Pyg – Pyg! Original First Album = オリジナル・ファースト・アルバム (1971)
Pyg! Original First Album = オリジナル・ファースト・アルバム
PYGは、1971年に結成された日本のロック・グループ。
[PYG] の名義で発表されたこの「Pyg! Original First Album = オリジナル・ファースト・アルバム」も、同じ1971年の作品として位置づけられるアルバムです。
メンバーには、Yujin Harada、Kenji Sawada、Kenichi Hagiwara、Hiroshi Oguchi、Osami Kishibe、Katsuo Ohno、Takayuki Inoue が名を連ねています。
日本のロック史の中でも、複数のメンバーが集まって短期間で活動したバンドとして知られる存在です。
作品の位置づけ
PYGは1971年にこのアルバムを含めて2枚のアルバムと5枚のシングルを残し、翌年には解散しています。
そのため本作は、バンドの初期の輪郭を示す1枚というより、活動期間の短さも含めて当時の姿をそのまま記録した作品として見えてきます。
サウンドの印象
ジャンルはロック。スタイルとしてはフォーク・ロック、ガレージ・ロック、サイケデリック・ロック、プログレッシブ・ロックの要素が挙げられています。
そのため、アコースティック寄りの組み立て、歯切れのあるバンド・サウンド、少し揺らぎのある音像、展開を意識した構成といった要素が同居する作品として捉えられます。
録音は1971年の日本のロック作品らしく、当時の空気をそのまま閉じ込めたような質感。
音の輪郭や演奏の勢いが前に出るタイプの記録として聴かれることが多いはずです。
同時代の文脈
1971年は、日本のロックがバンド単位で広がりを見せていた時期でもあります。
PYGのように、フォーク、ガレージ、サイケデリック、プログレッシブといった複数の要素をまたぐ動きは、当時の国内ロックの流れの中でも見えやすいものです。
このアルバムは、そうした時代の空気と、短命で終わったグループの初期衝動が重なった1枚として整理できます。
日本の1971年のロックをたどるうえで、外せないタイトルのひとつ。
トラックリスト
- A1 A Road Named No Return = 戻れない道 (2:52)
- A2 For Our Bright Future = 明日の旅 (4:22)
- A3 The Days Already Past = もどらない日々 (3:16)
- A4 Sunday Driver = サンデー・ドライバー (1:38)
- A5 No Longer On The Earth = やすらぎを求めて (9:55)
- B1 Flower, Sun, Rain = 花・太陽・雨 (5:08)
- B2 Nothing Free = 何もない部屋 (5:12)
- B3 Dark Afternoon = 白い昼下り (2:48)
- B4 Jeff (Sir, Loreal Julie Of Peacock Hill) = ジェフ (サァー・ロレアル・ジュリー・オブ・ピーコック・ヒル) (1:43)
- B5 Love Of Peace And Hope = ラヴ・オブ・ピース・アンド・ホープ (3:10)
- B6 To Pray = 祈る (4:55)
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The Pineapple Thief – Little Man (2006)
The Pineapple Thief「Little Man」について
The Pineapple Thiefは、Bruce Soordを中心に活動してきたUK発のプログレッシブ・ロック・バンドである。1999年に始動し、メンバーを変えながら作品を重ねてきたグループで、メロディ重視の構成と、細かなアンサンブルを軸にしたサウンドで知られる。
「Little Man」は2006年作。2024年盤としても流通しているが、作品そのもののオリジナルは2006年のリリースになる。The Pineapple Thiefの中でも、バンドとしてのまとまりが見えやすい時期のアルバムという位置づけで捉えられそうだ。
サウンドの印象
ジャンルはロック、スタイルはプログレッシブ・ロック。派手な展開を前面に出すというより、曲の流れを保ちながら少しずつ構成を組み立てていくタイプの作品である。リズム隊はきっちりとした輪郭を保ち、ギターとキーボードが音の隙間を埋めるように重なっていく。録音の質感も、各パートの位置関係が見えやすい作りになっている。
Bruce SoordとSteve Kitchによるミックスが施されており、2010年のリマスターでは2009年に再ミックスされた旨が記されている。2024年盤ではBruce SoordとSteven Kitchによる2023年の作業がクレジットされていて、作品の輪郭を整え直す流れが続いている。
アーティストの流れの中で
The Pineapple Thiefは、Bruce Soordのソングライティングを核にしながら、メンバー編成を変えつつ発展してきた。初期は友人たちと組んだバンド形態で、後にSteve Kitchが参加し、キーボードを含む編成で音の厚みを増していく。「Little Man」は、そうした流れの中で、バンドとしての演奏感とスタジオ作品としての精度が並んでいる時期の記録といえる。
同時代のプログレッシブ・ロックの文脈では、技巧の誇示よりも、楽曲の流れや音の配置を重視するタイプの作品として見えてくる。長尺の構成や変拍子を使いつつも、メロディの通りやすさを残すあたりは、プログ系の中でも比較的耳に入りやすい方向性だ。
作品情報
- アーティスト: The Pineapple Thief
- タイトル: Little Man
- オリジナル・リリース年: 2006年
- 盤のリリース年: 2024年
- ジャンル: Rock
- スタイル: Prog Rock
- アーティストの国: UK & Germany
- リリース国: UK & Germany
Bruce Soordを中心とした作曲性、Steve Kitchを含む編成による音の整理、そしてプログレッシブ・ロックらしい構築感。そのあたりが「Little Man」の骨格になっている作品である。
トラックリスト
- A1 Dead In The Water
- A2 God Bless The Child
- A3 Wilting Violet
- A4 Wait
- A5 Run A Mile
- A6 Little Man
- B1 November
- B2 Boxing Day
- B3 God Bless The Children
- B4 Snowdrops
- B5 We Love You
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Supersister – To The Highest Bidder (1971)
Supersister「To The Highest Bidder」について
オランダのプログレッシブ・ロック・バンド、Supersisterによる1971年作「To The Highest Bidder」。ロバート・ヤン・スティプスを中心に、鍵盤を軸にした構成力と、ジャズの要素を取り込んだ展開で知られるグループの初期作品のひとつとして位置づけられるアルバムである。ここでは、1979年に出た盤を手に取る形になるが、作品自体は1971年のリリース。
バンドの背景
Supersisterは1967年にSweet OK Supersisterとして始まり、翌1968年にSupersisterへ改名したオランダのプログレ・バンド。学校バンド由来のメンバーを含む流れから出発し、1974年にいったん解散している。後年には再結成や再始動もあり、ロバート・ヤン・スティプスを軸にバンドの名前は長く残っていくことになる。
サウンドの印象
本作は、変拍子を含むリズム、鍵盤の動き、管楽器の入り方が印象に残るタイプのプログレ作品。ロックの基本形に、ジャズ寄りのフレーズや組曲的な構成が重なる作りで、演奏の切り替えが多い。録音も当時の欧州プログレらしい、各楽器の輪郭を追いやすい質感がある。
メンバーにはElton DeanやCharlie Marianoといった管楽器奏者の名前も見え、楽曲の中でホーンが単なる装飾ではなく、展開の一部として機能している点もこの作品の特徴といえそうだ。
同時代とのつながり
1971年という時期は、英国のプログレが大きく広がっていた頃で、Supersisterもその文脈の中にある。キング・クリムゾンやソフト・マシーン周辺を思わせる緊張感や、ジャズ・ロック寄りの感触が重なる場面もあり、オランダ産のプログレとして独自の立ち位置を示している。
作品の位置づけ
「To The Highest Bidder」は、バンドの初期を代表する一枚として見られることが多い作品。後の再評価や再結成の流れを考えると、Supersisterの核にある発想、つまり鍵盤主導の構成、ひねりのあるリズム、そして管楽器を含む編成の面白さが、すでにこの時点で形になっているアルバムといえる。
ひとこと
プログレ・ロックの中でも、演奏の組み立てと楽器の役割分担がはっきりしている一枚。派手さだけで押すのではなく、展開の細かさで聴かせる作品である。
