Michael Hoenig – Departure From The Northern Wasteland (1978)

Michael Hoenig / Departure From The Northern Wasteland
Michael HoenigのDeparture From The Northern Wastelandは、1978年に発表された電子音楽作品。ドイツ出身の作曲家・ミュージシャンであるHoenigによる初期のソロ作として知られ、アンビエントとベルリン・スクールの流れをつなぐ1枚として語られることが多い作品だ。
作品の輪郭
全体としては、シンセサイザーを中心にした長尺の展開が軸になっている。明確なビートで押す場面よりも、反復するフレーズや音の重なりで時間を進めていく構成。リズムは前面に出過ぎず、音の層が少しずつ変化していくタイプの作りになっている。
録音の質感は、当時の電子音楽らしい素朴さを残しつつ、空間の広がりを意識した印象。冷たさだけに寄り切らず、旋律の流れが見える場面もあり、機械的な処理と手触りのある音像が同居しているように感じられる。
Michael Hoenigという人物
Hoenigは1952年生まれのドイツ人音楽家で、ソロ活動だけでなく映画音楽でも知られている。長くロサンゼルスで活動し、現在はイビサ島に住んでいるというプロフィールもある。ソロ作品は数が多いわけではないが、後年の活動まで含めると、作曲家としての仕事の比重も大きい人物だ。
また、1970年代にはAsh Ra TempelやThe Cosmic Jokers周辺の文脈にも関わっており、ベルリン・スクールの周辺にある電子音楽の空気を共有していたことがうかがえる。そうした背景を踏まえると、この作品も単独のソロ作というより、当時のドイツ電子音楽の流れの中で位置づけて見えやすい。
同時代とのつながり
この時期の電子音楽といえば、Klaus SchulzeやTangerine Dreamのような長大なシーケンスを軸にした作風が思い浮かぶ。Hoenigの作品もその周辺にありつつ、より静かな展開や空間処理に意識が向いている場面がある。いわゆるベルリン・スクールの文脈の中で、派手さよりも構成の流れを聴かせるタイプの作品として見られているようだ。
ひとこと
1978年という時代の電子音楽らしく、シンセサイザーの音色そのものが主役になっている作品。派手な展開よりも、音が少しずつ移り変わっていく過程に耳が向く1枚だ。
トラックリスト
- A Departure From The Northern Wasteland (20:53)
- B1 Hanging Garden Transfer (10:56)
- B2 Voices Of Where (6:19)
- B3 Sun And Moon (4:16)
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Edwyn Collins – Coffee Table Song (1989)

Edwyn Collins「Coffee Table Song」について
「Coffee Table Song」は、スコットランド出身のシンガー/ソングライター、Edwyn Collinsによる1989年の作品。RockとPopのあいだを行き来する彼らしい一曲で、ジャンル表記としてはPop Rockに収まる内容です。UKで生まれた作品らしく、メロディの輪郭を大事にしながら、バンドサウンドの手触りを前に出した仕上がりになっています。
作品の位置づけ
Edwyn Collinsは、歌手、作曲家、ミュージシャンに加えて、イラストレーターやレコード・プロデューサー、テレビ俳優としても活動してきた人物。1980年代後半という時期のこの曲は、彼のソロ活動の流れのなかでも、ポップ寄りの感覚とロックの骨格がほどよく接続された時期の一作として見てよさそうです。派手さを前面に出すタイプというより、楽曲そのものの組み立てで聴かせるタイプの印象。
サウンドの印象
リズムは過度に込み入らず、テンポ感も比較的すっきりした部類。録音の質感も、1989年のUKポップロックらしい、乾いた輪郭とバンドのまとまりが感じられる方向です。ギター、ベース、ドラムが前に出る中で、歌メロが自然に乗っていく構成。
同時代のUKロック/ポップの流れで見ると、派手な装飾よりも、曲のフックと演奏の手触りを重視するタイプの作品として捉えやすいかもしれません。インディー寄りの感覚と、ラジオ向きのポップさのあいだにある距離感も、この時期のEdwyn Collinsらしさにつながっているように見えます。
Edwyn Collinsというアーティスト
- 出身: スコットランド、エディンバラ
- 生年: 1959年
- 活動: シンガー、ソングライター、ミュージシャン、イラストレーター、プロデューサーなど
- 活動拠点: UKの音楽シーン
こうした背景を踏まえると、「Coffee Table Song」も、単なるポップソングというより、作り手としての感覚がよく出た一曲として受け取れそうです。1989年のUKポップロックの空気を、そのまま閉じ込めたようなタイトル。
トラックリスト
- A1 Coffee Table Song
- B1 Judas In Blue Jeans
- B2 Out There (0:55)
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Mordecai Smyth – The Mayor Of Toytown Is Dead (2017)

Mordecai Smyth『The Mayor Of Toytown Is Dead』について
『The Mayor Of Toytown Is Dead』は、UKはバークシャーを拠点とするミュージシャン、Mordecai Smythによる2017年の作品。ジャンルとしてはロックに位置づけられ、スタイル面ではプログレッシブ・ロックの流れを持つ一枚として捉えやすい内容です。
Mordecai Smythは個人名義の活動とリリースで知られるアーティストで、この作品もその文脈にあるもの。バンド名義の作品とは切り分けて見ると、よりアーティスト個人の表現として受け取りやすい位置づけです。
サウンドの輪郭
プログレ寄りのロックらしく、楽曲の展開や構成を意識した作りが想像される作品です。リズムの組み立てや音の重ね方に、直線的なロックとは少し違う手つきが感じられるタイプの一枚として置いておくと見通しが立ちます。録音の空気感も、UKのインディー/プログレ文脈に沿った、過度に装飾しすぎない質感で受け止めやすいでしょう。
作品の位置づけ
2017年時点でのMordecai Smythの作品として見ると、個人のクレジットによるリリースのひとつ。タイトルからも印象づけられるように、曲単位の物語性や、アルバム全体の流れを意識した構成に目が向きやすい作品です。UKロックの中でも、70年代プログレの系譜を参照しつつ、現代の制作感覚でまとめたものとして捉えると整理しやすいです。
基本情報
- アーティスト: Mordecai Smyth
- タイトル: The Mayor Of Toytown Is Dead
- オリジナルリリース年: 2017
- リリース国: UK
- アーティストの国: UK
- ジャンル: Rock
- スタイル: Prog Rock
UK発の個人名義ロック作品として、プログレ的な構成感を軸に置いたアルバム。Mordecai Smythの活動を追ううえでも、2017年の時点を示す一作として見ておきたい内容です。
トラックリスト
- A1 Billywitch
- A2 River Of Sleep
- A3 Far From The Crowd
- A4 Heading Back West
- B1 Golf Girl
- B2 A Knife And A Key
- B3 Happy
- B4 Stay With The Pulse
- B5 Dissent Into Chaos
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Venus Peter – Doo Bee Free (Remix) / Fall (Remix) (1991)

