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The Zombies – She’s Not There (1981)

The Zombies「She’s Not There」

The Zombiesは、1961年にイングランドのハートフォードシャー州セント・オールバンズで結成されたロック・バンドだ。
本作「She’s Not There」は、彼らの代表曲として知られる楽曲を収めたレコードで、オリジナルの発表は1981年、盤のリリースは1982年、日本制作・日本発売の1枚になる。

バンドはColin Blunstoneのリード・ヴォーカルと、Rod Argentのキーボードを軸にした編成で知られる。
60年代の活動期にはシングルを数多く残し、アルバムは「Begin Here」と「Odessey And Oracle」の2作が中心的な存在になっている。とくに後者は後年、サイケデリック・ポップの重要作として評価が高まった。

サウンドの印象

このレコードで聴けるのは、The Zombiesらしいメロディの明瞭さと、モッズ/ポップ・ロックの感触だ。
「She’s Not There」は、鍵盤の輪郭とリズムの立ち上がりがはっきりしていて、60年代英国ロックの中でも、R&B寄りの勢いと洗練されたコード感が同居している。
派手に押し切るタイプというより、フレーズの運びとヴォーカルの置き方で引っ張る作りになっている。

作品の位置づけ

The Zombiesにとって「She’s Not There」は、初期の代表曲としてまず挙がる存在だ。
バンドの名前を広く知らしめた楽曲のひとつであり、以後の再評価の流れでも外せないタイトルになっている。
1980年代初頭の日本盤という形でも、その看板曲を改めてまとめて聴ける構成になっている。

同時代の文脈

同じ英国の60年代ロックでも、The BeatlesやThe Rolling Stonesのような大きな流れとは少し違い、The Zombiesはモッズ、ポップ・ロック、R&Bの要素をコンパクトにまとめたバンドとして語られることが多い。
Colin Blunstoneの柔らかい歌声と、Rod Argentの鍵盤が前に出るアレンジは、同時代の英国ポップの中でも分かりやすい個性になっている。

ひとこと

この「She’s Not There」は、The Zombiesの入口としても、バンドの初期像をつかむうえでも重要な一枚だ。
代表曲の持つ緊張感と、60年代英国ロックらしい整った楽曲構成が、そのまま伝わってくる内容になっている。

トラックリスト

  • A1 She’s Not There (2:25)
  • A2 How We Were Before (2:02)
  • A3 Indication (2:57)
  • A4 The Way I Feel Inside (1:50)
  • A5 Whenever You’re Ready (2:37)
  • A6 Leave Me Be (2:05)
  • A7 Tell Her No (2:02)
  • B1 Goin’ Out Of My Head (2:58)
  • B2 You Make Me Feel Good (2:40)
  • B3 Woman (2:25)
  • B4 I Remember When I Loved Her (1:57)
  • B5 Gotta Get A Hold Of Myself (2:23)
  • B6 Remember You (1:55)
  • B7 What More Can I Do (1:36)
2026.06.12

David Bowie – David Bowie (1967)

David Bowie / David Bowie

1967年に発表された、David Bowieのデビュー作。ブリティッシュ・ポップ/ロックの流れの中で、バロック・ポップやモッドの要素を取り入れた初期作品として位置づけられる一枚です。のちのグラム・ロック期とはまた違う、若い時期のBowieの感触がそのまま残る内容です。

作品の輪郭

このアルバムでは、当時の英ポップらしい整ったメロディと、音数の多いアレンジが印象に残ります。ストリングスや管楽器を思わせる立体感、軽いユーモアを含んだ歌い回し、曲ごとに表情を変える構成など、後年の大きな変身を前にした段階のBowieらしさが見える作品です。

サウンドの質感としては、ロックの基本形に、演劇的な要素や当時のモッズ周辺に通じる感覚が重なっている印象です。派手さよりも、曲ごとの作り込みや言葉の運びに耳が向くアルバムです。

David Bowieにとっての位置づけ

本作は、1960年代後半のDavid Bowieの出発点を示すアルバムです。後の代表的なキャラクター性やコンセプト志向に比べると、ここではまだポップ・ソングとしてのまとまりが前面に出ています。とはいえ、のちのキャリアにつながる多面的な作風の芽はすでに感じられるところです。

Bowieはその後、20世紀を代表する影響力の大きなアーティストの一人として知られるようになりますが、このデビュー作は、その長い歩みの最初の章として聴かれることが多い作品です。

