同様、装飾よりも構造を見せるタイプのアートワークとして見られることが多い。70年代前半のプログレ作品に多い「幻想的な絵柄」とは少し違い、内容の緊張感に寄った見え方である。

US 1st pressについて

このUSオリジナル盤は、ラベル外周の表記に「1841 Broadway」アドレスが入る初期仕様で、シュリンクにはタイトルステッカーが貼られている。印刷された内袋が付属し、片面に歌詞、もう片面は無地である。

マトリクスの「PR」はPresswellのプレスを示し、「AT/GP」はGeorge Pirosによるマスタリングを示す。オリジナル盤らしい初期のUS仕様として、コレクション面でも特徴がはっきりしている。

同時代の文脈

1973年のプログレッシブ・ロックは、長尺曲、組曲形式、変拍子、鍵盤とギターの対話がひとつの共通言語になっていた時期である。その中でKing Crimsonは、流麗さよりも、切り替えの速さや演奏の緊張感を前に出している。YesやGenesisのような流れとは違う方向で、より鋭い手触りを持つバンドとして受け取られてきた。

このアルバムは、King Crimsonの中でも「重さ」と「即興性」のバランスがはっきりした時期の記録として、後の活動にもつながる要素を含んでいる。表題曲を中心に、70年代King Crimsonの輪郭をつかみやすい1枚である。

トラックリスト

  • A1 – Larks’ Tongues In Aspic, Part One (13:36)
  • A2 – Book Of Saturday (2:59)
  • A3 – Exiles (7:37)
  • B1 – Easy Money (7:51)
  • B2 – The Talking Drum (7:28)
  • B3 – Larks’ Tongues In Aspic, Part Two (7:10)

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2026.08.15
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