Venus Peter「Doo Bee Free (Remix) / Fall (Remix)」について
「Doo Bee Free (Remix) / Fall (Remix)」は、Venus Peterによる1991年の作品。日本のインディー・ロック・バンドとして1990年から1994年まで活動し、メンバーはShuntaro Okino、Yutaka Koga、Masato Ishida、Yasushi Donaka。ジャンル表記はRock、スタイルはShoegaze、Indie Rockとなっている。
作品の輪郭
このシングルは、90年代初頭の日本インディー・シーンに位置づけられる一枚として見えてくる。シューゲイズとインディー・ロックの要素を含む作品で、音の層を重ねる作りや、輪郭を少しぼかした質感が想像しやすい。リズムは前に出すぎず、曲全体の流れを支える役割を担っているタイプの構成だろう。
タイトルに「Remix」とある通り、既存曲を別のかたちで捉え直した内容になっている。1991年という時期を考えると、当時の日本のオルタナティブ寄りのロックと近い空気を持ちながら、シューゲイズの文脈にもつながる一作として受け取れる。
サウンドの印象
録音の雰囲気は、音の輪郭をくっきりさせるというより、ギターやリズムの層を重ねて曲の流れを作る方向にある。ビートが過度に主張するというより、全体のうねりを支える設計。音像のまとまりと、少し距離のある鳴り方が、この時代のシューゲイズ系作品らしい手触りにつながっている。
Venus Peterの中での位置づけ
Venus Peterは1990年結成、1994年まで活動した日本のインディー・ロック・バンドで、2019年に再結成されている。「Doo Bee Free (Remix) / Fall (Remix)」は、その初期活動期に出た作品で、バンドの音楽性を示す断片として見やすい。インディー・ロックとシューゲイズの接点にある音作りが確認できる一枚、という位置づけになりそうだ。
同時代とのつながり
同時期の日本のギター・ロックやオルタナティブ・ロックの流れを思わせる部分があり、海外のシューゲイズ系バンドと同じ文脈で語られることもありそうな内容。とはいえ、単純に模倣というより、日本の90年代初頭らしい空気の中で鳴っている作品として捉えるのが自然だろう。
まとめ
「Doo Bee Free (Remix) / Fall (Remix)」は、Venus Peterの初期を示す1991年のレコード。シューゲイズとインディー・ロックの要素を持つ、当時の日本のオルタナティブな流れを感じさせる一枚となっている。
トラックリスト
- A Doo Be Free (Remix)
- B Fall (Remix)
Pink Floyd – Pink Floyd At Pompeii MCMLXXII (1981)

Pink Floyd At Pompeii MCMLXXII
Pink Floydの映像作品として知られるPink Floyd At Pompeii MCMLXXII。1972年のポンペイ遺跡での演奏を軸にした内容で、バンドの創造性がライブと映像の両方で記録された作品として位置づけられる。2025年盤として出る本作は、Pink Floydの初期から中期へ向かう時期の姿を、まとまった形でたどれる一枚になっている。
作品の輪郭
Pink Floydはロンドン出身のロック・バンドで、サイケデリック・ロックからプログレッシブ・ロックへとつながる流れの中で大きな存在感を持つグループ。哲学的な歌詞、音響の使い方、構成の長さ、そしてライブ演出まで含めて評価されてきた。そうした特徴は、このポンペイ録音にもよく表れている。
この作品では、きっちり整えたスタジオ録音とは少し違う、空間の響きや演奏の間合いが前に出る。リズム隊の粘り、ギターのフレーズの置き方、キーボードの残響が重なって、演奏そのものの流れを追いやすい。録音の雰囲気も、会場の空気感をそのまま残したような手触りがある。
サウンドの特徴
- リズムは一定の推進力を保ちながら、細かな展開に合わせて揺れる感じ
- ギターは音数を詰め込みすぎず、フレーズの余白が目立つ
- キーボードは厚みを足しつつ、場面ごとの輪郭を作る役割
- 録音はライブらしい空間の広がりがあり、音の分離も比較的追いやすい
Pink Floydの中での位置づけ
Pink Floydにとっては、実験性と構成力が同時に見える時期の記録として捉えやすい。初期のサイケデリックな感触を残しつつ、後のプログレッシブ・ロック的な組み立てへ寄っていく途中段階の空気がある。Dark Side of the Moon以前のバンドの姿を知るうえでも、重要な資料性を持つ作品といえる。
メンバーにはDavid Gilmour、Roger Waters、Richard Wright、Nick Masonが並び、そこにPink Floydらしい音の設計が見える。Syd Barrett期とは異なる編成のバンドが、長尺の演奏や音の展開をどう扱っていたかが伝わる内容でもある。
同時代の文脈
1970年代前半の英国ロックには、長い曲構成やコンセプト性を重視する流れが広がっていた。Pink Floydもその中心にいたバンドの一つで、同時代のYesやGenesisのようなプログレッシブ・ロック勢と並べて語られることが多い。一方で、Pink Floydは演奏技巧の誇示よりも、音の配置や空気感の作り方に重心がある印象。
ポンペイという場所設定も含めて、単なるライブ記録というより、バンドの音楽性を映像と音で切り取った作品として残っている。演奏、空間、記録性、その3つが並ぶタイトルになっている。
トラックリスト
- A1 Pompeii Intro (3:30)
- A2 Echoes – Part 1 (11:55)
- A3 Careful With That Axe, Eugene (6:37)
- B1 A Saucerful Of Secrets (10:10)
- B2 Set The Controls For The Heart Of The Sun (10:29)
- C1 One Of These Days (5:55)
- C2 Mademoiselle Nobs (1:49)
- C3 Echoes – Part 2 (13:23)
- D1 Careful With That Axe, Eugene (Alternate Take) (6:01)
- D2 A Saucerful Of Secrets (Unedited) (12:45)
関連動画
- Pink Floyd at Pompeii – MCMLXXII – Echoes – Part 1 – Edit
- Pink Floyd at Pompeii – MCMLXXII – One of These Days (Official Music Video)
- Echoes – Part 1 (Live at Pompeii – MCMLXXII – 2025 Mix)
- Careful with That Axe, Eugene (Live at Pompeii – MCMLXXII – 2025 Mix)
- A Saucerful of Secrets (Live at Pompeii – MCMLXXII – 2025 Mix)
Tangerine Dream – Sorcerer (Music From The Original Motion Picture Soundtrack) (1977)

Tangerine Dream『Sorcerer (Music From The Original Motion Picture Soundtrack)』
Tangerine Dreamの『Sorcerer (Music From The Original Motion Picture Soundtrack)』は、1977年の映画音楽作品。電子音楽、ステージ/スクリーンの文脈に置かれる1枚で、スタイルとしてはサウンドトラック、アンビエント、ベルリン・スクールに連なる内容となっている。
作品の輪郭
Tangerine Dreamは、エドガー・フローゼを中心にベルリンで結成されたドイツのグループ。クラウトロックの初期から出発し、のちにシンセサイザーとシーケンサーを軸にした電子音楽の代表格として知られるようになった。1970年代半ばには、スペイシーで脈打つような演奏で強い支持を集めていた時期でもある。
この『Sorcerer』は、そうした時期の流れの中で出てきた映画音楽。バンドの電子的な手法が、映像作品向けの機能と結びついたタイトルとして位置づけられる。1977年のオリジナル作品として聴かれる1枚で、シンセの持続音や反復、リズムの積み重ねが軸になっている。
サウンドの特徴
音の作りは、リズムを細かく刻むというより、一定のパルスを保ちながら場面を支えるタイプ。シーケンスの反復、空間を広く取った音像、電子音の層が前面に出る。アンビエント寄りの持続感と、ベルリン・スクールらしい機械的な推進力が同居している印象。
映画音楽らしく、曲単体の展開よりも、場面の流れに沿って機能する設計が目立つ。録音の雰囲気も、当時のTangerine Dreamらしい冷たさと乾いた質感を含みつつ、音が前へ押し出される感触がある。
Tangerine Dreamの中での位置づけ
1970年代後半のTangerine Dreamは、電子音楽の代表的存在として評価を広げていた時期。『Phaedra』以降の流れを受けつつ、映画音楽へと活動の幅を広げていった段階にあたる。のちの80年代には、より本格的にサウンドトラック仕事へ重心が移っていくため、この作品もその前段階として見ることができる。
バンドの中心人物であるエドガー・フローゼ、クリストファー・フランケ、ピーター・バウマンらの系譜を思わせる時代でもあり、シンセ主体の作風がもっとも分かりやすく形になっていた時期の記録でもある。
同時代とのつながり
同じベルリン・スクールの文脈では、クラウス・シュルツェやアシュ・ラ・テンペルの流れとも近い。ロックのバンド編成から出発しながら、反復と電子音で空間を作るという点で、当時のプログレッシブ・ロックや電子音楽の接点にも置ける内容。映画音楽としては、単なる伴奏ではなく、音そのものが場面の空気を形づくるタイプの仕事になっている。
ひとこと
1977年のTangerine Dreamが、映画音楽という枠の中でシンセサイザー中心の手法をそのまま展開した作品。ベルリン・スクールの流れ、アンビエント的な持続、サウンドトラックとしての機能が重なった1枚。
トラックリスト
- A1 Main Title (5:28)
- A2 Search (2:54)
- A3 The Call (1:57)
- A4 Creation (5:00)
- A5 Vengeance (5:32)
- A6 The Journey (2:00)
- B1 Grind (3:01)
- B2 Rain Forest (2:30)
- B3 Abyss (7:04)
- B4 The Mountain Road (1:53)
- B5 Impressions Of Sorcerer (2:55)
- B6 Betrayal (Sorcerer Theme) (3:38)
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Tangerine Dream – Exit (1981)

