Genesis – Live (1973)

Genesis『Live』(1973年・UK盤)について

Genesisの『Live』は、1973年にUKで出たライヴ作品で、初期ジェネシスの演奏をまとまった形で聴ける一枚である。バンドは1967年にチャーターハウス・スクールで結成され、のちに大きく成功する前の段階では、複雑な曲展開と舞台上の演出で知られていた。この作品は、その時期のGenesisの実像を伝える記録として位置づけられる盤である。

作品の内容と背景

収録音源は、1973年2月のデ・モントフォート・ホール(レスター)とフリー・トレード・ホール(マンチェスター)での演奏。スタジオ録音ではなく、当時のステージをそのまま切り取ったライヴ盤である。ミックスはロンドンのアイランド・スタジオで行われている。

この時期のGenesisは、ピーター・ガブリエルがフロントに立ち、トニー・バンクス、マイク・ラザフォード、スティーヴ・ハケット、そしてフィル・コリンズという編成。のちのポップ寄りの大ヒット期とは違い、曲の構成が長く、パートごとの切り替えがはっきりしたプログレッシブ・ロックの時代である。

聴きどころ

実際のライヴ音源としては、各楽器の役割分担が見えやすい作品である。バンクスのキーボード、ハケットのギター、ラザフォードのベースやギター、コリンズのドラムが、それぞれ前に出たり引いたりしながら進む構成。ガブリエルの歌と語りも含め、演劇的な舞台感覚が残る内容である。

この時期のGenesisを聴くと、後年の代表曲群とは別の意味で、バンドがどのようにして大きくなっていったかがわかる。特に、長尺曲の展開や場面転換の多さは、同時代のYes、King Crimson、Camelといった英国プログレ勢と並べて語られることの多い要素である。

作品としての位置づけ

『Live』は、ピーター・ガブリエル在籍期のGenesisを記録したライヴ盤であり、のちの再編成や音楽性の変化を考えるうえでも重要な資料的価値を持つ作品である。1975年にガブリエルが脱退し、その後はフィル・コリンズがリード・ヴォーカルを担う流れに入るため、この盤には初期Genesisのステージ・バンドとしての姿が残っている。

初回盤と後発盤の違い

UK盤には、EMIによる後発のプレスがあり、Large Hatterラベル、マット仕上げのスリーヴが特徴とされる。さらにその後のPhonogram盤ではラミネート・スリーヴが使われている。ジャケット表記にも差があり、バック右側の献辞文や左側の空白の扱いに違いがある。

  • 初回カバー: “This album is dedicated to Richard Macphail who left us April, 1973.”
  • 後発カバー: “This album is dedicated to Richard Macphail who left April, 1973.”
  • 左側の文章の前後スペース表記にも差異あり

また、収録時間はレーベル上ではA面26:15、B面20:55と案内されているが、実測とのわずかな差があるとされる。ランアウトはほとんどがスタンプで、「PORKY-KIP」のみエッチング表記である。

曲目について

収録曲の詳細な曲順はここでは割愛するが、この時期のGenesisにとってライヴ演奏が作品の大きな魅力を担っていたことは確かである。スタジオ盤では見えにくいパートのつながりや、演奏中の呼吸の合わせ方が前面に出るタイプのライヴ盤である。

まとめ

Genesis『Live』は、1973年の英国プログレの現場感をそのまま閉じ込めた記録である。バンドがのちに世界的な成功へ向かう前夜の姿、ピーター・ガブリエル時代の演劇性と複雑なアンサンブル、その両方を確認できる作品として見ておきたい一枚である。

トラックリスト

  • A1 – Watcher Of The Skies (8:25)
  • A2 – Get ‘Em Out By Friday (9:05)
  • A3 – The Return Of The Giant Hogweed (8:05)
  • B1 – Musical Box (10:46)
  • B2 – The Knife (9:34)

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2026.08.09
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