Mark Stewart – Hysteria (1990)

Mark Stewart - Hysteria

Mark Stewart『Hysteria』(1990)

Mark Stewartは、ブリストル出身のイングリッシュ・シンガー/ソングライター/アーティスト/プロデューサー。The Pop Groupの創設メンバーとして知られ、その後もさまざまなプロジェクトで活動を続けた人物です。『Hysteria』は1990年の作品で、Electronicを軸にLeftfieldやDubの要素を取り込んだ一枚として捉えやすい内容です。

作品の輪郭

この時期のMark Stewartは、バンド的なロックの枠よりも、音響やリズムの組み立てに重心を置いた表現が目立ちます。ビートは前に出すぎず、低音のうねりや空間の広がりで引っ張るタイプ。Dub由来の残響感や、輪郭を少し崩した音の重なりが印象に残る構成です。

録音の雰囲気は、乾いた質感だけでなく、音が壁のように積み上がる感じもあり、電子的な処理と手触りのあるノイズ感が同居している印象。整いすぎないリズムの揺れも、この作品の空気を形づくる要素になっています。

Mark Stewartの活動の中で

The Pop Group以降のMark Stewartは、ポストパンクの感覚を土台にしながら、ダブ、エレクトロニクス、実験的なプロダクションへと活動の幅を広げていきました。『Hysteria』は、その流れの中で電子音楽寄りの手法を前面に出した時期の作品として見えてきます。

アーティストの出自であるブリストルは、のちにダブやベースミュージック、ブロークンビートと結びついて語られることの多い土地ですが、この作品にもそうした都市的な低音感覚や、ジャンルをまたぐ構えが感じられます。1990年という時期らしい、ポストパンク以後の実験性とクラブ・ミュージック周辺の感覚が重なる位置づけです。

サウンドのポイント

  • Electronicを基調にした構成
  • Leftfieldらしい、定型に寄りきらないビート感
  • Dub由来の残響、低音、空間処理
  • 硬質さとざらつきが同居する音像

Mark Stewartの作品群の中では、電子的な質感とダブの空間感覚を強く意識しやすい一枚。90年代初頭の実験的なUKサウンドの流れの中で、彼の持つ鋭さがそのまま出ているようなタイトルです。

トラックリスト

  • A Hysteria
  • B1 My Possession
  • B2 Hysteria Dub

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2026.05.04