Lipps, Inc. – Pucker Up (1980)
Lipps, Inc. / Pucker Up
Minneapolis出身のファンク/ディスコ・バンド、Lipps, Inc.が1980年に発表した作品。シンシア・ジョンソンのリード・ボーカルとサックスを軸に、スティーヴン・グリーンバーグが多くの楽曲を作曲・プロデュースしていたグループで、この時期のディスコ・サウンドを代表する流れの中にある1枚。
作品の位置づけ
Lipps, Inc.は、1979年のデビュー・シングル「Rock It」、そしてデビュー・アルバム『Mouth to Mouth』で活動を開始している。その後の「Funkytown」が世界的な大ヒットとなり、グループ名を広く知らしめた。『Pucker Up』は、その初期の勢いの中で出た1980年の作品で、バンドの初期像をつかむうえで重要な位置にある。
サウンドの印象
ジャンル表記はElectronic、Funk / Soul、スタイルはDisco。リズム・セクションを前に出したダンス志向の作りで、ベースのうねりとストレートな4つ打ち、シンセのフレーズが楽曲を引っ張るタイプの音作りが中心。シンシア・ジョンソンの歌声とサックスが入ることで、機械的になりすぎず、ファンク寄りの質感も残している。
同時代とのつながり
1979年から1980年にかけてのディスコ終盤の空気を感じる内容で、ダンス・フロア向けの明快さと、ファンク由来のグルーヴが同居している。Lipps, Inc.はミネアポリスのバンドとしても知られ、のちの同地のファンク/ポップ勢を思わせる、タイトな演奏と都会的なビート感が特徴的な流れにある。
代表曲について
このグループを語るうえで外せないのが「Funkytown」。全米Billboard Hot 100とダンス・チャートの両方で1位を記録し、世界各国でも大きなヒットになった。『Pucker Up』も、その代表曲で知られるバンドの初期作品として聴かれている。
リリース情報
- アーティスト: Lipps, Inc.
- タイトル: Pucker Up
- オリジナル・リリース年: 1980年
- リリース国: Japan
- ジャンル: Electronic, Funk / Soul
- スタイル: Disco
ディスコの終盤にあたる時期の、Lipps, Inc.らしいダンス指向の一作。グループの核にあるシンシア・ジョンソンのボーカルと、スティーヴン・グリーンバーグの制作面が見えやすい内容になっている。
トラックリスト
- A1 How Long
- A2 Tight Pair
- B3 Always Lookin’
- B4 The Gossip Song
- B5 There They Are
- B6 Jazzy
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Tarkus – Tarkus (1972)
Tarkus / Tarkus
ペルー・リマ出身のハードロック・バンド、Tarkusによる同名作。オリジナルは1972年の作品で、ペルーのロック史の中でも、サイケデリックな要素とラテン系の感触を含んだハードロックとして位置づけられる一枚だ。アーティストとしては短い活動期間を持ち、その後2007年に再結成されている。
作品の概要
本作は、ハードロックを軸にしながら、60年代末から70年代初頭のサイケデリック・ロックの流れを引き継ぐ作りになっている。ギターの押し出しやリズムの前進感に加えて、南米のバンドらしい土着的なニュアンスが重なるのが特徴。英米のハードロックと比べると、直線的な重さだけでなく、少しざらついた質感や、曲ごとの空気の揺れが残るタイプのサウンドといえる。
バンドの位置づけ
Tarkusは、リマのロック・シーンの中で、ハードロックとサイケデリックな感覚をつないだグループとして語られることが多い。活動時期は長くないが、1972年という時代の空気をそのまま閉じ込めたような存在で、同時代のハードロック、サイケデリック・ロックの文脈に置いて聴かれることが多い。
メンバー
- Dario Gianella
- Alex Nathanson
- Walo Carrillo
- Guillermo Van Lacke
- Christian Van Lacke
音の印象
サウンドは、硬質なギターリフを軸にしたハードロック寄りの作りで、そこにサイケデリックな広がりが重なる印象。ラテン文化圏のバンドらしい感触もあり、単純に英米ハードロックの模倣というより、地域性のある色合いが出ている。
同時代の文脈
1970年代初頭のラテンアメリカでは、英米のロックの影響を受けながらも、土地ごとのリズム感や表現を持ち込むバンドが各地で登場していた。Tarkusもその流れの中にあるグループで、ハードロック、サイケデリック・ロック、そして南米的な要素が交差する作品として見ることができる。
盤について
こちらはイタリア盤の2007年リリース。作品そのものは1972年のオリジナル作として扱われる。
トラックリスト
- A1 El Pirata (3:20)
- A2 Martha Ya Esta (5:45)
- A3 Cambiemos Ya (3:30)
- A4 Tempestad (3:20)
- B1 Tema Para Lilus (4:45)
- B2 Tranquila Reflexion (3:20)
- B3 Rio Tonto (4:22)
- B4 Tiempo En El Sol (2:15)
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David Bowie – David Bowie (1967)
David Bowie / David Bowie
1967年に発表された、David Bowieのデビュー作。ブリティッシュ・ポップ/ロックの流れの中で、バロック・ポップやモッドの要素を取り入れた初期作品として位置づけられる一枚です。のちのグラム・ロック期とはまた違う、若い時期のBowieの感触がそのまま残る内容です。
作品の輪郭
このアルバムでは、当時の英ポップらしい整ったメロディと、音数の多いアレンジが印象に残ります。ストリングスや管楽器を思わせる立体感、軽いユーモアを含んだ歌い回し、曲ごとに表情を変える構成など、後年の大きな変身を前にした段階のBowieらしさが見える作品です。
サウンドの質感としては、ロックの基本形に、演劇的な要素や当時のモッズ周辺に通じる感覚が重なっている印象です。派手さよりも、曲ごとの作り込みや言葉の運びに耳が向くアルバムです。
David Bowieにとっての位置づけ
本作は、1960年代後半のDavid Bowieの出発点を示すアルバムです。後の代表的なキャラクター性やコンセプト志向に比べると、ここではまだポップ・ソングとしてのまとまりが前面に出ています。とはいえ、のちのキャリアにつながる多面的な作風の芽はすでに感じられるところです。
Bowieはその後、20世紀を代表する影響力の大きなアーティストの一人として知られるようになりますが、このデビュー作は、その長い歩みの最初の章として聴かれることが多い作品です。
時代背景と比較の手がかり
1967年という時期は、英国のポップ/ロックが大きく広がっていた時代です。バロック・ポップ的な装飾性や、モッド由来の都会的なリズム感は、同時代の英ポップの中でもよく見られる要素で、Bowieのこの作品もそうした流れの中にあります。のちのBowieが見せる変化の多さを思うと、この時点ではまだ比較的ストレートなソングライティングが中心です。
収録曲と関連曲
この作品に関連するシングルとしては、1966年12月のオリジナル版と、1967年7月の再録音版が知られています。アルバム全体を通して、曲ごとのキャラクターの違いがはっきりしており、初期Bowieの作家性をたどる手がかりにもなります。
1981年盤について
今回の盤は1981年リリースのものです。オリジナルの1967年盤から時間を置いた再発盤として、初期David Bowieの作品を別の時代に手に取れる一枚といえます。
トラックリスト
- A1 Uncle Arthur (2:07)
- A2 Sell Me A Coat (3:00)
- A3 Rubber Band (2:15)
- A4 Love You Till Tuesday (3:10)
- A5 There Is A Happy Land (3:11)
- A6 We Are Hungry Men (2:58)
- A7 When I Live My Dream (3:19)
- B1 Little Bombardier (3:24)
- B2 Silly Boy Blue (3:51)
- B3 Come And Buy My Toys (2:07)
- B4 Join The Gang (2:16)
- B5 She’s Got Medals (2:26)
- B6 Maid Of Bond Street (1:44)
- B7 Please Mr. Gravedigger (2:47)
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Bob Dylan – Highway 61 Revisited (1965)
Bob Dylan「Highway 61 Revisited」
1965年に発表された、Bob Dylanの代表作のひとつ。フォーク・ロックとブルース・ロックを軸にしながら、従来のフォークの枠を大きく広げた作品として知られている。Dylan自身のソングライターとしての存在感が前面に出たアルバムで、ロックの文脈でも重要な位置を占める一枚だ。
作品の位置づけ
Bob Dylanは、アメリカのシンガー・ソングライターとして長く活動してきた人物で、1960年代の音楽シーンに大きな影響を与えた。Highway 61 Revisitedは、その歩みの中でも、エレクトリック・サウンドへと大きく踏み出した時期の作品として語られることが多い。フォークを出発点にしながら、ロックの編成とブルースの感触を取り込んだ構成が印象的だ。
サウンドの特徴
