The Incredible String Band – The Hangman’s Beautiful Daughter (1968)
The Incredible String Band『The Hangman’s Beautiful Daughter』
1968年に発表された、スコットランド出身のサイケデリック・フォーク・バンド、The Incredible String Bandの作品。エディンバラ/グラスゴーを拠点に1966年に結成されたグループで、この時期のUKフォークの流れと、60年代後半のサイケデリックな感覚が重なった1枚として知られている。
作品の輪郭
フォークを土台にしながら、世界各地の音楽要素や実験的な構成を取り込んだ内容。アコースティック楽器を中心にした響きが軸にありつつ、曲ごとにリズムや組み立てが変わっていく。素朴さと変則性が同居するような作りで、いわゆる直線的なロックとは少し距離のある質感。
Mike HeronとRobin Williamsonを中心にした制作で、2人の個性がそのまま作品の方向性に出ている印象。メロディは親しみやすさを残しながら、展開にはひねりがある。演奏の手触りは生々しく、録音全体にも当時らしい空気感がある。
アーティストの中での位置づけ
The Incredible String Bandにとっては、代表作のひとつとして扱われることが多いアルバム。フォークの枠内に収まりきらない拡張性がはっきり出ていて、バンドの方向性を示す作品といえる。Scottish psychedelic folkというプロフィールをそのまま示すような内容。
同時代とのつながり
同時代のUKフォークやサイケデリック・ロックの文脈で語られることが多く、Fairport Conventionのようなブリティッシュ・フォーク勢や、より実験性の強いサイケデリック作品群とも並べて見られることがある。とはいえ、The Incredible String Bandは民族音楽的な要素や独自の曲作りが強く、単純な比較では収まらないところもある。
ジャケットにまつわるメモ
初期のUK盤では、Mike HeronとRobin Williamsonの青空を背景にした写真が前面に使われている。US盤、ヨーロッパ盤、そして後年のプレスでは裏面のデザインが使われる形になっている。
曲の印象
アルバム全体でまとまった流れを持つ作品で、ヒット曲を前面に押し出すタイプではない。曲ごとの変化を追う楽しさがあり、フォーク、ワールド・ミュージック的な感触、サイケデリックな構成が一体になっているところが聴きどころ。
- アーティスト: The Incredible String Band
- タイトル: The Hangman’s Beautiful Daughter
- オリジナル・リリース年: 1968年
- リリース国: US
- ジャンル: Folk, World, & Country
- スタイル: Psychedelic, Folk
60年代後半のフォークの広がりを、そのまま作品の形にしたような1枚。
トラックリスト
- A1 Koeeoaddi There (4:41)
- A2 The Minotaur’s Song (3:18)
- A3 Witches Hat (2:30)
- A4 A Very Cellular Song (12:55)
- B1 Mercy I Cry City (2:40)
- B2 Waltz Of The New Moon (5:01)
- B3 The Water Song (2:41)
- B4 Three Is A Green Crown (7:40)
- B5 Swift As The Wind (4:50)
- B6 Nightfall (2:29)
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Supersister – Present From Nancy (1970)
Supersister / Present From Nancy
オランダのプログレッシブ・ロック・バンド、Supersisterの1970年作。Present From Nancyは、バンド初期の姿を伝えるアルバムとして位置づけられる一枚で、ジャズ寄りのフレーズや組曲的な展開を含む、当時のプログレ文脈にしっかり乗った内容になっている。
作品の輪郭
Supersisterは1967年に活動を始め、のちにバンド名をSupersisterへと改めたオランダのグループ。Present From Nancyはその初期の代表的な作品として知られている。ロックを土台にしながら、鍵盤を軸にした複雑なアレンジ、拍の切り替え、管楽器の入り方など、プログレらしい構成が目立つアルバムである。
サウンドは、硬質なギターで押すタイプというより、キーボードの動きとリズムの組み替えで前に進む印象。曲ごとの展開に細かな変化が多く、軽さと緻密さが同居する感じ。ジャズ・ロック寄りの要素もあり、同時代の英国プログレとは少し違う、オランダ独自の感触もある。
当時の文脈
1970年前後のヨーロッパでは、プログレッシブ・ロックが各国で広がっていた時期。Supersisterもその流れの中で、YesやKing Crimsonのような英国勢と並べて語られることがある一方、よりユーモラスで、ジャズの影響が見えやすいバンドとして扱われることが多い。Present From Nancyも、その特徴が出た作品といえそうだ。
メンバーと演奏
クレジットにはRobert Jan Stips、Sacha van Geest、Ron van Eck、Marco Vrolijkらが名を連ねる。加えて、Elton DeanやCharlie Marianoといったサックス奏者の名前も見え、管楽器が加わることで、ロックバンドの編成にとどまらない広がりを持っている。演奏面では、各パートが同時に動きながらも、全体の流れが崩れにくい作り。
位置づけ
Present From Nancyは、Supersisterの初期像を知るうえで重要なアルバム。のちの再結成や再編を経て長い活動史を持つバンドだが、この時期の作品には、バンドの核になる発想がすでに見えている。オランダ産プログレの一枚として、同時代のシーンを切り取る意味でも興味深い存在。
トラックリスト
- Present From Nancy (8:02)
- Memories Are New (Boomchick) (9:49)
- B1 Corporation Combo Boys (1:22)
- Metamorphosis (8:03)
- B3 Dona Nobis Pacem (8:36)
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Depeche Mode – Music For The Masses (1987)
Depeche Mode『Music For The Masses』について
Depeche Modeの『Music For The Masses』は、1987年に発表された6作目のスタジオ・アルバムだ。イギリスのシンセポップを出発点にしながら、80年代後半のエレクトロニック・ポップの主流へと歩みを進めた時期の作品として位置づけられる。
この盤は2025年リリースのUS盤で、オリジナルは1987年。Depeche Modeがメインストリームの電子音楽シーンで存在感を強めていく流れの中にある一枚でもある。
サウンドの特徴
音の中心にあるのは、打ち込みのリズム、反復するシーケンス、硬質なシンセの質感だ。前作『Black Celebration』の延長線上にありつつ、より大きな会場を意識したようなスケール感もある。ビートは比較的はっきりしていて、メロディは抑えめに整理され、曲全体が機械的な推進力で進んでいく印象。
シンセポップという枠組みの中でも、単に軽快なポップスに寄らず、冷たさと緊張感を残したまま展開していくのがこの時期のDepeche Modeらしさだ。80年代の同系統のアーティストと比べても、ダンス・ミュージックとロックの間を行き来するような重さがある。
作品の位置づけ
『Music For The Masses』は、Depeche Modeにとって80年代後半の代表作のひとつだ。前作『Black Celebration』と並んで、彼らをメインストリームの電子音楽シーンで大きな存在へ押し上げた作品として語られることが多い。
この時期の流れの先には、アメリカでの大規模な人気拡大がある。後にパサデナ・ローズボウルで行われた公演『101』へつながる時代で、ライブの規模感も含めてバンドの転機になった時期と見てよさそうだ。
収録曲とシングル
アルバムにはシングル曲も含まれている。代表曲としては、広く知られる「Never Let Me Down Again」が挙げられる。ほかにも「Strangelove」「Behind the Wheel」「Little 15」などが収録されていて、アルバム全体の輪郭を作っている。
- Never Let Me Down Again
- Strangelove
- Behind the Wheel
- Little 15
時代背景