トラックリスト
- A1 A Girl Named You (10:50)
- A2 No Tree Will Grow (On Too High A Mountain) (7:20)
- B1 Energy (Out Of Future) (16:20)
- B2 Higher (2:56)
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Mo-I-Rana – Loners & Lovers (1974)
Mo-I-Rana『Loners & Lovers』について
『Loners & Lovers』は、デンマークのロック・バンド、Mo-I-Ranaが1974年に発表した作品。ブルース・ロック、プログ・ロック、クラシック・ロックの要素を含む1枚として位置づけられる。1970年代のデンマーク・ロックを知るうえで、ひとつの手がかりになるタイトルでもある。
作品の輪郭
バンド名義の演奏が前面に出るタイプの作品で、Nils Henriksen、Ken Gudman、Ole Prehn、Hans Lauridsen、Bill Hazen、Thorkild Nielsenというメンバー編成が記録されている。ロックを土台にしながら、ブルース由来の組み立てと、プログ・ロックらしい展開の意識が重なる構成が読み取れる。
同時代の英米ロックと比べると、派手な装飾よりもバンドとしてのまとまりやリズムの運びに目が向くタイプの記録として見えてくる。クラシック・ロックの枠の中で、ブルースの骨格と70年代的なロックの感触が同居している印象。
サウンドの印象
演奏は、ギターを軸にしたバンド・サウンドが中心にあるように受け取れる。リズム隊の推進力、曲ごとのテンポ感、録音の空気感が、当時のロック作品らしい生々しさにつながっている。音の輪郭は比較的ストレートで、過度に加工された感じよりも、演奏そのものの手触りが前に出るタイプの質感。
ブルース・ロック寄りの粘りと、プログ・ロック寄りの展開意識が同じアルバムの中で交差するところが、この作品の見どころになりそうだ。
1974年という位置づけ
1974年という年は、ロックの表現が細分化していく時期でもある。そうした中で『Loners & Lovers』は、デンマークのバンドが当時のロック文法を自分たちの編成で鳴らした記録として読める。Mo-I-Ranaにとっても、1970年代の活動期を示す重要な一作という見方ができる。
まとめ
『Loners & Lovers』は、1970年代デンマークのロック・バンド作品として、ブルース・ロック、プログ・ロック、クラシック・ロックの接点に置かれるアルバム。バンドの演奏感、時代の空気、ロックの基本形が見えやすい1枚として記録されている。
トラックリスト
- A1 City Rambling Boy (3:40)
- A2 Break It Up (5:15)
- A3 Rock’n’Roll Man (4:10)
- A4 A Theme For Loners & Lovers (2:40)
- A5 Since You’ve Been Gone (4:20)
- B1 Fortune & Fame (3:15)
- B2 Late Night Woman Blues (5:30)
- B3 (New Version) Alone (5:30)
- B4 Deep Within The Storm (5:10)
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Peter Murphy – Cascade (1995)
Peter Murphy『Cascade』について
Peter Murphyは、UK出身のヴォーカリスト/ミュージシャン/ソングライターで、ニューウェイヴの重要バンド、Bauhausの共同創設者として知られる人物だ。本作『Cascade』は1995年に発表された作品で、ソロ活動の流れの中でも、ロックを軸にしたオルタナティヴ寄りの一枚として位置づけられる。
作品の輪郭
『Cascade』は、Peter Murphyの声を中心に組み立てられたアルバムで、曲の推進力と音像のまとまりが印象に残る内容だ。ジャンル表記はRock、スタイルはAlternative Rock。リズムは前に出すぎず、曲ごとの輪郭を保ちながら進むタイプで、録音の空気感も比較的すっきりした印象につながっている。
ソロのPeter Murphyは、Bauhaus時代のダークな感触を引き継ぎつつも、より歌そのものを前面に置いた表現で語られることが多い。本作でも、その流れの延長にある作品として捉えやすい。90年代中盤のオルタナティヴ・ロックの文脈に置くと、同時代のUKロックやUSのギターロックと並べて見たくなる一枚だ。
サウンドの印象
- ヴォーカルを軸にした構成
- リズムの輪郭が見えやすい演奏
- 音の密度は過剰になりすぎない方向
- ロックの骨格を保ちながら、オルタナティヴな質感を持つ仕上がり
アーティストとしての位置づけ
Peter Murphyは、Bauhausの中心人物としての存在感がまず大きいが、ソロでは別の角度から自身の声と楽曲性を見せてきた。『Cascade』は、そのソロ活動の中で、バンド時代のイメージだけでは収まりきらない面を確認できる作品のひとつとして見られるだろう。
リリース情報について
オリジナルの発表は1995年。ここで扱われている盤は2021年リリースのものだ。作品そのものは90年代半ばの空気を持ちながら、あらためて触れることでPeter Murphyのソロ作品群の流れが見えやすくなる。
トラックリスト
- A1 Mirror To My Woman’s Mind
- A2 Subway
- A3 Gliding Like A Whale
- A4 Disappearing
- B1 Mercy Rain
- B2 I’ll Fall With Your Knife
- B3 The Scarlet Thing In You
- B4 Sails Wave Goodbye
- C1 Wild Birds Flock To Me
- C2 Huuvola
- C3 Cascade
- Bonus Tracks
- D1 Mercy Rain (Production Rough Mix)
- D2 Gliding Like A Whale (Backing Track)
- D3 Sail On White (Backing Track)
- D4 Wish (Backing Track)
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Haze – Hazecolor-Dia (1971)
Haze『Hazecolor-Dia』
1971年に登場した、スイス・ビール出身のハードロック・バンド、Hazeの作品。メンバーはChristian Scherler(vo)、Heinz Schwab(lead guitar)、Hans-Jürg Frei(guitar, organ)、Dietmar Löw(b)、Kurt Frei(ds)という編成で、ギター、オルガン、リズム隊が前に出る時代感のあるロックを聴かせる一枚だ。
作品の輪郭
本作は、ハードロックを軸にしながら、サイケデリック・ロックやクラウトロックの要素も重なる内容。直線的なリフと、オルガンを含む厚みのある音の重なりが印象に残る。録音も、当時の空気をそのまま閉じ込めたような質感で、演奏の輪郭がはっきり見えるタイプのサウンド。
リズムは重さを保ちつつ進み、ギターは前面に出る場面が多い。そこにオルガンが加わることで、ハードロックだけでは収まらない広がりが生まれている。70年代初頭のヨーロッパ・ロックらしい、演奏中心の構成が軸になっている印象だ。
Hazeというバンドの位置づけ
Hazeは1970年代初頭のスイスのハードロック・バンドとして知られる存在。『Hazecolor-Dia』は、その活動期の流れをつかむうえで手がかりになる作品と見られる。バンド名義の音像からも、当時のハードロック、サイケデリック・ロック、クラウトロックの接点にある空気が感じられる。
同時代の文脈で見ると、重いギターを前面に出すバンドとしては、欧州のハードロック勢や、オルガンを含む展開の多いクラウトロック周辺と並べて語られることがありそうだ。とはいえ、ここではその時代のロックが持っていた実験性と演奏感が、比較的素直な形で表れている。
まとめ
『Hazecolor-Dia』は、1971年のヨーロッパ・ロックの空気をまとった、Hazeの輪郭を伝える一枚。ハードロックを土台に、サイケデリックな揺らぎとクラウトロック的な質感が重なる内容で、バンドの編成や時代背景がそのまま音に出ている作品だ。
トラックリスト
- A1 Peaceful Nonsense (7:18)
- A2 Fast Career (8:34)
- A3 Be Yourself (6:26)
- B1 A Way To Find The Paradise (6:57)
- B2 Decision (10:14)
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Tom Waits – Small Change (1976)
Tom Waits『Small Change』について