Tangerine Dream『Exit』について
Tangerine Dreamの『Exit』は、1981年にリリースされた作品。電子音楽とロックのあいだを行き来する、このグループの特徴がまとまった一枚として捉えやすい内容です。Berlin Schoolの流れを背景にしながら、シーケンスを軸にした推進力と、ロック寄りの手触りが同居している作品です。
バンドは1967年にベルリンで結成され、Edgar Froeseを中心に、Christopher Franke、Peter Baumannらを経て、シンセサイザーとシーケンサーを使った独自のスタイルを確立していきます。『Exit』の時期は、70年代の宇宙的な長尺展開から、より輪郭のはっきりしたリズムや構成へと重心が移っていく流れの中にある一枚です。
サウンドの印象
この時期のTangerine Dreamらしく、反復するシーケンス、電子音の層、淡く広がる空間の処理が中心にあります。いっぽうで、ただ漂うだけではなく、拍の立った進行やロック的な推進力も見えやすい作りです。音像は乾きすぎず、かといって過度に装飾的でもない、80年代初頭らしい整理された質感という印象です。
Ambient、Berlin-School、Prog Rockというタグが示す通り、雰囲気だけでなく構造のある電子音楽として聴こえる場面が多い作品です。Kraftwerkのようなミニマルな機械感とはまた違い、より流れの変化や旋律の動きを重視したタイプの電子ロックと言えそうです。
作品の位置づけ
『Exit』は、Tangerine Dreamの活動史の中でも、70年代後半から80年代初頭への移行を感じさせる時期の作品です。初期の実験性と、後年のサウンドトラック的な整理された響きのあいだに位置するような内容で、バンドの変化を追ううえでも見ておきたいタイトルです。
この頃のTangerine Dreamは、ラインアップや作風の変化を重ねながら、よりメロディやリズムの明確さへ寄っていきます。その流れの中で『Exit』も、電子音楽のレイヤーを保ちながら、ロックの文脈に接続しやすい形へと整えられた作品として聴こえます。
時代背景と関連
同時代のドイツ周辺の電子音楽やプログレッシブ・ロックと比べると、Tangerine Dreamはシンセサイザーとシーケンサーの使い方で特に存在感を持っていたグループです。クラウトロックの実験精神を引き継ぎつつ、より広いロックの聴衆に電子音楽を広げたバンドのひとつとして語られることが多いです。
『Exit』は、その流れの中で、バンドの特徴が比較的わかりやすく出た1981年作として位置づけられる一枚です。電子音の反復、ロック寄りの推進力、整った録音の手触り。そのあたりが、この作品の輪郭になっている印象です。
- アーティスト: Tangerine Dream
- タイトル: Exit
- オリジナルリリース年: 1981年
- ジャンル: Electronic, Rock
- スタイル: Ambient, Berlin-School, Prog Rock
トラックリスト
- A1 Kiew Mission (9:18)
- A2 Pilots Of Purple Twilight (4:19)
- A3 Choronzon (4:07)
- B1 Exit (5:33)
- B2 Network 23 (4:55)
- B3 Remote Viewing (8:20)
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The Undertones – The Sin Of Pride (1983)

The Undertones「The Sin Of Pride」
1983年にリリースされた、The Undertonesのアルバム。アイルランド、デリーで1975年に結成されたこのバンドにとって、初期のパンク的な勢いから少し距離を取りつつ、ポップ・ロック寄りの感触を前に出した時期の作品として位置づけられる。Feargal Sharkeyのヴォーカル、John O’NeillとDamian O’Neillのツイン・ギター、Michael Bradleyのベース、Billy Dohertyのドラムという編成による、明快なバンド・サウンド。
バンドの流れの中での位置
The Undertonesは、1978年のデビューEP「Teenage Kicks」で注目を集め、John Peelのラジオ番組でも取り上げられたことで知られる。その後、1979年のデビューLP、1980年の「Hypnotised」、1981年の「Positive Touch」とアルバムを重ね、本作「The Sin Of Pride」は活動終盤にあたる1983年の作品になる。夏のフェスティバル出演を経て同年に解散しており、オリジナル・ラインナップ期の最後のアルバムという意味合いも持つ。
サウンドの印象
ロックを土台にした、歯切れのよいリズムとギター中心の構成が軸になる作品。パンク由来の直進感を残しつつ、演奏のまとまりやメロディの運びにはポップ・ロックらしい整理された感触がある。録音も、過度に厚くせず、バンドの輪郭が見えやすいタイプの仕上がりとして受け取られることが多い。
同時代とのつながり
The Undertonesは、同じく英国圏のパンク/ニューウェイヴ周辺のバンドと並べて語られることがあるが、ここでは攻撃性よりも曲の短さやフックの明快さが印象に残る。The Clashのアメリカ・ツアーでサポートを務めた経歴もあり、当時のロック・シーンの流れの中にしっかり置けるバンドでもある。
作品をめぐるエピソード
本作の発表後、The Undertonesは1983年の夏に解散した。Feargal Sharkeyはその後ソロ活動へ進み、O’Neill兄弟はThat Petrol Emotionを結成している。さらに2003年には新しいヴォーカルのPaul McLooneを迎えてアルバムを発表しており、バンドの歴史の中では「The Sin Of Pride」が初期活動の締めくくりに置かれる形になる。
基本情報
- アーティスト: The Undertones
- タイトル: The Sin Of Pride
- オリジナル・リリース年: 1983
- リリース国: Ireland
- ジャンル: Rock
- スタイル: Pop Rock
トラックリスト
- A1 Got To Have You Back
- A2 Valentine's Treatment
- A3 Luxury
- A4 Love Before Romance
- A5 Untouchable
- A6 Bye Bye Baby Blue
- B1 Concious
- B2 Chain Of Love
- B3 Soul Seven
- B4 The Love Parade
- B5 Save Me
- B6 The Sin Of Pride
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Various – From The New World (American Folk-Rock, Vol.One; 1965-69) (1990)

