Genesis – …And Then There Were Three… = そして三人が残った (1978)
Genesis『…And Then There Were Three… = そして三人が残った』について
Genesisの『…And Then There Were Three…』は、1978年に発表された9作目のスタジオ・アルバムである。タイトルが示す通り、バンドの編成が3人になった時期の作品で、Phil Collins、Tony Banks、Mike Rutherfordの体制で制作された。プログレッシブ・ロックの要素を残しながら、よりメロディ重視、ポップ寄りの方向へ進んだ時期の1枚として位置づけられている。
バンドの転換点にある作品
Genesisは1967年にイングランドで結成されたバンドで、初期は複雑な曲構成や演奏性の高いアレンジ、演劇的な要素を含む作品で知られていた。Peter Gabriel脱退後はPhil Collinsがリード・ボーカルを担当し、さらにSteve Hackettも離れたことで、残る3人が中心となって活動を続けることになる。このアルバムは、その編成変化がそのまま作品の性格に反映された時期の記録でもある。
音の面では、長尺の組曲的な展開よりも、曲の輪郭がはっきりした構成が目立つ。シンセサイザーとギター、リズムの組み立てはGenesisらしさを保ちながらも、同時代のプログレ勢の中では比較的コンパクトで、ロックとポップの境界を行き来するような質感がある。
同時代の文脈
1970年代後半の英国ロックでは、プログレッシブ・ロックが大作志向から、より親しみやすい楽曲へと向かう流れが見られた。Genesisもその流れの中にあり、YesやKing Crimsonのような同時代のプログレ勢と比べても、より歌を前面に出した作りへ移っていく段階の作品として見られることが多い。
代表曲として知られる曲
このアルバムでは「Follow You Follow Me」がよく知られている。シンプルなメロディと穏やかな曲調で、後のGenesisのポップ・ロック路線を印象づける曲として扱われることがある。バンドの初期を知る人にとっては、ここでの変化がわかりやすい1曲でもある。
作品の位置づけ
『…And Then There Were Three…』は、Genesisが大編成のプログレ・バンドから、より広い層に届くバンドへと移っていく途中に置かれたアルバムである。1978年当時のUKロックの空気も背景にあり、以後の80年代の大きな成功につながる流れを感じさせる内容になっている。
日本盤としても1978年に出ており、タイトルに「そして三人が残った」と添えられたことで、バンドの状況がそのまま伝わる一枚になっている。
トラックリスト
- A1 Down And Out = ダウン・アンド・アウト (5:25)
- A2 Undertow = アンダートウ (4:44)
- A3 Ballad Of Big = ビッグ・ジムのバラード (4:48)
- A4 Snowbound = 銀世界 (4:29)
- A5 Burning Rope = バーニング・ロープ (7:10)
- B1 Deep In The Motherlode = 金脈 (5:15)
- B2 Many Too Many = メニー・トウ・メニー (3:31)
- B3 Scenes From A Night’s Dream = ネモの夢から (3:30)
- B4 Say It Alright Joe = イッツ・オールライト・ジョー (4:19)
- B5 The Lady Lies = 謎の女 (6:07)
- B6 Follow You Follow Me = フォロー・ユー・フォロー・ミー (4:00)