Tom Waitsの『Small Change』は、1976年にリリースされた作品。ジャズ、ロック、フォーク、ワールド/カントリーの要素をまたぎながら、ブルース・ロックを軸にした1枚として位置づけられる。1973年の『Closing Time』に続く時期の作品で、Tom Waitsの初期像をつかむうえで重要なタイトルのひとつになっている。
作品の輪郭
この時期のTom Waitsは、歌詞の運びや語り口、しゃがれた声で強く印象を残す存在。『Small Change』でも、その特徴ははっきりしている。ジャズ寄りの空気感や、ブルースを土台にした進行、ロックの感触が重なり、楽曲ごとに場面が切り替わるような構成が見えてくる。
録音の雰囲気は、派手に作り込むというより、曲の輪郭や声の質感を前に出す方向。リズムは一定のテンポ感を保ちながらも、曲によってはゆるやかに揺れ、バンドの鳴りと歌が近い距離で並ぶ印象がある。
Tom Waitsというアーティストの中で
Tom Waitsは1949年12月7日、カリフォルニア州ポモナ生まれ。初期は『Closing Time』で知られ、その後、ブルースやビート詩の影響を背景に、独自のソングライティングを深めていく。『Small Change』は、その流れの中で、彼の声と詞の個性がより前面に出てくる時期の作品として見られることが多い。
また、Tom Waitsは音楽だけでなく映画でも存在感を持つ人物で、フランシス・フォード・コッポラ、コーエン兄弟、ジム・ジャームッシュ、テリー・ギリアム、ロバート・アルトマンらの作品に出演している。音楽と映像の両方で、独特の立ち位置を築いてきたアーティストといえる。
同時代とのつながり
1970年代半ばのアメリカでは、シンガーソングライター的な語り口と、ブルースやジャズの要素を取り込んだ作品が並んでいた。Tom Waitsの『Small Change』も、その文脈の中に置ける一枚。Howlin’ Wolfのようなブルースの系譜や、Jack Kerouacに通じるビート的な感覚が、歌詞や声の運びに滲むところがある。
ひとこと
『Small Change』は、Tom Waitsの初期キャリアの流れを追ううえで外せない1976年作。ブルース・ロックを軸に、ジャズやフォークの気配も混ざる内容で、彼の声と言葉の個性がよく見える作品。
トラックリスト
- A1 Tom Traubert’s Blues (6:40)
- A2 Step Right Up (5:39)
- A3 Jitterbug Boy (3:41)
- A4 I Wish I Was In New Orleans (4:50)
- A5 The Piano Has Been Drinking (Not Me) (3:37)
- B1 Invitation To The Blues (5:20)
- B2 Pasties And A G-String (2:32)
- B3 Bad Liver And A Broken Heart (4:46)
- B4 The One That Got Away (4:00)
- B5 Small Change (5:03)
- B6 I Can’t Wait To Get Off Work (3:20)
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Les Maledictus Sound – Les Maledictus Sound (1968)
Les Maledictus Sound / Les Maledictus Sound
Les Maledictus Sound は、1968年にイタリアで発表された、フランスの musique concrète 系サイケデリック・コンセプト・グループによるアルバム。Jean-Pierre Massiera が中心となって制作した作品で、ジャズ、ロック、ポップの要素をまたぎながら、サイケデリック・ロックとイージーリスニングの感触を同居させた1枚として知られている。
作品の輪郭
全体としては、演奏のまとまりよりも、編集や構成の感覚が前に出るタイプの内容。ビートは一定の推進力を保ちながらも、曲ごとに場面が切り替わるような作りで、録音の質感にも時代らしい独特の空気がある。ロック寄りの動きと、軽快な聴き心地を持つパートが並ぶあたりに、この作品ならではのバランスが見える。
ジャンルの並びだけを見ると幅広いが、実際には60年代後半の実験性とポップ感覚が交差する位置づけ。サイケデリック・ロックの文脈に置きつつ、同時に当時のフレンチ・ポップやライブラリー的な発想ともつながるような作りになっている。
アーティストとしての位置づけ
Les Maledictus Sound は1968年に1枚のアルバムを残したグループで、Jean-Pierre Massiera が率いたプロジェクトとして整理されることが多い。メンバーには Jean-Claude Chavanat、André Ceccarelli、Patrick Djivas らが名を連ねており、制作陣の顔ぶれからも、単なるバンド作品というより、当時のフランス周辺のスタジオ感覚が強く出た企画性のある作品として捉えやすい。
タイトルにまつわる扱い
このアルバムは、Attention や Jim-Clark、L’Experience 9 といった別題で語られることもある。いずれも同じ音楽を別の曲名でまとめた形として扱われることがあり、資料によって表記が揺れる作品でもある。
聴きどころの印象
- ロックのリズムを土台にした曲構成
- イージーリスニング寄りの明るさと、サイケデリックな処理の同居
- 録音や編集の手つきに出る、60年代末らしいスタジオ作品の気配
- ジャズ系の演奏感が下支えする、流れのあるアンサンブル
2000年には別の盤として再登場しており、オリジナルの1968年盤とはリリース年が異なる。60年代末の実験的なフレンチ・サイケを、イタリア盤としてたどれる一作として見ていくと、当時の欧州ポップ周辺のつながりも見えやすい。
トラックリスト
- A1 Kriminal Theme (2:35)
- A2 The Whistler (2:55)
- A3 Inside My Brain (2:40)
- A4 Blues Section Club (2:50)
- A5 Concerto Genocide (2:50)
- A6 Transfer From The Modulation (2:55)
- A7 Am Stram Gram (2:30)
- A8 Entrac Theme (2:15)
- B1 Radio Pirat Program (2:35)
- B2 Stupidly Made In Gaulle (2:25)
- B3 Jim Clark Was Driving Recklessly (2:15)
- B4 Dark Sky (2:30)
- B5 Crazy Circus (2:45)
- B6 Art Director (2:25)
- B7 Heathcliff Y Cry Your Name (2:50)
- B8 Monstrer Cocktail (2:35)
Severed Heads – Clean (1981)
Severed Heads『Clean』について
Severed Headsは、1979年にシドニーで始動したオーストラリアのグループで、初期からテープループやノイズの強いシンセサイザー、ディソナントな音源を使った実験的な電子音楽で知られている。『Clean』は1981年の作品として位置づけられるレコードで、2020年に盤としてリリースされた。
作品の輪郭
この時期のSevered Headsは、インダストリアル寄りの制作感を持ちながら、後の展開につながるリズムやメロディの要素も見え始める段階にある。単純な電子音の実験だけでなく、4/4のビートやドラムマシン的な質感、まとまりのあるコード進行へと向かう流れの中にあり、前衛的な電子音楽とシンセポップ、EBMのあいだをまたぐような印象がある。
録音の雰囲気は、整いきらない機械音と反復が前に出るタイプで、音の輪郭をはっきりさせすぎない作り。音数は多くなくても、テープ由来の処理や硬いシンセの響きが層になって進むところに、このバンドらしさがある。
Severed Headsの中での位置づけ
Severed Headsは、初期のインダストリアル的な作風から、のちによりダンス寄りの要素を取り入れた方向へ進んでいく。『Clean』は、その変化の手前にある時期の記録として見ると流れがつかみやすい。トム・エラードが中心になっていく前段階の空気も反映されている。
グループはオーストラリア発ながら、北米ではNettwerk Recordsとも関わりを持ち、同時代のインダストリアルや実験電子音楽の文脈で語られることが多い。Throbbing GristleやCabaret Voltaireの系譜を思わせる部分もあるが、Severed Headsの場合はそこにリズムの明瞭さやポップ寄りの感触が入り込む点が特徴になっている。
メンバーとクレジット
- Tom Ellard
- Richard Fielding
- Garry Bradbury
- Stephen Jones
- Stewart Lawler
- Andrew Wright
- Simon Knuckey
- Paul Deering
- Robert Racic
ひとこと