全体としては、ギター、オルガン、リズム隊が前に出る、はっきりしたバンド・サウンド。アコースティック中心のフォーク作品とは違い、音の輪郭が太く、演奏の推進力も強い。ブルース由来のフレーズや、ロックンロール的な勢いが曲ごとに見える作りで、言葉の多い歌詞とサウンドの強さが並ぶ。
代表曲について
このアルバムには、Dylanの代表曲としてよく挙げられる「Like a Rolling Stone」が収録されている。シングルとしても広く知られ、6分を超える長さと、強いフックを持つ展開で、当時のポップ・ソングの感覚を押し広げた曲として扱われることが多い。ほかにも、タイトル曲「Highway 61 Revisited」をはじめ、アルバム全体を通して印象に残る曲が並ぶ。
同時代とのつながり
1960年代半ばのロックやフォークの流れの中で見ると、この作品は、シンガー・ソングライターが個人の言葉をロックの形式に乗せていく動きの中心にある。ブルース・ロック、フォーク・ロックの広がりとも重なり、同時代のアメリカン・ロックの変化を示す一枚としても見られている。
ひとことで言うと
Bob Dylanの作家性とバンド・サウンドが強く結びついたアルバム。1965年という年の空気を映しながら、フォークからロックへとまたがる重要作として定着している。
トラックリスト
- A1 Like A Rolling Stone (6:13)
- A2 Tombstone Blues (5:58)
- A3 It Takes A Lot To Laugh, It Takes A Train To Cry (4:09)
- A4 From A Buick 6 (3:19)
- A5 Ballad Of A Thin Man (5:58)
- B1 Queen Jane Approximately (5:31)
- B2 Highway 61 Revisited (3:30)
- B3 Just Like Tom Thumb’s Blues (5:31)
- B4 Desolation Row (11:20)
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Юрий Антонов – Крыша Дома Твоего (1983)
Юрий Антонов「Крыша Дома Твоего」について
Юрий Антоновの「Крыша Дома Твоего」は、1983年に発表されたロック作品で、ソ連時代のポップ・ロックの流れを代表する一枚として知られる作品です。作曲家、歌手、演奏家として活動してきたЮрий Антоновの作家性が前面に出た内容で、メロディを重視したロックと親しみやすい歌ものの感覚が同居しています。
作品の輪郭
本作は、ロックを土台にしながらも、いわゆるハードな質感よりは、歌の流れや旋律のわかりやすさを軸にしたポップ・ロック寄りの仕上がりです。ギターやキーボードを中心にした編成が想像しやすく、当時のソ連圏で広がっていた、歌謡性の強いロックの文脈に置ける内容といえます。
音の印象としては、厚すぎないバンド・サウンドの中に、はっきりしたメロディとコーラスが乗るタイプ。派手な演奏で押すというより、曲そのものの流れで聴かせる作りです。
Юрий Антоновという存在
Юрий Антоновは1945年生まれ、タシケント出身のロシアの作曲家、歌手、音楽家です。ソ連の大衆音楽の中で広く知られた存在で、ポップスとロックの境目をまたぐような楽曲を数多く手がけてきました。1983年のこの作品は、そうしたキャリアの中でも、彼のメロディメーカーとしての持ち味が見えやすい時期の一枚として捉えやすいです。
時代背景と文脈
1980年代前半のソ連では、ロックが独自の形で発展していきました。西側のハードロックやプログレッシブ・ロックとは少し違い、歌の強さやポップな旋律を重視した作品が多く、この作品もその流れの中にあります。国内のポップ・ロック、あるいはシンガーソングライター的な感覚を持つロック作品として見ると、位置づけがわかりやすいです。
同時代のソ連圏の音楽と並べると、バンド色の強いロックよりも、歌メロ中心の親しみやすさが印象に残るタイプです。大きく言えば、ロックの形式を借りながら、ポピュラー音楽としての聴きやすさを前に出した作品です。
聴きどころ
- メロディが前に出る曲作り
- ポップ・ロックらしい整ったバンド・サウンド
- 歌を中心にしたわかりやすい構成
- 1980年代ソ連ポップ・ロックの空気感
まとめ
「Крыша Дома Твоего」は、Юрий Антоновの作家性がストレートに出た1983年のロック作品です。ポップ・ロックの枠の中で、歌メロの強さと時代の空気がきれいにまとまった一枚、といった見方がしやすいです。
トラックリスト
- A1 Жизнь · Life (4:57)
- A2 Вот Как Бывает · The Way It Is (3:40)
- A3 Море · The Sea (2:40)
- A4 Зеркало · Mirror (3:33)
- A5 Я Вспоминаю · I Remember (5:47)
- B1 Двадцать Лет Спустя · Twenty Years Later (3:45)
- B2 Не Забывай · Don’t Forget (3:50)
- B3 Анастасия · Anastasia (3:01)
- B4 Золотая Лестница · Golden Staircase (2:45)
- B5 Дорога К Морю · The Road To The Sea (3:22)
- B6 Крыша Дома Твоего · Your Home’s Roof (2:50)
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David Bowie – Loving The Alien (1985)
David Bowie「Loving The Alien」について
David Bowieの「Loving The Alien」は、1985年の作品として知られる楽曲で、同年にリリースされた時代の空気をよく映した1曲です。Bowieは英国出身のシンガー、ソングライター、俳優として広く知られ、1970年代から80年代にかけてロックとポップの境界をまたぎながら活動を続けてきました。この曲も、その流れの中で生まれた80年代中盤のBowieらしい一曲です。
サウンドの印象
サウンドは、シンセサイザーを前面に出したポップ・ロック寄りの質感が特徴です。電子的な音の層の上に、Bowieの歌がはっきりと乗る構成で、80年代の制作感が強く出ています。ロックの骨格を残しつつ、シンセ・ポップの要素を取り込んだ仕上がりで、当時の洋楽シーンの流れとも重なる内容です。
作品の位置づけ
1985年のBowieは、すでに大きな成功を重ねた後の時期で、アーティストとしての幅をさらに広げていたタイミングです。「Loving The Alien」は、その中でも電子音とポップ性を組み合わせた時期のBowieを示す作品として見られます。ロック、ポップ、エレクトロニックの要素が交差する点に、この時代の特徴が表れています。
同時代とのつながり
この時期のBowieは、同じく80年代のポップ・ロックやシンセ・ポップの文脈の中で語られることが多いです。デヴィッド・ボウイという名前が持つ実験性と、当時のメインストリーム寄りの音作りが重なっているあたりが、作品の面白さになっています。派手さだけでなく、音の配置や歌の置き方にもBowieらしい感覚がある1曲です。
基本情報
- アーティスト: David Bowie
- タイトル: Loving The Alien
- オリジナルリリース年: 1985年
- 盤のリリース年: 1985年
- ジャンル: Electronic, Rock
- スタイル: Pop Rock, Synth-pop
- リリース国: Japan
David Bowieの80年代作品をたどるうえで、「Loving The Alien」はその時代の音と感触をつかみやすい存在です。電子的な質感とロックの輪郭、そのバランス感が印象に残る1曲です。
トラックリスト
- A Loving The Alien (Extended Dance Mix) (7:27)
- B1 Don’t Look Down (Extended Dance Mix) (4:50)
- B2 Loving The Alien (Extended Dub Mix) (7:14)
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Robert Wyatt – ’68 (2013)
Robert Wyatt『’68』について
Robert Wyattの『’68』は、2013年にリリースされた作品。ジャズとロックを土台にしながら、フュージョンや実験性のある方向へも目を向けた内容で、Wyattのキャリアを振り返るうえで重要な位置づけの1枚として扱われている。
作品の成り立ち
タイトルの通り、1968年に関わる音源をまとめたアルバムで、Robert Wyattの音楽活動の初期をたどる構成になっている。Wyattは1960年代にWilde Flowers、続いてSoft Machineを共同結成し、ロンドンのサイケデリック・アンダーグラウンドの文脈で活動を広げていった人物。Soft MachineはJimi Hendrix Experienceの前座としてアメリカ・ツアーも行っており、その時期の空気がこの作品にもつながっている。
Wyatt自身は、のちにソロ活動でも独自の足跡を残していくが、『’68』はそうした本格的なソロ期の前段階にあたる時期を示す資料的な意味合いも持つ。本人のライフワークにおける“欠けていた部分”を埋めるような位置づけ、と説明されている。
サウンドの特徴
ジャズ由来の流れとロックの推進力が同居し、そこに実験的な組み立てが重なるタイプの内容。Soft Machine周辺の時代を思わせる、時に流動的で、時にリズムの切り替わりがはっきりした手触りがある。いわゆる歌もの中心ではなく、演奏の動きや構成そのものを追う楽しみが大きい作品だ。