1987年当時のDepeche Modeは、Vince Clarke脱退後にMartin L. Goreが主な作曲を担い、Alan Wilderが加わった編成で活動していた。シンセポップの初期形から出発しながら、より構築的で重層的なサウンドへ進んでいく途中段階にある。New OrderやPet Shop Boysと並べて語られることもあるが、Depeche Modeはその中でも暗めのトーンと硬い打ち込みの組み合わせが際立つ。
『Music For The Masses』は、そうした80年代エレクトロニック・ポップの流れを、より大きな規模へ広げていった作品のひとつとして見えてくる。タイトルどおり大衆向けの音楽というより、むしろDepeche Mode独自の輪郭を強めたアルバムという印象が残る。
トラックリスト
- A1 Never Let Me Down Again
- A2 The Things You Said
- A3 Strangelove
- A4 Sacred
- A5 Little 15
- B1 Behind The Wheel
- B2 I Want You Now
- B3 To Have And To Hold
- B4 Nothing
- B5 Pimpf
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Dulcimer – Dulcimer (1971)
Dulcimer『Dulcimer』
UKのトリオ、Dulcimerによるセルフタイトル作。オリジナルは1971年の作品で、ここで扱う盤は1989年リリースのもの。アーティストはDave Eaves、Pete Hodge、Jem Northの3人編成で、ジャンル表記はRock / Pop、スタイルはProg Rockとなっている。
作品の輪郭
タイトル通り、バンド名をそのまま掲げたアルバムで、グループの基本的な色合いを示す一枚として受け取れる内容。70年代初頭のUKプログレ周辺の空気を背景にしつつ、ロックとポップの間を行き来する構成が見える。演奏のまとまりと楽曲単位の流れ、その両方を意識した作りという印象が強い。
サウンドの印象
リズムは前へ出すぎず、曲の展開を支える役回り。音の質感は派手さよりも、楽器の鳴りやアンサンブルの重なりを聞かせる方向に寄っている。プログレ的な展開を持ちながらも、ポップ寄りの親しみやすさを残しているあたりがこの作品のポイントになっている。
同時代の文脈
1971年という時期を考えると、UKではプログレやフォークロックの流れが広く共有されていた頃。Dulcimerもその周辺に置いて聞けるグループで、同時代の英国ロックの中でも、派手な技巧一辺倒というよりは、曲の組み立てと音のまとまりで存在感を出すタイプに見える。
トラックや代表曲について
この作品について、特に広く知られた代表曲を挙げるよりは、アルバム全体で一つのまとまりとして聞く性格が強い。セルフタイトル盤らしく、バンドの輪郭をそのまま伝える内容になっている。
まとめ
Dulcimer『Dulcimer』は、1971年のUKロック/ポップの空気を背景にした、プログレ色を含むセルフタイトル作。Dave Eaves、Pete Hodge、Jem Northによる3人編成の音作りが軸で、演奏の流れと楽曲のまとまりを見せる一枚として記憶される作品だろう。
トラックリスト
- A1 Sonnet To The Fall
- A2 Pilgrim From The City
- A3 Morman’s Casket
- A4 Ghost Of The Wandering Minstrel Boy
- A5 Gloucester City
- A6 Starlight
- B1 Caravan
- B2 Lisa’s Song
- B3 Something That You Loved
- B4 Fruit Of The Musical Tree
- B5 While It Lasted
- B6 Suzanne
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- DULCIMER And I Turned As I Had Turned As A Boy (Full Album) RARE NEPENTHA 1971 UK Folk LP £480
- DULCIMER And I Turned As I Had Turned As A Boy 01 – 02 – 03
- DULCIMER And I Turned As I Had Turned As A Boy 04 – 05 – 06
- DULCIMER And I Turned As I Had Turned As A Boy 07 Caravan
- DULCIMER And I Turned As I Had Turned As A Boy ruit Of T 08 – 09 – 10
Pink Floyd – A Momentary Lapse Of Reason = 鬱 (1987)
Pink Floyd「A Momentary Lapse Of Reason = 鬱」について
1987年に発表された、Pink Floydの13作目のスタジオ・アルバム。日本盤のタイトルは「鬱」で、英題のA Momentary Lapse Of Reasonをそのまま訳した形になっている。ロジャー・ウォーターズ脱退後の編成で制作された作品としても知られていて、バンドの流れの中では大きな転換点にある一枚。
Pink Floydは1960年代半ばにロンドンで結成されたイングリッシュ・ロック・バンド。サイケデリック・ロックから出発し、その後はプログレッシブ・ロックの代表的存在として語られることが多い。哲学的な歌詞、音響効果の使い方、長尺の構成、そして大規模なライヴ演出まで含めて、ロック史の中でも存在感の大きいグループ。
作品の位置づけ
このアルバムは1986年11月から1987年3月にかけて録音され、イギリスでは1987年9月7日に発売された。バンドにとっては、80年代後半の新しい体制を示す作品であり、David GilmourとNick Masonを軸にした制作色が前面に出ている。演奏面では、ギター、キーボード、シーケンス、電子音、ドラムが組み合わさり、従来のPink Floydらしい構築感を保ちながらも、当時の80年代的な録音感も見える内容。
サウンドは、硬めのドラム・サウンドと整ったシンセワーク、空間の広いギターが核。リズムは比較的はっきりしていて、音の輪郭も明瞭。長く引き伸ばすというより、曲ごとのフックや反復で進めていく場面が目立つ。プログレの要素を持ちながら、同時代のロック作品としての聴きやすさもある仕上がり。
代表曲とシングル
この時期を代表する曲としては「Learning to Fly」が挙げられる。アルバムからのシングルのひとつで、明快なリズムと伸びのあるメロディが印象に残る曲。ほかにも複数のシングルが切られていて、アルバム全体が作品単位だけでなく、曲単位でも広く届けられたことがうかがえる。
- 「Learning to Fly」
- 「On the Turning Away」
- 「One Slip」
特に「Learning to Fly」は、この時期のPink Floydを語るうえで外しにくい一曲。バンドの新しい局面を示す楽曲として、アルバムの顔のような存在になっている。
同時代の文脈
1987年という時期を考えると、プログレッシブ・ロックの初期の文法をそのまま引き継ぐというより、80年代のプロダクションの中でPink Floydらしさを再構成している印象がある。King CrimsonやGenesisの80年代以降の変化と同じく、70年代的な大型ロックの語法を、その時代の録音と編成で更新していく流れの中に置ける作品。
Pink Floydのディスコグラフィーの中では、ロジャー・ウォーターズ在籍期の作品群とは別の方向を示すアルバム。とはいえ、音の積み重ね方や広い空間の使い方には、バンドらしい手触りが残っている。1987年のPink Floydを知る入口としても、グループの変化を確認する一枚としても、位置づけのはっきりした作品。
トラックリスト
- A1 Signs Of Life
- A2 Learning To Fly
- A3 The Dogs Of War
- A4 One Slip
- A5 On The Turning Away
- B1 Yet Another Movie
- B1.2 Round And Around
- B2 A New Machine (Part 1)
- B3 Terminal Frost
- B4 A New Machine (Part 2)
- B5 Sorrow
Hubert Laws – Family (1980)
Hubert Laws『Family』
Hubert Lawsの『Family』は、1980年にUSでリリースされた作品。ジャズを軸に、ファンクやソウルの要素を交えたソウル・ジャズとしてまとまっている。フルート奏者として知られるHubert Lawsらしい作品で、同時代のジャズ・ファンクやクロスオーバーの流れともつながる1枚。
アーティストについて
