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Various – The Dutch Explosion (Hollands Greatest Hits) (1969)

60年代末、ショッキング・ブルーの「ヴィーナス」やゴールデン・イヤリングが世界的なチャートを席巻する直前、オランダのポップ/ロック・シーン(通称「ネーデルビート:Nederbeat」)は独自の狂熱と洗練を極めていた。ザ・タートルズ(The Turtles)を擁した米国の名門インディー・レーベル「ホワイト・ホエール(White Whale Records)」が、1969年に北米マーケットへ向けてオランダの最新鋭ヒットと気鋭アクトをパッケージ化して送り出した歴史的オムニバスが本作『The Dutch Explosion (Hollands Greatest Hits)』である。

米White Whaleレーベルによるネーデルビートの越境キュレーション

英米のブリティッシュ・インヴェイジョンやガレージ・パンクを吸収しながら、ヨーロッパ大陸特有の哀愁と異国情緒を織り交ぜて独自の進化を遂げた60年代オランダのビート・ミュージック。本作は、現地のフィリップスやポリドール周辺の熱狂的な音源から、アメリカのリスナーを射抜くポテンシャルを持った楽曲を厳選したショーケース的性格を持つ。

当時のオランダ・ポップス界のフィクサーであり、のちに世界的なヒットを連発する名プロデューサー/ソングライターのハンス・ファン・ヘーメルト(Hans van Hemert)のソロ・ナンバーをはじめ、現地のリアルなスタジオ・ワークの熱気が濃密にパッケージされている。

クリエイションの名曲カヴァーから、サンドラ・リーマーの可憐なサイケ・ポップまで

A面冒頭を飾るビッグ・ホイール(Big Wheel)による「If I Stay Too Long」は、英フリークビートの雄ザ・クリエイション(The Creation)の隠れた名曲を取り上げた名演だ。重厚なオルガンとファズ・ギター、そしてソウルフルなヴォーカルが絡み合うアレンジは、原曲の持つサイケデリック・ソウル感覚を極上のグルーヴで見事に再解釈している。

さらに、インドネシアにルーツを持ち、のちにユーロビジョン等でも国民的人気を博す女性シンガー、サンドラ・リーマー(Sandra Reemer)の可憐な歌声が光る「Since You Have Gone」や「Love Is Like A Rainbow」は、ソフトロックとフリークビートの狭間に咲いた可憐な花のような輝きを放つ。ジェイ・ジェイズ(Jay-Jays)のソリッドなビート・ロックや、ザ・クーパーズ(The Coopers)の哀愁漂うフォーキー・ガレージに至るまで、当時のオランダ音楽シーンの層の厚さを雄弁に物語る。

60sガレージ/フリークビート探求者必聴のタイムカプセル

『ナゲッツ(Nuggets)』や『ペブルス(Pebbles)』といった後年のガレージ・コンピレーションの先駆とも言える、1969年当時のリアルタイムな熱気を捉えた貴重なドキュメント。英米のロックとは一味異なる、どこかメランコリックでキャッチーなメロディと荒削りなガレージ・サウンドが同居したネーデルビートの芳醇な魅力を味わう上で、コレクターにとっても見逃せないタイムカプセル的一枚である。

トラックリスト

  • A1 - Big Wheel – If I Stay Too Long (3:44)
  • A2 - Hans Van Hemert – My Little Girlie (2:26)
  • A3 - Sandra Reemer – Since You Have Gone (2:56)
  • A4 - Los Piratos – Whoopy Whistle (2:51)
  • A5 - Bobby Green Selection – What's That Sound (2:37)
  • A6 - Sandra Reemer – Love Is Like A Rainbow (2:55)
  • B1 - The Coopers – Leave This Man Alone (2:59)
  • B2 - Big Wheel – What A Day, What A Day (2:56)
  • B3 - Jay-Jays – I Know In My Mind (2:20)
  • B4 - Los Piratos – Boem (2:04)
  • B5 - Big Wheel – Little Women (2:30)
  • B6 - The Coopers – Didn't I (2:26)
2026.05.02
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