同時代の文脈で見ると、Canや周辺のプログレッシブ/アヴァン寄りのロック、あるいはジャズ・ロックの展開と並べて語られやすい領域。Robert Wyattの名前が出るときに連想される、柔らかな声のソロ作品とはまた違い、バンドの変化や即興性が前に出る場面が想像しやすい。
リリース情報
- オリジナルリリース年: 2013年
- リリース国: US
- ジャンル: Jazz, Rock
- スタイル: Fusion, Experimental
フォーマットについて
2013年10月8日にリリースされ、アナログ盤、CD、デジタル配信で展開された。アナログ盤は白盤の初回プレスから始まり、その後も色違いのプレスが重ねられている。デジタル版には「Rivmic Melodies (Radio Edit)」がボーナストラックとして収録されている。
Robert Wyattという人物
Robert Wyattは1945年、イングランドのブリストル生まれ。1960年代半ばにWilde Flowersを共同結成し、1966年にはSoft Machineを共同結成した。Soft Machineは1967年に初のシングルを発表し、1968年にはJimi Hendrix Experienceの全米ツアーに同行している。
その後、Wyattはソロ活動へ移り、1973年の事故によって下半身不随となったのちも、車椅子で演奏と録音を続けてきた。『’68』は、そうした長いキャリアの中でも、出発点の時代を見つめ直す作品として受け取れる。
ひとこと
『’68』は、Robert Wyattの初期キャリアとSoft Machine周辺の空気をたどるうえで、かなり見通しのいい1枚。ジャズ、ロック、実験性が交差する時代の記録として、当時の流れがそのまま残っているような内容だ。
トラックリスト
- A1 Rivmic Melodies (18:17)
- A2 Chelsa (5:00)
- B1 Slow Walkin’ Talk (3:00)
- B2 Moon In June (20:33)
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Siouxsie & The Banshees – Tinderbox (1986)
Siouxsie & The Banshees『Tinderbox』
Siouxsie & The Bansheesの『Tinderbox』は、1986年にオリジナル・リリースされた7作目のスタジオ・アルバムです。ポストパンクを土台にしながら、オルタナティヴ・ロック、ニューウェイヴ、ゴシック・ロックの要素を組み合わせた一枚で、バンドの中期を代表する作品として語られることの多いタイトルです。ここで紹介するのは2018年盤です。
バンドの立ち位置
Siouxsie & The Bansheesは、1976年にロンドンで結成されたイギリスのバンドです。Siouxsie Siouxのヴォーカル、Steven Severinのベースを軸に、時期ごとにギタリストやドラマーを変えながら活動してきました。『Tinderbox』の時点では、Siouxsie Sioux、Steven Severin、John Valentine Carruthers、Budgieという編成。バンドのなかでも、音像が整理されつつ、演奏の輪郭がはっきりした時期の作品といえる。
サウンドの特徴
本作は、リズム隊の推進力と、ギターの鋭いフレーズが前に出る作り。録音はベルリンのHansa TonstudiosとロンドンのMatrix Studiosで行われ、ミックスはAir Studiosで仕上げられている。音の質感は比較的タイトで、曲ごとの緊張感が保たれている印象。ゴシック・ロックの要素は残しつつも、暗さだけに寄らず、構成の明快さが目立つアルバムでもある。
収録曲とシングル
全曲はバンド自身による作曲、プロデュース、アレンジ。アルバムからは事前にシングルも出ており、1985年10月の「Cities in Dust」と、1986年2月の「Candyman」が関連曲として挙げられる。どちらもバンドの代表曲として知られることの多いナンバーで、『Tinderbox』の輪郭をつかむうえでも重要な曲になっている。
- 「Cities in Dust」:アルバム期を代表するシングル
- 「Candyman」:続くシングルとして発表された楽曲
同時代とのつながり
1980年代半ばのイギリスでは、ポストパンク以降の流れを引き継ぎながら、ニューウェイヴやゴシック・ロックがそれぞれの形で広がっていた時期です。Siouxsie & The Bansheesは、そのなかでも独自の存在感を保ち続けたバンドで、同時代のThe Cureなどと並べて語られることも多い。『Tinderbox』は、そうした文脈のなかで、バンドの作曲面と演奏面のまとまりが見えやすいアルバムとして位置づけられる一枚です。
まとめ
『Tinderbox』は、Siouxsie & The Bansheesのキャリアのなかで、音の整理と緊張感が同時に前に出た1986年作です。ポストパンクの流れを引き継ぎながら、ニューウェイヴやゴシック・ロックの手触りを持った作品として、バンドの中期を押さえるうえで外せないタイトルといえるでしょう。
トラックリスト
- A1 Candyman
- A2 The Sweetest Chill
- A3 This Unrest
- A4 Cities In Dust
- B1 Cannons
- B2 Party’s Fall
- B3 92°
- B4 Lands End
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Chuzpe – 1000 Takte Tanz (1982)
Chuzpe『1000 Takte Tanz』について
Chuzpeは、1977年にウィーンで結成されたオーストリアのニューウェイブ/ポストパンク・バンドである。『1000 Takte Tanz』は1982年の作品として知られ、2012年に盤がリリースされている。電子音とロックの要素を行き来しながら、ニューウェイブ、シンセポップ、ミニマルの感触をまとめた一枚という位置づけになる。
バンドの背景
Chuzpeは、Robert Wolfを中心に結成されたグループで、オーストリア初期のパンク・シーンとも関わりのある存在として語られている。ウィーンという都市の空気と、当時のヨーロッパのポストパンク/ニューウェイブの流れが重なるあたりに、このバンドの立ち位置が見えてくる。
メンバーにはMic Metal、Andy Kolm、Stefan Pfeistlinger、Stephan Wildner、Gunulf、Jimmy Deix、Christian Brandl、Robert Wolf、James Bong、Charlie Wolf、Albert Griemann、Rudi Barcalらが名を連ねる。
サウンドの印象
『1000 Takte Tanz』は、ロックの骨格に電子的な質感を重ねた作品として捉えやすい。ニューウェイブらしいリズムの運び、シンセポップの音色、ミニマルな反復感が軸にあり、派手さよりも構造の組み立てで聴かせるタイプの手触りである。
同時代の文脈で見れば、初期ニューウェイブやポストパンクの流れ、あるいはシンセを前面に出したヨーロッパ圏のバンド群と並べて語られることがありそうだ。音の作り込みと簡潔さのバランスに、当時の空気が残っている。
作品としての位置づけ
1982年という時期は、Chuzpeにとって初期活動の延長線上にある時代で、バンドのサウンドがニューウェイブ/シンセポップ寄りの方向へまとまっていく局面とも読める。オーストリアのローカルなパンク/ニューウェイブ史の中で、Chuzpeの名前を確認するうえで重要な作品のひとつである。
補足
- アーティスト名: Chuzpe
- タイトル: 1000 Takte Tanz
- オリジナル年: 1982年
- 盤のリリース年: 2012年
- 国: オーストリア
- ジャンル: Electronic, Rock
- スタイル: New Wave, Synth-pop, Minimal
作品全体としては、オーストリアのニューウェイブ/ポストパンクの流れを押さえるうえで見逃しにくいタイトルである。
トラックリスト
- A1 Eine Hand Voll Chuzpe (2:22)
- A2 Zu Klug Für Diese Welt (1:49)
- A3 Vogue Girls (2:49)
- A4 Stealing Russians In Watchia (2:45)
- A5 Chinese Chive (2:10)
- A6 Der Rhythmus Dieser Stadt (2:17)
- B1 Der Meister Und Margerita (1:34)
- B2 Die Neuen Maschinen (3:21)
- B3 Gute Kräfte Sammeln Sich (1:56)
- B4 Das Zündholz (2:17)
- B5 Tote Körper Tanzen Anders (2:13)
- B6 Tausend Takte Tanz (4:11)
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The S.O.S. Band – S.O.S. (1980)
The S.O.S. Band『S.O.S.』について
The S.O.S. Bandの『S.O.S.』は、1980年にUSでリリースされたデビュー作。アメリカのR&B/エレクトロ・ファンク・バンドとして知られる彼らの初期像が、そのまままとまった一枚だ。ジャンル表記はFunk / Soul、スタイルはSoulとDisco。70年代末から80年代初頭のダンス・ミュージックの流れの中にある作品として捉えやすい。
バンドの成り立ちと本作の位置づけ
バンドはもともと「Santa Monica」という名前で活動していたが、1979年の「Take Your Time (Do It Right)」の録音中に、Sigidi Bashir Abdullahによって「The S.O.S. Band」へ改名された。S.O.S.は当初「sounds of success」の意味を持っていたという。『S.O.S.』は、そのバンド名を冠した初期作品であり、グループの基本的な方向性を示すタイトルでもある。