Hubert Lawsは1939年11月10日、テキサス州ヒューストン生まれのフルート奏者。サックス奏者Ronnie Laws、ボーカリストのEloise LawsやDebra Lawsの兄としても知られている。ジャズの文脈の中で活動しながら、ソウルやファンク寄りの感触も取り込んできたプレイヤーで、この『Family』にもその感覚が表れている。
サウンドの印象
フルートを中心にした、リズムの立った演奏が軸。ジャズの流れを保ちながら、ベースやドラムのグルーヴが前に出る構成で、ソウル・ジャズらしいまとまりがある。音の質感は、80年当時のUS録音らしい整理された響きで、楽器同士の輪郭も追いやすい印象。
同じ時期のジャズ・ファンクやフュージョンの作品と並べて見ても、Hubert Lawsのフルートが中心にある点がはっきりしている。旋律をなぞる場面と、リズムに乗って進む場面の切り替えが自然で、ジャンルの境目をまたぐような作り。
作品の位置づけ
『Family』は1980年時点のHubert Lawsの活動を示す作品のひとつ。ジャズ、ファンク、ソウルの要素をまとめた内容で、ソウル・ジャズという枠組みの中に置くと見えやすい。タイトルのとおり、身近さやまとまりを感じさせる作品名でもある。
関連する文脈
- ジャンル:Jazz / Funk / Soul
- スタイル:Soul-Jazz
- フルートを主役にしたジャズ・ファンク寄りの流れ
- 1970年代後半から80年代初頭のクロスオーバー感覚
Hubert Lawsの演奏を軸に、ジャズの語法とソウル/ファンクのリズム感が重なる作品。派手に装飾するというより、演奏の組み立てとグルーヴで聴かせるタイプの1枚。
トラックリスト
- A1 Ravel’s Bolero (8:42)
- A2 What A Night (8:29)
- A3 Wildfire (5:10)
- B1 Family (7:33)
- B2 Memory Of Minnie (Riperton) (7:09)
- B3 Say You’re Mine (4:29)
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The Sun Ra Arkestra – When Angels Speak Of Love (1966)
The Sun Ra Arkestra『When Angels Speak Of Love』
The Sun Ra Arkestraによる『When Angels Speak Of Love』は、1966年に登場したフリー・ジャズ作品である。Sun Raを中心に活動してきた大編成のアンサンブルが、即興性と構成の両方を強く打ち出していた時期の録音として位置づけられる。
作品の輪郭
本作では、管楽器を軸にしたアンサンブルの重なりが前面に出る。リズムは一定の拍を強く刻むというより、場面ごとに揺れながら進む構成で、音の出入りや間の取り方が印象に残る。録音の質感も、スタジオ作品らしい輪郭を保ちながら、演奏の密度がそのまま伝わるタイプである。
ジャンル表記としてはフリー・ジャズ、アヴァンギャルド・ジャズ、スペース・エイジが並ぶ。実際にも、ジャズの基本形を保ちながら、編成の動きや音色の組み合わせで独自の広がりを作る内容になっている。
Sun Ra Arkestraの中での位置
1960年代のSun Ra Arkestraは、Sun Raの作曲観とバンド全体の集団即興が強く結びついていた時期である。本作もその流れの中にあり、個々のソロを並べるだけでなく、アンサンブル全体の流れを聴かせる作りが特徴といえる。
Sun Raの作品は、Sun Ra名義で発表されたものも多いが、このアルバムはArkestraの名を冠したリリースとして、バンドのまとまりを意識しやすい1枚である。1966年という年の空気をそのまま閉じ込めたような、当時の実験性が感じられる内容である。
同時代とのつながり
同じ時代のフリー・ジャズやアヴァンギャルド・ジャズと比べると、Sun Ra Arkestraは強い前進感だけでなく、音色の配置や宇宙的なイメージを伴う点が目立つ。Albert AylerやOrnette Coleman周辺の流れと並べて語られることもあるが、Sun Ra Arkestraはより大編成の色彩感と劇的な展開に特徴がある。
『When Angels Speak Of Love』は、そうしたArkestraの個性がはっきり出る時期の記録として、1960年代ジャズの広がりを示す作品のひとつである。
トラックリスト
- A1 Celestial Fantasy (5:52)
- A2 The Idea Of It All (7:30)
- A3 Ecstasy Of Being (9:50)
- B1 When Angels Speak Of Love (4:32)
- B2 Next Stop Mars (17:55)
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The Children – Rebirth (1968)
The Children『Rebirth』
1968年にアメリカでリリースされた、The Childrenの『Rebirth』。サンアントニオ、テキサス出身のサイケデリック・フォーク・グループによる作品で、ロック、ポップの要素を土台に、フォークロック、サイケデリックロック、ポップロックの感触が重なる一枚です。
作品の輪郭
バンド名の通り、複数のメンバーの声や演奏が前に出るタイプの作品として捉えやすい内容です。Cassell Webb、Luis Cabaza、Stephen Perron、Kenny Cordray、Steve Perron、William Ash、Andrew Szuch Jr.、Jim Newhouseらが参加しており、グループとしてのまとまりが軸になっている印象です。
サウンドは、フォークを基調にしながらも、当時らしいサイケデリックな色合いが差し込む構成。リズムは派手に押し出すというより、曲の流れを支える方向に置かれ、録音の質感も1968年らしい素朴さを感じさせる場面がありそうです。ポップ寄りのメロディと、ロックの骨格が同居するところが、この作品の見どころになっているように思えます。
時代背景と位置づけ
1968年という年は、フォークロックやサイケデリックロックが広く展開していた時期で、同時代の流れとしては、フォークの語り口とロックの編成をつなぐ作品が多く生まれていた時期です。『Rebirth』もその文脈の中で捉えやすく、アメリカ南部のバンドが当時の潮流に接続していた例として見えてきます。
The Childrenにとっては、グループの音楽性を示す作品として位置づけられる一枚といえそうです。タイトルが示す通りの再出発を思わせる響きもあり、バンドの輪郭を知るうえで印象に残る作品になっています。
まとめ
- アーティスト: The Children
- タイトル: Rebirth
- リリース年: 1968年
- 国: アメリカ
- 出自: テキサス州サンアントニオ
- ジャンル: Rock, Pop
- スタイル: Folk Rock, Psychedelic Rock, Pop Rock
フォークの流れ、サイケデリックな揺らぎ、ポップな輪郭。その3つが重なる1968年の一枚として、The Children『Rebirth』は当時の空気を伝える作品です。
トラックリスト
- A1 Daybreak (2:28)
- A2 Maypole (2:42)
- A3 Don’t Ever Lose It (3:05)
- A4 Beautiful (2:45)
- A5 Sitting On A Flower (5:05)
- B1 I’ll Be Your Sunshine (2:42)
- B2 Military School (2:30)
- B3 I Got Involved (2:30)
- B4 Pictorial (7:50)
- B5 Dreaming Slave (3:53)
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The Big Dish – Creeping Up On Jesus (1988)
The Big Dish「Creeping Up On Jesus」
スコットランド出身のポップ・ロック・バンド、The Big Dishによる1988年の作品。1983年にエアドリーで結成され、Steven Lindsayを中心にメンバーを入れ替えながら活動していたグループで、この時期の作品はバンドの輪郭をつかみやすい一枚として見えてくる。
作品の位置づけ
1986年から1991年にかけて3枚のアルバムを残したThe Big Dishにとって、「Creeping Up On Jesus」は初期の流れにあるタイトル。ロックとポップを土台にした構成で、バンドの持つメロディ重視の感覚が前に出る。
サウンドの印象
演奏は、派手に押し切るというより、リズムをきっちり支えながら曲を進めるタイプ。ギター、ベース、ドラムの組み立てに、ポップ・ロックらしい整理された録音の空気が重なる。80年代後半のヨーロッパ圏のロック作品らしい、輪郭のはっきりした音像として受け取れそうだ。
同時代とのつながり