Various『From The New World (American Folk-Rock, Vol.One; 1965-69)』について
『From The New World (American Folk-Rock, Vol.One; 1965-69)』は、Various名義でまとめられたコンピレーション盤で、アメリカのフォークロックを1965年から1969年までの範囲で切り取った内容になっている。リリースは1990年、UK盤として登場した作品である。
作品の輪郭
タイトルが示す通り、60年代後半のフォークロックとガレージロックの接点をたどる編集盤という位置づけ。アコースティックな要素を土台にしながら、ロックの拍感やバンド演奏の押し出しが前に出るタイプの楽曲が並ぶ構成が想像しやすい。単独アーティストのアルバムではなく、当時の空気を横断して見せるタイプの一枚である。
サウンドの印象
この時代のフォークロックらしく、リズムは比較的まっすぐで、演奏の輪郭もはっきりしたものが中心になりやすい。録音は現代的な分離感よりも、バンド全体のまとまりをそのまま残した質感が目立つタイプ。ガレージロック寄りの曲では、少し粗さのあるギターや、勢いを優先したようなドラムが前面に出る場面もありそうだ。
ジャンルの文脈
フォークロックは、フォークの語り口やメロディ感と、ロックの編成や推進力が結びついた流れとして語られることが多い。1960年代後半のアメリカでは、同時代のロックの広がりとともに、よりバンド色の強い形へも展開していった。そうした流れをまとめて確認する編集盤として、この作品は当時のジャンルの幅を見渡す役割を持っている。
位置づけ
Various名義のコンピレーションという形なので、特定のアーティスト像を追う作品というより、シーンや時代の断面を拾うための一枚として捉えやすい。1965年から1969年という区切りも含めて、フォークロックがロックの中でどのように広がっていったかをたどる資料的な性格がある。
まとめ
『From The New World (American Folk-Rock, Vol.One; 1965-69)』は、60年代アメリカのフォークロックとガレージロックの距離感を、編集盤という形で見せるUKリリースの作品である。時代の録音感やバンド演奏の手触りを、そのまま並べて感じるタイプの一枚。
トラックリスト
- A1 You Pretty Fool
- A2 Take A Giant Step
- A3 Ring Around The Rosie
- A4 All Night Long
- A5 I’m Not The Same
- A6 They Just Don’t Care
- A7 Forever Eyes
- A8 Baby You Come Rollin’ Across My Mind
- A9 Things Go Better With Coke
- B1 When Johnny Comes Marching Home
- B2 I Feel Teardrops
- B3 Hold On
- B4 I Ask You Why
- B5 In His Shadow
- B6 How She’s Hurtin’ Me
- B7 All I Really Wanna Do
- B8 How Many Times
- B9 A Girl You Can Depend On
Plat Du Jour – Plat Du Jour (1977)

Plat Du Jour『Plat Du Jour』について
Plat Du Jourは、フランス・ルーアン出身のグループで、1974年に結成され、1977年に活動を終えた。ジャズ、ロックを土台に、サイケデリック・ロック、アヴァンギャルド、実験音楽、プログレッシブ・ロックの要素を組み合わせたバンドとして知られている。
この『Plat Du Jour』は1977年の作品で、2016年にイタリアで盤としてリリースされたもの。6人編成で、François Ovide、Alain Potier、Jacques Staub、Olivier Pedron、Vincent Denis、Rodolphe Moulinが参加している。
サウンドの印象
音の中心には、ジャズ寄りの動きとロックの推進力があり、その上にサイケデリックな感触や変則的なフレーズが重なるタイプの作品といえる。リズムは一定の整い方だけに寄らず、場面ごとに組み替わるような進み方が見えやすい。録音の雰囲気も、時代相応の生々しさを残した質感で、演奏の細部が前に出る印象。
ギター、鍵盤、リズム隊の絡み方に、当時のフランスの実験的なロックやプログレの流れが感じられる構成。演奏の展開を追う楽しさがあり、即興性と作曲性のあいだを行き来するような作りになっている。
この作品の位置づけ
Plat Du Jourの活動時期は1974年から1977年までで、この作品はその終盤にあたる時期の記録。グループとしてのスタイルが、サイケデリック、プログレ、ジャズの要素をどう混ぜていたかを見せる内容として捉えやすい。
同時代の文脈では、フランスの実験ロックやジャズ・ロックの周辺に置いて見るとわかりやすい。演奏の組み立て方や曲の進め方には、欧州のプログレやアヴァンギャルド寄りの作品群と通じる部分がある。
まとめ
『Plat Du Jour』は、フランスの地方都市ルーアンから出てきたバンドが、1970年代半ばのロックとジャズの交差点で鳴らしていた音をまとめた作品。派手な装飾よりも、演奏の組み合わせや流れそのものに耳が向く一枚。
トラックリスト
- A1 5 & 11 (6:35)
- A2 Autoroute (4:45)
- A3 Zilbra (4:50)
- B1 Totem (8:05)
- B2 L’Homme (4:45)
- B3 Rock’n’ Speed (5:50)
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Dave Dee, Dozy, Beaky, Mick & Tich – If Music Be The Food Of Love … Prepare For Indigestion (1966)

Dave Dee, Dozy, Beaky, Mick & Tich / If Music Be The Food Of Love … Prepare For Indigestion
1960年代のUKポップを代表するバンド、Dave Dee, Dozy, Beaky, Mick & Tichによる1966年の作品。ロックとポップを軸にした、ビート感のある演奏と親しみやすいメロディが持ち味のグループで、このタイトルもその流れの中にある1枚として捉えやすい内容だ。
作品の輪郭
バンド名からも分かる通り、個々のメンバー名を並べたユニークな表記が印象的で、当時の英国ポップ・バンドらしい軽快さと分かりやすさが前面に出ている。Dave Deeのヴォーカルを中心に、ギター、ベース、ドラムがはっきりと役割を分けた編成で、ビート・バンド的なまとまりがある。
1966年という時期は、UKのポップ/ロックがビート・グループからより多彩な方向へ広がっていく途中でもある。この作品も、その時代の空気を背負いながら、ポップ・ロックとしての聴きやすさを保っている印象だ。
サウンドの特徴
演奏はリズムの輪郭が見えやすく、ギターの刻みやドラムの推進力が前に出るタイプ。録音の質感も、60年代中盤のUK作品らしい整理された鳴り方で、各パートが近い距離感でまとまっているように感じられる。Beatの要素とPop Rockの明快さが同居するサウンド。
派手に作り込むというより、曲のフックとバンドの勢いで押していくタイプの作品として見えてくる。メロディの分かりやすさと、当時の英国ポップ特有のきっちりした演奏感が特徴だ。
バンドの中での位置づけ
Dave Dee, Dozy, Beaky, Mick & Tichは、1960年代のUKで一定の成功を収めたバンドとして知られている。この作品は、そうした活動期の中にある1966年のタイトルで、グループのポップ・バンドとしての輪郭を確認しやすい一枚といえる。
メンバー編成としては、Trevor Davies、John Dymond、Dave Harman、Mick Wilson、Ian Amey、Peter Lucasがクレジットされている。バンドとしての役割分担が見えやすく、当時の英国グループの定番的な編成感もある。
同時代の文脈
同時代のUKシーンでは、The BeatlesやThe Hollies、The Searchersのようなビート/ポップ系のバンドが広く聴かれていた時期でもある。この作品も、その流れに近い場所で、ポップなメロディとロックの推進力を両立させる方向にある。
タイトルのユーモラスな言い回しも含めて、60年代英国ポップの軽やかな感覚が表れた作品として見えてくる。
トラックリスト
- A1 Bang
- A2 I’m On The Up
- A3 Hideaway
- A4 Shame
- A5 Hands Off
- A6 Loos Of England
- B1 Help Me
- B2 Master Llewellyn
- B3 You Make It Move
- B4 All I Want
- B5 Hair On My Chinny Chin Chin (Huff ‘n Puff)
- B6 Bend It
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B-Movie – A Letter From Afar (1984)