メンバーにはPenny Ford、Jason Bryant、Mary Davis、Bruno Speight、Billy Ellis、John Alexander Simpson、Willie Killebrew、James Earl Jones III、Fredi Grace、Jerome Thomas、Abdul Ra’oof、Chandra Currellyらがクレジットされている。USのR&Bバンドらしく、歌とリズムが前に出る編成だ。
サウンドの印象
この時期のThe S.O.S. Bandは、ソウルの歌心とディスコ以後のダンス感覚をつなぐ立ち位置にある。ファンク寄りのリズム、輪郭のはっきりしたビート、そしてR&Bらしいヴォーカルの組み合わせが軸になっている。派手に装飾するというより、グルーヴを保ちながら曲を進めるタイプの質感だ。
同時代の文脈で見ると、Chic周辺のディスコ以後の流れや、Earth, Wind & Fire、Zapp、Kool & the GangといったR&B/ファンク系アクトの空気感とも近いところがある。ソウルの延長線上にありながら、80年代的なリズムの硬さへ少し寄っていく、その境目の雰囲気がある。
代表曲について
The S.O.S. Bandを語るうえでは、「Take Your Time (Do It Right)」がよく知られている。バンド名の由来とも関わる曲で、彼らの初期を代表するナンバーとして扱われることが多い。『S.O.S.』は、その流れの中でバンドの輪郭を確認できる作品として位置づけやすい。
まとめ
『S.O.S.』は、The S.O.S. Bandの出発点にある1980年作。USのR&B/エレクトロ・ファンク・バンドらしい、ソウルとディスコの接点を持った内容で、初期のグループ像をつかむには分かりやすい一枚だ。バンド名の由来や代表曲の流れも含めて見ると、80年代R&Bの入り口にある作品として整理しやすい。
トラックリスト
- A1 S.O.S. (Dit Dit Dit Dat Dat Dat Dit Dit Dit) (5:43)
- A2 What’s Wrong With Our Love Affair? (4:51)
- A3 Open Letter (4:29)
- A4 Love Won’t Wait For Love (5:11)
- B1 Take Your Time (Do It Right) (7:30)
- B2 I’m In Love (3:36)
- B3 Take Love Where You Find It (5:55)
- B4 S.O.S. (Reprise) (1:50)
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Karen Beth – The Joys Of Life (1969)
Karen Beth『The Joys Of Life』について
Karen Bethは、アメリカのニューエイジ・フォーク系シンガー/ソングライター、パフォーマーとして知られるアーティストである。『The Joys Of Life』は1969年に発表された作品で、ロック、フォーク、カントリーの流れの中に置ける内容となっている。
作品の位置づけ
1969年という時代は、アメリカン・フォークがフォーク・ロックへ広がり、アコースティックな弾き語りの感覚とバンド・サウンドが近づいていった時期である。このアルバムも、その文脈の中で聴きやすい一枚として捉えられる。アーティスト本人の表現が前面に出るタイプの作品で、Karen Bethの音楽性を知るうえでの初期の記録といえるだろう。
サウンドの印象
ジャンル表記はRock、Folk、World, & Country、スタイルはFolk RockとAcoustic。そこから想像できる通り、派手な装飾よりも、アコースティック楽器の手触りや、歌の輪郭を生かした作りが中心になっていそうだ。フォークの語り口にロックの推進力が少し重なるような質感で、当時のアメリカ西海岸系フォーク・ロックやシンガーソングライター作品と近い空気を持つ可能性がある。
同時代とのつながり
1960年代後半のアメリカでは、Joni Mitchell、Judee Sill、Joan Baezのようなシンガーソングライターやフォーク系アーティストが、それぞれのやり方で個人の歌を前に出していた。Karen Bethの『The Joys Of Life』も、その時代のフォーク寄りの表現のひとつとして見ると流れがつかみやすい。派手なロック・アルバムというより、歌と演奏の距離感を大事にした作品という印象である。
まとめ
『The Joys Of Life』は、1969年のアメリカン・フォーク/フォーク・ロックの空気を反映した作品として整理できる。アコースティックな感触を軸に、歌の存在感を前に置いたアルバムとして、Karen Bethの初期像を伝える一枚といえる。
トラックリスト
- A1 It’s All Over Now
- A2 In The Morning
- A3 I Know That You Know
- A4 The Joys Of Life
- A5 Something To Believe In
- A6 April Rain
- B1 White Dakota Hill
- B2 Come December
- B3 Song To A Shepherd
- B4 Nothing Lasts
- B5 Tomorrow’s A New Day
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Il Rovescio Della Medaglia – La Bibbia (1989)
Il Rovescio Della Medaglia「La Bibbia」
イタリアのプログレッシブ・ロック・バンド、Il Rovescio Della Medagliaによる「La Bibbia」は、1971年に発表された作品として知られる一枚。バンド初期の代表作で、ハード・ロック寄りの骨太な演奏に、プログレの要素が少しずつ入り込んでくるタイプの内容になっている。
バンドの位置づけ
Il Rovescio Della Medagliaは、1970年ごろにローマで結成されたグループで、ビート・バンド「I Lombrichi」の流れをくむ存在。Enzo Vitaのギター、Stefano Ursoのベース、Gino Campoliのドラムに、Pino Ballariniのヴォーカルが加わった編成が核になっている。後にキーボード奏者Franco Di Sabatinoが加わり、サウンドはよりシンフォニックな方向へ広がっていくが、「La Bibbia」はその前段階にあたる作品という位置づけだ。
サウンドの特徴
この作品は、まずリズムの押し出しが強い。ギターとリズム隊が前に出る作りで、プログレというよりはハード・ロックの感触がはっきりしている。その一方で、構成や展開には後のプログレ色につながる要素もあり、単なる直線的なロックには収まらない内容になっている。
音の質感としては、派手に装飾するというより、演奏の勢いと一体感で押していく印象。イタリアン・プログレの中でも、よりロック寄りの初期作品として捉えられることが多い流れだろう。のちのシンフォニックな展開を見せる時期と比べると、かなりストレートな手触りだ。
同時代の文脈
同時代のイタリアン・ロックには、ハード・ロックからプログレへと接近していくバンドが少なくない。Il Rovescio Della Medagliaもその一つで、初期の荒さや勢いを残しながら、後年にかけてより大きな構成を持つ作品へ進んでいく。イタリアの70年代プログレの中では、叙情性やクラシカルな要素が前面に出るバンドと並びつつ、より硬質なロック感を持つグループとして語られることがある。
作品の流れの中で
「La Bibbia」は、バンドの出発点を示す重要な一枚。続く「Io come io」では同じくハード寄りの方向性を保ちながら、より哲学的な歌詞が取り入れられていく。そして「Contaminazione」ではキーボードを加えたシンフォニックな方向へ大きく展開していくので、この作品はその前段階、バンドの原点を知るうえでの入口にあたる。
まとめ
Il Rovescio Della Medagliaの「La Bibbia」は、イタリアン・プログレの文脈にありながら、まずはハード・ロックの勢いで聴かせる初期作。のちの大作志向やシンフォニックな広がりとは少し違う、バンドの初期衝動がそのまま残ったような内容だ。
トラックリスト
- A1 Il Nulla
- A2 La Creazione
- A3 L’Ammonimento
- B1 Sodoma E Gomorra
- B2 Il Giudizio
- B3 Il Diluvio
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The Spacious Mind – Sleepy Eyes And Butterflies (1995)
The Spacious Mind「Sleepy Eyes And Butterflies」について
The Spacious Mindの「Sleepy Eyes And Butterflies」は、1995年の作品。スウェーデン出身のバンドとして知られる彼らが、サイケデリック・ロックの文脈で存在感を示していた時期の一枚です。アメリカのサイケデリック・ロック、特に1960年代後半の空気を参照しつつ、スペース感のある広がりや、時間感覚をゆるめるような構成が特徴のグループとして語られることが多いです。
サウンドの印象
この作品も、そうしたバンドの持ち味が前面に出るタイプの一枚といえます。ギターの残響、ゆるやかに揺れるリズム、曲の流れの中で少しずつ景色が変わっていくような組み立てが、サイケデリック・ロックらしい手触りにつながっています。派手に押し切るというより、音の重なりや余韻で聴かせる方向性の作品として捉えやすいです。
作品の位置づけ