『Clean』は、Severed Headsの初期にある実験性と、のちの展開につながるビート感の両方が見えやすい作品。インダストリアル、エクスペリメンタル、電子音楽の接点にある一枚として整理できる。
トラックリスト
- A1 Food City
- A2 Our Own Home
- A3 Charivari
- A4 Nightsong
- A5 Car Advertisment
- B1 Love
- B2 Don’t Saxophone
- B3 Book
- B4 Tiny Fingers
- B5 Heavily Tatooed Men + Women
- B6 Violins And Moonlight
- C1 Stomach
- C2 You Will
- C3 Turtledove
- C4 Flower
- C5 Clean Loops
- D1 Floopness
- D2 Ladies + Gents Digital
- D3 Somehow Pain
- D4 Subjective
- D5 Always Randy
- D6 Unbreakable
- D7 Traumat
- D8 Opera
- D9 Siren
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Isildurs Bane – Sagan Om Ringen (1988)
Isildurs Bane「Sagan Om Ringen」について
「Sagan Om Ringen」は、スウェーデンのシンフォニック・プログレッシブ・ロック・バンド、Isildurs Baneが1988年に発表した作品。バンド名はJ.R.R.トールキンの『指輪物語』に由来していて、作品名もその流れをくむタイトルになっている。北欧のプログレらしい大編成感と、組曲的な構成を思わせる流れが印象に残る一枚だ。
バンドの背景
Isildurs Baneは1976年にスウェーデンのハルムスタッドで結成された。シンフォニック・プログレッシブ・ロックを軸にしながら、のちにはプロジェクト形式でも活動を広げていくグループで、2005年以降はIBの略称でも知られている。異なる地域やジャンルのミュージシャンを招いて行うIB Expoの活動も続いていて、演奏だけでなく交流や共同制作の場を持っている点も特徴的だ。
1988年の作品として
この作品は1988年のリリース。80年代後半のプログレ作品らしく、ロックの基本編成に加えて、鍵盤や管楽器、複数の演奏者によるレイヤーが重なる構成が思い浮かぶ。リズムは細かく切り替わる場面がありそうで、曲の展開を追う楽しさが中心になっているタイプの作品として捉えられる。
録音の雰囲気も、当時のスタジオ作品らしい整理された質感を持ちながら、アンサンブルの情報量を前に出す方向にあるように見える。派手さだけで押すというより、パートごとの動きや配置を聴かせる作り。シンフォニック・プログレの文脈でいえば、YesやGenesisの流れを思わせる要素と、北欧バンドらしい独自の色合いが同居するタイプとも言える。
作品の位置づけ
Isildurs Baneにとっては、バンドの名前が持つ物語性とも重なる、80年代の活動を示す一枚。のちのプロジェクト志向へつながる前段階として見ることもできそうだ。編成の広さや音の重ね方からは、シンフォニック・プログレの中でも大編成志向の作りがうかがえる。
基本情報
- アーティスト: Isildurs Bane
- タイトル: Sagan Om Ringen
- リリース年: 1988年
- 国: スウェーデン
- ジャンル: Rock
- スタイル: Prog Rock
メモ
メンバー数が多く、クレジットにも多彩な名前が並ぶ作品。Isildurs Baneらしい、編成の厚みと集合的なアンサンブル感がそのまま表れたタイトルとして見えてくる。
トラックリスト
- A1 Overtyr
- A2 Vandring
- A3 Gamla Skogen
- A4 Tom Bombadill
- A5 Vidstige
- B1 De Svarta Ryttarna
- B2 Vattnadal
- B3 Moria
- B4 Sällskapets Upplösning
- B5 Ringarnas Härskare I & II
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Adrian Belew – Pretty Pink Rose (1990)
Adrian Belew「Pretty Pink Rose」について
Adrian Belewの「Pretty Pink Rose」は、1990年にリリースされた作品。Rockを軸にしながら、IndustrialとClassic Rockの要素が重なる一枚として捉えられる。
アーティスト像
Adrian Belewは、ギタリスト、シンガー、プロデューサーとして知られるアメリカ出身のミュージシャン。ソロ活動に加えて、さまざまな先鋭的なアーティストとの共演歴を持ち、1981年から2008年にかけてはKing Crimsonのメンバーとしても活動している。音の作り方に独自性があり、ポップな曲作りと複雑なリズム感、細かなギターワークを組み合わせるタイプの音楽家として語られることが多い。
サウンドの印象
この作品でも、ロックの骨格を保ちながら、音の質感にやや硬質な感触がある。リズムは前へ進む力があり、ギターやボーカルの扱いには細かな工夫が感じられる。Classic Rockの分かりやすさと、Industrial寄りの乾いた空気が同居するような内容。
位置づけ
1990年の作品として見ると、Adrian Belewの作家性がよく出る時期の記録のひとつといえる。King Crimsonでの活動と並行していた時期でもあり、ソロ名義での表現がどのように展開していたかを追ううえで重要なタイトルのひとつ。
同時代との関係
同時代のロックの中では、単純なギター・ロックよりも、音の設計やリズムの組み方に意識が向いた作品として見えてくる。King Crimson周辺の実験性や、80年代以降のアート・ロック、ポスト・プロダクション的な感覚とも近い文脈に置けそうな内容。
補足
- アーティスト名: Adrian Belew
- タイトル: Pretty Pink Rose
- リリース年: 1990年
- ジャンル: Rock
- スタイル: Industrial, Classic Rock
- リリース国: UK
Adrian Belewらしい、ロックの形を保ちながら音の輪郭を少しずらしていくタイプの作品。そうした特徴が見えやすいタイトルとして扱える。
トラックリスト
- A Pretty Pink Rose
- B1 Heartbeat
- B2 Oh Daddy
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The Ravers – Bad, Bad World (Ravers Going Underground) (1969)
The Ravers『Bad, Bad World (Ravers Going Underground)』について
スペインのロック・グループ、The Raversによる『Bad, Bad World (Ravers Going Underground)』は、1969年の作品として知られる1枚。盤としては2011年にリリースされたもので、オリジナル期のサイケデリック・ロックの空気を伝える内容になっている。
アーティストの背景
The Raversは、The Tonicsがバジェット・レーベル向けに名義を変えた形とされるグループ。メンバーはCisco BerndtとManfred Oberdörfferの2人。スペイン発のロック・バンドとして、60年代末のサイケデリック・ロックの流れの中に位置づけられる存在である。
サウンドの印象
ジャンル表記はRock、スタイルはPsychedelic Rock。リズムは直線的なロックの推進力を持ちつつ、ギターや録音の質感には当時らしいざらつきが感じられるタイプの作品として捉えられる。派手に作り込むというより、バンド演奏のまとまりと、少し揺らいだ音像が前に出る印象。
60年代末のサイケデリック・ロックらしく、同時代の欧州ロックや、英米のサイケデリック・バンドと並べて語られることもありそうな立ち位置。曲の展開や音の置き方に、当時のシーン特有の感触が残る1枚といえる。
作品の位置づけ
1969年という時期は、サイケデリック・ロックがロックの中でひとつの形を作っていた頃。その流れの中で、この作品もバンドの時代感を映した記録として見ることができる。The Raversという名前で残る作品として、アーティストの活動をたどるうえでの手がかりにもなる。
まとめ
- アーティスト: The Ravers
- タイトル: Bad, Bad World (Ravers Going Underground)
- オリジナル年: 1969年
- 盤のリリース年: 2011年
- 国: スペイン
- ジャンル: Rock
- スタイル: Psychedelic Rock
60年代末のスペイン発サイケデリック・ロックとして、当時の空気をそのまま切り取ったような作品。The Tonics由来の名義としての背景も含め、バンドの流れを知るうえで興味深い1枚である。
トラックリスト
- A1 Bad, Bad World