B-Movie「A Letter From Afar」について
「A Letter From Afar」は、UKのニューウェイブ・グループ、B-Movieによる1984年の作品。エレクトロニックとシンセポップを軸にした、80年代前半のUKらしい空気をまとった一枚だ。B-Movieは1978年、マンスフィールドで結成されたバンドで、地元のパンク・バンドThe Abortedの流れから生まれた存在として知られている。
サウンドの印象
この作品では、シンセサイザー中心の編成が前面に出た、直線的なリズムと整った音の積み重ねが特徴的に聴こえる。打ち込み的な感触とバンド演奏の輪郭が重なり、当時のシンセポップらしい整理された質感がある。派手に音数を増やすというより、フレーズの反復や空間の取り方で曲を進めていくタイプの作り。
録音の雰囲気も、80年代中盤のUKポップ/ニューウェイブ作品に通じる、やや乾いた手触りを持つものとして受け取れる。メロディとリズムのバランスを保ちながら、電子音の存在感をしっかり置いた仕上がり。
B-Movieというバンドの位置づけ
B-Movieは、初期UKニューウェイブの文脈に置かれることの多いグループで、パンク以後の流れからシンセポップへ接続していく世代のひとつ。Paul Statham、Steve Hovington、Rick Hollidayらを中心に、メンバーを変えながら活動を続けてきた。1984年のこの作品は、そうしたバンドの80年代前半の到達点として見ることができそうだ。
同時代のUKシンセポップやニューウェイブ、たとえばHuman LeagueやUltravox、Japan周辺の流れと比べて語られることもあるタイプの音像で、電子楽器を使いながらもバンドの輪郭を残している点が印象に残る。
作品の背景
タイトルの「A Letter From Afar」は、その名の通り遠くから届く手紙を思わせる言葉。作品全体にも、距離感や空気の間を感じさせるような、少し引いた視点のまとまりがあるように聴こえる。B-Movieの1984年時点の姿を知るうえで、ひとつの重要な記録といえそうだ。
メンバー
- Paul Statham
- Michael Peden
- Steve Hovington
- Rick Holliday
- Graham Boffey
- Lou Codemo
- Martin Winter
- Al Cash
- Marina Vesic
- Andy Johnson
- Keith Phillips
関連情報
- アーティスト国: UK
- リリース国: UK
- ジャンル: Electronic
- スタイル: Synth-pop
トラックリスト
- A A Letter From Afar (Big Mix) (8:08)
- B1 A Letter From Afar (Instrumental Mix) (7:47)
- B2 A Letter From Afar (Small Mix) (3:49)
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Material – For A Few Dollars More (1983)

Material『For A Few Dollars More』
Materialは、Bill LaswellとMichael Beinhornを中心に、1970年代末ごろから活動を始めたアメリカの実験的なバンドだ。パンク、ジャズ、ファンク、ノイズ、エレクトロを横断しながら、同時にプロデュース・ユニットとしても機能していたグループで、この『For A Few Dollars More』は1983年の作品になる。
ジャンル表記はElectronic、スタイルはElectro。Materialの中でも、打ち込みのリズムと低音の処理が前に出やすい時期の流れにある一枚として見える。硬めのビート、反復するフレーズ、音数を絞った構成など、当時のエレクトロ周辺の感触が感じられる内容。
サウンドの印象
録音の雰囲気は、音の輪郭がはっきりしたタイプ。リズムが先に立ち、その上にベースやシンセ、断片的な演奏が重なる構成が想像しやすい。Materialらしく、演奏のうまさを前面に出すというより、音の配置そのものを組み替えていくような作りが特徴になりやすい。
メンバーには、Bill Laswell、Michael Beinhornのほか、Bootsy Collins、Bernie Worrell、Nile Rodgers、Fred Frith、Sonny Sharrock、Ginger Baker、Robbie Shakespeareなど、多方面のミュージシャンが名を連ねている。ファンク、ロック、ジャズ、ダブ、レゲエなどの周辺から人が集まっている点も、Materialの作品を追うときの大きな見どころだ。
Materialの中での位置づけ
1983年時点のMaterialは、バンドとしての顔と、制作ユニットとしての顔が重なっている時期にあたる。アーティスト名義でありながら、実験的なアレンジやプロデュースの発想がそのまま作品に出やすいのがこのグループの面白さだ。のちに90年代へ進むと、よりワールド、インド、アフロ、アンビエント、ダブ寄りの方向へ広がっていくが、この時期はエレクトロやファンクの要素が比較的はっきり見える段階といえる。
同時代とのつながり
1980年代前半のニューヨーク周辺では、ヒップホップ、エレクトロ、ファンク、アートロックが近い距離で交差していた。Materialもその流れの中に置ける存在で、Afrika BambaataaやHerbie Hancock、Nona Hendryxなど、周辺のアーティストとの関係からも、当時のクロスオーバーな空気が伝わってくる。
『For A Few Dollars More』は、そうした時代の電子音楽とバンド・サウンドの接点を、Materialらしい方法で切り取った作品として捉えられる一枚だ。
トラックリスト
- A For A Few Dollars More (Special Long Version) (7:27)
- B For A Few Dollars More (3:50)
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Takayuki Inoue – 太陽を盗んだ男 (オリジナル・サウンドトラック) (1979)

井上堯之『太陽を盗んだ男(オリジナル・サウンドトラック)』について
井上堯之による『太陽を盗んだ男(オリジナル・サウンドトラック)』は、1979年に日本でリリースされた映画音楽作品。日本のロック・ギタリスト、作曲家、編曲家として知られる井上堯之が手がけたサウンドトラックで、ジャズ、ファンク/ソウル、クラシカルの要素を含む内容になっている。
作品の位置づけ
井上堯之は、The SpidersやPygでの活動でも知られ、のちには沢田研二のバックバンドでも長く活動した人物。この作品は、そうしたロックやポップスの現場で培われた感覚が、映画音楽の枠に置き換えられた一枚として見ることができる。ギターを軸にした作家性と、編曲家としての手つきが前面に出るタイプの仕事。
サウンドの印象
ジャンル表記どおり、ジャズやファンク/ソウルのリズム感が土台にあり、そこへストリングスや劇伴らしいクラシカルな処理が重なる構成。ビートは前に出すぎず、場面に合わせて細かく動く印象で、録音全体も映画音楽らしい整理された質感がある。派手さよりも、映像に沿って展開する緊張感や、フレーズの置き方が目立つ作品。
同時代の文脈
1970年代後半の日本では、ロック、ジャズ、ソウルの要素を取り入れた映画音楽が少なくない時期。この作品もその流れの中にあり、歌ものの作家とは少し違う角度から、都市的な空気やサスペンス性を支える役割を担っている。井上堯之のキャリア全体で見ても、バンド活動で培った演奏感覚が、劇伴という形式に結びついた一作といえる。
ひとことで
1979年の日本映画音楽らしい、ロック由来のギター感覚とジャズ/ファンクのリズムが交差するサウンドトラック。井上堯之の演奏家・作編曲家としての輪郭が、そのまま作品の空気になっている一枚。
トラックリスト
- A1 Introduction (1:18)
- A2 Makoto (3:52)
- A3 原爆 Part 1 (0:54)
- A4 原爆 Part 2 (0:58)
- A5 Yamashita (1:16)
- A6 プルトニウム・ラヴ (3:04)
- A7 Zero (1:40)
- A8 太陽を盗んだ男 (4:55)
- A9 笑う原爆 (2:42)
- B1 A. Bomb (3:35)
- B2 Sunrise (1:27)
- B3 ゼロと誠 (1:11)
- B4 Pu 239 (3:25)
- B5 動揺 (2:17)
- B6 カーチェイス (4:22)
- B7 No. 9 (1:20)
- B8 太陽を盗んだ男 (3:12)
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Spectre Folk – The Blackest Medicine (2007)

