Atoll – Tertio (1977)

Atoll『Tertio』について

Atollは、フランス・メスで1972年に結成されたプログレッシブ・ロック/シンフォニック・ロック・バンドだ。1970年代を中心に活動し、André BalzerやChris Béyaを軸にメンバー編成を変えながら作品を残してきた。『Tertio』は1977年に発表されたアルバムで、バンドの中期を代表する一枚として位置づけられる作品だ。

日本盤は1980年にキングからリリースされた盤で、見開きジャケット仕様。日本語歌詞インサート付きで、帯には「European 3 Rock Collection 2000」、裏帯には「European Rock Collection 2000 Part III」とあり、このシリーズの一枚として出ている。

Atollというバンドの流れ

Atollは、フランスのプログレッシブ・ロックの中でも、キーボードやギターを軸にした組曲的な展開と、場面転換の多い構成で知られるグループだ。フランス産プログレという文脈では、AngeやMagma、Dramaと並べて語られることがあるが、Atollはよりロック・バンドとしての推進力を前面に出す場面も多い。『Tertio』は、そのバンド性とシンフォニックな作りがまとまった時期の作品に当たる。

メンバー欄にはJohn Wettonの名も見えるが、バンドの主要な流れとしてはChristian BéyaやAndré Balzerを中心に見ていくのが自然だ。Atollは固定メンバーで長く続いたバンドではなく、複数の編成で活動していた点も特徴だ。

『Tertio』の聴きどころ

『Tertio』は、曲ごとの展開をじっくり追うタイプのプログレ作品だ。短いフレーズをつないでいくというより、演奏の流れそのものを聴かせる作りで、リズムの切り替えやギターと鍵盤の受け渡しが印象に残る。ボーカルも、単にメロディをなぞるだけでなく、曲の緊張感を保つ役割を担っている。

フランスのプログレに多い劇的な組み立てを持ちながら、演奏は比較的整理されていて、音の置き方がはっきりしている。長尺曲であっても、場面ごとの区切りが追いやすいタイプのアルバムだ。1970年代後半のプログレらしく、ロック的な硬さと組曲的な構成が同居している。

作品の位置づけ

Atollにとって『Tertio』は、1970年代の活動期の中で重要な一枚だ。初期の実験性やフランス・プログレらしい展開を受けつつ、より完成度の高いアルバムとして受け取られている。バンドのカタログの中でも、方向性をつかみやすい作品として見られることが多い。

同時代の英語圏プログレ、たとえばYesやGenesisのような大作志向とは近い部分がある一方で、Atollにはフランス語圏のロックに特有の、歌と演奏の切り替え方がある。メロディを前に出しながらも、構成はかなり細かく動く。そのあたりが、このバンドならではの個性だ。

日本盤としてのポイント

この1980年の日本盤は、1977年オリジナルの作品を国内向けに紹介したものだ。見開きジャケットと日本語歌詞インサート付きという仕様で、当時の輸入プログレ再評価の流れを感じさせる。キング・レーベルからの発売という点も、日本での洋楽プログレの受け止められ方を示す要素になっている。

まとめ

『Tertio』は、フランスのプログレッシブ・ロック・バンドAtollが1977年に発表したアルバムで、演奏の切れ味と組曲的な構成がまとまった一枚だ。1970年代フランス・プログレの流れを追ううえで、バンドの輪郭がつかみやすい作品として位置づけられる。

トラックリスト

  • A1 – Paris C’est Fini (5:58)
  • A2 – Les Dieux Même (7:35)
  • A3 – Gae Lowe (Le Duel) (4:49)
  • B1 – Le Cerf Volant (5:44)
  • B2 – Part I &Ⅱ (5:45)

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2026.08.10
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