- A2 What You Can Do For Your Country
- A3 Relaction I
- A4 Hey Joe
- A5 Biafra
- A6 Kind Of Music I
- B1 Turn In
- B2 Kind Of Music II
- B3 Mr. President
- B4 Times Have Changed
- B5 Relaction II
- B6 We’ve Got Too Much
- B7 Behave Us Of The 3rd World War
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Glass Tiger – Diamond Sun (1988)
Glass Tiger / Diamond Sun
Glass TigerのDiamond Sunは、1988年に登場したカナダのロック・バンドによる作品。ポップ・ロックを軸にした作りで、アリーナ志向の抜けのよさと、きっちり整えられたコーラスが印象に残る1枚です。バンドの持つメロディ重視の方向性が、そのまま前面に出たアルバムとして聴けます。
Glass Tigerというバンド
Glass Tigerは1983年にオンタリオ州ニュー・マーケットで結成されたバンド。もともとはTokyoという名前で活動していたことでも知られています。デビュー作The Thin Red Lineで「Don’t Forget Me (When I’m Gone)」「Someday」といったヒットを出し、カナダでは複数のヒット・シングルを記録しました。1986年にジュノー賞を3部門で受賞し、翌1987年にも2部門を獲得、さらにグラミー賞にもノミネートされています。
作品の位置づけ
Diamond Sunは、バンドの初期の勢いが続いていた時期のリリース。デビュー作で広く知られる前後の流れを受けつつ、Glass Tigerらしい大きめのスケール感と、ラジオ向きの整ったポップ・ロックをまとめた作品として位置づけられます。1980年代後半の北米ロックらしい、乾いたギターの輪郭と、前に出るボーカル、はっきりしたビートの組み合わせが想像しやすい内容です。
同時代とのつながり
この時期のポップ・ロックには、カナダ勢を含めて、メロディとコーラスを強く押し出すバンドが多く見られました。Glass Tigerもその流れの中にあり、シンセやギターを整理して並べる作りは、同時代のラジオ・フレンドリーなロックと近い感触があります。派手さよりも、曲の輪郭をきれいに見せる方向性。
聴きどころとして見える要素
- はっきりしたリズム隊と、歌を支えるコーラスワーク
- ギターとキーボードの役割分担が明快なアレンジ
- 80年代後半らしい、整理された録音の質感
- ポップ寄りでありながら、ロックの骨格を残した構成
ひとこと
Glass Tigerのキャリアの中では、デビュー期の成功を受けてバンドの方向性がより見えやすくなった時期の作品といえそうです。1988年の北米ロックの空気を、そのままパッケージしたような存在。
トラックリスト
- A1 Diamond Sun (5:21)
- A2 Far Away From Here (4:06)
- A3 I´m Still Searching (3:56)
- A4 A Lifetime Of Moments (4:57)
- A5 It’s Love U Feel (5:31)
- B1 My Song (3:23)
- B2 (Watching) Worlds Crumble (4:50)
- B3 Send Your Love (4:28)
- B4 Suffer In Silence (3:31)
- B5 This Island Earth (6:30)
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The Pineapple Thief – Nothing But The Truth (2021)
The Pineapple Thief『Nothing But The Truth』について
The Pineapple Thiefは、Bruce Soordを中心に活動してきたイギリス発のプログレッシブ・ロック・プロジェクトとして知られている。『Nothing But The Truth』は2021年の作品で、同年にドイツでリリースされたレコードだ。バンド編成での演奏を軸にしながら、楽曲の輪郭をはっきり見せるタイプの作品として捉えやすい一枚。
作品の位置づけ
The Pineapple Thiefは、1999年にBruce Soordの音楽的な構想から始まり、その後はライブ・バンドとしても活動を広げてきた。メンバーにはGavin HarrisonやSteve Kitchなど、プログレッシブ・ロックの文脈で知られる名前が並ぶ。『Nothing But The Truth』も、そうした流れの中にある作品で、バンドとしてのまとまりと作曲面の整理された印象が前に出るタイトルといえる。
サウンドの印象
ジャンルはRock、スタイルはProg Rock。リズムは細かく刻むというより、曲の流れを支える形で組まれていく場面が多く、ドラムとベースの動きが骨格になるタイプの聴こえ方が想像しやすい。ギターとキーボードは音数を詰め込みすぎず、空間を残した配置になりやすく、録音全体も輪郭を見せる方向の仕上がりとして受け取れる。
派手な展開だけで押すというより、パートごとのバランスや、フレーズのつなぎ方に耳が向く作り。プログレッシブ・ロックの中でも、複雑さと聴きやすさの境目を行き来するような立ち位置に見える。
アーティストの文脈
The Pineapple Thiefは、同時代のプログレッシブ・ロック勢の中でも、演奏技術を前面に出すだけでなく、曲の流れや歌の存在感を重視するバンドとして語られることが多い。Porcupine TreeやKing Crimson周辺の流れを思わせる場面もありつつ、より内省的な構成に寄る場面もある。そのあたりが、この作品にもつながっている印象だ。
リリース情報
- アーティスト: The Pineapple Thief
- タイトル: Nothing But The Truth
- リリース年: 2021年
- リリース国: Germany
- ジャンル: Rock
- スタイル: Prog Rock
2021年のThe Pineapple Thiefを知るうえで、作品の輪郭をつかみやすい一枚。
トラックリスト
- A1 Versions Of The Truth
- A2 In Exile
- A3 Warm Seas
- A4 Our Mire
- B1 Build A World
- B2 Demons
- B3 Driving Like Maniacs
- B4 Someone Pull Me Out
- B5 Uncovering Your Tracks
- C1 Break It All
- C2 White Mist
- C3 Out Of Line
- C4 Wretched Soul
- D1 Far Below
- D2 Threatening War
- D3 The Swell
- D4 The Final Thing On My Mind
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Polyphony – Without Introduction… (1972)
Polyphony『Without Introduction…』について
Polyphonyの『Without Introduction…』は、1972年にUSで発表された作品。バージニア出身のグループによる、プログレッシブ・ロックとサイケデリック・ロックを軸にしたアルバムで、バンドの唯一作として知られている。
編成はGlenn Howard、Chatty Cooper、Christopher Spong、Martin Ruddy、Craig Massey。ロックを基本にしながら、シンフォニックな展開や実験的な要素をつないでいく内容で、ジャンルの境界をまたぐ作りが印象に残る一枚。
サウンドの印象
演奏は、変化の多い曲構成と鍵盤の存在感が軸になっている。リズムは直線的に進むだけでなく、曲ごとに切り替わりがあり、録音全体にも当時のUSプログレらしいざらついた質感がある。サイケデリック・ロック寄りの場面では、音の重なりや展開の流れが前に出る。
一部ではEmerson, Lake & Palmerが比較対象として挙がることもあるが、鍵盤の使い方にそうした連想を呼ぶ部分がある一方で、全体の組み立ては独自性のあるものとして受け取られている。
作品の位置づけ
Polyphonyにとっては唯一のアルバムであり、バンドの輪郭をそのまま記録したような作品。1971年前後のUSプログレ/サイケ文脈の中で、シンフォニックな構成感と実験性を同居させた例として見られることがある。
ひとこと
『Without Introduction…』というタイトルどおり、前置きなしに始まるような感触のあるアルバム。派手な説明よりも、曲の流れと演奏の組み合わせで印象を残すタイプの作品。
トラックリスト
- A1 Juggernaut (14:04)
- A2 40 Second Thing In 39 Seconds (1:07)
- Ariels Flight (15:15)
