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Siouxsie & The Banshees – A Kiss In The Dreamhouse (1982)

Siouxsie & The Banshees『A Kiss In The Dreamhouse』について

Siouxsie & The Bansheesの『A Kiss In The Dreamhouse』は、1982年に発表された5作目のスタジオ・アルバム。バンドは1976年にロンドンで結成され、Siouxsie Siouxの歌とSteven Severinのベースを軸に、メンバー交代を重ねながら独自の音像を深めてきた。本作は、その流れの中でも特に装飾性の強い時期の作品として知られている。

この日本盤は1982年リリースで、帯と4ページの歌詞・解説インサート付き。オリジナル盤と同年のプレスで、当時の国内流通盤としての位置づけになる。

作品の位置づけ

本作の前後には、『Juju』(1981)で示した緊張感の強いサウンドから、さらに踏み込んだ表現が見える。ギターはJohn McGeochが担当しており、この時期のバンドはリフの押し出しよりも、音の重なりや空間の作り方に重心がある。

Siouxsie & The Bansheesはポストパンクからゴシック・ロックの文脈で語られることが多いが、本作はその中でも、リズム、ギター、ボーカルの配置がはっきりしている。The CureのRobert Smithが関わった時期の作品群とも比較されやすいが、こちらはより色彩感のある作りに寄っている。

聴きどころ

実際に聴くと、まず耳に入るのは音数の多さではなく、各パートの置き方。ドラムとベースは前に出すぎず、それでも楽曲の輪郭は崩れない。Siouxsie Siouxのボーカルは、語尾の処理や抑揚の付け方が細かく、旋律の流れを引っ張る役割が大きい。

ギターは鋭いカッティングだけでなく、音色の切り替えや残響の使い方が印象に残る。派手なソロで見せるタイプではなく、曲の中に模様を足していくような演奏。アルバム全体として、1曲ごとの輪郭がはっきりしている一方で、通して聴くと統一感がある。

代表曲について

収録曲の中では「Slowdive」がよく知られた曲のひとつ。弦楽器の使い方が印象的で、バンドの中でも特に異色の仕上がり。シングルとしても存在感があり、このアルバムを象徴する楽曲として挙げられやすい。

また、「Arabian Knights」も本作を語るうえで外しにくい曲。リズムの推進力とボーカルのフレーズが噛み合っていて、アルバムの中でも輪郭がつかみやすい。

同時代の文脈

1982年前後の英国ロックでは、ポストパンクの延長線上で、より陰影のあるサウンドを作る動きが目立つ。The Cure、Bauhaus、Joy Division周辺の流れと並べて語られることも多いが、Siouxsie & The Bansheesはその中でも、リズムの硬さと装飾性の両方を持っている点が特徴的。

この作品では、ゴシック・ロックのフォーマットに収まりきらない、細部の作り込みが前面に出ている。暗さだけで押すのではなく、音の色や質感で曲を組み立てているところが、本作の分かりやすいポイントになっている。

日本盤としての見どころ

今回の日本盤は、帯付きで4ページの歌詞・情報インサートが付属する仕様。国内盤としては、当時の作品の雰囲気をそのまま伝える構成で、ジャケットと合わせて所有感のある作りになっている。

『A Kiss In The Dreamhouse』は、Siouxsie & The Bansheesの中でも、曲の構造と音の配置がはっきりしたアルバム。1982年という時代の英国ロックの空気を受けつつ、バンドならではの緻密さが前に出た一枚として見ておくと、全体像がつかみやすい。

トラックリスト

  • A1 – Cascade (4:24)
  • A2 – Green Fingers (3:32)
  • A3 – Obsession (3:51)
  • A4 – She’s A Carnival (3:40)
  • A5 – Circle (5:23)
  • B1 – Melt (3:47)
  • B2 – Painted Bird (4:16)
  • B3 – Cocoon (4:29)
  • B4 – Slowdive (4:17)

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2026.09.14
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