同時代の英国ロックやポップの文脈で見ると、メロディを軸にしたバンド・サウンドという点が目につく。派手な実験性よりも、曲の流れや歌の置き方を大事にする方向性で、当時のポップ・ロックの一つのかたちとして位置づけられる。
クレジット
- アーティスト: The Big Dish
- タイトル: Creeping Up On Jesus
- リリース年: 1988年
- ジャンル: Rock / Pop
- スタイル: Pop Rock
- メンバー: Steven Lindsay, Raymond Docherty, Brian McFie, Allan Dumbreck, Oreste Gargaro
1988年のヨーロッパ産ポップ・ロックとして、The Big Dishの基本形を確認できる作品。バンドの活動初期から中期へ向かう流れの中で、曲作りと演奏のバランスが見えやすい一枚といえる。
トラックリスト
- A1 Life
- A2 Waiting For The Parade
- A3 Faith Healer
- A4 Burn
- A5 Swansong
- B1 European Rain
- B2 Jean
- B3 Monday
- B4 Wishing Time
- B5 Where Do You Live
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The Telescopes – Celeste (1991)
The Telescopes – Celeste
UKのサイケデリック/スペースロック/ノイズロック系バンド、The Telescopesによる1991年作。インディー・ロックとシューゲイズの流れの中で語られることの多い作品で、バンドの初期像をつかむうえで重要な一枚として見られることが多い。
作品の輪郭
この時期のThe Telescopesは、Stephen Lawrieを中心に編成を変えながら活動していたバンド。Celesteは、UKのインディー/シューゲイズ周辺の空気感と、ノイズを含んだ音作りが重なる時代の作品として位置づけられる。
リズムは前へ押し出すというより、音の層を支える役回りに寄る印象。ギターのざらつきや残響、録音の密度が前面に出やすく、メロディーはその中に埋め込まれるように置かれている。シューゲイズらしい音の重なりと、ノイズロック寄りの圧が同居するタイプの手触り。
サウンドの特徴
- ギターのノイズ感が強め
- 音像は厚く、輪郭はややぼやけた方向
- ビートは過度に主張せず、流れを保つ役割
- メロディーは音の壁の中に配置される印象
同時代のUKシーンでいうと、My Bloody ValentineやRide、Slowdiveあたりと並べて語られる文脈が思い浮かぶ。とはいえ、The Telescopesはよりノイズ寄り、ざらついた質感に寄る場面もあり、単純にシューゲイズの枠だけでは収まりきらない印象もある。
バンドの中での位置づけ
Celesteは、The Telescopesの初期の方向性を示す作品として捉えやすい。後年の活動を知る前段としても、当時のUKオルタナティブ・ロックの空気をまとった記録としても見通しが立つ一枚。
メンバーはStephen Lawrie、Dominic Dillon、David Fitzgerald、Robert Brooks、Joanna Doran、Bridget Hayden、Lorin Halsall、Dan Davis、James Beal、Nick Keech、James Messenger、Byron Jacksonとされる。クレジットの多さも含めて、編成の流動性がうかがえる。
関連情報
- アーティスト: The Telescopes
- タイトル: Celeste
- オリジナルリリース年: 1991
- 国: UK
- ジャンル: Rock
- スタイル: Indie Rock, Shoegaze
UKのインディー・ロック史やシューゲイズ周辺を追うときに、ひとつの流れとして押さえられる作品。音の壁、残響、ノイズの扱いに、その時代ならではの感触が残る。
トラックリスト
- A1 Celeste
- A2 All A Dreams
- B Celestial
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Nosound – A Sense Of Loss (2009)
Nosound『A Sense Of Loss』
Nosoundは、Giancarlo Erraを中心に2002年に始動した、英伊系のオルタナティブ・ロック・バンドである。ロックを軸にしながら、ポストロック、エレクトロニック、アンビエントまでを行き来する作風で知られる。Radiohead、Sigur Rós、Pink Floyd、Arvo Pärt、Brian Eno、Bark Psychosisといった名前が並ぶあたりにも、音の方向性が見えやすい。
『A Sense Of Loss』は2009年の作品。Nosoundのディスコグラフィの中でも、バンドの持つ静かな推進力と、音の重なりを丁寧に聴かせる側面がまとまった一枚として位置づけられる。Giancarlo Erraによる作曲、演奏、制作が軸にあった初期の流れを引き継ぎつつ、バンド編成ならではの厚みも感じられる内容である。
サウンドの印象
ギター、キーボード、ベース、ドラムが前面に出すぎず、曲の流れの中で少しずつ輪郭を作っていくタイプの音作りである。リズムは派手に押し出すというより、一定の拍を保ちながら展開を支える場面が多い。録音の質感も、音像をくっきり並べるより、層を重ねて空間を作る方向に寄っている。
ロックの骨格はあるが、演奏の見せ場を前に出すより、フレーズ同士の間や余白が印象に残る。ポストロック寄りの構成感、アンビエント由来の広がり、そしてプログレッシブ・ロックらしい展開の組み立てが、ひとつの流れの中に置かれている。
作品の位置づけ
Nosoundは、初期からGiancarlo Erraが中心となって制作を進めてきたバンドであり、この作品にもその核が通っている。のちにライブ活動のためにメンバーが固まり、バンドとしての形を強めていく流れの中で、2009年のこのアルバムは、個人主導の感触とバンド・アンサンブルの両方が見える時期の記録として捉えられる。
同時代の文脈では、ポストロック、アンビエント、メロディ重視のプログレッシブ・ロックの接点にある作品として整理しやすい。音の置き方や空間の使い方には、前述のRadioheadやSigur Rós、Pink Floyd周辺を連想させる要素がある一方で、電子音や静的な和声の扱いにはBrian EnoやArvo Pärt的な感覚も重なって見える。
クレジットと周辺情報
- アーティスト: Nosound
- タイトル: A Sense Of Loss
- オリジナル・リリース年: 2009年
- 盤のリリース年: 2017年
- ジャンル: Rock
- スタイル: Prog Rock
メンバー表にはMarco Berni、Giancarlo Erra、Gigi Zito、Gabriele Savini、Paolo Martellacci、Paolo Vigliaroloの名前が並ぶ。Nosoundの公式サイトや各種SNS、YouTube、SoundCloudでも活動の記録を追うことができる。
静かな展開の中で音を重ね、曲ごとの流れをじっくり組み立てる一枚である。
トラックリスト
- A1 Some Warmth Into This Chill
- A2 Fading Silently
- B1 Tender Claim
- B2 My Apology
- B3 Constant Contrast
- C1 Winter Will Come
- D1 The Slow Deceit
- D2 Fading Silently ( alt )
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Stone Harbour – Emerges (1974)
Stone Harbour『Emerges』について
Stone Harbourは、オハイオ出身のデュオによる1974年の作品だ。メンバーはDave McCartyとRic Ballasの2人で、ギター、オルガン、ピアノ、シンセサイザー、ベース、ドラム、パーカッションまでを組み合わせた編成になっている。ロックを軸にしながら、サイケデリック・ロックの文脈で語られる一枚でもある。
作品の位置づけ
『Emerges』は、Stone Harbourが1974年に残したアルバムとして知られている。デュオ編成でありながら、演奏の役割は広く、リズムと音色の両方を細かく組み立てた作りがうかがえる。バンドの記録としても、当時のアメリカのプライベート・プレス系ロックの一例としても見ていける内容だ。
サウンドの印象
サウンド面では、ギターを中心にしたロックの手触りに、オルガンやシンセサイザーが重なる構成。リズムは打楽器の数を活かして前に出る一方で、音の重ね方には少しラフな録音の空気もある。サイケデリック・ロックらしい展開を持ちながら、演奏の粒立ちは比較的はっきりしている印象だ。
同時代の文脈
