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Yes – The Yes Album (1971)

Yes『The Yes Album』について

Yesの『The Yes Album』は、1971年に発表された3作目のアルバムである。プログレッシブ・ロックの文脈では、バンドの代表作のひとつとしてよく挙げられる作品で、ここからYesらしい長尺構成、細かな演奏の積み重ね、そして複数のパートがつながっていく作りが、かなりはっきり見えてくる。

この時期のYesは、のちに知られる黄金期へ向かう入口に立っている段階で、ギターにSteve Howeが加わった最初のアルバムでもある。バンドの編成が固まり、サウンドの輪郭が一気に明瞭になった時期の記録として見やすい一枚だ。

作品の位置づけ

Yesにとっては、初期2作から大きく前進したアルバムとされる。バンド独自の作法がこの作品でまとまり、以後の展開につながる基礎が見える。世界的な評価も高く、イギリスでは4位、アメリカでもトップ40入りを記録している。

プログレッシブ・ロックの初期作品群の中でも、King CrimsonやGenesisと並べて語られることが多い流れにある。ただしYesは、同じプログレでも、演奏の切り替えや和声の積み方に、比較的メロディの通りやすさが残る印象がある。

収録曲と聴きどころ

このアルバムでは、長い組曲的な構成だけでなく、比較的コンパクトな曲の中にも変化が多い。代表曲としては「I’ve Seen All Good People」がまず挙がる。シングルとしても出ており、Yesの中ではかなり知られた曲である。

もうひとつ重要なのが「Yours Is No Disgrace」。リフの推進力が強く、バンドのアンサンブルが前に出る曲だ。演奏の切れ目が多いのに、曲としてはまとまりがあるのがこの時期のYesらしいところ。

そしてSteve Howeの存在を印象づけるのが「Clap」。ライブ録音のアコースティック・ギター曲で、アルバム中では異色だが、演奏者としての個性がそのまま出ている。技巧を見せるだけでなく、曲として成立している点が大きい。

「Starship Trooper」も重要な1曲で、パートごとに景色が変わっていく構成がわかりやすい。Yesの“長く展開する曲”の入口として聴かれることが多いタイプの楽曲である。

音の印象

実際に聴くと、各楽器の役割がかなりはっきりしている。Chris Squireのベースは低音を支えるだけでなく、フレーズ自体が前に出る。Bill Brufordのドラムは拍を刻むだけでなく、曲の切り替えを細かく押していく。そこにJon Andersonの高い声が重なり、曲の輪郭がくっきりする。

派手さだけで押すというより、細かい変化の連続で曲を進めていく感じがある。聴き進めるほど、各パートのつなぎ方に耳が向く作品だ。

1971年盤について

この日本盤は1971年の初回リリースにあたるもので、見開きジャケットの仕様である。レコードとしては当時のオリジナルの空気をそのまま持つ盤として扱える。なお、後年の再発盤ではジャケット仕様やマスターの違いが出ることがあるが、この盤は初出時の流通に近い位置づけで見てよさそうだ。

まとめ

『The Yes Album』は、Yesがプログレッシブ・ロックの主要バンドとして本格的に輪郭を固めた作品である。代表曲「I’ve Seen All Good People」や「Yours Is No Disgrace」、Steve Howe初参加作としての「Clap」など、以後のYesを語るうえで外しにくい要素がまとまっている。

初期Yesの中でも、バンドの型が見え始める節目のアルバムとして位置づけられる一枚だ。

トラックリスト

  • A1 – Yours In No Disgrace
  • A2 – The Clap
  • A3 – Starship Trooper
  • A3a – Life Seeker
  • A3b – Disillusion
  • A3c – Würm
  • B1 – I’ve Seen All Good People
  • B1a – Your Move
  • B1b – All Good People
  • B2 – A Venture
  • B3 – Perpetual Change

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2026.09.12
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