The Spacious Mindは1991年結成のバンドで、世界的にも評価されてきたサイケデリック・バンドのひとつとされています。「Sleepy Eyes And Butterflies」は、そうした彼らの初期の活動期に出たアルバムで、バンドの方向性を示す作品として見ることができそうです。のちの活動につながる、基本の音像や感触がまとまっている時期の記録とも言えます。
ジャンルの文脈
この作品を置く場所としては、60年代サンフランシスコのサイケデリック・ロック、あるいはその後のネオ・サイケデリアの流れが近いです。音の組み立てや雰囲気の作り方には、同系統のバンドと並べて語られる要素があります。アメリカ西海岸のサイケデリックな感触を、スウェーデンのバンドが自分たちなりに引き継いでいる、そんな見方がしやすい作品です。
メンバー
- David Johansson
- Henrik Oja
- Jens Unosson
- Mårten Lundmark
- Thomas Brännström
- David Åkerlund
- Niklas Viklund
ひとこと
「Sleepy Eyes And Butterflies」は、The Spacious Mindのサイケデリック・ロック志向がはっきり出る1995年の作品。音の質感や曲の流れに、60年代サイケの参照点が見えやすい一枚です。
トラックリスト
- A To Earth With Love (23:22)
- Seashore Trees (21:15)
- C1 Alice Of Strange (11:03)
- C2 Your Mind And Mine (13:34)
- D Space Blues – Diary Of The Sun (17:05)
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Flesh For Lulu – Big Fun City (1985)
Flesh For Lulu「Big Fun City」について
Flesh For Luluは、ロンドンのブリクストンで結成されたロック・バンドで、1982年から1992年にかけて活動したグループだ。
「Big Fun City」は1985年の作品で、1986年に盤としてリリースされている。
イギリスのオルタナティブ・ロック、ニュー・ウェイヴ、インディー・ロックの流れに位置する一枚として見ていくと、バンドの輪郭がつかみやすい。
サウンドの印象
この時期のFlesh For Luluは、ギター中心のロックを軸にしながら、ニュー・ウェイヴ由来の乾いた質感や、オルタナティブ寄りの直線的な推進力を持つバンドとして語られることが多い。
「Big Fun City」も、そうした流れの中で、硬質なギターと前に出るリズム、都市的な空気感を感じさせる作品として捉えられる。
作品の位置づけ
Flesh For Luluは、Nick Marsh、Derek Greening、Kev Mills、Rocco Barker、James Mitchell、Mark Bishop、Glen Bishop、Hasse Perssonといったメンバー名が挙がるバンドで、80年代の英国ロックの文脈に置くと見えやすい。
「Big Fun City」は、アーティストの活動初期から中期にかけての時代感を伝える作品で、後の展開につながるバンドの基本的なスタイルを確認できる一枚という位置づけになっている。
同時代の文脈
80年代中盤の英国では、ポスト・パンク以後の感覚を引き継いだバンドが、ニュー・ウェイヴやインディー・ロックの中で独自の音を作っていた。
Flesh For Luluもその流れにあり、同時代のバンドと比べると、ストレートなロック感と都会的な冷たさの両方を持つタイプとして受け取られることがある。
代表曲について
Flesh For Luluには後年に知られる曲もあるが、「Big Fun City」については作品全体の流れで聴かれることが多い。
バンドの初期の輪郭を知るうえで、曲単位だけでなくアルバム全体のまとまりが重要な一枚だ。
まとめ
「Big Fun City」は、1985年のFlesh For Luluを映すロック作品で、1986年に盤として流通した。
英国のオルタナティブ・ロック、ニュー・ウェイヴ、インディー・ロックの交差点にあるような内容で、バンドの活動初期の空気をそのまま感じやすいタイトルだ。
トラックリスト
- A1 Baby Hurricane (3:13)
- A2 Cat Burglar (2:59)
- A3 Let Go (3:00)
- A4 Vaguely Human (3:22)
- A5 Rent Boy (4:39)
- B1 Golden Handshake Girl (4:04)
- B2 In Your Smile (3:06)
- B3 Blue (3:29)
- B4 Landromat Kat (2:16)
- B5 Just One Second (3:07)
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Tako – Tako (1978)
Tako『Tako』について
『Tako』は、ユーゴスラビアのプログレッシブ・ロック・バンド、Takoが1978年に発表したアルバムである。編成は、Dušan Ćućuz、Slobodan Felekatović、Miroslav Dukić、Đorđe Ilijin、Sava Bojićらによるもの。ジャンル表記としてはジャズ、ロックにまたがり、スタイル面ではプログレッシブ・ロック、スペース・ロック、フュージョンの要素を含む作品とされている。
作品の位置づけ
Takoは1970年代後半に活動したバンドで、アルバムは『Tako』(1978)と『U vreći za spavanje』(1980)の2作が知られている。本作『Tako』は、その初期を代表する1枚という位置づけになる。バンドの活動時期と重なる1978年の発表で、グループの基本的な音楽性を示す作品として見られることが多い。
サウンドの特徴
編成にはベース、ドラム、ギター、キーボードに加えてフルートやハープも含まれており、ロックの骨格の上に鍵盤や管楽器の要素を重ねる構成がうかがえる。プログレッシブ・ロックらしい曲展開に、ジャズ由来のフレーズやフュージョン寄りの動きが差し込まれるタイプの作りだと捉えやすい。スペース・ロックの表記もあるため、音の抜けや広がりを意識した場面も想像しやすい。
同時代の文脈
1970年代後半の東欧圏では、英米のプログレッシブ・ロックやジャズ・ロックの影響を受けつつ、各地のバンドが独自の解釈で作品を作っていた。Takoもその流れにあるグループのひとつで、演奏力を前面に出したロックと、組曲的な構成や即興性を感じさせる要素が接点になっている。比較の対象としては、同時代のプログレッシブ・ロックやジャズ・ロック系バンドの文脈で語られることが多そうなタイプである。
まとめ
『Tako』は、1978年当時のユーゴスラビア産プログレッシブ・ロックの空気を伝えるアルバムで、ロック、ジャズ、フュージョンの要素が交差する作品である。バンドの初期像を知るうえで、ひとつの基点になるレコードと言えそうだ。
トラックリスト
- A1 Wake Up (4:48)
- A2 Synthesis (4:55)
- A3 Merging Of Sunlight Into The Memory Of Sand (6:35)
- A4 Lena (4:43)
- B1 Miniature (2:55)
- B2 Second Side Of Me (16:26)
- B3 Journey To The South (3:42)
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EP-4 – Lingua Franca-X (1984)
EP-4「Lingua Franca-X」について
「Lingua Franca-X」は、京都で結成された日本のノーウェイヴ/実験音楽/アヴァンファンク・バンド、EP-4の作品で、1984年のリリースです。電子音を軸にした実験的なアプローチが前面に出た1枚で、EP-4というバンドの性格をそのまま示すような内容になっています。
EP-4というバンドの輪郭
EP-4は1980年に京都で始動したグループで、メンバーにはYuji Kawashima、Kaoru Sato、Tatsuo Kohki、Yung Tsubotaj、Tohru Sanjo、Ko Sakuma、So-si Suzukiが名を連ねています。日本のノーウェイヴや前衛的なファンクの流れの中で語られることの多い存在で、ロックの定型に収まらない構成や、電子的な処理を含んだ音作りが特徴として挙げられます。
サウンドの印象
この作品は、ジャンル表記としてはElectronic、スタイルとしてはExperimentalに位置づけられています。音の質感としては、リズムや音響の組み立てに重心が置かれたタイプの作品として捉えられそうです。バンド演奏の生々しさと、電子的な処理による硬さや距離感が同居するような、当時の実験音楽らしい手触りがうかがえます。
同時代の文脈
1980年代前半の日本では、ニューウェイヴ以降の感覚を取り込みながら、ポストパンクや実験音楽、ファンクの要素を横断する動きが広がっていました。EP-4もその文脈の中で、単なるバンドサウンドではなく、電子音や反復、断片的な構成を使って独自の表現を組み立てていたグループとして見られます。海外のノーウェイヴやアヴァンファンクとの比較で語られることもありそうな立ち位置です。
作品の位置づけ
「Lingua Franca-X」は、EP-4の初期活動期にあたる1984年の作品として、グループの方向性を示す重要な記録のひとつといえます。のちに2012年に再結成されることを考えると、この時期の音源は、当時のEP-4がどんな音を志向していたかを知るうえで手がかりになる作品です。
まとめ
「Lingua Franca-X」は、京都発の実験志向のバンドEP-4が1984年に残した、電子音と前衛性の交差する作品です。曲単位で大きく押し出されたヒット曲や代表曲については、この作品情報からは確認できませんが、バンドの持つ実験性と時代性をまとまって感じられるタイトルとして位置づけられる1枚です。
トラックリスト
- A Coco