1970年代半ばのアメリカでは、こうした小規模な編成のロック作品が各地で残されていた。Stone Harbourもその流れの中にあり、同時代のサイケデリック・ロックやアメリカン・ロックの延長線上で捉えやすい。大がかりなプロダクションよりも、メンバーの演奏と音の組み合わせが前に出るタイプの作品だ。
基本情報
- アーティスト: Stone Harbour
- タイトル: Emerges
- オリジナル・リリース年: 1974
- リリース国: US
- ジャンル: Rock
- スタイル: Psychedelic Rock
- メンバー: Dave McCarty, Ric Ballas
1974年のアメリカ産サイケデリック・ロックとして、Stone Harbourの演奏体制と音の組み立てが見える一枚だ。
トラックリスト
- A1 You’ll Be A Star (4:30)
- A2 Rock & Roll Puzzle (3:06)
- A3 Grains Of Sand (5:04)
- A4 Summer Magic Is Gone (3:08)
- A5 Stones Throw (1:20)
- B1 Thanitos (1:59)
- B2 Still Like That Rock & Roll (5:13)
- B3 Ride (4:30)
- B4 Dying To Love You (3:33)
- B5 Workin For The Queen (3:00)
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Alton McClain & Destiny – More Of You (1980)
Alton McClain & Destiny / More Of You (1980)
Alton McClain & Destinyは、1978年に結成されたアメリカの女性ソウル/ディスコ・トリオ。
Robyrda Stiger、D’Marie Warren、Alton McClainの3人による編成で、1979年から1981年にかけてアルバムを発表している。
その中で本作More Of Youは1980年の作品で、グループのディスコ期を捉えた一枚として位置づけられる。
作品の輪郭
ジャンルはFunk / Soul、スタイルはDiscoとSoul。
ファンク寄りのリズム感と、ソウルの歌い回しが軸にある内容で、当時のディスコ作品らしいビートの明快さが見えやすい。
一方で、ただ踊るためだけの作りというより、女性コーラスを含む歌のまとまりが作品全体を支えている印象。
サウンドの印象
打ち込みよりもバンド感のあるグルーヴ、ベースの動き、きっちりしたリズムの立ち上がりが耳に入りやすいタイプ。
録音の空気感も、70年代末から80年代初頭のソウル/ディスコ作品に見られる、音の輪郭がはっきりした質感に近い。
華やかさと落ち着きの両方を持つ、当時のUSソウル・ディスコの流れの中に置きやすい仕上がり。
アーティストの文脈
Alton McClain & Destinyは、最大のヒットとして「It Must Be Love」で知られている。
そのため、本作もグループの代表的な時期を追ううえで見逃しにくいタイトルのひとつ。
1979年から1981年という短い活動期間の中で出されたアルバム群の一角であり、グループの持ち味がまとまっている時期の記録として見ることができる。
同時代とのつながり
同時代のUSディスコ/ソウルと並べると、女性ボーカル・グループならではの歌の重なりや、ファンク由来のリズム感が目立つタイプ。
同じくソウルとディスコのあいだを行き来した作品群の中で、時代の空気をよく反映した一枚として扱えそうだ。
- アーティスト: Alton McClain & Destiny
- タイトル: More Of You
- リリース年: 1980年
- 国: US
- ジャンル: Funk / Soul
- スタイル: Disco, Soul
トラックリスト
- A1 Love Waves (5:04)
- A2 I Don’t Want To Be With Nobody Else (6:00)
- A3 Hang On In There Baby (3:58)
- A4 More Of You (4:57)
- B1 Thank Heaven For You (4:56)
- B2 Stares And Whispers (4:03)
- B3 99 1/2 (5:10)
- B4 You Bring To Me My Morning Light (4:06)
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Wavemaker – Where Are We Captain?… (1975)
Wavemaker / Where Are We Captain?…
Wavemakerは、1970年代半ばのロンドンで活動したシンセサイザー/インストゥルメンタル・デュオである。メンバーはBrian HodgsonとJohn Lewis。BBC Radiophonic Workshopでの経験を持つHodgsonと、作曲を学んだLewisが、Covent Garden近くのスタジオ Electrophon で制作した作品として知られる。
作品の位置づけ
Where Are We Captain?…は1975年の作品。Wavemakerにとっての初出タイトルであり、当時のUK電子音楽の流れの中に置ける一枚である。モダン・クラシカル、実験音楽、アンビエントというタグが並ぶ内容で、シンセサイザーを中心にした構成が作品の核になっている。
サウンドの印象
リズムを前面に出すというより、音の重なりや持続、細かな音色の変化で進んでいくタイプの作品。録音はスタジオ機材の個性が出やすい時代の電子音楽らしく、音の輪郭がはっきり見える場面と、空間の広がりを感じる場面が並ぶ。打楽器的な推進力よりも、シーケンス、ドローン、持続音の組み立てが印象に残る内容である。
同時代とのつながり
BBC Radiophonic Workshop周辺の電子音楽や、70年代UKの実験的なシンセ作品を思わせる文脈にある。具体的には、放送音楽や前衛的な電子音響、あるいは初期のアンビエントに近い聴かれ方もできる。クラシックの作曲技法とスタジオ機材の組み合わせという点では、当時の電子音楽の中でもかなり研究的な側面が見える。
制作背景
John Lewisはバーミンガムで音楽を学び、ローマでHans Werner Henzeのもとで高度な作曲を学んだ経歴を持つ。Brian HodgsonはBBC Radiophonic Workshopで10年にわたり活動し、シンセサイザー技法の先駆者として知られる。こうした経歴の異なる2人が、独自のシンセサイザー・モジュールを備えたElectrophonを拠点に制作した点が、この作品の背景として大きい。
ひとこと
1975年のUK電子音楽の一断面として、作曲的な構成とスタジオ実験が近い距離にある作品である。Brian HodgsonとJohn Lewis、それぞれの経験がそのまま音の組み立てに反映された一枚、と見てよさそうだ。
トラックリスト
- A1 Lodestar (5:06)
- A2 Double Helix (10:13)
- A3 Syren‘s Song (5:55)
- B1 Wavemaker (6:42)
- B2 Oracle (8:13)
- B3 Enter The Eldil (7:43)
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Loui$ – Magic Dance (1985)
Loui$『Magic Dance』
イタリアのシンガー/ギタリスト、Loui$による『Magic Dance』は、1985年にリリースされたイタロ・ディスコ作品。電子的なビートを軸にした、80年代中盤らしいダンス・ミュージックの流れの中に置ける一枚です。2022年には盤として改めてリリースされており、オリジナル作品としては1985年の作品になります。
作品の輪郭
ジャンルはElectronic、スタイルはItalo-Disco。イタリア発のこの文脈らしく、打ち込みのリズムとシンセのレイヤーが前に出る構成が想像しやすいタイトルです。ギターを扱うアーティストというプロフィールもあり、電子音主体の中に、どこか演奏者の手触りを感じさせる要素が入っている可能性もあります。
イタロ・ディスコは、同時代のディスコやエレクトロ・ポップと近い場所にありながら、より機械的なビート感や、明快なメロディの置き方で知られるスタイルです。Loui$の『Magic Dance』も、その流れの中で聴かれる作品として位置づけられるでしょう。イタリア産の80年代ダンス・サウンドという文脈がまず浮かぶ一枚です。
サウンドの印象
この時期のイタロ・ディスコらしく、リズムは四つ打ち寄りの推進力、音色はシンセ中心の質感が基本線になりそうです。録音の雰囲気も、当時の電子音楽に多い、少し乾いた輪郭と、前に出るキックやベースの組み合わせが想像されます。派手さよりも、ダンスフロア向けの機能性が前面に出るタイプの作品として捉えやすい内容です。
