Akira Ito – Inner Light Of Life / やすらぎを、君に。 (1978)
Akira Ito『Inner Light Of Life / やすらぎを、君に。』(1978)
1978年に日本でリリースされた、Akira Itoによる作品。英題は「Inner Light Of Life」、日本語タイトルは「やすらぎを、君に。」で、ニューエイジとアンビエントの空気を持つ電子音楽寄りの一枚として記録されている。日本のロック/ニューエイジ系ミュージシャンとして知られるAkira Itoの作品群の中でも、タイトルからして静けさや内面性を前面に出した内容だとわかる。
作品の全体像
収録曲はA面・B面それぞれ4曲ずつの構成。曲名には「Sound of Water」「Gate of the Spirit」「Light of Joy」「Wings of Love」など、自然や精神性を思わせる語が並ぶ。B面も「Life from the Light」「Avenue.」「Step み へ の」「Peace of the Mountain」と続き、全体としては言葉の意味や響きそのものを含めて組み立てた印象がある。
この手の1970年代末の日本のニューエイジ/アンビエント作品では、演奏そのものを前に出すというより、音の間合い、持続音、旋律の置き方で空気を作る作品が多い。この盤も、タイトルや曲名の並びからは、そうした時代の感覚に接続する一枚として見えてくる。
トラック構成
- A1. Sound of Water
- A2. Gate of the Spirit
- A3. Light of Joy
- A4. Wings of Love
- B1. Life from the Light
- B2. Avenue.
- B3. Step み へ の
- B4. Peace of the Mountain
「Step み へ の」は表記に日本語の文字が混ざる曲名で、アルバム全体の中でも少し目を引く。曲名の表記そのものが、作品の静かな雰囲気の中に軽い違和感や遊びを入れているようにも見える。
時代背景と位置づけ
1978年という時期は、日本でもニューエイジや環境音楽的な発想が広がっていく前段階から、少しずつ独自の作品が生まれていく時期にあたる。電子音楽、フォーク、ワールド要素を含む分類が付いていることからも、単純なロック作品ではなく、複数の音楽語彙を行き来するタイプの記録と考えられる。
同時代の文脈でいうと、欧米のアンビエントやニューエイジの流れと近い部分を持ちながら、日本の感覚で組み立てられた作品群の一つとして捉えやすい。Akira Itoはのちにレーベル設立者としても知られる人物で、そうした活動の入り口に近い時期の作品として見ても面白い。
パッケージと収録情報
この盤は両面印刷のインサート付き。クレジットとしては、Syoken Fujitaniへの特別謝辞が記されている。こうした情報からも、単独で完結するアルバムというより、周辺の制作環境や人のつながりを含めて作られた一枚であることがうかがえる。
聴きどころとして見える点
実際の音像としては、タイトルやジャンル表記から、強いビートや派手な展開よりも、音の持続と旋律の置き方が中心になっている可能性が高い。曲名も「水」「光」「山」「心の門」といったモチーフが多く、自然物と精神性を結ぶ構成になっている。
代表曲や広く知られたヒット曲については、この作品情報からは特定しにくい。ただ、アルバム全体が一つの流れとして聴かれるタイプの内容であることは、曲名の統一感からも読み取れる。
まとめ
『Inner Light Of Life / やすらぎを、君に。』は、1978年の日本で生まれた、静かな内面性を持つ電子音楽/ニューエイジ作品。自然、精神性、光といった語を軸にした曲名が並び、時代のアンビエント的な感覚と日本独自の感触が重なる一枚として記録されている。
トラックリスト
- A1 – 水の音
- A2 – 霊の門
- A3 – 喜びの光
- A4 – 愛のつばさ
- B1 – 光からの生命
- B2 – 大道
- B3 – 未来への歩み
- B4 – 山上のやすらぎ
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Siouxsie & The Banshees – Join Hands (1979)
Siouxsie & The Banshees『Join Hands』について
『Join Hands』は、Siouxsie & The Bansheesが1979年9月に発表した2作目のスタジオ・アルバムです。ロンドンのAir Studiosで録音され、Mike StavrouとNils Stevensonがプロデュースを担当しています。Siouxsie Siouxの歌、Steven Severinのベース、John McKayのギターとサックス、Kenny Morrisのドラムという編成でまとまった、初期バンシーズの輪郭がはっきり出た作品です。
バンドの初期像が強く出た2作目
Siouxsie & The Bansheesは1976年、ロンドンで結成されたU.K.バンドです。パンクの時代に登場しながら、単純な勢いだけでは終わらない編曲や音の間を持ち込んでいったグループとして知られています。『Join Hands』は、その初期の方向性がさらに整理された時期の作品で、後年のゴシック・ロック文脈でも語られることの多い一枚です。
この時期のバンドは、Siouxsie Siouxの声と存在感、Steven Severinの低音、John McKayのギターの硬さ、Kenny Morrisのリズムがぶつかり合う形で成立している。派手な装飾を前に出すというより、演奏の緊張感そのものが曲の骨格になっている印象です。
収録曲とアルバムの性格
収録曲はバンド自身の作曲が中心で、「Poppy Day」は第一次世界大戦の詩「In Flanders Fields」の冒頭2連をもとにしたもの、「O Mein Papa」はPaul Burkhardの楽曲を下敷きにしたものです。こうした選曲や引用の仕方からも、この時期のBansheesが単なるロック・バンドというより、言葉やイメージの扱いにこだわる存在だったことがうかがえます。
中でも「The Lords Prayer」は、同名の祈りの文句だけでなく、Bob Dylan「Knockin’ On Heaven’s Door」やDillinger「Cocaine In My Brain」、さらにはJohn KanderとFred Ebbの「Tomorrow Belongs To Me」などのフレーズを引用していることがクレジット上でも示されています。曲の素材をつなぎ合わせる発想が見える一曲です。
シングル曲「Playground Twist」
本作に先行して、1979年7月にはシングル「Playground Twist」が発売されています。アルバムの中でも代表曲として扱われやすい一曲で、初期Bansheesらしい不穏さとリズムの硬さが前に出たナンバーです。アルバム全体の空気をつかむ入口としても機能している曲といえるでしょう。
同時代の文脈
1979年という時期を考えると、パンクの熱が落ち着き、その先の音像を探る動きが各地で進んでいた頃です。Siouxsie & The Bansheesもその流れの中で、単純なスピードや荒さより、空間の使い方や反復の強さを前に出していきます。後のゴシック・ロックの雰囲気を先取りした存在として語られることが多いのも納得しやすい作品です。
同時代のバンドと比べると、Joy Divisionのような陰影の強いバンドや、The Cureの初期に通じる緊張感と並べて語られることもあります。ただ、『Join Hands』はそうした後続のバンドと比べても、Siouxsie Siouxの声の置き方と、John McKayのギターの切り込み方がかなり独特です。
日本盤について
今回の日本盤は、帯付きで、4ページの歌詞・解説インサートが付属する仕様です。1979年オリジナルのアルバムを、日本盤として当時の形で聴ける一枚という位置づけです。初期Bansheesのアルバムを、当時の国内リリースの体裁で手にできる点も資料性があります。
まとめ
『Join Hands』は、Siouxsie & The Bansheesの2作目として、初期衝動だけではない構成感と、後のゴシック・ロックへつながる要素を早い段階で示したアルバムです。歌詞の引用、戦争詩に由来する題材、先行シングル「Playground Twist」など、作品の輪郭をつかむ材料も多い。1979年のU.K.ロックの流れの中で見ても、かなり印象の残るタイトルです。
トラックリスト
- A1 – Poppy Day (2:01)
- A2 – Regal Zone (3:46)
- A3 – Placebo Effect (4:38)
- A4 – Icon (5:27)
- A5 – Premature Burial (5:58)
- B1 – Playground Twist (3:00)
- B2 – Mother/Oh Mein Papa (3:24)
- B3 – The Lords Prayer (14:10)
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Anthony Phillips – Private Parts And Pieces (1978)
Anthony Phillips『Private Parts And Pieces』について
『Private Parts And Pieces』は、British multi-instrumentalist Anthony Phillips が1978年に発表したソロ作品である。Genesisの初期メンバーとして知られるPhillipsにとって、バンド脱退後のソロ活動がすでに軌道に乗っていた時期の一作で、作品名どおり「断片」や「個人的なスケッチ」を集めたような性格が強いアルバムとして位置づけられている。
1970年にGenesisを離れたPhillipsは、その後にソロ・デモや作曲活動を進め、1977年には初の本格的なソロ・アルバム『The Geese and the Ghost』を発表している。『Private Parts And Pieces』はその翌年の作品で、ソロ作家としての手応えを積み重ねていく流れの中にある。
作品の位置づけ
本作は、Anthony Phillipsの長いソロ・ディスコグラフィーの中でも、初期の重要作として扱われることが多い。大きなバンド編成で押し切るタイプではなく、ギター、ピアノ、鍵盤、アコースティック楽器を中心にした、細かな書法や室内楽的な組み立てに耳が向きやすい内容である。Genesis時代のロック・バンドの文脈というより、作曲家としてのPhillipsの側面が前に出る一枚といえる。
タイトルの『Private Parts And Pieces』は、その後シリーズ化される名称でもあり、この作品が単発のアルバムというだけでなく、彼の私的な器楽作品群の入口になっている点も見逃せない。
音の印象
このアルバムは、派手な展開を強く押し出す作りではない。曲ごとの小さな表情の違い、フレーズの積み重ね、音色の切り替えが中心にある。実際に聴くと、メロディーが前面に出る場面もあれば、和声や伴奏の流れがそのまま曲の核になっている場面もある。
プログレッシブ・ロックの中でも、技巧の誇示よりも構成の細かさや響きの配置に重心があるタイプで、同時代の繊細なソロ・インスト作品や、英ロックのアコースティック寄りの作品群と並べて語られることがあるのも納得できる内容である。
制作面の記録
クレジット上では、Send Barnsで録音され、Trident Studiosでリミックス、マスタリングが行われている。さらに、1978年8月にロンドンのTrident Studiosでマスタリング、同年9月にニューヨークのSterling Soundでリマスタリングが施されている。英国録音と米国向けの仕上げが併記されている点は、この時期の英ロック系作品らしい流れでもある。
US盤としてはPassport Recordsからのリリースで、PVC Records製造、JEM Records配給という形になっている。ラベル表記でも曲はRun It Music, Inc.から出版されている。
Genesisとのつながりと比較
Anthony Phillipsといえば、やはりGenesisのオリジナル・ギタリストとしての印象が強い。だが、本作を聴くと、バンドの初期作で見えたアコースティック感覚や、英国的なメロディーの運びが、より私的な形で整理されていることがわかる。Genesisのダイナミックな組曲性とは違い、ここでは曲の内部の細部が主役になっている。
同時代のプログレ界では、バンドから離れたミュージシャンがソロで器楽作品や内省的な作風を深める例が少なくないが、Phillipsの場合はその中でもかなり作曲寄り、記譜された音楽の感触が強い。後年の作品群へつながる、基礎の確認のような役割も持っている。
代表曲について