- B1 dB
- B2 Zoy
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The Big Dish – Satellites (1991)
The Big Dish「Satellites」について
「Satellites」は、スコットランド出身のポップ・ロック・バンド、The Big Dishによる1991年の作品。Airdrieで1983年にSteven Lindsayを中心に結成されたこのバンドは、編成を変えながら活動を続け、1986年から1991年の間に3枚のアルバムを残している。その流れの中で置くと、本作はバンド後期の時期にあたる一枚という見方ができる。
バンドの成り立ちと位置づけ
The Big Dishは、Steven Lindsayを軸にしたUKのポップ・ロック・バンドとして知られる。メンバーにはRaymond Docherty、Brian McFie、Allan Dumbreck、Oreste Gargaroらが名を連ねる。スコットランドのバンドらしい、英国的なメロディ感を持ちながら、ロックの骨格の上にポップな歌心を重ねるタイプのグループとして捉えやすい。
1991年という時期は、UKロックの中でもギター・バンドとポップの境目がよく見える頃。The Big Dishもその文脈に置くと、派手さよりも楽曲の流れや歌の輪郭を前に出すタイプの作品として受け取れる。Prefab SproutやAztec Cameraのような、メロディを重視する英国ポップの系譜と並べて語られることもありそうだ。
サウンドの印象
ジャンル表記はRock、スタイルはPop Rock。そうした情報どおり、ギターを基盤にしながら、曲の構成やフックをしっかり聴かせる作りが想像しやすい。大きく押し出すロックというより、整ったアレンジと歌を中心にした質感。輪郭のはっきりしたサウンド、という言い方が近いかもしれない。
タイトルの「Satellites」も含め、作品全体には距離感のあるイメージが重なりやすい。とはいえ、実際の印象はメロディとバンド演奏のバランスに出るはずで、そこがThe Big Dishらしさとして受け止められるところだろう。
1991年の作品として
本作は1991年のリリース。The Big Dishにとっては、1980年代から続けてきた活動の先にある一枚であり、バンドの音楽性を確認するうえでの節目として見られる作品になっている。アルバム単位で追うと、活動期間の最後に近い時期の記録としても位置づけやすい。
まとめ
「Satellites」は、Scottish pop rockの流れの中で語れるThe Big Dishの1991年作。派手な装飾よりも、メロディ、演奏、曲のまとまりを軸にした一枚として整理しやすい。UKのギター・ポップ/ポップ・ロックの文脈に置くと、バンドの持ち味が見えやすい作品だ。
トラックリスト
- A1 Miss America (3:56)
- A2 State Of The Union (4:31)
- A3 Across The Province (4:40)
- A4 Give Me Some Time (3:15)
- A5 25 Years (4:03)
- B1 Big Town (4:05)
- B2 Shipwrecked (4:52)
- B3 Warning Sign (3:27)
- B4 Bonafide (4:25)
- B5 Learn To Love (4:07)
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Andrew Gold – Whirlwind (1980)
Andrew Gold『Whirlwind』について
『Whirlwind』は、アメリカのシンガーソングライター/プロデューサー、Andrew Goldが1980年に発表した作品。ソフトロックの流れを受け継ぐ耳なじみのよいメロディと、ロック寄りの輪郭を持ったサウンドが並ぶ一枚として知られている。1970年代のアメリカン・ソフトロックを支えた人物のひとりらしく、作曲とアレンジの手つきが前面に出た内容になっている。
サウンドの印象
全体としては、ギター、鍵盤、コーラスのまとまりがよく、音の立ち上がりもきれいな作り。派手に押し切るタイプではなく、曲の流れやフックを丁寧に積み上げていくタイプのアルバムという印象が強い。ソフトロックらしい整った質感の中に、ロックの推進力がほどよく入っている。
Andrew Goldというアーティストの位置づけ
Andrew Goldは、1951年にカリフォルニア州バーバンクで生まれたアメリカのシンガーソングライター/プロデューサー。ソフトロックの文脈で語られることが多く、1970年代のアメリカン・ポップ/ロックの感触をつくった人物のひとりとして見られている。『Whirlwind』は、そうしたキャリアの中で、彼のソングライターとしての持ち味がまとまって表れた時期の作品といえる。
同時代の文脈
1980年という時期を考えると、AORやソフトロックの流れが引き続き残っていた頃でもある。洗練されたコード感、過不足のない演奏、メロディ重視の作りは、同時代のアメリカ西海岸系のポップ/ロックとも通じる部分がある。TotoやChristopher Crossのような、後のAOR的な耳触りを思わせる要素と並べて語られることもありそうな立ち位置だ。
作品の聴きどころ
- メロディの明快さ
- ソフトロック寄りの整ったアレンジ
- ロックの骨格を残した演奏感
- 作曲家としての手堅さが見える構成
『Whirlwind』は、派手な装飾よりも曲そのものの組み立てで聴かせるタイプのアルバム。Andrew Goldの持つポップな感覚と、アメリカン・ロックの実直さが同じ場所に置かれた作品として、80年代初頭の空気を映している。
トラックリスト
- A1 Kiss This One Goodbye (4:03)
- A2 Whirlwind (4:16)
- A3 Sooner Or Later (3:31)
- A4 Leave Her Alone (3:30)
- A5 Little Company (4:16)
- B1 Brand New Face (4:43)
- B2 Nine To Five (4:04)
- B3 Stranded On The Edge (4:03)
- B4 Make Up Your Mind (5:06)
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Mike Oldfield – Ommadawn = オマドーン (1975)
Mike Oldfield『Ommadawn』について
Mike Oldfieldの『Ommadawn』は、1975年に発表された作品。プログレッシブ・ロックを軸に、フォークや民族音楽、実験的な要素を織り込んだ、長尺の組曲的なアルバムとして知られている。『Tubular Bells』で広く名を知られた後の作品で、Mike Oldfieldの多重録音を中心とした作曲スタイルが、より濃く出ている一枚という印象だ。
サウンドの特徴
楽曲は、アコースティックな響きとエレクトリックな音色が行き来する構成。ギター、フルート、打楽器、コーラスなどが層を重ねながら進み、細かなフレーズの積み重ねで曲全体が組み上がっていく。ロックのバンド演奏というより、複数の楽器を組み合わせた大きな組曲を聴く感覚に近い。フォーク的な旋律感と、実験的な展開が同居している作品でもある。
Mike Oldfieldの中での位置づけ
『Ommadawn』は、『Tubular Bells』に続く1970年代Mike Oldfieldの代表的な長編アルバムのひとつ。複雑な構成と緻密な録音作業を前面に出した時期の作品で、彼の作曲家・マルチインストゥルメンタリストとしての個性がはっきり見える。のちのニューエイジ寄りの流れや、よりポップな方向とは少し距離があり、70年代プログレの文脈に置かれることが多い作品だ。
同時代の文脈
1975年という時期を考えると、英国のプログレッシブ・ロックが成熟していた頃の作品として見えてくる。長尺構成、演奏の積み重ね、民族音楽やフォークへの接近などは、同時代のプログレ勢とも通じる部分がある。とはいえ、バンド単位のアンサンブルよりも、Oldfield自身の多重録音によって音像を組み立てる点に、この作品ならではの特徴がある。
収録曲とよく知られる部分
アルバムは大きく2部構成の流れで進み、終盤には「On Horseback」が置かれている。この曲は、アルバム本編の流れの中でも印象に残るパートとして知られる。盤によっては別扱いの見え方をすることもあるが、作品全体の締めくくりに近い位置づけだ。Mike Oldfieldの作品の中でも、楽曲単体というよりアルバム全体で聴かれることの多いタイトルといえる。
制作メモ
レコーディングは1975年、The Beaconで行われた記録が残っている。Virgin Records初期の重要作のひとつとしても扱われる作品で、70年代英国ロックの中で存在感を持つアルバムだ。
『Ommadawn』は、Mike Oldfieldの多層的な音作りと、フォーク寄りの旋律、プログレ的な構成感がまとまった一枚。派手なシングルヒットで押す作品ではないが、彼の代表的なアルバムとして語られることの多いタイトルだ。
トラックリスト
- A Ommadawn (Part One) = オマドーン・パート1 (19:14)
- B Ommadawn (Part Two) = オマドーン・パート2 (17:17)
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Francesco Guccini – Opera Buffa (1973)
Francesco Guccini「Opera Buffa」について
「Opera Buffa」は、イタリアのシンガーソングライター、Francesco Gucciniが1973年に発表した作品。Gucciniは1940年6月14日、モデナ生まれで、イタリアのフォーク/カンツォーネ系の流れの中で語りを含む表現を得意とするアーティストとして知られている。