アーティストについて
Loui$はイタリアのシンガー/ギタリスト。関連サイトとしてFacebookとYouTubeの公式ページが確認できます。アーティスト名の表記も含めて、80年代イタリアのポップ/ダンス系シーンに接続する存在として見てよさそうです。
まとめ
『Magic Dance』は、1985年のイタリア産イタロ・ディスコとして整理できる作品です。電子音主体のダンス・サウンド、80年代中盤らしい制作感、そしてイタリアのシーンに根ざした一枚という点が、この作品の輪郭を形づくっています。
トラックリスト
- A Magic Dance (Disco Mix) (8:30)
- B Pink Footpath (Disco Mix) (6:15)
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Tom Verlaine – Flash Light (1987)
Tom Verlaine「Flash Light」
Tom Verlaineの「Flash Light」は、1987年に発表された作品。元Televisionの中心人物として知られるVerlaineが、ソロ・アーティストとして積み重ねてきた流れの中にある一枚で、ロックとニュー・ウェイヴの要素が自然に重なっている。
作品の輪郭
ギターを軸にした構成ははっきりしていて、音の置き方にも整理された印象がある。リズムは過度に前へ出すぎず、演奏の間合いを活かした作り。録音全体も、輪郭を保ちながら各パートを見通しやすい質感になっている。
Tom Verlaineという位置づけ
Tom Verlaineは1949年生まれのアメリカ人シンガー、ソングライター、ギタリスト。Televisionでの活動を経て、ソロではより個人の感覚を反映した作品を残してきた。この「Flash Light」も、その流れの中で語られることが多い一枚だろう。
同時代とのつながり
1980年代後半のロック/ニュー・ウェイヴの文脈に置くと、派手な装飾よりも、演奏の構造や音の配置を重視するタイプの作品として見えてくる。Televisionの流れを思わせるギター志向と、ソロ作品ならではのまとまりが同居している印象。
ひとこと
「Flash Light」は、Tom Verlaineのギタリスト/ソングライターとしての持ち味が、1987年という時代の空気の中で形になった作品。ロックの骨格とニュー・ウェイヴの感触が重なる、そんな位置づけのアルバムだと受け取れそうだ。
トラックリスト
- A1 Cry Mercy, Judge (3:58)
- A2 Say A Prayer (3:58)
- A3 A Town Called Walker (3:24)
- A4 Song (4:10)
- A5 The Scientist Writes A Letter (4:27)
- B1 Bomb (4:26)
- B2 At 4 a.m. (3:31)
- B3 The Funniest Thing (3:27)
- B4 Annie’s Tellin’ Me (3:57)
- B5 One Time At Sundown (3:58)
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Various – Freak Out At The Facsimile Factory (1998)
Various『Freak Out At The Facsimile Factory』について
『Freak Out At The Facsimile Factory』は、UKのVarious名義で1998年に登場したロック作品である。ジャンル表記はRock、スタイルはPsychedelic RockとProg Rock。サイケデリック・ロックの揺らぎと、プログレッシブ・ロックの構成感が並ぶ一枚として捉えやすい内容である。
サウンドの印象
この作品は、リズムの流れを軸にしながら、音の重なりや展開で聴かせるタイプのロックとして見てよさそうだ。録音の空気感や質感も、90年代末のリリースらしいまとまりを感じさせる一方で、サイケデリック寄りの視点では、音の配置や反復の使い方が耳に残る構成になっている。派手な即効性よりも、曲の流れや断片のつながりで印象を作る作品という見方ができる。
作品の位置づけ
Various名義のため、特定のバンドの代表作というよりは、複数の要素や文脈を束ねたリリースとして受け取るのが自然である。1998年という時期に、Psychedelic RockとProg Rockの要素を前面に出している点も興味深い。60年代末から70年代初頭にかけてのロックの流れを参照しつつ、90年代の感覚でまとめた作品として見える。
ジャンルの文脈
サイケデリック・ロックの広がりと、プログレッシブ・ロックの構成志向という組み合わせは、UKロックの流れの中でも比較しやすい。音の実験性や曲の展開という点では、当時の再評価の空気ともつながる部分がある。とはいえ、この作品はあくまで1998年のリリースとして、その時代のロックの見方を反映した一枚として置いておくのがわかりやすい。
まとめ
『Freak Out At The Facsimile Factory』は、UK発の1998年作として、Psychedelic RockとProg Rockの要素を軸にしたロック作品である。音の流れ、構成、質感のバランスに目が向くタイプの一枚。ロックの文脈をたどりながら聴くと、その輪郭が見えやすい内容である。
トラックリスト
- A1 I Am The Man
- A2 March Of The Defiant Ones
- A3 Highway Song
- A4 Shot In The Arm
- A5 We Met In December
- A6 Eye Of Horus
- A7 Poor Lonely Woman
- A8 Skid Track
- B1 Who’s Gonna Buy
- B2 Pageing Sullivan
- B3 Guitar Suspense
- B4 Unpack Your Bags
- B5 Alchemie Rhythmique
- B6 Travelling Man
- B7 Romantic Scene N°1
- B8 Psyche Suki
- B9 Emily Waits
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Siouxsie & The Banshees – Candyman (1986)
Siouxsie & The Banshees「Candyman」
Siouxsie & The Bansheesの「Candyman」は、1986年にUKでリリースされたシングル。ロンドンで結成されたこのバンドらしい、ゴス・ロックの文脈に置かれる作品で、冷たさのあるリズムと硬質なギター、低めに構えたベースが軸になっている。
作品の輪郭
Siouxsie Siouxのヴォーカルを中心に、Steven Severinのベース、John Valentine Carruthersのギター、Budgieのドラムが組み合わさる編成期の1枚。バンドの中でも、メロディの押し出しとリズムの反復がはっきりした時期のサウンドとして捉えやすい。
録音の印象は、音数を絞った構成の中で各パートの輪郭を見せるタイプ。ドラムは前に出すぎず、ベースが曲の流れを支え、ギターは装飾よりもフレーズの切れ味で存在感を出している。全体として、80年代中盤のポストパンク以降の流れと、ゴス・ロックの要素が交差する仕上がり。
バンドの中での位置づけ
Siouxsie & The Bansheesは1976年にロンドンで始動したUKバンドで、初期のパンクの空気から出発しながら、John McGeochやJohn Valentine Carruthersらのギターワークも含めて、時期ごとに音の輪郭を変えてきたグループ。「Candyman」は、その流れの中で1986年時点のバンド像を示す作品のひとつとして見ることができる。
同時代とのつながり
同時代のUKロック、特にポストパンクやゴス・ロック周辺の作品と並べて語られることが多い流れ。The Cureのように同じシーンの中で比較されるバンド名が挙がることもあり、Siouxsie & The Bansheesはその中でも、リズムの緊張感とヴォーカルの存在感で印象を残してきた。
ひとこと
1986年のUKリリースとして、バンドの持つ冷えた質感と、曲としての推進力がまとまった一曲。Siouxsie Siouxの歌、Steven Severinのベース、Budgieのドラム、John Valentine Carruthersのギターという組み合わせが、その時期の輪郭をそのまま伝えている。
トラックリスト
- Other Side
- A Candyman (3:43)
- This Side
- B1 Lullaby (3:33)
- B2 Umbrella (4:14)
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Propaganda – The Nine Lives Of Dr. Mabuse (1984)