本作はシングルヒットで広く知られるタイプのアルバムではない。むしろ、アルバム全体を通して聴くことで、曲ごとの小さな構造や音の配置が見えてくる作品である。派手な代表曲で引っ張るのではなく、連続した流れの中で印象が残る構成になっている。
まとめ
『Private Parts And Pieces』は、Anthony PhillipsがGenesis脱退後に築いたソロ活動の中で、作曲家としての輪郭をはっきり示した一枚である。1978年という時点で、すでに彼はバンド・ギタリストという枠を離れ、器楽曲と小品の積み重ねで自分の音楽を組み立てていた。その姿が、かなり率直に表れた作品といえる。
派手さよりも、曲の作り、音色、静かな展開に目が向くアルバムである。
トラックリスト
- Home Side
- A1 – Beauty And The Beast (4:09)
- A2 – Field Of Eternity (5:11)
- A3 – Tibetan Yak-Music (6:10)
- A4 – Lullaby – Old Father Time (1:15)
- A5 – Harmonium In The Dust (Or Harmonious Stratosphere) (2:31)
- A6 – Tregenna Afternoons (7:50)
- Away Side
- B1 – Reaper (6:12)
- B2 – Autumnal (6:00)
- B3 – Flamingo (11:08)
- B4 – Seven Long Years (2:56)
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Glenn Frey – No Fun Aloud (1982)
Glenn Frey「No Fun Aloud」について
Glenn Freyのソロ作として1982年に出た「No Fun Aloud」は、Eaglesの中心メンバーとして知られる彼が、バンドとは少し違う角度で自分の歌をまとめたアルバムだ。アメリカのロック/ポップの流れの中で、メロディの立て方とラジオ向きの曲作りが前に出た作品として位置づけやすい。
Freyは1948年、ミシガン州デトロイト生まれ。Eaglesの創設メンバーでもあり、この時期のソロ活動は、バンドの看板を背負いながらも個人名義でどこまで自分の色を出せるか、という流れの中にある。1982年という年は、70年代型のウエストコースト・ロックが80年代の制作感覚へ移っていく時期でもあり、この盤にもその空気が反映されている。
作品の輪郭
収録曲は、ロックとポップのあいだを行く作りで、歌ものとしての聴きやすさが軸になっている。スタイル表記としてはPop Rock、Rock & Roll。派手な実験性よりも、曲のフックや演奏のまとまりを重視したアルバムと見てよさそうだ。
録音はロサンゼルスのWilder Bros. StudiosとRudy Records、アラバマ州シェフィールドのMuscle Shoals Sound、マイアミのBayshore Recording Studiosで行われている。複数のスタジオを使っている点からも、曲ごとに音の表情を整えながら作り込んだ様子がうかがえる。
シングルと代表曲
アルバムからは「The One You Love」が知られている。Glenn Freyのソロ作の中でも特に広く認識されている曲で、Eagles時代の流れを受けつつ、ソロ名義らしい親密さを持ったナンバーとして語られることが多い。アルバム全体の印象をつかむ入口にもなっている。
音の印象
実際の聴感としては、Freyの声の輪郭がはっきりしていて、曲の中心がずれにくい。バンドの一員として鳴っていた時とは違い、歌い出しからフレーズの運びまで、本人の個性が前に出る作りだ。ギター、キーボード、コーラスが過度に主張しすぎず、歌を支える配置になっている。
派手な展開より、テンポのよい流れと、耳に残るサビの置き方が印象に残るタイプ。70年代後半のアメリカン・ロックの延長線上にありながら、80年代初頭の軽い空気も入っている。
同時代とのつながり
この時期のGlenn Freyは、Eaglesのメンバーとしてのイメージが強い一方で、ソロではより直接的なポップ・ロックの作法を使っている。The Eaglesの延長として聴ける部分はあるが、曲のまとまりやラジオ感覚は、ソロ作品ならではの進め方にも見える。ウエストコースト系の耳なじみのよさを持ちながら、AOR寄りの整った質感とも近い。
盤について
このUS盤は、ランアウトの刻印に「SP」が入るプレスとして知られている。付属として歌詞とクレジットのインナー・スリーブが付く仕様だ。1982年のオリジナル時点の作品として扱える内容で、当時のソロ・ロック盤らしいパッケージになっている。
まとめ
「No Fun Aloud」は、Glenn FreyがEaglesの外側で自分の歌を整理した1982年のソロアルバムだ。ロックとポップの中間にある曲作り、代表曲「The One You Love」、複数拠点での録音など、80年代初頭のアメリカン・ロックの空気が素直に入った一枚として見てよさそうだ。
トラックリスト
- A1 – I Found Somebody (3:50)
- A2 – The One You Love (4:35)
- A3 – Partytown (2:50)
- A4 – I Volunteer (4:00)
- A5 – I’ve Been Born Again (4:26)
- B1 – Sea Cruise (2:35)
- B2 – That Girl (3:39)
- B3 – All Those Lies (4:42)
- B4 – She Can’t Let Go (3:13)
- B5 – Don’t Give Up (4:54)
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Triumvirat – Pompeii (1977)
Triumvirat『Pompeii』について
Triumviratの『Pompeii』は、1977年に発表されたドイツ出身のプログレッシブ・ロック・バンドによる作品である。
バンドは1970年代前半にEMI系からアルバムを重ね、特に『Illusions On A Double Dimple』や『Spartacus』で米国でも知名度を広げた。その流れの中で作られたのが、この『Pompeii』という位置づけになる。
バンドの中心はキーボード奏者のJürgen Fritz。Triumviratは、オルガンやシンセサイザーを前面に出したアレンジと、組曲的な構成で知られるグループで、この作品でもその性格は変わらない。アート・ロック色の強いプログレ作品として、同時代のELPやイタリア勢の大仰なキーボード・ロックと比べて語られることがある。
作品の位置づけ
『Pompeii』は、バンドにとって70年代中盤の流れを引き継ぐアルバムである。前作『Old Loves Die Hard』のあと、Triumviratはいったん解体状態になっていたが、この時期に再び制作が進められた。
その過程ではメンバーの入れ替わりがあり、最終的にはBarry Palmerがボーカルを担う編成となった。
Triumviratは、同時代の英プログレ勢と比べると、楽器の主張がはっきりした録音と、クラシカルなモチーフを取り込んだ構成が目立つグループである。『Pompeii』もその延長線上にある1枚として捉えやすい。
内容と聴きどころ
このアルバムでは、長めの曲展開、キーボード主体のリフ、曲中での場面転換が特徴的である。Triumviratらしいのは、単に音数が多いだけでなく、テーマの提示と反復を軸に曲を組み立てる点にある。
ロック・バンドのフォーマットの中で、鍵盤楽器を中心に大きな構成を作る手つきがはっきりしている。
実際に聴くと、リズム隊が前に出る場面よりも、キーボードのフレーズが曲の流れを引っ張る場面が印象に残る。ボーカルは楽曲の中心というより、組曲的な展開の中に配置される感触がある。派手なヒット曲で押すタイプではなく、アルバム全体を通して聴く前提の作りである。
同時代との関係
1977年という年は、プログレッシブ・ロックが勢いを失い始めていた時期でもある。Triumviratもその例外ではなく、70年代前半の勢いをそのまま保つというより、既存の方法を保ちながら作品をまとめた印象がある。
この時期のTriumviratは、ELP、Genesis、Yesといった英プログレの大作志向と並べて語られる一方で、よりドイツ的な整然さや、キーボード主体の組み立てで差別化されることが多い。
エピソード
制作時には、メンバーの離脱や再加入、さらにバンド名をめぐる法的な問題が重なっていた。こうした背景から、一時的に「New Triumvirat」と呼ばれた時期もあった。
また、バンドの歴史では、Helmut Köllenの死が大きな出来事として残っている。『Pompeii』は、そうした変化のただ中で作られた作品である。
まとめ
『Pompeii』は、Triumviratの鍵盤主導のプログレ路線をそのまま示す1977年作である。
派手なシングル曲で広く知られたアルバムではなく、バンドの持ち味である構成重視、キーボード中心、組曲的展開が前に出る1枚として整理しやすい。
Triumviratの70年代の流れを追ううえで、前後作と並べて見ると特徴がつかみやすい作品である。
トラックリスト
- A1 – The Earthquake 62 A.D. (6:18)
- A2 – Journey Of A Fallen Angel (6:15)
- A3 – Viva Pompeii (4:16)
- A4 – The Time Of Your Life (4:35)
- B1 – The Rich Man And The Carpenter (5:57)
- B2 – Dance On The Vulcano (3:31)
- B3 – Vesuvius 79 A.D. (6:40)
- B4 – The Hymn (7:04)
関連動画
- New Triumvirat, Pompeii, 01-The Earthquake 62 A. D.
- New Triumvirat, Pompeii, 02-Journey of a Fallen Angel
- New Triumvirat, Pompeii, 03-Viva Pompeii
- New Triumvirat, Pompeii, 04-The Time of Your Life
- New Triumvirat, Pompeii, 05-The Rich Man and the Carpenter
- New Triumvirat, Pompeii, 06-Dance on the Vulcano
- New Triumvirat, Pompeii, 07-Vesuvius 79 A. D.
- New Triumvirat, Pompeii, 08-The Hymn
O.R.k. – Screamnasium (2022)
O.R.k.『Screamnasium』について
『Screamnasium』は、O.R.k.が2022年に発表したアルバム。メンバーにはPat Mastelotto、Colin Edwin、Lorenzo Esposito Fornasari、Carmelo Pipitone、Colin Edwin Balchが名を連ねる。ElectronicとRockを軸にした作品で、スタイルはProg Rockとして扱われている。
O.R.k.は、アコースティックな遊び心、緻密な構成、強い緊張感を持つ電子的な質感をひとつにまとめるバンドとして紹介されることが多い。実際、この作品もその方向性を保ったまま、リズムの細かな動きと音の重なりで聴かせる内容になっている。音の輪郭がはっきりしていて、演奏の密度が高いタイプのアルバムという印象が残る。
作品の位置づけ
2022年作の『Screamnasium』は、O.R.k.のキャリアの中でも比較的新しい時期の作品。プログレッシブ・ロックの流れを踏まえつつ、電子音の扱いとバンド演奏のバランスを前面に出した一枚として見てよさそうだ。Colin EdwinやPat Mastelottoの参加からは、精密なリズム処理や音のレイヤーを重視する作りも想像しやすい。
同時代の文脈で見ると、単なる懐古的なプログレではなく、現代的なプロダクション感を持つロック作品の系譜に置ける内容。Porcupine Tree周辺、あるいはKing Crimson以降の実験性を含むロックが好きな耳には、接点を感じやすいはずのタイプのアルバムだろう。
サウンドの特徴
この作品の核にあるのは、制御された混沌というバンドの持ち味。構成はタイトで、音数は多くても整理されている。ギター、ベース、ドラムのバンドらしい押し出しに、電子的な質感が重なっていく作りで、曲ごとの表情を細かく変えていく印象がある。
派手にメロディを押し出すというより、リズム、音色、間の取り方で引っ張る場面が目立つ。タイトルから受ける印象どおり、声を張り上げるようなエネルギーと、内側にこもる緊張感が同居している作品といえる。
リリース情報
- アーティスト: O.R.k.