Spectre Folk『The Blackest Medicine』
Spectre Folkは、Magik MarkersのPete Nolanを中心に動いていたUSのユニットで、ノイズやサイケデリックな感触を含んだフォーク/エクスペリメンタルの流れに位置づけられるプロジェクトだ。『The Blackest Medicine』は2007年の作品で、同年にUSでリリースされている。
作品の輪郭
この作品は、フォークの枠に収まりきらない編成と音の組み立てが印象に残る一枚。アコースティックな要素を軸にしつつ、ノイズや歪みが前面に出る場面もあり、歌と音響の境目を行き来するような作りになっている。リズムはきっちり前へ進むというより、曲ごとに揺れ方を変えながら進行するタイプで、録音の空気感も含めて、まとまりすぎない手触りがある。
ジャンル表記としてはFolk, World, & Countryに置かれているが、実際の印象はExperimentalとFolkの交差点に近い。一般的なフォーク・ロックの流れというより、同時代のUSアンダーグラウンドで見られる、即興性やノイズ感を含んだ音作りを思わせる内容だ。
アーティストの位置づけ
Spectre Folkは、Pete Nolanによるソロのノイズ/ギター7インチから始まり、その後に複数のメンバーを迎えて展開していった。アーティスト紹介にある通り、Nolanは『Blackest Medicine』と『Compass, Blanket, Lantern, Mojo』の2枚分に相当する作品を先に出しており、『The Blackest Medicine』はその流れの中にある重要な一作として見える。
参加メンバーにはSteve Shelley、Aaron Mullan、Samara Lubelski、Mark Ibold、Brian Sullivan、Violet Ray Nolan、Eben Bull、Peter Meehanらの名前が並ぶ。こうした顔ぶれからも、単独のフォーク作品というより、複数の演奏者が関わるプロジェクトとしての性格がうかがえる。
音の印象
- フォークを土台にした構成
- ノイズや歪みを含む質感
- 整いすぎない録音の空気
- 曲によって揺れ幅のあるリズム感
2000年代USの実験的なフォークやノイズ寄りのサイケデリック作品を思わせる流れの中で、Spectre Folkはかなり個性的な位置にいる。『The Blackest Medicine』も、その輪郭がはっきり出ているタイトルとして受け取れそうだ。
関連情報はBandcampでも確認できる。
https://spectrefolk.bandcamp.com/
トラックリスト
- A1 The Blackest Medicine (5:14)
- A2 Like So Many Ships (4:13)
- A3 Space Station Zebra (3:07)
- A4 Brooklyn Tree Beats (8:26)
- B1 23 Sprague Street (6:35)
- B2 Highway Kind (2:43)
- B3 Radio Pika (6:58)
- B4 29 Palms (5:09)
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Wilde Flowers – The Wilde Flowers (1994)

The Wilde Flowers / Wilde Flowers
Wilde Flowersは、カンタベリー・シーンの源流として語られる英国カンタベリー出身のロック・バンドである。ここで紹介する「The Wilde Flowers」は1994年にオリジナル作品として登場したアルバムで、盤としては2009年にヨーロッパでリリースされたものになる。
バンドの位置づけ
このグループは1964年に結成され、ケヴィン・エアーズ、ブライアン・ホッパー、リチャード・シンクレア、ヒュー・ホッパー、ロバート・ワイアットといった面々が在籍した。活動期間は長くないが、のちにSoft MachineやCaravanへつながるメンバーを多く含んでおり、カンタベリー・シーンの出発点として重要な存在とされている。
サウンドの印象
ジャンルはRock、Pop、スタイルとしてはBlues Rock、Pop Rock、Beat、Garage Rockにまたがる。録音の質感は、後のカンタベリー作品に見られるような洗練よりも、ビート感のあるバンド演奏や、ブルース寄りの素朴な推進力が前に出る方向にある。リズムは直線的で、ギター中心の編成感がはっきりした印象。
同時代の英ロックと並べると、BeatやGarage Rockの要素が見えやすく、のちのSoft MachineやCaravanのような流れを知る上でも、出発点としての輪郭がつかみやすい作品といえる。
メンバー
- Robert Wyatt
- Kevin Ayers
- Hugh Hopper
- Richard Sinclair
- David Sinclair
- Pye Hastings
- Brian Hopper
- Richard Coughlan
- Graham Flight
ひとこと
Wilde Flowersは、単独の代表作というより、後続のバンド群へつながる前史として見られることが多い。カンタベリー・ロックのルーツをたどるうえで、名前の重みがそのまま作品の意味につながっている、そんな一枚である。
トラックリスト
- A1 Impotence (2:09)
- A2 Those Words They Say (2:39)
- A3 Don’t Try To Change Me (2:26)
- A4 Parchman Farm (2:17)
- A5 Almost Grown (2:49)
- A6 She’s Gone (2:13)
- A7 Slow Walkin’ Talk (2:26)
- A8 He’s Bad For You (2:48)
- A9 It’s What I Feel (A Certain Kind) (2:18)
- A10 Never Leave Me (2:35)
- A11 Just Where I Want (2:09)
- B1 Time After Time (2:44)
- B2 No Game When You Lose (2:53)
- B3 Why Do You Care (3:13)
- B4 The Pieman Cometh (3:15)
- B5 Summer Spirit (3:27)
- B6 She Loves To Hurt (3:12)
- B7 The Big Show (4:11)
- B8 Memories (3:03)
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Sangiuliano – Take Off (1978)

Sangiuliano「Take Off」について
Sangiulianoの「Take Off」は、1978年に発表された作品で、電子音楽とロックの要素をまたいだプログレッシブ・ロック作品として位置づけられる一枚だ。アーティストはトスカーナ出身のAntonio Sangiulianoで、この作品は彼のディスコグラフィーの中でも重要な存在になっている。イタリアン・プログレの流れの中にありながら、少し異なる質感を持つ内容として語られることが多いようだ。
サウンドの印象
音の中心には、シンセサイザーを軸にした電子的なレイヤーがあり、そこにロック寄りの推進力が重なる構成だ。リズムは前に進む感触を持ちつつ、メロディや展開は直線的になりすぎず、細かく場面が切り替わる印象がある。録音全体も、楽器の輪郭を追いやすいタイプで、電子音の質感とバンド的な動きが並んで聞こえる作りだ。
作品の位置づけ
Sangiulianoは1978年にRCAから唯一のアルバムを残したとされており、「Take Off」はその代表的なタイトルとして見られることが多い。イタリアのプログレッシブ・ロックの文脈に置くと、当時の流れを踏まえながらも、電子音楽寄りのアプローチが目立つ作品だ。Tangerine Dreamの作品を思わせる空気感がある、という紹介もされている。
関連する背景
Sangiulianoは後年、映画「The line」(1980-81年)の音楽も手がけている。作曲家としての活動が見える点も、この作品をたどるうえでひとつの手がかりになる。さらに、のちに「Out of breath」という別作品も録音しており、彼の音楽活動の広がりを感じさせる。
1987年盤について
今回の盤は日本で1987年にリリースされたものだ。オリジナルの発表年とは時期が異なるため、作品そのものは1978年のものとして捉えるのが自然だろう。日本盤として流通したことで、当時のイタリアン・プログレや電子音楽に関心を持つリスナーの手元に届いた一枚、という見方もできる。
ひとことで言うと
電子音の層、ロックの推進力、そしてイタリアのプログレ文脈。そのあいだを行き来する、Sangiulianoの個性が見えるアルバムだ。
トラックリスト
- A1 Time Control (16:19)
- B1 Saffo’s Gardens (7:27)
- B2 Take Off (8:40)
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Gene Loves Jezebel – Discover / Glad To Be Alive (1986)