Propaganda『The Nine Lives Of Dr. Mabuse』について
Propagandaは、ドイツ・デュッセルドルフ出身のシンセポップ・グループ。1982年にRalf DörperとAndreas Theinを中心に結成され、ZTTからのリリースで知られる存在だ。この『The Nine Lives Of Dr. Mabuse』は、1984年に登場した作品で、グループ初期の動きがそのまま形になった1枚として位置づけられる。
タイトル曲「Dr. Mabuse」は、Propagandaの初期を代表する楽曲。きっちり組み立てられた打ち込みのリズムに、硬質なシンセのレイヤー、そして女性ボーカルが乗る構成。音の輪郭がはっきりしていて、ダンス寄りの推進力と、ZTT周辺らしい編集感覚が同居している。
サウンドの印象
全体としては、電子音の密度が高く、リズムは機械的に前へ進むタイプ。ベースやシーケンスは細かく刻まれ、上モノのシンセは冷たい質感を保ちながら展開していく。80年代前半のシンセポップらしい整った作りでありつつ、単純に明るいポップスには寄っていないところがこの時期のPropagandaらしさでもある。
録音の雰囲気も、スタジオで組み上げた電子音楽らしい整理された空気感がある。音数は多めでも、各パートの役割が見えやすいタイプで、当時の英国シーンの実験性とポップ性の両方を感じさせる作り。
作品の位置づけ
このシングルは、Propagandaにとって最初期の重要な一曲。のちのZTT期の展開を考えると、その入口にある作品として見えてくる。クラウディア・ブリュッケン、スザンヌ・フライターク、Ralf Dörper、Michael Mertensらが関わった初期編成の空気が、そのまま記録されたような内容でもある。
Propagandaは同時代のシンセポップの中でも、単なる軽快さよりも構築感の強いグループとして語られることが多い。Depeche ModeやYazoo周辺の電子音ポップと並べて見られることもある一方で、ZTT由来の演出性や編集感覚が前面に出る点に特徴がある。
背景メモ
- Propagandaの初期シングルとして知られる作品
- 1984年のUKリリースで登場したタイトル
- ドイツ発のグループでありながら、英国ZTT周辺の文脈で語られることが多い
- 「Dr. Mabuse」は、のちのPropaganda像を印象づける代表曲のひとつ
1980年代前半のシンセポップ、そしてZTTの初期らしい緊張感をまとった一枚。Propagandaの出発点を示す記録として、作品の輪郭はかなりはっきりしている。
トラックリスト
- A Das Testament Des Mabuse (10:14)
- B1 Femme Fatale (The Woman With The Orchid) (3:19)
- B2 (The Ninth Life Of…) Dr. Mabuse (4:06)
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- PROPAGANDA “Das Testaments Des Mabuse” Euro Disco Synth Pop Electronic (107 BPM) Rare 12″ (1984)
- Propaganda – The Nine Lives Of Dr Mabuse (1984) (HQ)
- Femme Fatale (The Woman With The Orchid) (1984) Propaganda
- Propaganda – The Nine Lives Of Dr. Mabuse
- Femme Fatale (The Woman With The Orchid) by Propaganda
Camel – Moonmadness (1976)
Camel『Moonmadness』について
Camelの『Moonmadness』は、1976年に発表された4作目のスタジオ・アルバム。イングリッシュ・プログレッシブ・ロックの流れを背景にしながら、アート・ロック、プログ・ロック、クラシック・ロックの要素を重ねた作品として知られている。バンドの初期4作品のひとつで、グループのまとまりがそのまま形になった時期の録音という位置づけになる。
中心にいるのは、アンドリュー・ラティマーのギターやフルート、ピーター・バーデンスのキーボード、ドゥグ・ファーガソンのベース、アンディ・ウォードのドラムスという初期編成。Camelのこの時期は、各パートが細かく絡み合う構成と、演奏の流れを重視した組み立てが印象に残る。
サウンドの印象
『Moonmadness』では、リズムの切り替えや曲の展開がはっきりしていて、演奏の密度が高い。ギターとキーボードが前に出る場面と、リズム隊が支える場面のバランスがよく、音の輪郭も比較的明確に感じられる。派手さだけで押すタイプではなく、フレーズを積み上げて進む作り込みのある質感。
同時代のプログ・ロックの中では、YesやGenesisのような大きな構成感と並べて語られることもある一方で、Camelはより落ち着いた運びや、楽器同士の会話のような進行に耳が向くバンドとして受け取られやすい。『Moonmadness』もその延長線上にある作品。
バンド内での位置づけ
このアルバムのあと、ツアーには元King Crimsonのサックス奏者・フルート奏者であるメル・コリンズが加わることになる。つまり『Moonmadness』は、初期Camelの編成がまとまった形で残した代表的な一枚として見られることが多い。翌年以降、メンバー交代を経てバンドの音は少しずつ変化していくため、この作品には初期のCamelらしさがよく出ている。
1976年という時代の中で
1976年は、プログ・ロックがすでに一定の成熟を見せていた時期でもある。Camelはその中で、過度に装飾的になりすぎず、演奏と構成で聴かせる方向を保っていた。ジャズ寄りの感触へ向かう前段階としても、この時期の音は重要に感じられる。
作品の概要
- アーティスト: Camel
- タイトル: Moonmadness
- リリース年: 1976年
- スタジオ・アルバム4作目
- ジャンル: Rock
- スタイル: Art Rock / Prog Rock / Classic Rock
『Moonmadness』は、Camelの初期ディスコグラフィの中でも、演奏、構成、バンドの一体感がまとまって見える一枚。1976年という時代のプログ・ロックの空気を、そのまま記録したような位置にある作品だ。
トラックリスト
- A1 Aristillus (1:54)
- A2 Song Within A Song (7:14)
- A3 Chord Changes (6:43)
- A4 Spirit Of The Water (2:03)
- B1 Another Night (6:57)
- B2 Air Born (5:00)
- B3 Lunar Sea (9:09)
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Opus – Daydreams (1980)
Opus『Daydreams』について
『Daydreams』は、オーストリアのロック・バンド、Opusが1980年に発表した作品。のちに「Live Is Life」で国際的に知られることになる彼らの、初期の時期を示す一枚として位置づけられる。バンドは1973年に結成され、ギター、ヴォーカル、鍵盤、リズム隊を軸にした編成で活動していた。
ジャンルとしてはロック、ポップにまたがり、スタイル面ではアリーナ・ロック、ポップ・ロック、ソフト・ロック、プログレッシブ・ロックの要素が並ぶ。楽曲の作りは、メロディを前に出しながらも、演奏のまとまりや展開の組み立てを意識したタイプに見える。録音の質感も、80年代初頭のロック作品らしい、輪郭のある音像が想像しやすい。
作品の立ち位置
Opusにとって『Daydreams』は、1985年の大きな成功以前の時期にあたる作品。後年の代表曲で広く知られる前の段階で、バンドの基本的な方向性を確認できる時期のリリースとして見ることができる。アーティストの活動史の中では、初期カタログの一つとして重要な位置づけ。
サウンドの印象
アリーナ・ロック寄りの押し出しと、ポップ・ロックの分かりやすさが同居するタイプ。そこにソフト・ロック的な聴きやすさや、プログレッシブ・ロック由来の構成感が少し重なる、という見方ができる。リズムは前に進む感触を持ちつつ、メロディの輪郭を崩しすぎない作り。
同時代の文脈
1980年前後のヨーロッパのロックには、ハードな音圧よりも、歌のフックやアレンジのまとまりを重視する流れがあった。Opusもその文脈の中で、英米の大規模なロック・サウンドを参照しながら、自国オーストリアのバンドとして独自の活動を進めていたように見える。AORやポップ・ロック周辺の作品と並べて語られることもありそうなタイプ。
メンバー
- Günter Timischl
- Günter Grasmuck
- Ewald Pfleger
- Peter Niklas Gruber
- Herwig Rüdisser
- Kurt René Plisnier
- John Palier