- タイトル: Screamnasium
- オリジナル・リリース年: 2022年
- 盤のリリース年: 2022年
- リリース国: Europe
- レーベル盤の仕様: Green transparent vinyl limited but not numbered
この盤はグリーンの透明カラー・ヴァイナル仕様。限定盤ではあるがナンバリングはない。トラック番号は実際の収録順に通し番号で管理されている。
まとめ
『Screamnasium』は、O.R.k.の持つ精密さと攻撃性、電子的な質感をまとめた2022年のアルバム。プログレッシブ・ロックの枠組みを使いながら、現代的なロック作品として組み立てられている。演奏の密度と音の配置に耳が向く一枚、という位置づけになっている。
トラックリスト
- A1 – As I Leave
- A2 – Unspoken Words
- A3 – Consequence
- A4 – I Feel Wrong
- A5 – Don’t Call Me A Joke
- B6 – Hope For The Ordinary
- B7 – Deadly Bite
- B8 – Something Broke
- B9 – Lonely Crowd
- B10 – Someone Waits
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Hans-Joachim Roedelius – Jardin Au Fou (1979)
Hans-Joachim Roedelius『Jardin Au Fou』について
Hans-Joachim Roedeliusは、クラウトロック周辺の実験音楽と、のちのアンビエント/ミニマル電子音楽をつなぐ重要な存在だ。ClusterやHarmoniaでの活動でも知られるが、ソロ作ではより静かな音の配置や、短いフレーズの反復、余白の使い方が前に出る。その流れの中にあるのが、1979年作の『Jardin Au Fou』である。
この作品は、1978年4月と7月にベルリンのParagon-Studiosで録音・ミックスされ、Peter Baumannがプロデュースしている。2009年盤では、オリジナル収録曲に加えて、CD版に6曲のボーナストラックが付く構成になっている。ジャケット内側には、初期録音時の白黒写真と、Asmus Tietchensによる短いエッセイ「Baroque instead of Krautrock」が収められている。
作品の位置づけ
『Jardin Au Fou』は、Roedeliusがソロ表現を深めていく時期の作品として位置づけられる。ClusterやHarmoniaのような共同作業の場とは違い、より個人的な音の組み立てが見えやすい内容だ。1970年代後半のドイツ電子音楽の文脈にありながら、いわゆるロック的な推進力よりも、音の間合いや細かな響きの変化が中心になっている。
同時代の電子音楽としては、Brian Enoのアンビエント作品や、周辺のミニマル/実験音楽とも比較されることが多い系統にある。ただ、Roedeliusの音は、シンセサイザーの機能性よりも、手触りのある旋律断片や、室内楽に近い感覚の配置に特徴がある。
聴きどころ
この盤でまず目立つのは、音の数が多すぎないことだ。旋律は前に出すぎず、リズムも強く主張しない。そのぶん、ひとつひとつの音が置かれる位置と、余韻の残り方が印象に残る。電子楽器を使いながらも、機械的な冷たさより、落ち着いた室内的な感触が先に来る。
曲ごとの展開は大きく煽るタイプではなく、細部の変化で聴かせる作り。耳を近づけると、短いモチーフの反復や、音色の切り替え、空間の広がり方が少しずつ変わっていく。大きな盛り上がりを作るというより、一定の流れの中で景色が移っていくタイプの作品だ。
2009年盤について
2009年の再発盤は、オリジナルの音源を軸にしながら、CD版では6曲のボーナストラックを追加している。さらに、当時の記録写真や、再発に際して書かれたAsmus Tietchensの短いテキストが付くため、作品の背景をたどりやすい構成になっている。オリジナル盤の雰囲気を保ちつつ、資料性を足した再発盤という印象だ。
関連する文脈
Roedeliusは、1970年代の西ドイツ電子音楽の中で、Cluster、Harmonia、そしてソロ作品を通して独自の流れを作った人物である。『Jardin Au Fou』も、その延長線上にある一枚として聴かれてきた作品だ。クラウトロックの名前でひとまとめにされやすい領域にありながら、実際にはロックの枠に収まりきらない、より静かな電子音の探求がある。
まとめ
『Jardin Au Fou』は、1979年のRoedeliusを知るうえで重要なソロ作品。ベルリン録音、Peter Baumannのプロデュース、2009年再発盤での資料性のある構成と、作品の周辺情報も含めて見どころが多い。Cluster以後の電子音楽が、どのように個人の内側へ向かっていったのかをたどれる一枚である。
トラックリスト
- A1 – Fou Fou
- A2 – Toujours
- A3 – Rue Fortune
- A4 – Balsam
- A5 – Café Central
- B1 – Le Jardin
- B2 – Gloria Dolores
- B3 – Étoiles
- B4 – Schöne Welt
- B5 – Finale
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Newban – Newban (1977)
Newban『Newban』(1977年)について
Newbanの『Newban』は、1977年にUSでリリースされたデビュー作で、のちにAtlantic Starrへと改名する以前の姿を記録した1枚だ。White Plains, New Yorkのソウル・グループとして出発した彼らが、Guinness Recordsの名義で残した初期作品であり、グループの出自を知るうえで重要な位置づけにある。
グループの背景
Newbanは、Sharon Bryant、Jonathan Lewis、Porter Carroll、Joseph Phillipsを中心に、Clifford Archer、Albert Jones Jr.、Gregory Press、Mark Slifstein、Keith Johnsonらを含む編成で活動していた。のちにAtlantic Starrへと改名し、より広く知られる存在になっていくが、この時期はまだNewban名義での試行段階にある。
録音はカリフォルニア州ウエストウッドで行われたとされ、ニューヨークのグループが西海岸で制作した作品という点も興味深い。ローカルなソウル・グループというより、当時のファンク/ソウルの制作環境の中で形になったアルバムという印象が強い。
作品の内容と位置づけ
『Newban』は、ファンク、ソウル、ジャズ・ファンクの要素を含む作品として整理される。リズムを前に出した編成と、コーラスを活かしたグループ・サウンドが軸にあるタイプのアルバムで、後のAtlantic Starrにつながるボーカル・アンサンブルの感触がここですでに見える。
この時期の彼らは、まだ改名前の段階にあり、バンドとしての輪郭を固めている途中にある。デビュー作という位置づけからも、完成された代表作というより、グループの初期像をそのまま伝える記録として捉えやすい。
同時代の文脈
1977年という時期は、ソウルやファンクがディスコや洗練された都会的サウンドへ接近していく流れの中にある。Newbanもその文脈の中で語られるグループで、同時代のアンサンブル志向のソウル・バンド、たとえばCon Funk ShunやSwitchのような、演奏とコーラスの両方を前に出すタイプの流れと並べて見られることがありそうだ。
ただし、Newbanのこのアルバムは、後年の大きなヒットを持つ作品というより、グループ名の変遷を含めたキャリアの起点として聴かれることが多いタイプの盤だ。のちにAtlantic Starrとして認知される前史として、ここに残っている音がそのまま価値になっている。
リリース面の特徴
US盤のGuinness Records作品で、Dellwood Recordsが流通を担当していたとされる。オリジナル盤では、マトリクス番号が手書きではなく、レコードのランアウト部に機械刻印されている点が特徴として挙げられる。
まとめ
『Newban』は、Atlantic Starrへとつながる以前のNewban名義を記録した1977年作だ。White Plains, New York出身のソウル・グループが、ファンクやジャズ・ファンクの要素を取り込みながら出発した時期の姿をそのまま残している。グループ史の初期章として、また1970年代後半のUSソウル/ファンクの一断面として、位置づけやすい作品だ。
トラックリスト
- A1 – Father Time (4:17)
- A2 – Why Did You Desert Me? (3:07)
- A3 – Central Park (4:29)
- A4 – Fatback Sally (3:42)
- B1 – Magic Lady (4:56)
- B2 – Mellow Days, Easy Nights (4:05)
- B3 – Hungry Grin (2:28)
- B4 – Home With You (2:57)
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Vangelis – Beaubourg (1978)
Vangelis『Beaubourg』(1978)について
『Beaubourg』は、Vangelisが1978年に発表した作品。電子楽器を中心にした作りで、ジャンル表記はElectronic、スタイルはAbstract、Experimentalとなっている。一般に知られる劇伴的な大作や、旋律を前面に出した作品とは少し距離があり、かなり集中して聴くタイプのアルバムとして位置づけられる1枚だ。
Vangelisというアーティストの流れの中で
Vangelisは、ギリシャ出身の作曲家・編曲家・演奏家。Aphrodite’s Childでの活動を経て、1970年代後半にはソロで独自の電子音楽を深めていく。後年の『Chariots of Fire』や『Blade Runner』のような、広い層に届く作品とは違い、『Beaubourg』はより実験寄りの時期を示すタイトルとして見ておきたいところだ。
この時期のVangelisは、シンセサイザーの音色や音の重なりそのものを作品の中心に置く傾向が強い。メロディを追うというより、音の動きや質感を聴かせる方向性で、1970年代後半の電子音楽、プログレッシブ・ロック周辺の実験的な流れとも近い空気がある。
内容の印象
『Beaubourg』は、まとまった曲調やフックを前面に出す作品というより、長い時間をかけて音響が変化していく構成が印象に残る。聴感としては、リズムで押す場面よりも、電子音が層になっていく場面の比重が高い。音の立ち上がり方や余韻の置き方に耳が向く作りで、アルバム全体がひとつの連続した体験として進むタイプだ。
実際に聴くと、派手な展開を求める作品ではなく、断続的に現れる音の断面を追う感覚が強い。曲ごとの区切りよりも、ひとつの大きな流れとして捉えたほうが輪郭がつかみやすい。Vangelisの作品群の中でも、かなり実験性の高い側に入る印象がある。
タイトルと時代感
タイトルの『Beaubourg』はパリのポンピドゥー・センターを指す呼び名として知られている。1970年代後半という時代に、現代建築や都市空間のイメージと電子音楽を結びつけたような感触もある。音の冷たさや機械的な印象を強めるというより、都市の内部を歩くような不安定さや、空間の広がりを感じさせる方向の作品だ。
同時代の文脈
同時代の電子音楽やアンビエント周辺を見渡すと、Klaus SchulzeやTangerine Dreamのようなドイツ系シンセサイザー音楽とも比較されやすい。ただしVangelisの場合は、シーケンスを積み上げる手法だけに寄らず、より即興的で、鍵盤のタッチや音の流れに独特の手触りがある。そこが作品ごとの個性として出ている。
日本盤の仕様
この日本盤は、Japanese picture/text insertとwide obi-strip付きでのリリース。日本盤としての資料性も持っている。1978年当時の国内盤らしく、帯やインサートを含めたパッケージで楽しめる仕様になっている。
まとめ
『Beaubourg』は、Vangelisのディスコグラフィーの中でも、旋律中心の代表作とは別の位置にある実験的な作品。1978年という時期の電子音楽の空気を、かなりストレートに感じさせる内容だ。聴きどころは、曲の分かりやすさよりも、音が組み上がっていく過程そのものにあるアルバムと言える。
トラックリスト
- A – Beaubourg Part I
- B – Beaubourg Part II
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The Mops – Exit (1974)
The Mops『Exit』について
The Mopsの『Exit』は、1974年に日本でリリースされたアルバムだ。グループサウンズの出自を持ちながら、60年代後半にはサイケデリック路線を強め、その後はブルースロックやハードロック寄りの方向へ進んだバンドの、後期の一枚として位置づけられる作品になる。
The Mopsは1966年に結成された日本のロック・バンドで、初期はベンチャーズ系のインストゥルメンタル色を持つ演奏からスタートした。その後、サンフランシスコのヒッピー文化やジェファーソン・エアプレインの影響を受けて、サイケデリック・バンドとして知られるようになった経緯がある。『Exit』は、そうしたキャリアの中で70年代前半まで活動を続けた彼らの流れの先にある作品だ。