Gene Loves Jezebel / Discover / Glad To Be Alive
Gene Loves Jezebelは、1980年にウェールズのPorthcawlで結成されたUKのロック・バンド。
本作「Discover / Glad To Be Alive」は1986年の作品で、ジャンルとしてはゴス・ロックに位置づけられる1枚だ。
バンドの初期らしい、80年代UKロックの空気をまとった作品。
リズムは前に出すぎず、演奏の輪郭を保ちながら進むタイプで、ギターの質感やボーカルの響きが曲の印象を形づくっている。
録音も、当時のゴス・ロックに多い少し距離のある鳴りを感じさせる場面がある。
作品の位置づけ
Gene Loves Jezebelは、Aston兄弟を中心に知られるグループで、のちにUKとUSで別々の活動形態が存在することでも知られる。
1986年という時期は、バンドがゴス・ロックの文脈の中で存在感を示していた時期のひとつとして見てよさそうだ。
同時代のUKシーンを思わせる、硬質さとメロディのバランスが印象に残る。
クレジットについて
- アーティスト: Gene Loves Jezebel
- タイトル: Discover / Glad To Be Alive
- リリース年: 1986年
- 国: UK
- ジャンル: Rock
- スタイル: Goth Rock
メンバー表には、Jay Aston、Michael Aston、James Stevenson、Jean-Marc Lederman などの名前が並ぶ。
複数の時期の編成が関わるクレジットで、バンドの活動の広がりを感じさせる面もある。
Gene Loves Jezebelの1986年作として、80年代UKゴス・ロックの流れの中で押さえておきたいタイトル。
作品全体の輪郭は、派手さよりも、演奏と音の配置で聴かせるタイプという印象だ。
トラックリスト
- Discover
- A1 Heartache
- A2 Over The Rooftops
- A3 Kick
- A4 A White Horse
- A5 Wait And See
- B1 Desire
- B2 Beyond Doubt
- B3 Sweetest Thing
- B4 Maid Of Sker
- B5 Brand New Moon
- Glad To Be Alive
- C1 Up Stairs
- C2 Over The Rooftops
- C3 The Rhino Plasty
- C4 Worth Waiting For
- D1 Immigrant
- D2 Cow
- D3 Brittle Punches
- D4 Pop Tarantula
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All About Eve – Strange Way (1991)

All About Eve「Strange Way」について
All About Eveは、1984年に結成された英国のインディー・ロック/ポップ・バンド。1980年代後半から90年代初頭にかけて活動し、1991年の「Strange Way」は、その時期の流れの中で発表された作品になる。ジュリアンヌ・リーガンのボーカルを軸に、ロックとポップ・ロック、ニュー・ウェイヴの要素を行き来するバンドとして知られている。
作品の輪郭
「Strange Way」は、1991年のUKリリース。All About Eveの持つ、バンド演奏を前面に出した作りと、メロディをきちんと聴かせる構成が見えやすい一枚といえる。ギター、ベース、ドラムを中心に、鍵盤の色づけが重なる編成で、当時の英国ロックらしい整った音像に寄っている印象。
サウンド面では、リズムは比較的まっすぐで、録音も過度に荒さを強調するタイプではない。音の輪郭がはっきりしていて、ボーカルと楽器の分離も追いやすい作り。ニュー・ウェイヴ由来の端正さと、ポップ・ロックの聴きやすさが同居している感じがある。
アーティストにおける位置づけ
All About Eveは、英国のインディー・ロック/ポップの文脈で語られることの多いバンドで、この時期はバンドとしてのまとまりがよく出やすい時期でもある。1991年の「Strange Way」は、1980年代から続く流れの延長線上にありつつ、90年代初頭の英国ロックの空気も感じさせる作品として見ておけそうだ。
同時代の文脈
1991年の英国では、インディー・ロック、ニュー・ウェイヴ、ポップ・ロックの境界がわりと近いところで行き来していた。All About Eveもその中で、派手に音を崩すというより、メロディとバンドアンサンブルを軸にした作りを保っている。そうした立ち位置が、彼らの作品のまとまりにつながっているように見える。
クレジットまわり
- アーティスト: All About Eve
- タイトル: Strange Way
- オリジナル・リリース年: 1991
- リリース国: UK
- ジャンル: Rock
- スタイル: New Wave, Pop Rock
メンバーには、Julianne Regan、Rik Carter、Tim Bricheno、Mark Price、Manuela Zwingman、Andy Cousin、Derek Hood、Marty Willson-Piper、Ben Savigear、Toni Haimi、James Richard Jackson らの名前が並ぶ。バンドの編成の広がりも含めて、当時のAll About Eveの活動の一端が見えてくる作品だ。
トラックリスト
- A1 Strange Way
- A2 Drawn To Earth
- B1 Nothing Without You
- B2 Light As A Feather
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Zoltán Boros – Pași Spre Infinit (1988)

Zoltán Boros『Pași Spre Infinit』について
『Pași Spre Infinit』は、ルーマニアの作曲家、ピアニスト、指揮者として知られるZoltán Borosによる1988年作のジャズ作品である。ジャンルはJazz、スタイルはContemporary Jazzに分類されている。ルーマニア制作の一枚として、当時の東欧圏のジャズの流れも感じさせるタイトルだ。
作品の印象
ピアノを軸にした構成が想像しやすい作品で、コンテンポラリー・ジャズらしく、リズムの運びやアンサンブルの組み方に現代的な感覚がにじむ内容と見られる。録音の空気感も、1980年代後半の作品らしい、スタジオの輪郭が見えやすいタイプの質感を持っていそうだ。
タイトルの「Pași Spre Infinit」は、直訳すると「無限への歩み」といった意味合いになる。作品全体にも、そうした進行感や展開の積み重ねを意識したつくりが感じられる。
アーティストの背景
Zoltán Borosはトランシルヴァニアを拠点に活動したハンガリー系の音楽家で、作曲、ピアノ、指揮、放送音楽の分野まで幅広く関わってきた人物である。ジャズ・バンドの活動、劇場オーケストラの指揮、テレビ音楽部門での仕事など、演奏と編曲、制作の両面にまたがる経歴がある。
また、Anca Parghel、Mihaela Runceanu、Aura Urziceanuといった著名な歌手たちの楽曲も手がけており、ジャズの枠内にとどまらない音楽家としての姿がうかがえる。
1980年代ルーマニアのジャズ文脈
1988年という時期のルーマニア作品として見ると、同時代のジャズが持っていた編曲重視の流れや、旋律と構成を丁寧に組み立てる感覚と重なる部分がある。派手な即興性だけで押すというより、楽曲全体の設計に重きを置くタイプの作品として捉えられるだろう。
まとめ
『Pași Spre Infinit』は、Zoltán Borosの作曲家・ピアニストとしての持ち味が表れた1988年のコンテンポラリー・ジャズ作品である。東欧圏のジャズ史の中でも、音楽監督や放送音楽の仕事を経験してきた人物ならではの、構成感のある一枚として位置づけられそうだ。
トラックリスト
- A1 Pași Spre Infinit (Partea I) = Steps To The Infinite (Part I)
- A2 Pași Spre Infinit (Partea A II-a) = Steps To The Infinite (Part II)
- B3 Pași Spre Infinit (Partea A III-a) = Steps To The Infinite (Part III)
- B4 Un Gînd = A Thought
- B5 Toamna În Orașul Meu = The Fall In My Town
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The House Of Love – Never (1989)

