Spectre Folk – The Blackest Medicine (2007)

Spectre Folk『The Blackest Medicine』
Spectre Folkは、Magik MarkersのPete Nolanを中心に動いていたUSのユニットで、ノイズやサイケデリックな感触を含んだフォーク/エクスペリメンタルの流れに位置づけられるプロジェクトだ。『The Blackest Medicine』は2007年の作品で、同年にUSでリリースされている。
作品の輪郭
この作品は、フォークの枠に収まりきらない編成と音の組み立てが印象に残る一枚。アコースティックな要素を軸にしつつ、ノイズや歪みが前面に出る場面もあり、歌と音響の境目を行き来するような作りになっている。リズムはきっちり前へ進むというより、曲ごとに揺れ方を変えながら進行するタイプで、録音の空気感も含めて、まとまりすぎない手触りがある。
ジャンル表記としてはFolk, World, & Countryに置かれているが、実際の印象はExperimentalとFolkの交差点に近い。一般的なフォーク・ロックの流れというより、同時代のUSアンダーグラウンドで見られる、即興性やノイズ感を含んだ音作りを思わせる内容だ。
アーティストの位置づけ
Spectre Folkは、Pete Nolanによるソロのノイズ/ギター7インチから始まり、その後に複数のメンバーを迎えて展開していった。アーティスト紹介にある通り、Nolanは『Blackest Medicine』と『Compass, Blanket, Lantern, Mojo』の2枚分に相当する作品を先に出しており、『The Blackest Medicine』はその流れの中にある重要な一作として見える。
参加メンバーにはSteve Shelley、Aaron Mullan、Samara Lubelski、Mark Ibold、Brian Sullivan、Violet Ray Nolan、Eben Bull、Peter Meehanらの名前が並ぶ。こうした顔ぶれからも、単独のフォーク作品というより、複数の演奏者が関わるプロジェクトとしての性格がうかがえる。
音の印象
- フォークを土台にした構成
- ノイズや歪みを含む質感
- 整いすぎない録音の空気
- 曲によって揺れ幅のあるリズム感
2000年代USの実験的なフォークやノイズ寄りのサイケデリック作品を思わせる流れの中で、Spectre Folkはかなり個性的な位置にいる。『The Blackest Medicine』も、その輪郭がはっきり出ているタイトルとして受け取れそうだ。
関連情報はBandcampでも確認できる。
https://spectrefolk.bandcamp.com/
トラックリスト
- A1 The Blackest Medicine (5:14)
- A2 Like So Many Ships (4:13)
- A3 Space Station Zebra (3:07)
- A4 Brooklyn Tree Beats (8:26)
- B1 23 Sprague Street (6:35)
- B2 Highway Kind (2:43)
- B3 Radio Pika (6:58)
- B4 29 Palms (5:09)