バンドの流れの中での位置づけ
The Mopsは1968年の『Psychedelic Sound in Japan』で、国内のグループサウンズの枠を越えたサイケデリック・サウンドを打ち出したことで知られる。『Exit』の時期には、すでに当初の“日本初のサイケデリック・バンド”というイメージだけでなく、よりロック色の強い活動を続けていた。1974年にはバンドは解散しており、『Exit』はその年の作品として、長く続いた活動の終盤に置かれるアルバムになる。
同時代の日本ロックの文脈で見ると、グループサウンズから発展したバンドが70年代に入って音楽性を変えていく流れの中にある。The Mopsもその一例で、初期のサイケデリック期だけでなく、時代に合わせてバンドの輪郭を変えていった点が特徴的だ。
音の印象
『Exit』は、The Mopsの後期作品らしく、初期のサイケデリックな華やかさよりも、演奏主体のロックとしてのまとまりが前に出たアルバムとして捉えられる。グループサウンズの軽快さや、60年代後半の実験色をそのまま引きずるというより、よりストレートなバンド演奏の印象が強い。
実際に聴くと、各楽器の役割がはっきりしていて、ギター中心のロック・バンドとしての骨格が見えやすい。歌ものとしても、過度に装飾するより、曲の推進力で聴かせるタイプの作りになっている。
代表曲・ヒット曲との関係
The Mopsの代表曲としては、デビュー期の「Asamade Matenai」や、後年のヒット「Gekko Kamen (Moonlight Mask)」がよく知られている。特に「Gekko Kamen」は、本人たちが冗談半分で録音したものがヒットにつながった曲として語られることがある。
『Exit』自体は、そうした大きなヒット曲で広く知られる作品というより、バンドの終盤を記録したアルバムとして見るほうが自然だ。The Mopsの歩みを追ううえで、初期のサイケ期と70年代前半の変化をつなぐ一枚といえる。
エピソードと背景
The Mopsは、1968年の『Psychedelic Sound in Japan』で、ジェファーソン・エアプレイン、ドアーズ、アニマルズなどのカバーを収録し、国内にサイケデリック・ロックの存在感を示したバンドとして記憶されている。ライブでは照明効果や目隠しを使った演出も行っていたとされ、当時の空気を強く反映した活動だった。
その後はレーベルを移し、ブルースロック寄りの曲調へ移行していった。1974年の解散まで活動を続け、アルバムを重ねたことも含めて、グループサウンズ出身バンドの中では長いキャリアを持っていた点が特徴だ。
まとめ
『Exit』は、The Mopsのサイケデリック期の延長線上というより、バンド後期のロック作品として見ると輪郭がつかみやすいアルバムだ。60年代のグループサウンズから出発し、日本の初期サイケデリック・ロックを経て、70年代前半まで活動を続けたThe Mops。その終盤に置かれる作品として、バンドの変遷を知る手がかりになる一枚である。
トラックリスト
- A1 – Introduction
- A2 – Walk Don’t Run
- A3 – House Of The Rising Sun
- A4 – San Francisco Night
- A5 – I Love You
- A6 – Somebody To Love
- A7 – Asa-Made Matena
- A8 – Purple Haze
- A9 – Iijanaika
- A10 – Tadoritsuitara Itsumo
- A11 – Exit
- B1 – Wara No Kotoba
- B2 – I Want To Hold Your Hand
- B3 – Boom Boom
- B4 – Sea Of Joy
- B5 – To Love Somebody
- B6 – Nobody Cares
- B7 – Asa Made Matenai
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Genesis – Gabacabriel Vol. 1 – Milton Keynes 2nd Oct. 1982 (1983)
Genesis『Gabacabriel Vol. 1 – Milton Keynes 2nd Oct. 1982』について
Genesisは、1967年に英サリー州ゴダルミングのチャーターハウス・スクールで結成されたロック・バンド。初期は複雑な曲構成や演奏の緻密さで知られ、ピーター・ガブリエル在籍期には演劇的なステージも含めて強い個性を持っていた。1970年代後半以降はフィル・コリンズが前面に出る形になり、1980年代にはより広く聴かれる方向へ進んでいく。その流れの中で、1982年のライヴを収めた本作は、バンドの転換期を映す記録として見える一枚だ。
作品の概要
本作『Gabacabriel Vol. 1 – Milton Keynes 2nd Oct. 1982』は、1982年10月2日にミルトン・キーンズで行われた公演を収めた3枚組。盤の表記は1983年で、クレジットには「An L. Z. Lobb Producktion」「Jessicarisma TM Records」「Fan Club Use Only」とあり、ファン向けの流通を意識した体裁になっている。
タイトルにある“Gabacabriel”は、1981年作『Abacab』とピーター・ガブリエルの名を重ねたような表記で、1982年当時のGenesisの状況をそのまま切り取ったような印象がある。ピーター・ガブリエルが在籍していた時代の曲と、フィル・コリンズ体制以降の曲が同じ文脈で並ぶ時期であり、バンドの変化をたどるうえで興味深いライヴ音源になっている。
1982年のGenesisという位置づけ
1982年のGenesisは、いわゆるプログレッシブ・ロックの初期像と、80年代的なポップ寄りの書き味が同居していた時期。『Abacab』の後であり、同年には『Three Sides Live』の流れも見えてくる頃で、ライヴでは過去曲をどのように並べるかが重要なポイントになっていたはずだ。
この時期の編成は、ピーター・ガブリエル、トニー・バンクス、マイク・ラザフォード、フィル・コリンズ、スティーヴ・ハケットの5人が中心。特にガブリエル、コリンズ、ハケットが同じ公演に関わる82年のGenesisは、バンド史の中でもかなり特別な並びとして受け取られている。
収録内容と聴きどころ
背面クレジットには曲名の表記ゆれがあるとされているが、ライヴ盤としては、Genesisの代表曲群をステージ上でどう再構成しているかが見どころになる。初期の長尺で組曲的な曲、70年代後半以降の比較的コンパクトな曲、さらに80年代の新しいナンバーが並ぶことで、バンドの変遷がそのまま流れになる。
Genesisのライヴでよく注目されるのは、スタジオ版と演奏アレンジの差。トニー・バンクスのキーボードは音の層を増やし、マイク・ラザフォードはベースとギターを使い分け、フィル・コリンズはドラマーでありながら歌でも曲を引っぱる。ピーター・ガブリエル時代の楽曲が入る場合は、当時の歌唱の輪郭がどう扱われているかも聴きどころになりやすい。
代表曲との関係
Genesisといえば、後年の大ヒット曲である「Invisible Touch」や「That’s All」がまず思い浮かぶかもしれないが、この1982年のライヴはそれ以前の段階にある。つまり、商業的なピークに向かう途中のGenesisを記録したものとして見やすい。初期の代表曲、70年代後半の楽曲、そして当時の新しい曲が同じステージで並ぶ点に、この時期ならではの意味がある。
同時代の文脈
同じ英国プログレの流れでいうと、YesやKing Crimsonのような技巧派の文脈と比べられることが多いGenesisだが、1980年代に入ると、Genesisはよりポップス寄りの聴かれ方も強くなっていく。本作は、その変化がライヴの現場でどう出ていたかを示す資料のような存在だ。
3枚組という構成も含め、単なるベスト的な編集盤ではなく、特定公演の空気をまとった記録として受け止めやすい。1983年の盤として出回ったこの一枚は、1982年時点のGenesisの姿を追ううえで、当時のステージ運びやセット構成を感じられるライヴ作品になっている。
まとめ
『Gabacabriel Vol. 1 – Milton Keynes 2nd Oct. 1982』は、Genesisの転換期を捉えた1982年公演の3枚組ライヴ盤。ピーター・ガブリエル時代の遺産と、フィル・コリンズ体制の現在進行形が同居する時期の記録として、バンドの歩みをそのまま辿れる内容だ。Genesisの歴史を追うとき、スタジオ盤だけでは見えにくい現場の並びが見えてくるタイプの作品である。
トラックリスト
- A1 – Back In New York City
- A2 – Selling England By The Pound (Dancing With The Moonlight Knight)
- A3 – Carpet Crawler
- B1 – Firth Of Fifth
- B2 – Musical (The Musical Box)
Various – 2 x 10 Beat-Erfolge (1975)
Various『2 x 10 Beat-Erfolge』(1975)について
『2 x 10 Beat-Erfolge』は、1975年にドイツ民主共和国(GDR)で出たコンピレーション盤で、ロックとポップの中でもロックンロール寄り、ポップロック寄りの楽曲をまとめた作品だ。タイトルの通り、10曲ずつを2面に収めた構成で、当時のビート/ポップ・ロックの空気を一枚で追いやすい内容になっている。
アーティスト表記はVariousで、特定の単独アーティスト作品ではなく、複数の演奏者による編集盤という位置づけになる。GDR盤らしく、放送録音を含む曲もあり、ラジオを通じて流通していた当時のポップ・ロックの記録としても読める一枚だ。
作品の特徴
収録曲のうち、A2、A4、A7、A10、B1、B3、B6、B7、B10はRundfunk der DDRによる録音。つまり、スタジオ盤のヒット曲をそのまま並べるというより、放送局の録音を交えながら編集されたコンピレーションになっている。
また、いくつかの曲はオリジナル・リリースより短い版で収録されている。たとえばA3、B1、B5がその例で、アルバム全体としてはテンポよく聴ける反面、各曲の尺は放送用・編集用の性格が強い。
1975年という時代感
1975年の東ドイツでは、西側のロックやポップが強い影響力を持ちつつ、国内の放送やレーベルを通じて独自の編集盤も多く作られていた。この作品も、そうした時代の空気を反映した一枚として見られる。ビート・グループ的な推進力と、ラジオ向けのわかりやすい曲調が並ぶ構成は、同時代のロック・コンピレーションらしい流れだ。
音楽の並びとしては、60年代後半から70年代前半のポップロック・ヒット集に近い感触がある。派手なコンセプトよりも、曲単位の強さを前に出す作りで、代表曲を短時間で追う編集盤の性格がはっきりしている。
この盤の位置づけ
Various名義の編集盤なので、特定のアーティストの代表作というより、当時のレパートリーや放送文化をまとめた記録としての意味合いが強い。ひとりの作品世界をたどるアルバムではなく、複数の楽曲を通して1975年時点のGDRポップ/ロックの輪郭を見せるタイプのリリースだ。
ヒット曲や代表曲を一つのアーティストの文脈で語る盤ではないが、短尺化された曲やラジオ録音の混在から、当時の編集方針や聴かれ方は伝わってくる。オリジナル盤と再発盤を比べるといったタイプの作品というより、1975年の盤そのものがひとつの資料性を持つ。
まとめ
『2 x 10 Beat-Erfolge』は、1975年のGDRで組まれたVarious名義のコンピレーション盤。Rundfunk der DDR録音を含み、曲によっては短い版で収録されている。ロック、ポップ、ロックンロール、ポップロックの接点にある楽曲を、編集盤らしい密度でまとめた一枚だ。
トラックリスト
- A1 – Rock’n Roller (2:18)
- A2 – Ich Kann Barfuß Durch Dornen Gehn (2:31)
- A3 – Langstreckenlauf (2:23)
- A4 – He, Wir Fahren Auf’s Land (2:37)
- A5 – Verzeih, Daß Ich Dich Liebe = Darabokra Töred A Szivem (2:56)
- A6 – Klavier Am Fluß (3:00)
- A7 – Heute Bin Ich Allein (2:17)
- A8 – Mary Lou = Dwe Wesela (2:10)
- A9 – Auf Der Wiese (3:58)
- A10 – Warum, Sage Mir = Karoly Át (2:41)
- B1 – Wie Ein Pfeil (2:13)
- B2 – Ohne Ein Wort (2:38)
- B3 – Sie Ruft Alle Tage Herbei (3:00)
- B4 – Dziwny Jest Ten Swiat = Seltsam Ist Die Welt (3:35)
- B5 – Hochzeitsnacht (2:08)
- B6 – Komm Doch Einfach Mit (2:25)
- B7 – Die Säge = A Fürész (2:25)
- B8 – Mir Doch Egal (3:10)
- B9 – Wenn Du Mich Fragst (2:22)
