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King Crimson – The Young Persons’ Guide To King Crimson = 新世代への啓示(キング・クリムゾン・ベスト) (1976)

King Crimson『The Young Persons’ Guide To King Crimson = 新世代への啓示(キング・クリムゾン・ベスト)』

King Crimsonは、1968年に結成されたイングランドのプログレッシブ・ロック・バンドである。ロバート・フリップを軸に、編成を大きく変えながら活動を続けてきたグループで、この1976年作は、バンドの初期から中期までをまとめた2枚組の編集盤である。

タイトルの通り、単なるベスト盤というより、当時までのKing Crimsonを俯瞰するための案内役のような位置づけの作品で、英語題と日本語題の両方が付いた日本盤として出ている。オリジナルのLPは1976年リリースで、この盤も同年の日本製ライセンス盤である。

作品の性格

収録範囲は、デビュー作『In The Court Of The Crimson King』期から、70年代前半の編成まで広い。プログレッシブ・ロックの中でも、King Crimsonはシンフォニックな展開だけでなく、硬質なリフ、即興性、ジャズ寄りの緊張感を持ち込んだバンドとして語られることが多いが、この編集盤でもその振れ幅が見える構成になっている。

初期の代表曲として知られる「21st Century Schizoid Man」や「Epitaph」、静かな曲調の「I Talk to the Wind」、ギターのフレーズが印象に残る「The Court of the Crimson King」など、バンド名と一緒に語られやすい楽曲群が並ぶ。さらに、70年代前半の楽曲やライヴ音源も含まれていて、単純な“名曲集”よりは、時期ごとの変化を追うための1枚という印象が強い。

収録曲にまつわるポイント

この盤の注記で特に目を引くのは「I Talk To The Wind」の別ヴァージョンである。1968年7月、ロンドンの93A Brondesbury Roadで録音されたテイクで、後に『In The Court Of The Crimson King』に入る版とは異なり、ボーカルはJudy Dybleによるものになっている。Fairport ConventionのJudy Dybleが参加している点でも、King Crimson初期の輪郭が少し違って見える。

また、ライナーノーツには曲ごとの録音場所も記されている。Wessex Sound Studios、Command Studios、Olympic Sound Studios、そしてアムステルダム・コンセルトヘボウでのライヴ録音など、スタジオ録音とライヴ録音が混在している編集盤であることがわかる。

日本盤としての仕様

  • 2枚組LP
  • 見開きジャケット
  • 日本語・英語併記の両面ライナー/歌詞インサート
  • 8ページの写真ブックレット
  • 青帯OBI

インターナショナル盤に見られるツアー情報は、この日本盤ブックレットには入っていない。ラベル表記には「℗ 1976 Atlantic Recording Corporation」「Made by Warner-Pioneer Corporation, Japan, under license from Atlantic Recording Corp U. S. A.」とあり、日本でのライセンス発売であることが明記されている。

音の印象

実際に聴くと、King Crimsonの初期録音は、曲の長さ以上に構成の切り替えが細かい。静かなパートから急に音が立ち上がる場面があり、メロディだけでなく、間の取り方や音数の置き方に耳が向く。『In The Court Of The Crimson King』の大きなコーラス感と、70年代前半の緊張感ある演奏が、1セットの中で見比べやすい編集である。

特に初期の楽曲は、同時代のYesやGenesisのような叙情的な展開とも比べられる一方で、King Crimsonはもっと鋭い音の置き方をする。ジャズ、即興、硬質なロックの要素が、曲ごとにかなり露出している点が特徴的である。

King Crimsonの中での位置づけ

1976年時点のKing Crimsonは、1974年に一度解散している時期である。この編集盤は、その空白期に過去の活動を整理する形で出た作品とも言える。フリップがその後1981年に再始動する前段階として、初期から中期までのバンド像をまとめた記録でもある。

つまり、これは新録や新機軸を示すアルバムではなく、1968年から74年頃までのKing Crimsonを一度見渡すための作品である。バンドの変遷を追う入口として、当時のキャリア総括に近い役割を持っている。

まとめ

『The Young Persons’ Guide To King Crimson』は、King Crimsonの初期代表曲、別テイク、ライヴ音源をまとめた2枚組編集盤である。1976年の日本盤は、見開きジャケット、青帯OBI、日本語・英語併記のインサート付きで、資料性も高い。バンドの出発点から70年代前半までの流れを、曲単位でたどれる内容になっている。

トラックリスト

  • Epitaph = エピタフ(墓碑銘) (8:52)
  • A2 – Cadence & Cascade = ケイデンスとカスケイド (3:36)
  • A3 – Ladies Of The Road = レディース・オブ・ザ・ロード (5:27)
  • A4 – I Talk To The Wind = 風に語りて (3:17)
  • B1 – Red = レッド (6:18)
  • B2 – Starless = スターレス (12:17)
  • C1 – The Night Watch = 夜を支配する人々 (4:38)
  • C2 – Book Of Saturday = 土曜日の本 (2:52)
  • C3 – Peace – A Theme = 平和 / テーマ (1:14)
  • C4 – Cat Food = キャット・フード (2:43)
  • C5 – Groon = グルーン (3:30)
  • C6 – Coda From Larks’ Tongues In Aspic, Part I = 太陽と戦慄 パートI (2:09)
  • Moonchild = ムーンチャイルド (2:24)
  • D2 – Trio = トリオ (5:36)
  • In The Court Of The Crimson King = クリムゾン・キングの宮殿 (9:21)
2026.08.22
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