- B2 Crimson Dagger (7:05)
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Dexter Wansel – Life On Mars (1976)
Dexter Wansel「Life On Mars」について
Dexter Wanselの「Life On Mars」は、1976年にリリースされたソロ作品で、フィラデルフィア出身のキーボード奏者、作曲家、アレンジャー、プロデューサーとしての持ち味がよく出た1枚である。ジャズ、ファンク、ソウル、R&Bを横断する音作りで知られるWanselらしく、ここでも鍵盤を軸にした演奏と、当時のフィリー・ソウル周辺の洗練された空気がまとまっている。
サウンドの印象
収録曲は、ジャズ・ファンクやフュージョン、ディスコの要素を含みつつ、リズムの輪郭がはっきりした作りが印象的である。ベースとドラムが前に出る場面でも、上もののシンセやコードワークが細かく動き、音の層が厚い。録音全体も、70年代のソウル作品らしい整った質感で、派手さよりも編曲の流れが聴きどころになっている。
Dexter Wanselにおける位置づけ
Wanselは、Philadelphia International Recordsのサウンド形成に深く関わった人物としても知られている。「Life On Mars」は、その活動と並行して展開されたソロ作のひとつで、作曲家・アレンジャーとしての手腕が前面に出た作品といえる。のちの「Voyager」や「Time Is Slipping Away」と並べて語られることも多く、70年代モダン・ソウルの流れの中で見ても重要なタイトルである。
同時代とのつながり
この時期のフィラデルフィア周辺では、洗練されたストリングス・アレンジや滑らかなグルーヴを持つソウル作品が多く生まれていた。Dexter Wanselの音楽もその文脈にありつつ、シンセサイザーの使い方やジャズ寄りのコード感によって、より機械的な質感と都会的な空気を加えている。ジャズ・ファンク、フュージョン、ソウルの境目を行き来する感触で、同時代のプロデュース作品とも自然に接続する内容である。
作品まわりのエピソード
この作品のLPジャケットには、Rudolph de Harakによる“The Light Tunnel”が背景として使われている。もともと1971年に制作されたこの光のトンネルは、ニューヨークの127 John Streetにあったもので、後に解体された。写真映えする場所として知られ、ミュージシャンのプロモーション写真にも使われたという記録が残っている。視覚面でも、作品の時代感を伝える要素になっている。
2013年盤について
ここで扱うのは2013年にリリースされた盤で、オリジナルの1976年作としての「Life On Mars」である。70年代の空気をそのまま伝えるタイトルとして、Dexter Wanselの代表作のひとつに数えられている。
トラックリスト
- A1 A Prophet Named K.G. (4:20)
- A2 Life On Mars (5:50)
- A3 Together Once Again (4:23)
- A4 Stargazer (3:20)
- B1 One Million Miles From The Ground (5:00)
- B2 You Can Be What You Wanna Be (5:04)
- B3 Theme From The Planets (4:53)
- B4 Rings Of Saturn (3:43)
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Raw Material – Raw Material (1970)
Raw Material / Raw Material
Raw Materialは、1969年にロンドンで結成された英国のロック・バンド。ブルースやサイケデリックの流れを出発点にしながら、短い活動期間の中で、より複雑な構成を持つプログレッシブ・ロックへと進んでいったグループだ。管楽器やキーボードを加えた編成も特徴で、同時代のKing CrimsonやVan Der Graaf Generatorと重ねて語られることもある。
作品について
ここで取り上げる『Raw Material』は1970年の作品。盤としては2012年リリースのものになる。バンド名と同じタイトルであることからも、初期のまとまりを示す1枚として見られることが多い。
サウンドは、ロックの基本形を土台にしながら、管楽器や鍵盤が加わる構成。リズムは一定の推進力を保ちつつ、曲ごとに展開を変えていくタイプで、演奏の輪郭がはっきりした録音の印象がある。サイケデリック・ロックの要素を残しながら、後のプログレッシブ・ロックへつながる感触も見える内容だ。
バンドの位置づけ
Raw Materialは、英国では長く広く知られる存在ではなかった一方で、ヨーロッパ大陸では一定の支持を得ていたとされる。そうした背景もあって、この作品は、バンドの初期の姿を確認できる記録として扱われやすい。
メンバー
- Michael Fletcher
- Paul Young
- Colin Catt
- Phil Gunn
- Dave Green
- Cliff Homewood
補足
ジャンル表記はRock、スタイルはPsychedelic Rock。バンドの関連情報としては、MyspaceやProg Archivesにもプロフィールがある。
トラックリスト
- A1 Time And Illusions
- A2 I’d Be Delighted
- A3 Fighting Cock
- B1 Pear On Apple Tree
- B2 Future Reculection
- B3 Hi There Hallelujah
- B4 Bobo’s Party
- B5 Destruction Of Amerika
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Easy Going – Fear (1979)
Easy Going『Fear』について
Easy Goingは、イタリアのディスコ・バンドで、ローマのゲイ・クラブに由来する名前を持つグループだ。1978年のヒット「Baby I Love You」で知られ、その流れの中で1979年に発表されたのが『Fear』である。イタリア国内で生まれたディスコ/初期イタロ・ディスコの空気を、そのまま作品として切り取ったような位置づけのアルバムといえる。
作品の位置づけ
『Fear』は、Easy Goingにとって2作目のアルバムにあたる。前年の「Baby I Love You」で注目を集めたあとに出された作品で、グループのディスコ路線をそのまま引き継ぐ内容になっている。のちの『Casanova』(1980)へつながる、1979年時点のEasy Goingを示す一枚。
サウンドの印象
ジャンル表記はElectronic、Funk / Soul、スタイルはItalo-Disco、Disco。リズムは四つ打ちを軸にしたダンス向けの設計で、ベースの動きや反復するビートが前に出るタイプの音像が思い浮かぶ。録音の雰囲気も、当時のイタリア産ディスコらしい、楽曲の推進力を重視した作りとして捉えられる。
同時代とのつながり
Easy Goingの周辺には、イタロ・ディスコやHi-NRGの初期を形作った人物が関わっている。デビュー曲「Baby I Love You」ではGiancarlo Meoがプロデュースし、Claudio Simonettiがアレンジを担当している。Simonettiはイタリアの音楽シーンでも知られる存在で、この時期のディスコ・サウンドとイタロ・ディスコの接点を感じさせる流れ。
クレジットについて
この時期のメンバーとしては、Paul Micioni、Claudio Simonetti、Russell Spellmanの名前が挙がっている。Easy Goingは、Paul Micioniを中心にローマで結成され、ダンサーとして活動していたFrancesco BonannoとOttavio Siniscalchiもグループの成り立ちに関わっていたとされる。イタリアのクラブ文化とレコード制作が近い距離にあった時代性を感じさせる背景。
ひとこと
『Fear』は、1979年のイタリア・ディスコの流れをそのまま示す作品として見えてくる。Easy Goingの初期の動き、そしてのちのイタロ・ディスコへつながる入口として、時代の輪郭がつかみやすい一枚。
トラックリスト
- A1 I Strip You (8:23)
- A2 Fear (7:52)
- B1 To Simonetti (10:06)
- B2 Put Me In The Deal (7:56)
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Willie Wright – Telling The Truth (1977)
Willie Wright『Telling The Truth』について
Willie Wrightは、アメリカのソウル・シンガー/ソングライター。本作『Telling The Truth』は1977年に録音・発表された作品で、2011年に再発盤が出ている。Funk / Soul、スタイルとしてはSoulに位置づけられる一枚だ。