- B10 – Tanzmaschine (2:30)
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Ellesmere – Stranger Skies (2024)
Ellesmere『Stranger Skies』について
イタリア・ローマを拠点に2014年に始動したEllesmereによるアルバム『Stranger Skies』は、2024年に登場した作品である。中心人物はRoberto Vitelliで、Taprobanのベース/ギター奏者としても知られる人物。Ellesmereはその個人プロジェクトとして動いており、本作もRoberto Vitelliの名義感が強く出る内容になっている。
音楽性はロックを基盤にしたプログレッシブ・ロック、シンフォニック・ロックの系譜に位置づけられる。イタリア産プログレの文脈に置くと、構築性のある曲展開と、鍵盤やギターを軸にした組み立てが想像しやすいタイプの作品で、バンド編成のダイナミズムというより、作曲者主導の色が見えやすい。
作品の位置づけ
Ellesmereは2014年にローマで始まったプロジェクトで、Roberto Vitelliの活動の延長線上にある。この『Stranger Skies』は、アーティスト名義としてのEllesmereが2024年時点で提示したひとつの到達点として見える。Taprobanでの活動を知っていると、より複層的なアレンジや、イタリアン・プログレの伝統を踏まえた作りに意識が向く。
同じイタリアのシンフォニック/プログレ系では、PFMやBanco del Mutuo Soccorso、Le Ormeのようなクラシックな文脈がまず思い浮かぶが、Ellesmereはそうした流れを現代的に受け継ぐ側に入る存在といえる。大仰なロック・オペラというより、組曲的な展開や音の重ね方で聴かせるタイプの印象である。
パッケージと盤の情報
- リリース国: Italy
- 盤のリリース年: 2024年
- パッケージ: ゲートフォールド・ジャケット
- シュリンク包装前面にハイプ・ステッカー付き
- カタログ表記: LPラベル面では「AMS LP 173」、ジャケット背面では「AMSLP173」
レコードとしてはゲートフォールド仕様で、LPとしての存在感を持たせた作り。ジャケット表記の違いも見られるが、盤と外装でカタログ番号の見え方が異なる点は、コレクター的には確認しておきたいところである。
聴きどころの輪郭
実際に聴いた感想として語るなら、こうした系統の作品は、派手な一発よりも曲の流れとパートの受け渡しに耳が向く。『Stranger Skies』も、タイトルから受ける印象どおり、景色の切り替わりや場面転換が軸になりやすいタイプの作品として捉えやすい。ギターと鍵盤の配置、リズムの持っていき方、メロディの置き方が、曲全体の印象を決める要素になっているはずだ。
ヒット曲や単独で広く知られた代表曲については、この作品情報の範囲では特定しづらい。むしろアルバム全体の流れで聴くことで、Ellesmereというプロジェクトの輪郭が見えやすい作品といえる。
まとめ
『Stranger Skies』は、ローマ発のEllesmereが2024年に示したプログレッシブ/シンフォニック・ロック作品である。Roberto Vitelliの作家性が前面に出るプロジェクトとして、イタリアン・プログレの系譜を現代に引き寄せた一枚、という見方がしやすい。
盤としてはイタリア盤、ゲートフォールド仕様、カタログ表記の差異あり。作品そのものは、バンドの勢いよりも構築と展開に重心があるタイプとして受け取ると、全体像をつかみやすい。
トラックリスト
- A1 – Northwards (6:50)
- A2 – Tundra (6:43)
- A3 – Crystallized (5:12)
- A4 – Arctica (4:12)
- B1 – Stranger Skies (12:17)
- B2 – Another World (11:29)
Uriah Heep – Salisbury (1971)
Uriah Heep『Salisbury』について
Uriah Heepの『Salisbury』は、1971年に発表された2作目のスタジオ・アルバムである。イギリスのロンドンで1969年に結成されたこのバンドは、ハードロックを軸にしながら、プログレッシブ・ロックの要素も早い時期から取り込んでいたことで知られる。中心人物のひとりであるギタリストのMick Boxは、バンドの初期から在籍しているメンバーであり、Uriah Heepという名前はチャールズ・ディケンズ『David Copperfield』の登場人物に由来する。
本作は、その初期Uriah Heepの特徴がはっきり出た一枚として見てよさそうだ。バンドの重いギター・リフ、オルガンを含む鍵盤の使い方、そして長尺曲を軸にした構成が目立つ。ハードロックの推進力と、組曲的な展開を持つプログレ寄りの感覚が同居しているあたりが、この時期のUriah Heepらしさにつながっている。
作品の位置づけ
『Salisbury』は、デビュー作に続く2枚目という位置づけのアルバムで、バンドが単なるハードロック・バンドにとどまらないことを示した作品として語られることが多い。特にタイトル曲「Salisbury」は、バンドの代表的な長編曲として知られる。ロック・バンドの編成にブラス・アレンジを取り入れた大きな構成で、当時のUKロックの広がりを感じさせる内容になっている。
同時代の文脈で見ると、Deep PurpleやLed Zeppelinのような重いロックの流れと、YesやKing Crimsonに代表されるプログレッシブ・ロックの流れのあいだに位置するような印象がある。Uriah Heepはその両方を強く意識するタイプのバンドのひとつで、このアルバムでもその輪郭が見えやすい。
収録曲の聴きどころ
アルバムの核はやはりタイトル曲「Salisbury」。こちらはアルバム後半を大きく占める長尺ナンバーで、静かな始まりから大きく展開していく構成が特徴的だ。バンドの演奏だけで押し切るというより、アレンジ全体で曲を作っていくタイプの楽曲で、Uriah Heepの中でも印象に残りやすい一曲である。
一方で、アルバム全体にはハードロックらしい直進性を持つ曲も置かれていて、重さと構成美のバランスが取られている。派手さだけで進む作品ではなく、曲ごとの役割がはっきりしているところが、この時期のアルバムらしいまとまりにつながっている。
1979年盤について
ここで扱っているのは日本で1979年に出た盤で、オリジナルの1971年盤とは発売時期が異なる。クレジットには「Manufactured by Toshiba EMI, Ltd., Japan」とあり、日本国内で製造された盤であることがわかる。録音はロンドンのLandsdowne Studiosで1970年10月から11月にかけて行われており、作品としては1971年のアルバムとして把握するのが自然である。
再発盤として見ると、作品そのものの内容はオリジナルの時代背景を持ったままだが、日本盤ならではの製造クレジットや盤の流通背景が加わる点が特徴になる。コレクションの文脈では、こうした国内盤の存在も一つの見どころである。
まとめ
『Salisbury』は、Uriah Heepが初期に持っていたハードロックの厚みと、プログレッシブな構成力を同時に示したアルバムである。バンドの代表作として挙げられることの多いタイトル曲を含み、1970年代初頭の英国ロックの空気をそのまま閉じ込めたような一枚、と言えそうだ。
トラックリスト
- A1 – Bird Of Prey (4:05)
- A2 – The Park (5:38)
- A3 – Time To Live (4:02)
- A4 – Lady In Black (4:33)
- B1 – High Priestess (3:39)
- B2 – Salisbury (16:22)
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Gary Wright – The Right Place (1981)
Gary Wright『The Right Place』について
Gary Wrightの『The Right Place』は、1981年にアメリカでリリースされた作品だ。Spooky Toothの中心人物として知られ、ソロではキーボードを軸にした楽曲づくりで存在感を示してきたGary Wrightが、1980年代に入って発表したアルバムのひとつである。
この時期のGary Wrightは、70年代に築いたソロ・アーティストとしての流れをそのまま引き継ぎつつ、より時代に沿ったポップ/ロックの制作へ向かっていた。彼はシンガーソングライターであり、鍵盤奏者でもあるため、バンド的な演奏感だけでなく、曲の構成や音の置き方に本人の色が出やすいタイプの音楽家として語られることが多い。
アーティストとしての位置づけ
Gary Wrightは1943年、ニュージャージー州クレスキル生まれ。10代のころには子役として舞台に立ち、その後、医学や心理学を学んだのちに音楽へ本格的に進んだという経歴を持つ。60年代後半にロンドンへ渡り、Spooky Toothを結成。バンドでは主要なソングライターとして機能した。
ソロ転向後は、1971年の『Extraction』を皮切りに、70年代を通じてソロ作品を重ねていく。なかでも『Dream Weaver』期の成功で広く知られるようになり、キーボード主体のロック・サウンドを代表するひとりとして見られるようになった。『The Right Place』は、そうした流れの中で制作された1981年作という位置づけになる。
作品の印象と時代背景
1981年という時期は、70年代型のハード寄りロックやシンガーソングライター路線が、よりコンパクトなポップ感や洗練されたプロダクションへ移っていくタイミングでもある。Gary Wrightの作品も、その変化の中に置くと見えやすい。キーボードを前面に出した作りは変わらず、ロックの骨格の上にポップな要素を組み込む姿勢がうかがえる。
同時代の耳で見ると、Rick SpringfieldやTodd Rundgrenの一部作品、あるいはキーボードを軸にしたAOR寄りのロックと並べて語られることもあるタイプのアルバムだろう。もっとも、Gary Wrightの場合は、Spooky Tooth以来のバンド感と、ソロならではのメロディ重視の書き方が同居している点が特徴になりやすい。
収録曲について
この作品については、特定の代表曲が広く定番化しているアルバムというより、アルバム全体でGary Wrightの作曲家・演奏家としての持ち味を聴くタイプの一枚として捉えられている印象がある。80年代初頭のソロ作品らしく、楽曲単位での組み立てと、キーボード中心のアレンジが見どころになりやすい。
なお、Gary Wrightの代表曲としては『Dream Weaver』や『Love Is Alive』がよく知られているが、『The Right Place』はその大ヒット期とは少し距離のある時代の作品で、より制作時点の音を追う楽しさがある。
レコードとしての特徴
このUS盤はWarner Bros. Recordsによる1981年のリリースで、アメリカ製。インナースリーブ付きで、RunoutにはCapitol Records Pressing Plant, Winchesterのプレスを示す「WW」刻印がある。Runoutの一部にはスタンパー由来の刻印も見られる仕様だ。
オリジナル1981年盤として見ると、当時の空気をそのまま反映したアメリカ盤の一枚という印象になる。80年代初頭のロック/ポップの質感を、Gary Wrightの鍵盤感覚とともに追える作品だ。
まとめ
『The Right Place』は、Gary Wrightのキャリアの中でも、70年代の代表作群の延長線上にありながら、1981年という時代の音へ寄せていった一枚として捉えやすい。Spooky Toothのメンバー、そしてソロのヒットメーカーという両面を知っていると、彼がこの時期にどういう方向へ進んでいたかが見えやすい作品でもある。
トラックリスト
- A1 – Intro (0:29)
- A2 – Heartbeat (4:16)
- A3 – Really Wanna Know You (4:22)
- A4 – Got The Feelin’ (3:41)
- A5 – Love Is A Rose (4:30)
- B1 – The Right Place (3:33)
- B2 – More Than A Heartache (4:33)
- B3 – Close To You (4:07)
- B4 – Comin’ Apart (3:51)
- B5 – Positive Feelins (3:41)
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ORB – The Space Between (2018)
ORB『The Space Between』について
ORBはオーストラリア、ジーロング出身のオーガニック・ロック・バンド。メンバーはJamie Harmer、Zak Olsen、Daff Gravolin、John Zachariasの4人で、Bandcampでも活動を確認できる。『The Space Between』は2018年作のアルバムで、ロックを軸にしたサイケデリック・ロック、ガレージ・ロックの色合いを持つ作品として整理されている。
作品の位置づけ
2018年という時点でのORBの初期作品にあたる一枚で、バンドの基本的な輪郭をつかむうえでわかりやすいタイトル。ギターを前に出したバンド編成のロックでありつつ、サイケデリック寄りの展開や、ガレージ・ロックらしい粗さもある。オーストラリアのインディー・ロック文脈に置くと、演奏の勢いと音の生々しさを重視する流れの中にある作品と見てよさそうだ。
