Isotope – The Best Of Isotope (1977)
Isotope『The Best Of Isotope』(1977)
Isotopeは、1970年代のイギリスのジャズロック・グループ。ギタリストのGary Boyleを中心に1972年6月に結成され、のちにキーボード奏者Brian Millerが重要な作曲面を担ったバンドとして知られている。1974年3月の編成変動をきっかけに人員の入れ替わりが続き、Gary Boyleが最後まで残る形で1977年に活動を終えた。
『The Best Of Isotope』は、その活動期の楽曲をまとめた編集盤で、1977年に登場したタイトル。収録曲は、バンドの初期アルバム『Isotope』、『Illusion』、『Deep End』から選ばれている。単なるベスト盤というより、グループの歩みを3作にまたがって振り返る構成になっているのが特徴だ。
収録内容の流れ
リリースノートによると、A1〜A3はアルバム『Isotope』から、A4〜B2は『Illusion』から、B3〜B4は『Deep End』からの収録。つまり、バンドの代表的な録音を初期から後期まで一通り追える編集になっている。
- A1, A2, A3: 『Isotope』収録曲
- A4, B1, B2: 『Illusion』収録曲
- B3, B4: 『Deep End』収録曲
この並びを見ると、Isotopeの音楽が一枚のアルバムの中でどう変化していったかを確認しやすい。Gary Boyleのギターを軸に、時期ごとのメンバー交代が演奏の表情にどう反映されているかも、この種の編集盤では追いやすいところだ。
バンドの位置づけ
Isotopeは、カンタベリー系や英国ジャズロックの文脈で語られることが多いグループのひとつ。メンバーにはHugh Hopper、Geoff Downes、Jeff Clyne、Frank Roberts、Nigel Morris、Brian Miller、Laurence Scott、Dan K. Brownといった名前が並ぶ。人員の流動が大きい一方で、Gary Boyleがグループの核として残り続けた点が、このバンドの歴史を形づくっている。
1977年は、Isotopeという名義が終わりを迎える年でもあるため、この編集盤は活動の一区切りを示す資料的な意味合いも持つ。オリジナル・アルバムを持っていない場合でも、バンドの輪郭をつかみやすい内容だ。
サウンドの印象
Isotopeの演奏は、ジャズの即興性とロックの推進力が前面に出るタイプ。Gary Boyleのギターは、フレーズの運びが明瞭で、リズムの上で細かく動く場面が目立つ。Brian Millerが作曲面で重要だったこともあり、楽曲は単なるジャムに流れず、構成がきっちり整理されている印象がある。
同時代の英国ジャズロックの中では、Soft Machine周辺やNucleusの系譜と並べて語られることがありそうだが、Isotopeはよりギター主導の色が強い。キーボードとリズム隊の動きに対して、ギターが前に出る場面が多く、曲ごとの輪郭が比較的はっきりしている。
この盤の見どころ
代表曲として広く独立して語られる定番曲が前面にある編集盤というより、アルバム単位で評価されるバンドの楽曲をまとめて聴ける点に価値がある作品だと思える。初期作から後期作までをまたぐため、Isotopeの変化を短い時間で追えるのが大きい。
オリジナル盤は1977年のリリースで、後年の再発盤とは別の存在として扱われることが多い。盤としては当時の編集意図を反映した、1977年時点のIsotope総覧と見るのが自然だろう。
まとめ
『The Best Of Isotope』は、英国ジャズロック・バンドIsotopeの活動を、初期3作からの選曲で整理した1977年のベスト盤。Gary Boyleを中心にしたバンドの流れ、編成の変遷、そしてギター主導のジャズロックという個性が、ひとまとめで見えやすい一枚だ。
トラックリスト
- A1 – Honkey Donkey (5:50)
- A2 – Windmills And Waterfalls (3:27)
- A3 – Do The Business (4:39)
- A4 – Spanish Sun (7:45)
- B1 – Marin County Girl (2:06)
- B2 – Temper Tantrum (3:43)
- B3 – Black Sand (5:45)
- B4 – Deep End (8:22)