Wrightはミシシッピ生まれ、ニューヨークのハーレムでドゥーワップを経験し、その後はソロ歌手としてクラブを中心に活動した人物。大手レーベルとの契約を選ばず、自主制作で作品を出し続けたことでも知られている。そうした流れの中で作られたのが、この『Telling The Truth』という位置づけになる。
作品の輪郭
このアルバムは、本人の生活感や対人関係、家族への思いを反映した、かなり私的な内容として語られている。録音は1日で行われたとされ、その事情もあって、編成は必要最小限に絞られた作り。音数を抑えた演奏と、過度に飾らない録音の空気が残るタイプのソウル作品だ。
リズムは前に出すぎず、歌の言葉を支える役回り。派手なアレンジで押すというより、声と楽曲の骨格をそのまま置くような感触がある。70年代のソウルの中でも、いわゆる洗練された都会的サウンドというよりは、個人の表現を前面に出した作り。
アーティストの中での位置づけ
Willie Wrightにとっては、初期作『Lack of Education』に続くアルバムであり、より自分の内面に近い内容へ進んだ作品として見られている。カバー中心だった初期作に対して、この『Telling The Truth』では本人の言葉がより強く出ている点が特徴だ。
のちに2011年の再発で再評価が進み、Willie Wrightという名前が改めて注目されるきっかけにもなった。オリジナル盤は長く入手しづらい存在として扱われてきたが、再発を通じて彼のソウル表現が知られるようになった流れがある。
同時代の文脈
1970年代のUSソウルには、メジャー路線の華やかな作品とは別に、独立系で少人数の制作による私的なアルバムがいくつも存在する。この作品もその文脈に置ける一枚だろう。Curtis Mayfield周辺のソウル、あるいは同時代のインディー・ソウルの流れを思わせる面がある一方で、より身近な語り口が前に出ている。
派手さではなく、声の温度と録音の距離感で聴かせるタイプの作品。Willie Wrightの歩んだ自主制作の姿勢も含めて、70年代ソウルのもうひとつの在り方を示すアルバムとして捉えられる。
トラックリスト
- A1 Nantucket Island
- A2 Lady Of The Year
- A3 I’m So Happy Now
- A4 In The Beauty Of The Night
- A5 Love Is Expensive
- B1 Jackie’s Song
- B2 Son, Don’t Let Life Pass You By
- B3 Indian Reservation
- B4 Dressing For The Occasion
- B5 It’s Only Life, That’s All
- C Right On For The Darkness
- D Africa
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Alphataurus – Alphataurus (1973)
Alphataurus『Alphataurus』(1973)
イタリア、ミラノ出身のプログレッシブ・ロック・バンド、Alphataurusによる1973年のセルフタイトル作。初期70年代のイタリアン・プログレの流れの中でも、ヘヴィな演奏と叙情的な展開をあわせ持つ作品として知られている。
作品の位置づけ
Alphataurusは1970年に結成されたバンドで、このアルバムは彼らの名をそのまま掲げたデビュー作。バンドの出自や活動歴は多くを語られていない一方で、この1枚は70年代イタリア・プログレの代表的な作品のひとつとして扱われることが多い。Museo RosenbachやIl Balletto Di Bronzoと並べて語られることもあり、同時代のイタリア勢の文脈の中で位置づけやすい作品だ。
サウンドの特徴
演奏はヘヴィなパートと静かなメロディックな場面の切り替えがはっきりしていて、楽曲の中で緩急がつけられている。キーボードの存在感も大きく、テーマを長めに展開していく構成が印象に残る。録音は70年代のロック作品らしい質感で、音の輪郭はやや素朴だが、各パートの役割は見えやすい。
ボーカルは強い張りを持ったタイプで、音の流れに対してはっきりした輪郭を与えている。サイケデリック・ロック、プログレッシブ・ロック、シンフォニック・ロックの要素が重なった内容で、単なる技巧披露というより、曲ごとの構成の流れを追うタイプのアルバムといえる。
同時代のイタリアン・プログレとの関係
1970年代前半のイタリアでは、重厚なバンド・サウンドとクラシカルな鍵盤アレンジを組み合わせた作品が多く生まれている。Alphataurusもその中にあり、当時のイタリアン・プログレらしい劇性と、ギターとキーボードの対比が目立つ。ジャンル全体の流れの中では、より知られたグループの陰で語られることが多いが、熱心なプログレ・リスナーの間では評価の高い一枚として知られている。
メンバーとその後
クレジットには Alfonso Oliva、Pietro Pellegrini、Guido Wasserman、Giorgio Santandrea、Michele Bavaro、Claudio Falcone の名が並ぶ。バンドはその後しばらく表舞台から遠ざかり、後年になって再編されている。オリジナル・メンバーの一部は再結成にも関わり、ライブ活動や新旧曲を含む作品へとつながっていく。
ひとこと
Alphataurus『Alphataurus』は、初期70年代イタリアン・プログレの特徴がまとまったセルフタイトル作。ヘヴィさ、メロディ、キーボードの展開が交差する、同時代の空気をよく伝えるアルバムだ。
トラックリスト
- A1 Peccato D’Orgoglio (12:22)
- A2 Dopo L’Uragano (5:05)
- A3 Croma (3:16)
- B1 La Mente Vola (9:20)
- B2 Ombra Muta (9:43)
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Moby Grape – Great Grape (1971)
Moby Grape『Great Grape』について
Moby Grapeは、1960年代のアメリカを代表するロック・グループのひとつで、全員が歌とソングライティングに関わる体制で知られるバンドだ。フォーク、ブルース、カントリー、ジャズの要素をロックやサイケデリック・ロックに混ぜ合わせた作風で、同時代の西海岸シーンの中でも独自の位置にいる。
『Great Grape』は1971年の作品で、Moby Grapeの持ち味をまとめて追えるタイトルになっている。アメリカ盤としてリリースされ、バンドの活動の流れを押さえるうえでも見やすい一枚だ。
サウンドの印象
ジャンルはロック、スタイルはサイケデリック・ロック。演奏はギターを中心にしたバンド・サウンドが軸で、リズムは派手に崩しすぎず、曲の形を保ちながら進む印象がある。音の質感は、同時代の西海岸ロックらしい生っぽさを残しつつ、歌とアンサンブルのまとまりが前に出るタイプだ。
ブルース寄りの進行、カントリー由来の軽いノリ、フォーク的な歌の運びが自然に混ざるあたりも、Moby Grapeらしいところだろう。サイケデリック・ロックといっても、極端に実験色を強めるというより、バンド演奏の中でその要素を使っている印象。
バンドの立ち位置
メンバーにはAlexander Spence、Jerry Miller、Jim Preston、Bob Mosley、Don Stevenson、Peter Lewis、Gordon Stevensがクレジットされている。複数の作曲者とボーカルが関わる構成は、Moby Grapeの特徴そのものだ。
1960年代のアメリカン・ロックの文脈では、The ByrdsやJefferson Airplane、Grateful Deadのような西海岸勢と並べて語られることが多いバンドだが、Moby Grapeはその中でも、歌の分担と曲作りの広さが目立つ。『Great Grape』も、そのバンド内の多面性を追いやすい内容として位置づけられる。
ひとことで言うと
1960年代型のアメリカン・ロックを軸に、フォーク、ブルース、カントリー、ジャズの要素を抱え込んだMoby Grape。その流れを1971年の時点でたどれる、バンドの輪郭が見えやすい作品だ。
トラックリスト
- A1 Omaha (2:22)
- A2 Murder In My Heart For The Judge (2:57)
- A3 Bitter Wind (3:04)
- A4 It’s A Beautiful Day Today (3:06)
- A5 Changes (3:21)
- B1 Motorcycle Irene (2:23)
- B2 Trucking Man (2:00)
- B3 Someday (2:39)
- B4 8:05 (2:19)
- B5 Ooh Mama Ooh (2:25)
- B6 Naked, If I Want To (0:55)
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Liquid Liquid – Optimo (1983)
