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Fairport Convention – Full House (1970)

Fairport Convention『Full House』について

Fairport Conventionの『Full House』は、1970年にオリジナル・リリースされたアルバムです。英国のフォーク・ロック・バンドとして知られる彼らが、バンドとしてのまとまりを強めながら制作した作品で、伝統曲と新しい楽曲が同じ流れの中に置かれているのが特徴です。Fairport Conventionの作品群の中でも、いわゆる“バンドとしてのフォーク・ロック”が前に出た時期の記録として見ておきたい一枚です。

作品の位置づけ

この時期のFairport Conventionは、アコースティックな英国伝承曲を土台にしながら、エレクトリック・バンドとしての演奏力を強く押し出していた。『Full House』はその流れをよく示す内容で、リチャード・トンプソンのギター、デイヴ・スウォーブリックのフィドル、デイヴ・ペッグのベース、デイヴ・マタックスのドラミングが、曲ごとにしっかり役割を持って進む構成になっている。

フェアポート・コンヴェンションは、同時代の英国フォーク・ロックの中でも、伝統曲の扱い方が比較的明確なバンドとして語られることが多い。バッファロー・スプリングフィールド的なアメリカ西海岸の流れよりも、英国の民謡や古いバラッドに根を置いた演奏が中心で、そこにロックのリズムと音量を重ねていくタイプだ。『Full House』は、その方向性がかなりはっきり出たアルバムと言える。

収録曲と内容

アルバムは、冒頭の「Walk Awhile」から勢いよく始まる。「Dirty Linen」「Sloth」と続く流れも含めて、演奏の切り替えが多く、バンドのアンサンブルを前に出した構成になっている。B面には「Sir Patrick Spens」や「Doctor Of Physick」など、伝承曲の要素を感じさせる曲が並び、Fairport Conventionらしい選曲の感触がある。

中でも「Walk Awhile」は、アルバムの入口として印象を作る曲で、バンドの音がひとまとまりになって進む感じが出ている。リズム隊の安定感と、トンプソン、スウォーブリック両名のフレーズが重なっていく進行は、この時期のFairport Conventionの強みをそのまま示している。「Flatback Caper」や「Flowers Of The Desert」も含め、曲ごとの色は違うが、全体としては演奏中心のアルバムという印象が残る。

音の作りと盤の特徴

このUK盤は、テクスチャーのある折り返しジャケット仕様で、ピンクの縁取りのあるセンター・レーベルを備えている。スカイブルーのインナー・スリーブにはピンクの“i”ロゴとアドレス表記があり、サウンド・テクニークスでエンジニアリングされた旨も記されている。盤はスタンパー刻印のある仕様。

なお、センター・レーベルに記された曲の長さには実際と異なる表記がある。こうした点も、当時のプレスや印刷物を確認するうえでの特徴のひとつになっている。

聴きどころ

  • リチャード・トンプソンのギターの切れ味
  • デイヴ・スウォーブリックのフィドルが前に出る展開
  • 伝承曲と新曲が自然に並ぶ曲順
  • 演奏のまとまりと、各パートの役割の明確さ

『Full House』は、Fairport Conventionが英国フォーク・ロックの文脈で何をしていたかを、そのまま示すようなアルバムだ。派手な説明よりも、曲の進み方と演奏の組み立てに耳を向けたくなる内容で、1970年という時代の空気もそのまま閉じ込めている。

トラックリスト

  • A1 – Walk Awhile (3:57)
  • A2 – Dirty Linen (4:12)
  • A3 – Sloth (9:13)
  • B1 – Sir Patrick Spens (3:27)
  • B2 – Flatback Caper (6:18)
  • B3 – Doctor Of Physick (3:30)
  • B4 – Flowers Of The Forest (4:00)

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2026.09.10
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