この作品は、ジャンル表記ではNon-Music、Pop、Folk、World、& Country、スタイルではChanson、Spoken Wordにまたがる内容。音楽だけで押し切るというより、言葉の比重が大きい作りで、語りと歌が行き来する構成が想像しやすい。派手な演出よりも、言葉の運びや話法そのものを聴かせるタイプの一枚という印象がある。
作品の位置づけ
1973年という時期は、Gucciniが作家性を強めていた時代にあたる。イタリアのシンガーソングライターたちが、政治や社会、個人の記憶を歌詞に持ち込んでいった流れの中で考えると、この作品もその文脈に置いて見やすい。ZuccheroやLucio Dallaのようなポップ寄りのアーティストとは少し距離があり、より言葉中心のカンツォーネ/フォークの系譜に近い。
タイトルの「Opera Buffa」は、オペラ・ブッファを思わせる言い回しで、作品全体にも演劇的な感触を与えている。内容の細部は作品を通して確かめたいところだが、少なくとも形式面では、一般的なポップ・アルバムとは違う手触りがある。
サウンドの質感
サウンドは、華美なアレンジで押すというより、声と言葉を前に出した作りとして捉えやすい。Spoken Wordの要素が示す通り、朗読や語りに近い場面が軸になっていると見てよさそうだ。フォーク由来の素朴さと、シャンソン的な語り口が並ぶところに、この作品の輪郭がある。
同時代の文脈
1970年代前半のイタリアでは、カンツォーネが単なる流行歌にとどまらず、文章性の強い表現へ広がっていった時期でもある。Francesco Gucciniは、その中でも歌詞の重みを強く意識した人物として知られていて、「Opera Buffa」もそうした流れの一部として見ると分かりやすい。フォーク、シャンソン、語りの要素が交差する作品群の中に位置する一枚だ。
アーティストについて
Francesco Gucciniはモデナ出身のイタリア人ソングライター、フォークシンガー。イタリア語の言葉運びを重視した作品で評価されてきたアーティストで、公式サイトや各種紹介ページでもその作家性が前面に出ている。「Opera Buffa」は、そうしたGucciniの持ち味を確認しやすい1973年作として見ておくと整理しやすい。
基本情報
- アーティスト: Francesco Guccini
- タイトル: Opera Buffa
- オリジナルリリース年: 1973年
- リリース国: Italy
- アーティストの国: Italy
- ジャンル: Non-Music / Pop / Folk, World, & Country
- スタイル: Chanson / Spoken Word
Francesco Gucciniの1973年作として、歌と語りの境界を行き来する作品。イタリアのカンツォーネとフォークの文脈の中で、言葉の存在感が際立つ一枚だ。
トラックリスト
- A1 Il Bello (2:17)
- A2 Di Mamme Ce N’è Una Sola (4:25)
- A3 La Genesi (7:00)
- B1 Fantoni Cesira (3:00)
- B2 Talkin’ Sul Sesso (6:00)
- B3 La Fiera Di San Lazzaro (5:40)
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Bill Withers – +’Justments (1974)
Bill Withers『+’Justments』について
Bill Withersの『+’Justments』は、1974年にリリースされたソウル作品である。1971年のデビュー作『Just As I Am』で注目を集めたWithersが、その後に発表したアルバムのひとつで、シンガー/ソングライターとしての持ち味をよりはっきり示した内容になっている。
作品の位置づけ
Bill Withersは、ロックやポップの文脈でも語られることのあるソウル・アーティストだが、基本にあるのは歌と曲そのものの強さである。遅いスタートからキャリアを切り開いた人物としても知られ、この時期の作品では、派手な演出よりも、言葉の運びやメロディの置き方に重心がある。『+’Justments』もその流れの中にある一枚といえる。
1970年代前半のUSソウルらしく、ファンクの要素を含みながらも、全体は過度に鋭くならず、歌の輪郭を残した作りになっている。リズムはしっかりしていて、音数は比較的整理され、声の温度が前に出るタイプの質感である。
サウンドの印象
このアルバムでは、Bill Withersの低めで落ち着いた歌声が中心にある。演奏はソウルを基調にしつつ、ファンク寄りのうねりも見せるが、あくまで曲を支える役割にとどまっている印象だ。ざらつきのあるグルーヴと、歌の説得力が並ぶ構成で、同時代のソウル・シーンの中でも、James Brown系の強いファンクとは少し異なる、より歌主体の方向にある。
同じ1970年代のソウル・シンガーでいえば、Curtis MayfieldやMarvin Gayeのように社会性や内省を含ませるタイプとも重なる部分があるが、Withersの場合は、日常の感情や人間関係を、比較的まっすぐな言葉で置いていくところに特徴がある。
代表曲としての存在感
Bill Withersの代表曲としては、『Ain’t No Sunshine』、『Lean on Me』、『Use Me』などがよく知られている。『+’Justments』は、それらの大ヒット曲で広く知られる以前から続く流れの中にあり、アーティストの表現が安定していく時期の作品として聴かれることが多いはずだ。
アルバム全体としては、曲ごとの個性を追うよりも、Withersの歌声とソウルの基本形をじっくり味わうタイプの内容である。1974年という時代のUSソウルの空気を映しながら、Bill Withersらしい抑制の効いた歌の存在感が残る一枚だ。
トラックリスト
- A1 You (5:18)
- A2 The Same Love That Made Me Laugh (3:23)
- A3 Stories (2:42)
- A4 Green Grass (3:08)
- A5 Ruby Lee (3:16)
- B1 Heartbreak Road (3:06)
- B2 Can We Pretend (3:47)
- B3 Liza (3:02)
- B4 Make A Smile For Me (3:14)
- B5 Railroad Man (6:24)
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Boards Of Canada – Inferno (2026)
Boards Of Canada『Inferno』について
『Inferno』は、スコットランド・エディンバラ出身の電子音楽デュオ、Boards Of Canadaによる2026年作。Michael SandisonとMarcus Eoinの兄弟を中心に活動してきた彼ららしい、Electronicを軸にした作品として位置づけられる一枚です。ジャンル表記としてはDowntempo、Ambient、IDM、Experimentalが並び、Boards Of Canadaの作品群に通じる制作姿勢がうかがえます。
Boards Of Canadaという存在
Boards Of Canadaは、1986年に結成されたミステリアスな電子音楽ユニットです。グループ名はカナダ国立映画制作庁「National Film Board of Canada」に由来し、彼らの創作には同庁のドキュメンタリー映像が影響したとされています。映像資料の記憶や断片を、音として組み替えていくような感覚は、彼らの作品全体に通じる特徴のひとつです。
メンバーはMichael Sandison、Marcus Eoin、Chris Horne。Boards Of Canadaの名義では、兄弟を中心にした制作の印象が強く、電子音の処理やサンプリングの使い方に独自の輪郭があります。
サウンドの特徴
Boards Of Canadaの音楽は、打ち込みのリズムを土台にしながら、音の輪郭を少し曇らせたような質感が印象に残ります。ビートは前に出すぎず、アンビエント寄りの空間処理や、IDM的な細かな音の組み立てが自然に混ざり合うタイプです。『Inferno』でも、そうした低速の展開や、音の隙間を活かした構成が作品の軸になっていると考えられます。
電子音楽の中でも、Autechreのような実験性や、Aphex Twinに近い文脈で語られることのあるアーティストですが、Boards Of Canadaはより記憶や映像の断片を思わせる整理された手つきで知られます。数字や理論だけで押し切るタイプではなく、音の配置や質感の積み重ねで聴かせるところがあるユニットです。
作品の位置づけ
『Inferno』は、Boards Of Canadaの2026年作としてカタログに加わるタイトルです。彼らの作品は、アルバムごとに大きな方向転換を見せるというより、既存の手法を保ちながら細部の処理や空気感を更新していく印象があります。その意味で本作も、これまでの流れの延長線上にある作品として受け止められそうです。
タイトルにある「Inferno」は、作品の内容を直接説明する言葉ではないものの、Boards Of Canadaの過去作に見られた、穏やかさと不穏さが同居する感触を連想させます。明るい旋律と、少し距離のある音像が並ぶ構造は、彼らの持ち味のひとつです。
関連する文脈
Boards Of Canadaは、1990年代後半から2000年代初頭にかけてのIDM、エレクトロニカ、アンビエントの流れの中で語られることが多い存在です。Warp周辺のアーティスト群と並べて語られることもあり、同時代の電子音楽の中でも、記憶、映像、ノスタルジアといった要素を音で扱う点に特徴があります。
代表曲としては「Roygbiv」「Dayvan Cowboy」などが広く知られており、Boards Of Canadaの輪郭をつかむうえで参照されることの多い楽曲です。いずれも、ビートとメロディの距離感、そして音のくぐもり方に彼ららしさが出ています。
まとめ