時代背景と比較の手がかり

1967年という時期は、英国のポップ/ロックが大きく広がっていた時代です。バロック・ポップ的な装飾性や、モッド由来の都会的なリズム感は、同時代の英ポップの中でもよく見られる要素で、Bowieのこの作品もそうした流れの中にあります。のちのBowieが見せる変化の多さを思うと、この時点ではまだ比較的ストレートなソングライティングが中心です。

収録曲と関連曲

この作品に関連するシングルとしては、1966年12月のオリジナル版と、1967年7月の再録音版が知られています。アルバム全体を通して、曲ごとのキャラクターの違いがはっきりしており、初期Bowieの作家性をたどる手がかりにもなります。

1981年盤について

今回の盤は1981年リリースのものです。オリジナルの1967年盤から時間を置いた再発盤として、初期David Bowieの作品を別の時代に手に取れる一枚といえます。

トラックリスト

  • A1 Uncle Arthur (2:07)
  • A2 Sell Me A Coat (3:00)
  • A3 Rubber Band (2:15)
  • A4 Love You Till Tuesday (3:10)
  • A5 There Is A Happy Land (3:11)
  • A6 We Are Hungry Men (2:58)
  • A7 When I Live My Dream (3:19)
  • B1 Little Bombardier (3:24)
  • B2 Silly Boy Blue (3:51)
  • B3 Come And Buy My Toys (2:07)
  • B4 Join The Gang (2:16)
  • B5 She’s Got Medals (2:26)
  • B6 Maid Of Bond Street (1:44)
  • B7 Please Mr. Gravedigger (2:47)

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2026.06.04

Skullcap – Snakes Of Albuquerque (2025)

Skullcap - Snakes Of Albuquerque

Skullcap『Snakes Of Albuquerque』

USのトリオ、Skullcapによるデビュー録音が『Snakes Of Albuquerque』。2025年の作品で、ジャズとロックを土台にしながら、フリー・インプロヴィゼーション、クラシカルな感触、変則的なリズム感を重ねた内容になっている。編成はパワー・チェロ・トリオという形で、名前の通りチェロを軸にしたアンサンブルの存在感が大きい作品といえる。

作品の輪郭

プロフィールにある通り、ここではロック、ジャズ、即興、そして作曲的な要素がひとつの流れの中で扱われている。メロディの分かりやすさを残しつつ、演奏の展開は読み切れない方向へ進みやすいタイプの音像で、実験性と聴きやすさのあいだを行き来する印象がある。タイトルにもある地名のイメージをそのまま音に置き換えたような、具体的な場面転換を含む作りを想像させる。

サウンドの特徴

この作品の要点は、リズムの組み立て方にありそうだ。拍をまっすぐに置くというより、ずらしたり折り返したりしながら進むタイプの演奏が想像される。そこにチェロ由来の厚みと、ロック寄りの推進力、ジャズ的なフレーズ感が重なる構図。質感としては、緻密さと生々しさが同居する方向で、録音も演奏の細部が見えやすいタイプに感じられる。

位置づけ

Skullcapにとっては初めての記録となる作品で、バンドの基礎線を示す一枚と見てよさそうだ。ジャズとロックの境界をまたぐ試みは珍しくないが、ここではチェロ・トリオという編成がその境界を少し独特な角度から見せている。同時代の実験的なプログレ、モーダルな感覚を含むインストゥルメンタル作品の流れの中でも、かなり演奏主体の立ち位置にある。

簡単な印象

  • US発のジャズ/ロック作品
  • フリー・インプロヴィゼーションと作曲性の併走
  • 変則的で動きの多いリズム感
  • チェロを軸にした厚みのあるアンサンブル
  • 実験性のあるプログレ寄りの感触

『Snakes Of Albuquerque』は、ジャンルの枠をまたぎながらも、演奏の手触りで押していくタイプのアルバムとして捉えやすい。ジャズ、ロック、モーダルな感覚、そして即興の要素が、ひとつのトリオ編成の中でどう組み合わさるかに注目したい作品だ。

トラックリスト

  • A1 Pine Trees Of Tennessee (5:35)
  • A2 Rt. 40 (3:13)
  • A3 Bear Out There (3:28)
  • A4 Journey To The Sunset (3:22)
  • A5 Snakes Of Albuquerque (4:28)
  • B1 700 Miles (1:07)
  • B2 Orange Sky (4:22)
  • B3 Just Passin’ Thru (1:56)
  • B4 Desert Turtles (6:20)
  • B5 Ambrosia Burger (1:31)
2026.05.04