音と内容
アルバムは、派手な装飾よりもバンドの鳴りそのものを前面に出した作り。リズム隊の推進力、歪んだギター、曲ごとのテンポの上げ下げが軸になっている。サイケデリック・ロックの要素は、長く引っ張る残響や反復、音の広がりとして感じられる場面があり、ガレージ・ロックの要素は、演奏の直進性やざらつきに表れている。
実際に聴くと、音の密度よりもバンド全体のまとまりが印象に残るタイプの作品。録音の輪郭はくっきりしていて、各パートの動きが追いやすい。曲の中で強く引っ張るのは、リフ、反復、勢いの切り替えといった要素で、メロディを大きく飾るというより、演奏の流れで聴かせる場面が多い。
同時代・周辺の文脈
この手のサウンドは、オーストラリアのロック/ガレージ系シーンに見られる、ラフさとサイケ感の両立という流れとも重なる。比較対象として名前を挙げるなら、同じくオーストラリア発のガレージ/サイケ系バンド群が思い浮かぶが、ORBはよりバンドの演奏単位でまとまった印象がある。派手な実験性を前面に出すというより、ライブ感のあるロックの枠内で音を組み立てている。
パッケージと盤の仕様
2018年のアナログ盤は限定1,000枚で、オレンジとレッドのスモーク・ヴァイナル仕様。「Blood Moon」バリアントとして案内されている。ファーストプレスにはほかに「Bone-Water-Blood」「Silverfern」バリアントもあり、カラー違いで集める楽しみがあるタイプのリリースだ。
- 350gsmのリバースボード・スリーブ
- ダウンロードコード付属
- 片面印刷の2×12インチ折りたたみポスター付属
- ポリ外袋入り
- カラー表記入りのハイプステッカー付き
まとめ
『The Space Between』は、ORBのバンド名義の持ち味がそのまま出た2018年作。ジーロング発の4人組による、サイケデリック・ロックとガレージ・ロックの間を行き来するロックアルバムとして整理できる。音の作り、限定盤の仕様、複数のカラーバリアントを含めて、バンドの初期像を示す一枚になっている。
トラックリスト
- A1 – Space Between The Planets
- A2 – I Want What I Want
- A3 – General Electric
- A4 – Silverfern
- B1 – Glitch In The Sky Matrix
- B2 – Lucifers Lament
- Stonefruit
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Wings – Wings Greatest (1978)
Wings『Wings Greatest』について
『Wings Greatest』は、Paul McCartney率いるWingsの代表曲をまとめたコンピレーション盤で、オリジナルは1978年の作品。Beatles解散後のMcCartneyが、Linda McCartney、Denny Laineらと組んだWingsの活動を一枚で追える内容になっている。Wingsが1970年代に残したヒットや定番曲を、時期をまたいで整理したベスト盤という位置づけのアルバムだ。
Wingsは、Paul McCartneyを中心にしながらも、メンバーの入れ替わりが多かったバンドとして知られる。Linda McCartneyのキーボードとコーラス、Denny Laineのギターとボーカルが核になり、時期によってDenny Seiwell、Henry McCullough、Jimmy McCulloch、Joe English、Laurence Juber、Steve Holleyらが加わった。ソロ名義の延長ではなく、バンドとして動いていたことが、このグループの特徴になっている。
1970年代Wingsの流れをまとめた一枚
このアルバムに収められた楽曲群は、Wingsが70年代にポップ・ロックの主流の中で築いた立ち位置をよく示している。McCartneyのメロディ感覚を軸にしつつ、バンド演奏のまとまりが前に出る曲、ラジオ向けの分かりやすいフックを持つ曲、時代の空気をそのまま反映した曲が並ぶ構成だ。
代表曲としては「Band on the Run」「Jet」「Live and Let Die」「My Love」などが思い浮かぶ。特に「Band on the Run」はWingsの評価を決定づけた曲のひとつで、単なるヒット曲というより、バンド編成でのMcCartneyがどこまで広げられるかを示した楽曲として語られることが多い。「Live and Let Die」は映画主題歌としても知られ、Wingsの中でも大きな存在感を持つナンバーだ。
アルバムの位置づけ
1978年の時点で見ると、『Wings Greatest』はWingsの活動を整理する役割を持った作品として受け取れる。バンドの歩みを振り返る入口であり、同時に70年代後半のMcCartneyの存在感を再確認できるベスト盤でもある。Wingsの時代は、Beatlesの延長線上にあるようでいて、バンド単位でのポップ・ロックを作り直した時期でもあった。
同時代の感覚でいうと、派手なロックの演出よりも、曲そのものの強さとラジオでの通りやすさが前に出る作り。Beatles後のMcCartney作品群の中でも、Wings名義の曲はバンドの音として聴きやすく、ソロ作とは少し違う輪郭を持っている。
日本盤としての特徴
この日本盤には、帯、歌詞インサート、オリジナル内袋、大判ポスター、ステッカーシートが付属している。Toshiba EMIによる日本製造で、当時の国内盤らしい付属品の充実が目を引く仕様だ。音源自体は1978年のコンピレーションだが、日本盤としてはコレクション性の高いパッケージになっている。
聴きどころ
この手のベスト盤は、単曲の強さがそのまま印象に残る。Wingsの場合も、曲ごとの顔つきがはっきりしていて、メロディの明快さ、リズムの押し出し、コーラスの重なりが曲ごとに違う形で出てくるのが分かりやすい。Paul McCartneyのソングライティングを、バンド編成の中でどう鳴らしていたかを見渡すにはちょうどいい一枚だ。
Wingsを初めて通しで追うときにも、すでに曲を知っている人が整理して聴き直すときにも、時代の流れが見えやすいコンピレーション盤。70年代のポップ・ロックの中心にいたMcCartneyの仕事ぶりが、そのまま詰まっている。
トラックリスト
- A1 – Another Day (3:41)
- A2 – Silly Love Songs (5:54)
- A3 – Live And Let Die (3:10)
- A4 – Junior’s Farm (4:20)
- A5 – With A Little Luck (5:45)
- A6 – Band On The Run (5:09)
- B1 – Uncle Albert / Admiral Halsey (4:47)
- B2 – Hi, Hi, Hi (3:10)
- B3 – Let ‘Em In (5:08)
- B4 – My Love (4:07)
- B5 – Jet (4:08)
- B6 – Mull Of Kintyre (4:42)
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- Paul McCartney/WIngs – Band On The Run (1978 Vinyl rip)
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- Paul McCartney/WIngs – Let ‘Em In (1978 Vinyl rip)
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- Paul McCartney/WIngs – With A Little Luck (1978 Vinyl rip)
- Paul McCartney/WIngs – Junior’s Farm (1978 Vinyl rip)
- Paul McCartney/WIngs – Live And Let Die (1978 Vinyl rip)
- Paul McCartney/WIngs – Silly Love Songs (1978 VINYL RIP)
- Paul McCartney/WIngs – Another Day (1978 Vinyl rip)
- Wings Greatest – Uncle Albert/Admiral Halsey (1978 VINYL RIP)
Brian Auger’s Oblivion Express – Second Wind (1972)
Brian Auger’s Oblivion Express『Second Wind』について
『Second Wind』は、Brian AugerのOblivion Express名義で1972年に発表された作品です。ジャズ・ロック、ジャズ・ファンク、プログレッシブ・ロックの要素を行き来しながら、オルガンを軸にしたバンド演奏を前面に出した一枚として知られています。Brian Augerはジャズ、ロック、ファンクを横断してきた鍵盤奏者で、この時期のOblivion Expressは、彼のソロ色よりもバンドとしてのまとまりを強く感じさせる編成になっている印象です。
作品の位置づけ
Oblivion Expressは1970年に始動したジャズ・ロック・フュージョン・バンドで、後にThe Average White BandへつながるドラマーのRobbie McIntoshやSteve Ferrone、ギタリストのJim Mullenらを育てたことでも知られます。『Second Wind』は、その初期展開の中で出てきた作品で、Augerのオルガンとリズム隊の推進力が噛み合う時期の記録といえそうです。
この頃のBrian Auger周辺は、英米のジャズ・ロック、ソウル、ファンクが交差していた時代背景の中にあり、同時代のフュージョン系作品と比べても、R&B寄りのグルーヴとロックの押し出しが比較的はっきりしている流れです。オルガン・トリオ的な感触と、バンドアンサンブルの厚みが同居するタイプの作品として捉えやすいです。
録音とリリース
録音はロンドンのAdvision Studios、23 Gosfield Streetで行われています。リリースはUS盤で、RCAのIndianapolis pressing。1972年時点のオリジナル盤として流通した作品です。制作クレジットには「A Nasty Production」とあります。
音の特徴
Brian Augerの作品は、鍵盤がただ伴奏に回るのではなく、曲の推進力そのものを作るところに特徴があります。『Second Wind』でも、オルガンのフレーズが前へ出て、そこにドラム、ベース、ギターが重なっていく構図が見えやすいです。ジャズの即興性を保ちながら、ロックの直線的なノリとファンクの反復感をつないでいく作りで、演奏中心の聴き方がしやすい作品といえます。
また、メンバー表を見ると、Alex Ligertwood、Jim Mullen、Robbie McIntosh、Steve Ferrone、Dave Dowle、Clive Chaman、Godfrey McLeanら、のちに別のバンドやセッションで名を見かける演奏者が含まれています。こうした顔ぶれもあって、単なるAugerのソロ・プロジェクトというより、英国のジャズ・ロック周辺の人脈が交差する場としても興味深い一枚です。
同時代とのつながり
1972年は、ジャズ・ロックや初期フュージョンが多様化していた時期です。よりジャズ寄りに振れる作品もあれば、ロックやソウルの比重を強める作品もありましたが、Brian AugerのOblivion Expressは後者の感触が比較的強い側に入るように見えます。オルガンを中心にした熱量のあるバンド・サウンドという点では、英国のジャズ・ロック文脈の中で語りやすい作品です。
作品を聴くときのポイント
- Brian Augerのオルガンが曲全体をどう引っ張るか
- リズム隊の反復と押し出しの強さ
- ギターと鍵盤の掛け合い
- ジャズの伸びやかさとロックの直進性の同居
まとめ
『Second Wind』は、Brian AugerのOblivion Expressが1972年に残した、バンド・アンサンブル重視のジャズ・ロック作品です。Advision Studiosで録音されたUS盤として流通し、当時の英国ジャズ・ロック/ファンクの空気をまとった一枚。Brian Augerのオルガンを軸に、後年それぞれの場で活躍するメンバーたちの演奏が交わる点も、この作品の見どころになっています。
トラックリスト
- A1 – Truth
- A2 – Don’t Look Away
- A3 – Somebody Help Us
- B1 – Freedom Jazz Dance
- B2 – Just You, Just Me
- B3 – Second Wind
関連動画
- Truth
- Don’t Look Away
- Brian Auger’s Oblivion Express – Freedom Jazz Dance (Remastered) [Soul Jazz – Jazz Fusion] (1972)
- Brian Auger’s Oblivion Express – Second Wind ( Full Album ) 1972
- Brian Auger’s Oblivion Express – Truth (Remastered) [Soul Jazz – Jazz Fusion] (1972)