The House Of Love『Never』について
『Never』は、イギリスのインディー・ロック・バンド、The House Of Loveによる1989年の作品。ロンドンで結成されたこのバンドは、ギターを中心にした編成と、Guy Chadwickのソングライティングを軸に活動してきた。インディー・ポップからオルタナティヴ・ロックへつながる流れの中で語られることの多いグループで、この時期のUKロックの空気をそのまま感じさせる一枚でもある。
バンドの初期像とこの時期の位置づけ
結成時のメンバーには、Guy Chadwick、Terry Bickers、Andrea Heukamp、Chris Groothuizen、Pete Evansが名を連ねている。Heukampは1987年に離脱し、その後はカルテットとしてデビュー作を制作した。1989年は、The House Of Loveが初期の形を固めながら、ギターの絡みと曲の輪郭をより明確にしていった時期にあたる。『Never』は、その流れの中で登場した作品として位置づけられる。
サウンドの印象
サウンドは、ギターの重なりを軸にしたインディー・ロック寄りの質感。リズムは大きく前へ出すというより、曲の流れを支える形で置かれている印象がある。録音の雰囲気も、きっちり整えすぎず、バンドの演奏感を残したタイプとして捉えられるだろう。UKの同時代インディー・シーンに見られる、メロディとバンドの鳴りを両立させる作り方の延長線上にある作品、といった見方がしやすい。
1989年のUKインディー・ロックの文脈
1989年のイギリスでは、インディー・ロックやオルタナティヴ・ロックの輪郭が少しずつ広がっていた。The House Of Loveもその文脈の中で語られることが多く、派手な装飾よりも、ギターの層や曲の流れで聴かせるタイプのバンドとして存在感を持っていた。『Never』は、そうした時代の空気を反映するタイトルのひとつとして見ておくとわかりやすい。
関連情報
- アーティスト: The House Of Love
- タイトル: Never
- オリジナル・リリース年: 1989年
- 国: UK
- ジャンル: Rock
- スタイル: Indie Rock
ギター主体の編成、UKインディーの時代感、そして初期バンドの輪郭。『Never』は、そのあたりをまとめて感じられる作品として受け取れそうだ。
トラックリスト
- A Never (4:01)
- B1 Soft As Fire (4:00)
- B2 Safe (5:31)
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Jan Dukes De Grey – Mice And Rats In The Loft (1971)

Jan Dukes De Grey「Mice And Rats In The Loft」について
Jan Dukes De Greyの「Mice And Rats In The Loft」は、1971年に発表されたロック作品で、プログ・ロックとサイケデリック・ロックの要素を含む一枚だ。メンバーはMick Bairstow、Derek Noy、Denis Conlan、Maurice McElroy。イタリアで2003年に盤としてリリースされている。
作品の全体像
この作品は、70年代初頭のロックが持っていた実験性と構成志向を感じさせる内容として捉えやすい。サイケデリック・ロックの流れと、展開を重ねるプログ・ロックの文脈が重なっている印象だ。楽曲の進み方や音の置き方に、当時らしい自由度がにじむタイプの作品といえる。
サウンドの印象
リズムは、一定のビートを軸にしながらも、曲ごとに揺れや間の取り方が変わっていくような構成が想像しやすい。録音の質感も、現代的に整えられたものというより、時代相応のざらつきや空気感を残したものとして受け取れる。ギターやリズム隊が前に出る場面と、音の余白を使う場面の切り替えが、作品の性格を形づくっている。
作品の位置づけ
1971年という時期は、サイケデリック・ロックが広がりを見せたあとで、プログ・ロックがひとつの流れとして定着していく時代にあたる。その中で「Mice And Rats In The Loft」は、両者の接点にある作品として見えやすい。Jan Dukes De Greyにとっても、バンドの個性がサウンド面に表れやすいタイトルとして扱われるだろう。
補足
作品情報としては、1971年のオリジナル発表と、2003年の盤リリースが確認できる。イタリア盤として流通している点も、この作品の聴かれ方を示す要素になっている。
- アーティスト: Jan Dukes De Grey
- タイトル: Mice And Rats In The Loft
- オリジナル発表年: 1971年
- 盤のリリース年: 2003年
- ジャンル: Rock
- スタイル: Psychedelic Rock, Prog Rock
トラックリスト
- A Sun Symphonica (18:58)
- B1 Call Of The Wild (12:48)
- B2 Mice And The Rats In The Loft (8:19)
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The Railway Children – Recurrence (1988)

The Railway Children『Recurrence』(1988)
英国ウィガン出身のThe Railway Childrenが1988年に発表した作品。メンバーはGary Newby、Brian Bateman、Stephen Hull、Guy Keeganの4人編成で、Pop RockとIndie Rockのあいだを行き来するバンドとして知られる。
作品の輪郭
『Recurrence』は、The Railway Childrenの初期を代表する一枚として位置づけられる作品。ギターを軸にしたバンド・サウンドに、きっちりしたリズム隊が重なる構成で、UKインディーらしい直線的な手触りと、ポップ寄りのまとまりをあわせ持つ内容になっている。
録音の雰囲気は、過度に飾らず、演奏の輪郭が見えやすいタイプ。ドラムとベースが土台を作り、その上でギターが前に出ていく流れが分かりやすい作品という印象になる。
バンドの流れの中で
The Railway Childrenは1984年に結成され、当初はFactory系のレーベルからシングルとアルバムを出したのち、Virginへ移っている。『Recurrence』はその活動期の中で出たタイトルで、バンドの初期の方向性を確認できる一枚と見られる。
1980年代後半のUKロック周辺では、インディー・バンドがポップな感触を取り込みながら、ギター主体のサウンドを洗練させていく流れがあった。その文脈の中で、この作品も比較的すっきりした編成と、メロディを前に置く作りが目につく。
アーティストの背景
- アーティスト名: The Railway Children
- 出身: UK
- メンバー: Gary Newby / Brian Bateman / Stephen Hull / Guy Keegan
- ジャンル: Rock
- スタイル: Pop Rock, Indie Rock
ひとこと
『Recurrence』は、The Railway Childrenの初期らしいギター・バンドの質感と、UKインディーの流れが見えやすい作品。派手な装飾よりも、演奏のまとまりと楽曲の流れで聴かせる一枚という印象が残る。
トラックリスト
- A1 Somewhere South (3:34)
- A2 A Pleasure (4:19)
- A3 Swallowed (3:40)
- A4 Merciless (3:03)
- A5 My Word (3:25)
- B1 In The Meantime (3:48)
- B2 Over & Over (4:03)
- B3 Monica’s Light (3:45)
- B4 Chrysalis (4:28)
- B5 No Great Objections (4:33)
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Whirlpool Guest House – Pictures On The Pavement (1989)

Whirlpool Guest House『Pictures On The Pavement』
Whirlpool Guest Houseの『Pictures On The Pavement』は、1989年にUKでリリースされたロック/ポップ作品。インディーロックの流れの中に置ける1枚で、当時のUKらしい空気をまとったタイトルになっている。
作品の印象
サウンドは、ギターを軸にしたバンド感のある作りが想像しやすいタイプ。リズムは前に出すぎず、曲の輪郭を保ちながら進む印象で、録音も過度に飾り立てたものというより、演奏のまとまりを見せる方向に寄っていそうだ。ロックの骨格にポップの分かりやすさを重ねた構成、という見方がしやすい。
時代背景と位置づけ
1989年という年は、UKのインディーロックがさまざまな形で広がっていた時期でもある。そうした文脈の中で見ると、『Pictures On The Pavement』は、派手さよりも曲の流れやバンドの手触りを重視する作品として位置づけやすい。アーティスト情報は限られているが、少なくともこの盤は、当時のUKシーンに連なるロック/ポップの一例として捉えられる。
基本情報
- アーティスト: Whirlpool Guest House
- タイトル: Pictures On The Pavement
- オリジナル・リリース年: 1989年
- 盤のリリース年: 1989年
- 国: UK
- ジャンル: Rock, Pop
- スタイル: Indie Rock
トラックリスト
- A1 The Plumber’s Daughter (3:16)
- A2 Oh No (2:05)
- A3 Bag Baby (3:55)
- A4 Salon Land (3:27)
- A5 Deer On The Motorway (3:27)
- B1 Nearly New (4:23)
- B2 Contributory Negligence (3:29)
- B3 Scarecrow (3:21)
- B4 Young Forever (3:35)
- B5 Sometimes I Get So Restless (4:19)