『Inferno』は、Boards Of Canadaというユニットの持つ、電子音楽の構造と記憶の感触を重ねる作風をあらためて示す作品として見えてきます。Downtempo、Ambient、IDM、Experimentalといったタグが並ぶ通り、リズムと空間、輪郭と曖昧さのあいだを行き来する一作です。
トラックリスト
- A1 Introit (0:37)
- A2 Prophecy At 1420 MHz (5:03)
- A3 Hydrogen Helium Lithium Leviathan (4:44)
- A4 Age Of Capricorn (3:52)
- A5 Father And Son (3:22)
- B1 Somewhere Right Now In The Future (2:25)
- B2 Naraka (5:00)
- B3 Acts Of Magic (1:20)
- B4 Memory Death (2:36)
- B5 The Word Becomes Flesh (5:20)
- C1 Into The Magic Land (4:32)
- C2 Blood In The Labyrinth (4:55)
- C3 Deep Time (3:19)
- C4 All Reason Departs (6:01)
- D1 Arena Americanada (5:22)
- D2 The Process (3:00)
- D3 You Retreat In Time And Space (5:22)
- D4 I Saw Through Platonia (2:30)
- E Vol.4 – P. Primers – 177 Giraud’s Mirror (Ascension Recorded At The MWVYF Conference, 28 August 1983) (3:30)
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Colin Blunstone – Collected (2014)
Colin Blunstone『Collected』について
Colin Blunstoneの『Collected』は、2014年にリリースされたコンピレーション作品。英ロック/ポップの文脈で知られる彼のソロ活動を、まとめて追いやすい一枚になっている。2018年盤として流通しているが、作品そのものは2014年のリリースとして扱われる。
Colin Blunstoneという歌声
Colin Blunstoneは、The Zombiesのシンガーとして出発したイングランドの歌手、ソングライター、ミュージシャン。1960年代から活動を続け、ソロでは1971年の『One Year』で本格的に独立したキャリアを築いた人物だ。The Zombiesでの活動と並行して、ソロでも長く作品を重ねてきたことが、この『Collected』にもつながっている。
作品の輪郭
収録内容は、RockとPopを軸にしたソロ期の楽曲群。スタイルとしてはSoft Rock、Symphonic Rockの要素が見えやすい。バンド時代の緊張感よりも、声の柔らかさやメロディの運びが前に出るタイプで、楽器の厚みを持たせたアレンジと、落ち着いた歌唱が印象に残る構成になりやすい。
Colin Blunstoneの音楽は、同時代の英国ポップ/ロックの流れの中でも、The Zombiesや、近い質感を持つソフトロック系のアーティストと並べて語られることが多い。派手さよりも、旋律の流れと声の存在感で聴かせるタイプという見方がしやすい。
ソロ活動の位置づけ
この『Collected』は、The Zombiesのヴォーカリストという顔だけでなく、ソロ・アーティストとしてのColin Blunstoneを見渡すための編集盤という位置づけになりそうだ。1960年代のバンド活動、1970年代以降のソロ作品、そして後年の活動までを通して、彼の歌声がどのように機能してきたかを確認できる内容。
ひとこと
Colin Blunstoneの作品は、派手な主張を前面に出すというより、歌声とメロディの輪郭でじわりと聴かせるタイプ。『Collected』も、その持ち味をコンパクトに追える編集盤として位置づけられる一枚だ。
トラックリスト
- A1 She’s Not There
- A2 Tell Her No
- A3 Summertime
- A4 Time Of The Season
- A5 Say You Don’t Mind
- A6 Caroline Goodbye
- A7 Misty Roses
- A8 I Don’t Believe In Miracles
- B1 How Could We Dare To Be Wrong
- B2 Andorra
- B3 Keep The Curtains Closed Today
- B4 Exclusively For Me
- B5 Pianes
- B6 Ain’t It Funny
- B7 I Want Some More
- C1 What Becomes Of The Broken Hearted
- C2 Wonderful
- C3 The Tracks Of My Tears
- C4 Old And Wise
- C5 The Eagle Will Rise Again
- C6 Miles Away
- D1 Home
- D2 Sanctuary
- D3 In My Mind A Miracle
- D4 Any Other Way
- D5 The Ghost Of You And Me
- D6 Though You Are Far Away
- D7 So Much More
Birth Control – The Best Of Birthcontrol Vol. 2 (1978)
Birth Control『The Best Of Birthcontrol Vol. 2』について
Birth Controlは、1966年にベルリンで結成されたドイツのロック・バンドだ。
本作『The Best Of Birthcontrol Vol. 2』は1978年にドイツでリリースされた編集盤で、バンドの活動期を振り返る内容になっている。
バンドの輪郭
Birth Controlは、ドイツのプログレッシブ・ロック、クラウトロック、ジャズ・ロックの流れの中で語られることが多いグループだ。
電子的な質感、ロックの推進力、ジャズ寄りの演奏感が重なるタイプで、同時代のGerman Rockの中でも長く活動を続けたバンドのひとつとして知られている。
この作品も、そうしたバンドの歩みをまとめた一枚として位置づけられる。
代表的な楽曲群を通して、Birth Controlの持つリズムの強さや、演奏主体の組み立てが見えやすい編集盤といえる。
サウンドの印象
ジャンル表記にある通り、ここではロックを軸に、ジャズ・ロック的な展開やプログレッシブ・ロックの構成感が前面に出る。
音の質感としては、演奏の密度が高く、リズム隊が曲を引っ張る場面が多い。そこにキーボードやギターが絡み、電子的な要素も加わることで、70年代ドイツらしい硬質な手触りが出ている。
派手な装飾よりも、バンド全体のアンサンブルで聴かせるタイプの編集盤として捉えやすい。
Krautrock周辺の作品に見られる、反復と推進力の感覚も感じ取れる内容だ。
同時代の文脈
Birth Controlは、CanやAmon Düül II、Guru Guru、Epitaphといった同時代のドイツ・ロック勢と並べて語られることがある。
ただし、完全に実験寄りへ振り切るというより、ロックの骨格を保ちながらジャズやプログレの要素を取り込んでいる点が特徴になっている。
1970年代のドイツのロック・シーンでは、英米のハードロックやプログレとは別の流れが育っていたが、Birth Controlはその中で比較的わかりやすい推進力を持ったバンドとして存在感を示してきた。
その歩みをまとめたのが、この『The Best Of Birthcontrol Vol. 2』という見方ができる。
作品の位置づけ
オリジナル・リリースは1978年。
バンドにとっては、すでに活動の蓄積が十分にたまった時期の編集盤であり、初期から70年代後半までの流れを確認できる内容と考えやすい。
なお、Birth Controlはこの後も活動を続けていくが、1978年時点では、当時までの足跡を整理する意味合いの強い一枚として見えてくる。
バンドの全体像をつかむうえで、ディスコグラフィの中の節目になる編集盤だ。
メンバーについて
クレジットには、Zeus B. Held、Xaver Fischer、Sascha Kühn、Dirk Steffens、Hugo Egon Balder、Rolf “Rocco” Klein、Wolfgang Horn、Bernd Noske、Horst Stachelhaus、Manfred von Bohr、Bruno Frenzel、Peter Föller、Jürgen Goldschmidt、Hartmut Schölgens、Bernd Koschmidder、Reinhold Sobotta、Hannes Vesper、Wolfgang Neuser、Peter Engelhardt、Fritz Gröger、Rolf Gurra、Martin Ettrichらの名前が並ぶ。
長い活動歴を持つバンドらしく、複数の時期のメンバーが関わっていることがわかる。
まとめ
『The Best Of Birthcontrol Vol. 2』は、Birth Controlのロック、ジャズ、電子的な要素が交差する持ち味を、編集盤という形でまとめた1978年の作品だ。
ドイツのクラウトロック、ジャズ・ロック、プログレッシブ・ロックの文脈の中で、バンドの輪郭を確認しやすい一枚になっている。
トラックリスト
- A1 Gamma Ray (Live) (7:53)
- A2 My Mind (The Sad Man With The Third Ear) (6:49)
- A3 Back From Hell (8:08)
- B1 Trial Trip (The Ferry To The Isle) (6:41)
- B2 Mister Hero (6:42)
- B3 Buy! (7:10)