『Daydreams』は、Opusの初期を知るうえで押さえておきたい一枚。後年の代表的なイメージだけでなく、1980年時点のバンドの輪郭を確認できる作品として読むことができる。
トラックリスト
- A1 Seeming Out Of Reach (2:55)
- A2 My Style (4:37)
- A3 In Town (4:16)
- A4 Juice Queen (Call On 95 65 95) (3:49)
- A5 Go On Your Way (4:38)
- B1 Not The Way (7:22)
- B2 Austria (3:36)
- B3 No Remedy (4:24)
- B4 As Clear As (4:05)
- B5 Daydreams (3:17)
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L. Howard Hughes – West Of The Pecos (1986)
L. Howard Hughes「West Of The Pecos」
「West Of The Pecos」は、UK出身のL. Howard Hughesによる1986年のロック作品。ニュー・ウェイヴとインディー・ロックの要素を軸にした一枚で、当時のUKシーンらしい乾いた質感と、軽く前のめりに進むリズム感が印象に残るタイトルだ。
作品の輪郭
1980年代半ばのUKロックには、ポストパンク以後の流れを受けた、硬質さとメロディのバランスを探る動きが多く見られる。この作品もその文脈の中で捉えやすい。ギターの輪郭を前に出しつつ、過剰に装飾しない録音の雰囲気があり、曲の構造を追いやすい作りになっている。
ニュー・ウェイヴ寄りの整理されたビート感と、インディー・ロックらしい素朴な鳴りの両方が感じられるところがポイント。音の抜け方は比較的ストレートで、派手な演出よりも、バンドの動きそのものを聴かせるタイプの作品として受け取れる。
1986年という位置づけ
1986年という時期は、UKのロックやオルタナティブ周辺で、シンプルな編成のまま個性を出す作品が増えていた頃でもある。「West Of The Pecos」も、その流れの中に置くと輪郭が見えやすい。ニュー・ウェイヴの整った感触と、インディー・ロックの手触りが交わる、当時らしい一作という印象。
サウンドの印象
- リズムは前進感のある組み立て
- ギターは輪郭重視の鳴り
- 録音は比較的ドライな質感
- 派手さよりも曲の運びを見せる作り
ひとことで
「West Of The Pecos」は、1986年のUKロックの空気をそのまま切り取ったような、ニュー・ウェイヴとインディー・ロックの接点にある作品。情報を追うより先に、まず音の運びと質感で輪郭をつかみたくなるタイプのレコードだ。
トラックリスト
- A West Of The Pecos (Tom Mix)
- B1 The Westerner
- B2 Council Houses
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Bill Bruford’s Earthworks – Earthworks (1987)
Bill Bruford’s Earthworks「Earthworks」について
Bill Bruford’s Earthworks名義による「Earthworks」は、1987年にUKで登場したジャズ作品。アーティスト名そのものを冠したタイトルで、バンドの初期像をそのまま示すような位置づけの1枚になっている。Bill Brufordはドラマーとして知られ、このプロジェクトでもリズムの組み立てが作品全体の軸になっている印象がある。
作品の輪郭
ジャンルはJazz、スタイルはFusionとContemporary Jazz。演奏の重心は、いわゆるロック寄りの推進力よりも、細かいリズムの運びやアンサンブルの絡みに置かれているように見える。ドラムが前に出すぎず、各楽器の動きが噛み合う構成。録音も、各パートの輪郭を追いやすいタイプの仕上がりとして受け取れる。
メンバーにはBill Brufordのほか、Mick Hutton、Iain Ballamy、Tim Harries、Tim Garland、Django Bates、Patrick Clahar、Mark Hodgson、Steve Hamiltonといった名前が並ぶ。時期によって編成の変化があるバンドなので、個々の奏者の個性が作品ごとに表れやすいグループでもある。
Bill Brufordにとっての位置づけ
Earthworksは、1986年に結成された英国のジャズ・バンドで、2009年まで活動した。Bill Brufordのキャリアの中では、プログレッシブ・ロックの文脈で知られる活動とは別に、ジャズの側面を前面に出したプロジェクトとして見られることが多い。1987年作のこのアルバムは、その出発点にあたる作品として扱える。
同時代の文脈
1980年代後半の英国ジャズは、フュージョンの要素とコンテンポラリー・ジャズの感覚が重なる場面が多く、この作品もその流れの中に置けそうだ。複雑な拍子感やアンサンブル重視の作りは、同時代のジャズ・ロックや英国系の実験性とも近い印象につながる。
まとめ
「Earthworks」は、Bill Brufordのドラマーとしての視点が前に出た、1987年の英国ジャズ作品。リズムの組み立て、楽器同士の応答、ジャンルの境目をまたぐ編成感、そのあたりが見どころになっている。
トラックリスト
- A1 Thud (4:10)
- A2 Making A Song And Dance (5:52)
- A3 Up North (5:19)
- A4 Pressure (7:25)
- B1 My Heart Declares A Holiday (4:35)
- B2 Emotional Shirt (4:45)
- B3 It Needn’t End In Tears (5:04)
- B4 The Shepherd Is Eternal (1:50)
- B5 Bridge Of Inhibition (4:15)
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Synopsis – Gamme (1980)
Synopsis『Gamme』(1980)
フランスのグループ、Synopsisによる1980年作『Gamme』。電子的な要素とロックを軸に、プログレッシブ・ロック、シンフォニック・ロックの文脈で捉えられる作品だ。メンバーにはChristian Hoff、Christian Bolzé、Michel Resler、Raymond Keller、Maike Ravonison、Patrick Marcel、Michel Bailが参加している。
作品の輪郭
『Gamme』は、70年代プログレの流れを引き継ぎつつ、80年代の入り口に差しかかる時期の空気をまとった1枚として見ることができる。ロックのバンド編成を土台にしながら、電子的な音色を織り込んでいく構成が想像しやすい作品名でもあり、タイトルからも音の組み立てや配列を意識した作りがうかがえる。
フランス産のプログレ/シンフォニック系という点では、同時代のフランスの実験性や組曲的な発想を持つバンド群と並べて語られることが多いタイプの作品だろう。英米圏の大きな潮流とは少し距離を置きながら、鍵盤や構成で聴かせる方向性が中心になりやすいジャンルの流れの中にある。
サウンドの印象
電子音とロックのリズムが重なることで、硬質さと流れのある展開が同居するタイプの音像が思い浮かぶ。シンフォニック・ロックらしく、音のレイヤーを重ねていく作りや、曲の中で場面を切り替えるような展開が軸になっていそうだ。録音の質感も、当時のフランス産プログレに見られる、輪郭を立てつつも空間を残したものとして受け取れる。
時代背景と位置づけ
1980年という時期は、プログレッシブ・ロックが70年代ほどの勢いを保ちにくくなっていた頃でもある。その中で『Gamme』のような作品は、従来のシンフォニックな手法を続けながら、電子楽器の存在感を取り入れていく流れの一端として見えてくる。Synopsisにとっても、当時の音楽環境の中で自分たちの方向性を示した作品として位置づけられるだろう。
メンバー
- Christian Hoff
- Christian Bolzé
- Michel Resler
- Raymond Keller
- Maike Ravonison
- Patrick Marcel
- Michel Bail
フランスの電子的プログレ/シンフォニック・ロックを語るうえで、1980年の『Gamme』はひとつの参照点になりうる作品だ。派手さよりも構成や音の積み重ねに目が向くタイプのアルバムとして、当時の空気を映している。
トラックリスト
- A1 Intro
- A2 Cités (7:00)
- A3 Novembre (4:35)
- A4 Tany Mena (Terre Rouge) (6:30)
- B1 Noctambule (3:30)
- B2 L'Homme Fou (11:00)
- B3 Prélude (4:05)