- Brian Auger’s Oblivion Express – Somebody Help Us (Remastered) [Jazz Fusion] (1972)
Robert Fripp – God Save The Queen / Under Heavy Manners (1980)
Robert Fripp / God Save The Queen / Under Heavy Manners
King Crimsonの中心人物として知られるRobert Frippが、1980年に発表したシングル盤。名義はソロだが、内容はフリップの当時の関心がそのまま出た作品で、ギターの前面に出るロック的な感触と、リズムや反復を軸にした実験性が同居している。1970年代末のフリップ周辺を追っていると見えてくる、ポスト・パンク以後の空気と、ディスコやエレクトロニックの要素が交差する時期の記録として捉えやすい一枚。
作品の位置づけ
Robert FrippはKing Crimsonの創設メンバーであり、継続的な中心人物でもあるギタリストだが、この時期はバンド活動とは別に、Frippertronicsに通じる処理や、反復を使った構成にも関心を向けていた。
このシングルも、そうした流れの中にある。ギターのフレーズを主役にしながら、バンドサウンドをそのまま鳴らすというより、音の層や編集の感覚を前に出した作りになっている。
1980年という年で見ると、King Crimsonがいったん活動を止めていた時期とも重なる。Fripp個人の動きとしては、次の展開に向かう前段階の作品という見方がしやすい。
収録曲と内容
- God Save The Queen
- Under Heavy Manners
タイトル曲の「God Save The Queen」は、同名の英国国歌を思わせる題名だが、内容はそのままの引用ではなく、Frippらしい緊張感を持った別物として扱われている。政治的な意味合いを強く断定するより、タイトルの持つ引っかかりと、楽曲の構造の方に目が向く作品。
「Under Heavy Manners」は、この盤の中心に置かれる曲として知られる。反復するビートと、硬質なギターの動きが前に出るタイプで、同時代のアート・ロックやダンス・ミュージックの境界をまたぐ感触がある。Frippのソロ作の中では、即興の奔放さよりも、リズムの固定と編集された感触がはっきりしている。
同時代の文脈
1980年前後のFripp周辺は、King Crimson的なプログレ文脈だけでなく、ポスト・パンクやニューウェイヴ以後の「ギターの使い方」と近いところにもいる。
たとえば、鋭いフレーズを短く反復させる感覚、ベースやドラムの機械的な推進力、スタジオでの組み立てを重視する姿勢などは、同時代のアート・ロックや実験的なダンス志向の作品群と並べて見やすい。
ただし、Frippの音はあくまでギタリストとしての手触りが強い。電子音楽寄りの処理が入っても、音の芯はギターにある、という印象が残る。
音の印象
実際に聴くと、派手な展開で押す盤ではなく、同じ素材を少しずつずらしながら進める作りが目につく。
音数は多くないが、フレーズの置き方と間の取り方がはっきりしていて、Frippの作品の中でも「音の配置」を意識しやすい。ロックの形式に収まりきらない一方で、完全に環境音楽へ寄るわけでもない、その中間の緊張感がある。
この盤についての補足
1979年に複数の場所で録音され、ニューヨークのHit Factoryでコンパイルされた作品。インナー・スリーブ付きで発行されている。US盤ではラベル表記や刻印に特徴があり、プレス工場に関する手がかりも残されている。
後年には再発もあるが、1980年のオリジナル盤としては、当時のFrippの関心がストレートに出た記録として見やすい。
まとめ
「God Save The Queen / Under Heavy Manners」は、Robert FrippがKing Crimsonの枠外で、リズム、反復、編集感覚を前面に出していた時期の一枚。
プログレのギタリストという見え方だけでは収まりにくく、1980年前後の実験的なロック、アート・ロック、ダンス寄りの感覚が交差する地点にある作品として、位置づけやすいシングル盤。
トラックリスト
- A1 – Red Two Scorer (6:54)
- A2 – God Save The Queen (9:50)
- A3 – 1983 (13:20)
- B1 – Under Heavy Manners (5:14)
- B2 – The Zero Of The Signified (12:38)
関連動画
Seventh Wave – Things To Come (1974)
Seventh Wave『Things To Come』について
『Things To Come』は、イギリスのデュオ、Seventh Waveが1974年に発表したデビュー・アルバム。アーティストの出自は、プログレッシブ・ロックの流れをくむ英国バンド Second Hand の解散後に、Kieran O’Connor と Ken Elliott を中心に結成されたユニットにある。ギター主体のバンド・サウンドというより、当時としてはかなり早い段階でシンセサイザーを前面に出した編成が目を引く作品で、70年代の電子音楽とロックの接点を示す一枚として位置づけられている。
レーベルはGull Records。英国内盤のクレジットには、GULP 1001 のカタログ番号、1974年の表記、そしてロンドンのGull Records名義が確認できる。オリジナル・リリース年は1974年で、盤も同年の英国盤ということになる。
作品の輪郭
Seventh Waveは、ギターや大編成のロック・バンドというより、電子楽器と打楽器の組み合わせで音を組み上げるグループだった。Ken Elliott は ARP、Moog、Crumar strings、Mellotron、clavinet など70年代らしい機材を扱い、Kieran O’Connor は多彩なパーカッションを担当している。プロフィールどおり、ここには「シンセ・デュオ」という後年のポップ・フォーマットにつながる感触がある。
アルバム全体は、プログレッシブ・ロックの構成感と、電子音のテクスチャが並ぶ内容。歌ものとしての分かりやすさより、楽器の配置や音色の切り替えに耳が向くタイプの作品といえる。バンドの初期作らしく、後の活動の土台を見るような位置づけでもある。
同時代の文脈
1974年の英国では、プログレッシブ・ロックがすでに広い層に浸透し、同時にシンセサイザーを使った実験的なロックも少しずつ存在感を増していた。Seventh Waveは、その流れの中で、ロック・バンドの文脈から電子楽器主体の表現へ寄った存在と見られる。後年のシンセ・ポップ以前の段階で、デュオ編成に近い形で電子楽器を前面に出していた点は、時代の中でも興味深いところ。
比較対象としては、同じ70年代英国のプログレ系や、電子音を取り入れた実験的ロックの文脈が思い浮かぶ。とはいえ、Seventh Waveは演奏の密度と機材の使い方に独自性があり、単純にどこか一つへ収まるタイプではない。
クレジットと制作面
ライナーノートには、Vic Keary への謝辞、さらに Mike Craig、John Smyth、Tony McGill への共同エンジニアリングやアイデア提供へのクレジットが記されている。制作面でも複数の手が入っており、当時のスタジオ作業を感じさせる記述。Sleeve はイングランドの Robert Stace による印刷、レーベル面には Seventh Wave Publishing、℗ 1974 Gull Entertainments Ltd、Made in England の表記がある。
聴いたときの印象
実際に聴くと、まず耳に残るのはシンセの音色の切り替わりと、パーカッションの置き方。ロックの推進力と、電子音のレイヤーが同時に進む場面が多く、曲ごとの展開にも70年代プログレらしい組み立てが見える。派手なヒット曲で押すアルバムというより、通して聴いたときの構成や音の並びで印象を残すタイプといえる。
代表曲については、一般に広く知られた大ヒット曲が目立つ作品ではない。ただ、アルバム単位で聴くと、Seventh Waveというバンドの方向性がかなりはっきり伝わる。デビュー作として、電子楽器主体のロックをどう鳴らすか、その試みが前面に出た一枚。
まとめ
『Things To Come』は、1974年の英国プログレ/電子ロックの文脈に置くと見えやすい作品。Second Hand 解散後の流れから生まれたSeventh Waveが、シンセサイザーとパーカッションを軸に、ロックの形式へ電子的な要素を持ち込んだ初期作として記録されている。70年代中盤の英国らしい制作環境と、デュオ編成の発想が重なる、時代性のあるアルバム。
トラックリスト
- A1 – Sky Scraper (2:17)
- A2 – Metropolis (4:25)
- A3 – Intercity Water Rat (0:48)
- A4 – Escalator (0:26)
- A5 – Old Dog Song (4:12)
- A6 – Smog, Fog And Sunset (3:11)
- A7 – Fail To See (4:05)
- B1 – Premonition (3:15)
- B2 – Festival (2:05)
- B3 – Eversolightly (4:33)
- B4 – Communication Skyways (4:42)
- B5 – Things To Come (1:46)
- B6 – 1999 ½ (1:09)
- B7 – Dance Of The Eloi (1:45)
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King Crimson – Discipline (1981)
King Crimson『Discipline』について
1981年に登場したKing Crimsonの『Discipline』は、長い活動の流れの中でバンドが新しい編成へ移行した時期を示す重要な作品だ。Robert Frippを軸に、Adrian Belew、Tony Levin、Bill Brufordという顔ぶれで制作され、King Crimson名義としては1980年代の再始動を告げるアルバムになっている。プログレッシブ・ロックという枠の中でも、70年代の重厚さとは少し違う、リズムの組み立て方やギターの絡み方に焦点がある一枚。
作品の位置づけ
King Crimsonは1968年に結成された英国発のプログレッシブ・ロック・バンドで、初期から編成変化の多いグループとして知られている。1974年にいったん活動を終えたあと、7年ぶりに新しい形で再登場したのがこの時期だ。『Discipline』は、その再始動後の最初のスタジオ・アルバムとして、80年代King Crimsonの方向性を決定づけた作品といえる。
この編成では、Frippのギターが前面に出るというより、Belewのボーカルとギター、LevinのChapman Stick、Brufordのドラムが細かく噛み合う構成が目立つ。King Crimsonの中でも、70年代の『Larks’ Tongues in Aspic』期や『Red』期とは手触りがかなり違う。
サウンドの特徴
アルバム全体を通して耳につくのは、反復の使い方と、各パートの独立した動きだ。単純に演奏が派手というより、複数のパターンがずれながら重なっていく作りで、リズム面の設計がかなり細かい。ギターはフレーズの切れ方がはっきりしていて、ベースやStickの音も含め、輪郭の見えやすい録音になっている。
聴きどころとしては、タイトル曲「Discipline」がまず挙がる。アルバムの冒頭で、バンドの新しい方法論をそのまま提示するような曲だ。さらに、「Matte Kudasai」はこの作品の中でも比較的メロディが前に出た曲として知られ、アルバムの中で印象を変える役割を持っている。ほかにも「Frame by Frame」「Thela Hun Ginjeet」など、80年代King Crimsonを代表する楽曲が並ぶ。
同時代の文脈
1981年という時期のプログレッシブ・ロックは、70年代前半のような大型組曲中心の流れから少し離れ、ニューウェーブやポスト・パンク以後の感覚とも接点を持ちはじめていた。『Discipline』はその中で、King Crimsonが過去のスタイルをそのまま繰り返さず、より鋭いリズム感と整理された音像へ寄せていった作品として聴かれることが多い。
同時代のロックの中では、単なる懐古ではなく、複雑な構成を保ちながらも音数や切り口を変えている点が特徴的だ。Frippの作曲観や編成の組み方が、ここではかなり明確に出ている。
US盤について
今回のUS盤は1981年リリースで、Warner Bros. Records / E.G. Recordsのクレジットが入っている。スパインには「Warner Bros. Records Inc. / E.G. Records Ltd. Printed In U.S.A.」、バックカバーには「© ℗ 1981 EG Records Ltd. Made in U.S.A.」の表記がある。レーベル面では、全曲がE.G. Music Inc.-BMI / Editions E.G.-ASCAP表記になっている。
オリジナル盤としての1981年の空気感を持つ一枚で、後年の再発盤と比べると、まずは当時のUSリリース仕様そのものを確認できるのがポイントだ。
まとめ
『Discipline』は、King Crimsonが80年代に入って再び動き出したことを示すアルバムであり、Fripp、Belew、Levin、Brufordという編成の個性がそのまま音になった作品だ。初期のプログレとも、70年代後半の重い展開とも違う、細部の組み立てで聴かせるタイプのKing Crimson。バンドの歴史の中でも、ひとつの転換点として扱われることが多い。
