Brainbox – To You (1972)
Brainbox『To You』について
Brainboxは、1968年にアムステルダムで結成されたオランダのロック・グループだ。Jan Akkerman、Pierre van der Linden、Kazimierz Lux(Kaz)を中心に始まり、のちにメンバーを入れ替えながら活動した。『To You』は1972年にオランダで出た作品で、Brainboxという名前で追うときに、バンドの流れをたどるうえで重要な一枚として見えてくる。
作品の基本情報
- アーティスト: Brainbox
- タイトル: To You
- オリジナル・リリース年: 1972年
- リリース国: Netherlands
- ジャンル: Rock
- スタイル: Classic Rock, Blues Rock
盤の表記では、B.V. Bovema/EMI, Haarlem Hollandで録音・製造され、N.V. Litho Zwanenburg, Hollandによる印刷表記もある。オランダ国内盤らしいクレジットが並ぶ仕様だ。
Brainboxというバンドの位置づけ
Brainboxは、Jan Akkermanの存在で語られることが多いバンドだ。AkkermanはのちにFocusでも知られるギタリストで、Brainboxでは初期から強い個性を持ち込んでいる。Pierre van der Lindenも同じく重要なメンバーで、後年のオランダ・プログレ系ロックの流れを考えると、このバンドの名前は外しにくい。
一方で『To You』の時期は、初期Brainboxの編成とは少し離れた段階にある。メンバー表を見ても、Robert Verwey、Shell Schellekens、Frans Smit、Cees Van Der Laarse、Michel van Dijk、André Reijnen、John Schuursma、Rudy de Queljoe、Herman Meyer、Ronnie Meyjes、Tony De Queljoe らがクレジットされていて、バンドが複数回の変化を経てきたことがわかる。そうした人員の移り変わりも含めて、Brainboxの作品群の中では時期の違いを感じやすい一枚だ。
内容の印象
この作品は、クラシック・ロックとブルース・ロックの軸をはっきり持った内容として受け取られている。ギター主体の展開、ロックの骨格を保った演奏、ブルース由来のフレーズ感が見えやすいタイプの作品だ。Jan Akkermanの名前から連想される流麗なギターワークは、Brainboxというバンドの魅力を考えるうえで大きな要素になっている。
同時代のオランダ勢でいうと、Focusのような組み立ての細かいロックよりも、こちらはよりロックの直進性やブルースの感触に寄った印象で語られやすい。英国ロックの流れで見れば、ギター主導のハード寄りクラシック・ロックや、ブルースを土台にしたバンド群と並べて語られることが多い。
ヒット曲・代表曲について
Brainboxは、作品単位で語られることが多く、特定の大ヒット曲だけで知られるバンドというよりは、Jan AkkermanやKaz Luxを含む演奏の流れで評価されてきた印象が強い。『To You』についても、アルバム全体のまとまりで聴かれることが多いタイプの作品だ。
オリジナル盤と盤の違い
この盤には、裏ジャケットに「Een Habo hoes」がないものと、あるものが区別されている。提示されている盤は「Without “Een Habo hoes” on the back cover」の版にあたる。レコード・コレクションの文脈では、同じ1972年盤でもこうした細部の違いが識別点になる。
また、ランアウトはエッチング、スタンパー番号はスタンプで入っており、二重のスタンパー番号(20, 40, 37, 44)は左右反転している、という物理的な特徴もある。こうした情報は、オランダ盤の製造工程を確認する手がかりになる。
まとめ
Brainbox『To You』は、オランダのロック史の中で、Jan Akkermanをはじめとするバンドの流れをたどる際に押さえておきたい1972年作だ。クラシック・ロックとブルース・ロックの要素を持つ一枚として、Brainboxの変遷と当時のオランダ・ロックの空気を映す作品として見えてくる。
トラックリスト
- A1 – Virgin (3:40)
- A2 – Amsterdam, The First Days (3:30)
- A3 – Sinner’s Prayer (2:19)
- A4 – Dark Rose (5:24)
- A5 – Cruel Train (2:21)
- B1 – Down Man (2:44)
- B2 – Woman’s Gone (3:57)
- B3 – To You (3:16)
- B4 – Summertime (4:02)
- B5 – Doomsday Train (3:00)
- C1 – Between Alpha And Omega (2:19)
- C2 – Baby, What You Want Me To Do (2:22)
- C3 – Scarborough Fair (5:55)
- C4 – The Flight (3:13)
- C5 – So Helpless (2:28)
- D1 – The Smile (Old Friends Have The Right To) (2:55)
- D2 – Reason To Believe (2:13)
- D3 – Sea Of Delight (2:51)
- D4 – Mobilae (5:55)
- D5 – Good Morning, Day (2:40)