Liquid Liquid – Optimo (1983)
Liquid Liquidの「Optimo」は、1983年にUSで発表された作品。99 Recordsを代表するバンドのひとつとして知られるLiquid Liquidらしい、パーカッシブな組み立てと、ロックとファンクの境目を行き来する感触がまとまった一枚だ。
作品の輪郭
サウンドは、ベース、ドラム、マリンバ、ボーカルが前に出る構成。リズムの反復を軸にしながら、音数は多くないのに拍の置き方で引っ張っていくタイプで、No WaveやLeftfieldの文脈に置かれるのも納得しやすい内容。録音も、各パートの輪郭が見えやすい作りで、打楽器的な質感がそのまま残っている印象だ。
Liquid Liquidという立ち位置
Liquid Liquidは、80年代初頭のUSアンダーグラウンドを語るうえでたびたび名前が挙がるグループ。特に「Cavern」のフレーズがGrandmaster Flash & The Furious Fiveの「White Lines」で参照された話でも知られている。そうした文脈の中で見ると、「Optimo」も、彼らのリズム志向がよく出た時期の作品として位置づけられる。
バンドの背景
もともとは、より実験色の強い別名義で活動していた流れからLiquid Liquidへと形を変えた経緯がある。そこから、よりパーカッションを中心にしたサウンドへ寄せていき、ライブでは観客に打楽器を持ち寄ってもらうこともあったという。Dennis Youngがマリンバを持ち込み、加入につながったというエピソードも、このバンドの音作りをよく示している。
同時代とのつながり
同じく80年代初頭のニューヨーク周辺の実験的なロック、ファンク、ダンス音楽の交差点にある作品として捉えやすい。ジャンル名でいえばRock、Funk / Soulにまたがりつつ、実際の手触りはかなり独特。後年の再評価や、DFAとの活動につながる流れを考えると、Liquid Liquidの初期像を示す重要なタイトルのひとつと言えそうだ。
クレジット
- アーティスト: Liquid Liquid
- タイトル: Optimo
- オリジナルリリース年: 1983
- リリース国: US
- メンバー: Dennis Young, Salvatore Principato, Scott Hartley, Richard McGuire
- ジャンル: Rock, Funk / Soul
- スタイル: Leftfield, No Wave
トラックリスト
- This Side
- A1 Optimo
- A2 Cavern
- Flip Side
- B1 Scraper
- B2 Out
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The Flower Kings – Look At You Now (2023)
The Flower Kings / Look At You Now
スウェーデンのシンフォニック・プログレッシブ・ロック・バンド、The Flower KingsによるLook At You Nowは、2023年の作品。Roine Stoltを中心に1993年に始動したこのバンドらしく、長尺志向の構成、鍵盤を軸にした展開、ギターとコーラスの重なりが前面に出る一枚になっている。
作品の位置づけ
The Flower Kingsは、Roine Stoltのソロ作The Flower Kingを支えるツアーバンドとして出発した経緯を持つ。その後は固定メンバーの入れ替わりを重ねつつ、シンフォニック・プログレの文脈で活動を続けてきた。Look At You Nowも、そうした流れの中にある2023年作として捉えやすい。
この時期のラインナップは、Hasse Fröberg、Roine Stolt、Lalle Larsson、Michael Stolt、Mirko DeMaio。過去作で知られるJonas ReingoldやTomas Bodin、Daniel Gildenlöwらの名前もバンドの歴史に連なるが、この作品では現在の編成が中心になっている。
サウンドの印象
ジャンル表記はRock、スタイルはProg Rock。バンドの持ち味として、リズムは細かく切り替わりやすく、曲の中でセクションが連続していく作りが想像しやすい。録音面でも、楽器ごとの輪郭を保ちながら、鍵盤とギターが前に出るバランスがこのグループらしい。
シンフォニック・プログレの系譜としては、YesやGenesis、Camelあたりと並べて語られることの多いタイプのバンドだが、The Flower Kingsはそこに北欧らしい整ったアンサンブル感を加えてきた存在でもある。Look At You Nowでも、その系統の延長線上にある組み立てが見えてくる。
メンバーと周辺
- Hasse Fröberg – vocals, guitar
- Roine Stolt – guitar, vocals
- Lalle Larsson – keyboards
- Michael Stolt – bass
- Mirko DeMaio – drums
この編成を見ると、歌と演奏の両方を複数人で支える体制がはっきりしている。The Flower Kingsの作品では、こうした分担が曲の展開や音の重ね方にそのまま反映されやすい印象がある。
ひとこと
Look At You Nowは、2023年時点のThe Flower Kingsの現在地を示す作品として、バンドの歴史と今の編成がそのままつながっている一枚。プログレッシブ・ロックの文脈で、複雑な構成とメロディの運びをどう両立させるか、というバンドの持ち味が見えやすいタイトルになっている。
トラックリスト
- A1 Beginner’s Eyes (4:35)
- A2 The Dream (4:37)
- A3 Hollow Man (5:00)
- A4 Dr. Ribedeaux (3:02)
- B1 Mother Earth (4:15)
- B2 The Queen (5:25)
- B3 The Light In Your Eyes (5:45)
- C1 Seasons End (5:26)
- C2 Scars (5:27)
- C3 Stronghold (6:45)
- D1 Father Sky (3:06)
- D2 Day For Peace (3:10)
- D3 Look At You Now (12:00)
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The Railway Children – Reunion Wilderness (1987)
The Railway Children『Reunion Wilderness』(1987)
UKのインディー・ロック・バンド、The Railway Childrenによる1987年の作品。メンバーはGary Newby、Brian Bateman、Stephen Hull、Guy Keeganの4人編成で、Wigan出身のバンドらしい、当時の英国インディーの流れの中にある一枚として受け取れる内容です。
バンドの立ち位置
The Railway Childrenは1984年に結成され、シングル、アルバムを経て活動を広げていったグループ。80年代後半のUKインディー・ロックの文脈で見ると、ギター主体のバンド・サウンドを軸にしながら、メロディとリズムの組み立てで個性を出していくタイプの存在です。『Reunion Wilderness』は、その初期の流れを示す作品として位置づけられる一枚といえそうです。
サウンドの印象
ジャンル表記はRock、スタイルはIndie Rock。音の輪郭は比較的はっきりしていて、ギターの刻みとベース、ドラムの推進力で曲を前へ進めるタイプの演奏が思い浮かびます。録音も、過度に装飾せず、バンドのまとまりをそのまま捉える方向の雰囲気がありそうです。派手な音作りよりも、曲の進行とフレーズのやり取りで聴かせるタイプの作品。
同時代の空気
1987年のUKインディー・ロックというと、ギターバンドが多く並ぶ時期で、The Railway Childrenもその流れの中にいるバンドです。きらびやかなポップ寄りの感触と、ライブ感のあるバンド演奏、そのあいだを行き来するような立ち位置。Factory系や当時の英国インディー周辺を思わせる文脈で語られることもあるグループです。
作品としての見どころ
『Reunion Wilderness』は、バンドの初期像をそのまま映すような作品として捉えやすいです。Gary Newbyの歌とギターを軸に、Brian Batemanのギター、Stephen Hullのベース、Guy Keeganのドラムが組み合わさる編成。4人の役割が比較的見えやすいバンド・サウンドが中心で、インディー・ロックらしい手触りが残る一枚。
なお、この盤は1987年のオリジナル・リリースとして扱うのが自然な作品です。
トラックリスト
- A1 Another Town (2:55)
- A2 The First Notebook (3:56)
- A3 Railroad Side (3:17)
- A4 Careful (3:52)
- B1 Brighter (4:54)
- B2 Big Hands Of Freedom (3:55)
- B3 Listen On (2:57)