トラックリスト
- A1 – Elephant Talk (4:40)
- A2 – Frame By Frame (5:05)
- A3 – Matte Kudasai (3:46)
- A4 – Indiscipline (4:30)
- B1 – Thela Hun Ginjeet (6:23)
- B2 – The Sheltering Sky (8:19)
- B3 – Discipline (5:00)
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Deep Purple – Deep Purple (1969)
Deep Purple『Deep Purple』について
Deep Purpleの『Deep Purple』は、1969年に発表された3作目のスタジオ・アルバムだ。のちに「April」とも呼ばれる作品で、オリジナル・ラインナップで録音された最後のアルバムでもある。バンドの初期を知るうえで重要な一枚であり、のちのハードロック路線へ向かう前の姿がはっきり残っている。
録音は1969年1月から3月にかけてロンドンのDe Lane Lea Studiosで行われ、英国盤は1969年11月にリリースされた。アーティスト名とアルバム名が同じセルフタイトル作品で、当時のDeep Purpleがどの段階にいたのかを示す資料的な意味合いも強い。
初期Deep Purpleの位置づけ
Deep Purpleは1968年にイングランドで結成されたバンドで、Led Zeppelin、Black Sabbathと並んでヘヴィメタルやモダン・ハードロックの先駆けとして語られることが多い。とはいえ、この時期のDeep Purpleは後年のイメージよりも、サイケデリック・ロックやプログレッシブ・ロックの要素を強く持っている。
このアルバムは、Mark I編成の終着点にあたる作品でもある。Rod Evansのヴォーカル、Ritchie Blackmoreのギター、Jon Lordのオルガン、Nick Simperのベース、Ian Paiceのドラムという布陣で、バンドの初期のまとまりがそのまま記録されている。
サウンドの印象
実際に聴くと、リフ主体で押していく後年のDeep Purpleとはかなり違う。Jon Lordのオルガンが前面に出て、曲によっては室内楽的な組み立てや、長めの展開が入る。Ritchie Blackmoreのギターも、すでに輪郭のはっきりしたフレーズを弾いているが、まだ「ハードロックの代名詞」というよりは、楽曲の中で色を加える役割が大きい。
全体としては、派手な一撃で押し切るというより、曲の展開や音色の変化を追うタイプのアルバムだ。初期プログレや英国ロックの空気が残っていて、後の重厚なDeep Purple像を知っていると、その前段階として聴こえてくる。
代表曲と知られている曲
このアルバムでは「April」がよく知られている。静かな導入から広がっていく構成で、アルバム全体の中でも存在感が大きい曲だ。タイトル曲ではなく、収録曲の中の一編として印象に残るタイプで、初期Deep Purpleの作曲志向がよく出ている。
ほかの曲も、短いポップ感覚のものから、展開を持たせた構成のものまで振れ幅がある。のちの『In Rock』以降のような強い統一感より、試行錯誤の段階がそのまま表に出ている印象だ。
同時代の文脈
1969年という時期を考えると、英国ロック全体が大きく変化していた時代だ。Led Zeppelinはより重いブルースロックへ、Black Sabbathはさらに暗い音像へ向かっていく。その中でDeep Purpleは、クラシカルな鍵盤とギターの対比を軸にしながら、まだ多様な方向を残していた。
このアルバムは、そうした転換期の英国ロックの一例としても興味深い。後のハードロック・バンドの原型を見るというより、初期ロックの要素が混ざり合っている段階として捉えると輪郭が見えやすい。
UK盤の仕様について
今回のUK盤は、黒と銀のセンター・ラベルにEMI-Box表記が入る仕様で、ラベル外周には「EMI Records Ltd.」と「Made in UK」の表記がある。ジャケットはラミネート加工のゲートフォールド仕様で、内側には「6911 TPS printed and made by Garrod & Lofthouse Ltd. SHVL 759」の印刷クレジットが入る。
こうした初期UK盤らしい作りも、作品の時代感をそのまま伝えている。音だけでなく、パッケージ面でも1969年の英国ロック・アルバムらしい雰囲気がある。
まとめ
『Deep Purple』は、バンドが後に築くハードロック像の前にある、初期段階の記録だ。オルガン主体のアレンジ、サイケデリックな感触、そしてのちの代表的な編成につながる過渡期の空気が同居している。Deep Purpleというバンドの始点を確認する一枚として、位置づけのはっきりした作品だ。
トラックリスト
- A1 – Chasing Shadows
- A2 – Blind
- A3 – Lalena
- A4a – Faultline
- A4b – The Painter
- B1 – Why Didn’t Rosemary?
- B2 – Bird Has Flown
- B3 – April
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Mike Oldfield – Mike & Sally Oldfield – Pekka Pohjola (1977)
Mike Oldfield名義で流通したPekka Pohjola作品の一枚
このレコードは、フィンランドのベーシスト/作曲家Pekka Pohjolaの1977年作を、1981年にドイツおよびベネルクス向けに出した盤だ。作品そのものはPekka Pohjola名義で1977年に初出しており、この盤ではMike Oldfieldの名前が前面に出ている点が大きな特徴になっている。
背景には、Mike Oldfieldがこの作品のプロデュースに関わっていたことがある。Oldfieldは1970年代後半当時すでに大きな知名度を持っていて、その名前の強さが再発時の表記にも反映された形だ。結果として、後年の流通盤では「Mike & Sally Oldfield – Pekka Pohjola」のように、実際の主役とは異なる見え方で出回ることがあった。
作品の位置づけ
Pekka Pohjolaのアルバムの中でも、Mike Oldfieldとの接点がはっきりした一作として知られる。録音は1976年11月22日から12月5日まで、イギリスのThrougham Sladで行われ、一部のみストックホルムのMarcus Musicで録音されている。Pohjolaの音楽に、Oldfield周辺の70年代英国プログレらしい制作感が重なった盤、と見ると流れがつかみやすい。
この時代のMike Oldfieldは、Tubular Bellsの成功後で、作曲家・マルチ奏者としての評価が固まっていた時期。そんな人物がプロデュースに入ったことで、ジャズ寄りの演奏とロックの構成感が同居する、やや特殊な立ち位置の作品になっている。
音の印象
この盤はジャンル表記としてはJazz、Rock、Prog Rock、Jazz-Rock、Fusionにまたがるが、内容もそのあたりの境界を行き来するタイプだ。ベース主体のフレーズ運びが軸にありつつ、楽曲の展開にはプログレ的な組み立てが見える。派手さよりも、演奏の組み合わせと流れで聴かせるタイプの一枚。
Mike Oldfield本人の代表曲のような明確なヒット曲が入っている作品ではないが、制作面のつながりを通してOldfieldの名前と結びついて語られやすい。とくに1970年代後半のOldfield作品群と並べると、同じ時代の空気、つまり英国プログレの延長線上にある洗練された録音感が感じ取れる。
再発盤としての特徴
この1981年のドイツ/ベネルクス盤では、原題や曲名が英語化・翻訳されている。さらに、アーティスト名の扱いも変えられていて、Mike Oldfieldの知名度を使った表記になっているのが特徴だ。レーベルはHappy Bird。オリジナル1977年盤とは、タイトルやジャケット、表記面で印象がかなり異なる。
収録曲B1bの表記はラベル上で「Comforth with A. Stranger」と誤記されている。こうした細かな違いも、再発盤を追う面白さの一つになっている。
まとめ
このレコードは、Pekka Pohjolaの1977年作品を軸にしながら、Mike Oldfieldとの関係性によって別の顔を持たされた盤だ。内容はジャズ・ロック/フュージョン寄りの演奏作品で、70年代後半のヨーロッパ圏プログレの文脈に置くと見えやすい。作品名よりもまず名前の並びで目を引く盤だが、実際にはPohjolaのアルバムとして聴くと、その輪郭がはっきりする一枚である。
トラックリスト
- A1 – The Sighted Light (5:05)
- A2 – Hands Calming The Water (4:34)
- A3 – Mathematical Air Display (7:27)
- The Consequences Of Indecisions
- B2 – False Start (1:53)
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Rick Wakeman – Journey To The Centre Of The Earth (1974)
Rick Wakeman『Journey To The Centre Of The Earth』について
Rick Wakemanの『Journey To The Centre Of The Earth』は、1974年に発表された作品で、プログレッシブ・ロックと現代音楽的な要素が強く出た大作として知られている。キーボード奏者としての技巧を前面に出しながら、オーケストラ、合唱、語りを含む構成で、ロック作品でありながら舞台作品のようなスケールを持つアルバムだ。
Rick Wakemanは、Yesのメンバーとしても知られる英国のキーボード・プレイヤー、作曲家、ソングライターで、ソロではコンセプト性の強い作品をいくつも残している。このアルバムは、その中でも特に大規模で、ソロ・アーティストとしての存在感を広く印象づけた一枚といえる。
作品の位置づけ
本作は、ジュール・ヴェルヌの小説『地底旅行』を題材にした作品。ロック・アルバムという形式を取りながら、物語を音で追っていく構成になっており、Wakemanのソロ活動の中でも代表的な作品として扱われることが多い。1970年代前半の英国プログレらしい、長尺で組曲的な発想がはっきり出た内容だ。
同時代の文脈で見ると、YesやGenesis、Emerson, Lake & Palmerのような、演奏技術と大きな構成を重視するグループと並べて語られることがある。特に、キーボードを軸にオーケストラまで巻き込んだ作りは、当時のプログレ作品の中でもかなり大掛かりな部類だ。
この日本盤について
今回の日本盤は、見開きジャケット、帯、2種類のインサートが付いた仕様。カバーは米国盤SP-3621の体裁を使っており、背表紙に「printed in U.S.A.」の表記がある一方、表面には日本盤カタログ番号と価格を示す青い楕円形のステッカーが貼られている。
- 米国印刷の8ページ・フルカラー冊子
- 日本語ライナーノーツ付きの6ページ冊子
- 映画版『地底旅行』の画像
- 英語・日本語のナレーション・テキスト
表記にも少し違いがあり、ジャケットでは英国式の「Centre」、レーベルでは米国式の「Center」が使われている。こうした細かな違いも、各国盤を見比べる楽しさの一つだ。
録音と制作
録音は1974年1月18日、ロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホールでのコンサートで行われた。録音にはRonnie Laneの「Lyn Mobile Studio」が使われ、ミックスは同年1月21日から29日にかけてロンドンのMorgan Studiosで行われている。ライヴ録音を土台にしながら、アルバム作品としてのまとまりを作っていった流れが見える。
クレジットにはGarry Pickford-Hopkinsの参加もあり、彼はChrysalis Recordsの厚意による参加として記されている。作品全体は、Wakemanの鍵盤群に加えて、オーケストラ的な広がりと語りの要素が重なる作りになっている。
聴きどころ
この作品の中心は、やはり長大な組曲構成と、キーボードを使った場面転換の多さにある。シンセサイザーやオルガン、ピアノ系の音色が次々に現れ、物語の進行に合わせて曲調が切り替わっていく。単に技巧を見せるだけでなく、展開の速さそのものが作品の推進力になっている印象だ。
代表的な曲として単独で広く知られるタイプのヒット曲は、この作品ではあまり前面に出ていない。ただし、アルバム全体がひとつの大きな流れとして記憶されやすく、Rick Wakemanの代表作としてまず名前が挙がる作品の一つにはなっている。
まとめ
『Journey To The Centre Of The Earth』は、1974年当時のプログレッシブ・ロックの大きなスケール感を、そのままソロ・アルバムに落とし込んだような作品だ。物語性の強い構成、オーケストラ的な広がり、そしてRick Wakemanの鍵盤演奏が一体になった内容で、彼のキャリアを語るうえで外しにくい一枚といえる。
トラックリスト
- A1 – The Journey
- A2 – Recollection
- B1 – The Battle
- B2 – The Forest