Dave Dee, Dozy, Beaky, Mick & Tich – If Music Be The Food Of Love … Prepare For Indigestion (1966)

Dave Dee, Dozy, Beaky, Mick & Tich / If Music Be The Food Of Love … Prepare For Indigestion
1960年代のUKポップを代表するバンド、Dave Dee, Dozy, Beaky, Mick & Tichによる1966年の作品。ロックとポップを軸にした、ビート感のある演奏と親しみやすいメロディが持ち味のグループで、このタイトルもその流れの中にある1枚として捉えやすい内容だ。
作品の輪郭
バンド名からも分かる通り、個々のメンバー名を並べたユニークな表記が印象的で、当時の英国ポップ・バンドらしい軽快さと分かりやすさが前面に出ている。Dave Deeのヴォーカルを中心に、ギター、ベース、ドラムがはっきりと役割を分けた編成で、ビート・バンド的なまとまりがある。
1966年という時期は、UKのポップ/ロックがビート・グループからより多彩な方向へ広がっていく途中でもある。この作品も、その時代の空気を背負いながら、ポップ・ロックとしての聴きやすさを保っている印象だ。
サウンドの特徴
演奏はリズムの輪郭が見えやすく、ギターの刻みやドラムの推進力が前に出るタイプ。録音の質感も、60年代中盤のUK作品らしい整理された鳴り方で、各パートが近い距離感でまとまっているように感じられる。Beatの要素とPop Rockの明快さが同居するサウンド。
派手に作り込むというより、曲のフックとバンドの勢いで押していくタイプの作品として見えてくる。メロディの分かりやすさと、当時の英国ポップ特有のきっちりした演奏感が特徴だ。
バンドの中での位置づけ
Dave Dee, Dozy, Beaky, Mick & Tichは、1960年代のUKで一定の成功を収めたバンドとして知られている。この作品は、そうした活動期の中にある1966年のタイトルで、グループのポップ・バンドとしての輪郭を確認しやすい一枚といえる。
メンバー編成としては、Trevor Davies、John Dymond、Dave Harman、Mick Wilson、Ian Amey、Peter Lucasがクレジットされている。バンドとしての役割分担が見えやすく、当時の英国グループの定番的な編成感もある。
同時代の文脈
同時代のUKシーンでは、The BeatlesやThe Hollies、The Searchersのようなビート/ポップ系のバンドが広く聴かれていた時期でもある。この作品も、その流れに近い場所で、ポップなメロディとロックの推進力を両立させる方向にある。
タイトルのユーモラスな言い回しも含めて、60年代英国ポップの軽やかな感覚が表れた作品として見えてくる。
トラックリスト
- A1 Bang
- A2 I’m On The Up
- A3 Hideaway
- A4 Shame
- A5 Hands Off
- A6 Loos Of England
- B1 Help Me
- B2 Master Llewellyn
- B3 You Make It Move
- B4 All I Want
- B5 Hair On My Chinny Chin Chin (Huff ‘n Puff)
- B6 Bend It
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Wilde Flowers – The Wilde Flowers (1994)

The Wilde Flowers / Wilde Flowers
Wilde Flowersは、カンタベリー・シーンの源流として語られる英国カンタベリー出身のロック・バンドである。ここで紹介する「The Wilde Flowers」は1994年にオリジナル作品として登場したアルバムで、盤としては2009年にヨーロッパでリリースされたものになる。
バンドの位置づけ
このグループは1964年に結成され、ケヴィン・エアーズ、ブライアン・ホッパー、リチャード・シンクレア、ヒュー・ホッパー、ロバート・ワイアットといった面々が在籍した。活動期間は長くないが、のちにSoft MachineやCaravanへつながるメンバーを多く含んでおり、カンタベリー・シーンの出発点として重要な存在とされている。
サウンドの印象
ジャンルはRock、Pop、スタイルとしてはBlues Rock、Pop Rock、Beat、Garage Rockにまたがる。録音の質感は、後のカンタベリー作品に見られるような洗練よりも、ビート感のあるバンド演奏や、ブルース寄りの素朴な推進力が前に出る方向にある。リズムは直線的で、ギター中心の編成感がはっきりした印象。
同時代の英ロックと並べると、BeatやGarage Rockの要素が見えやすく、のちのSoft MachineやCaravanのような流れを知る上でも、出発点としての輪郭がつかみやすい作品といえる。
メンバー
- Robert Wyatt
- Kevin Ayers
- Hugh Hopper
- Richard Sinclair
- David Sinclair
- Pye Hastings
- Brian Hopper
- Richard Coughlan
- Graham Flight
ひとこと
Wilde Flowersは、単独の代表作というより、後続のバンド群へつながる前史として見られることが多い。カンタベリー・ロックのルーツをたどるうえで、名前の重みがそのまま作品の意味につながっている、そんな一枚である。
トラックリスト
- A1 Impotence (2:09)
- A2 Those Words They Say (2:39)
- A3 Don’t Try To Change Me (2:26)
- A4 Parchman Farm (2:17)
- A5 Almost Grown (2:49)
- A6 She’s Gone (2:13)
- A7 Slow Walkin’ Talk (2:26)
- A8 He’s Bad For You (2:48)
- A9 It’s What I Feel (A Certain Kind) (2:18)
- A10 Never Leave Me (2:35)
- A11 Just Where I Want (2:09)
- B1 Time After Time (2:44)
- B2 No Game When You Lose (2:53)
- B3 Why Do You Care (3:13)
- B4 The Pieman Cometh (3:15)
- B5 Summer Spirit (3:27)
- B6 She Loves To Hurt (3:12)
- B7 The Big Show (4:11)
- B8 Memories (3:03)
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Sangiuliano – Take Off (1978)

Sangiuliano「Take Off」について
Sangiulianoの「Take Off」は、1978年に発表された作品で、電子音楽とロックの要素をまたいだプログレッシブ・ロック作品として位置づけられる一枚だ。アーティストはトスカーナ出身のAntonio Sangiulianoで、この作品は彼のディスコグラフィーの中でも重要な存在になっている。イタリアン・プログレの流れの中にありながら、少し異なる質感を持つ内容として語られることが多いようだ。
サウンドの印象
音の中心には、シンセサイザーを軸にした電子的なレイヤーがあり、そこにロック寄りの推進力が重なる構成だ。リズムは前に進む感触を持ちつつ、メロディや展開は直線的になりすぎず、細かく場面が切り替わる印象がある。録音全体も、楽器の輪郭を追いやすいタイプで、電子音の質感とバンド的な動きが並んで聞こえる作りだ。
作品の位置づけ
Sangiulianoは1978年にRCAから唯一のアルバムを残したとされており、「Take Off」はその代表的なタイトルとして見られることが多い。イタリアのプログレッシブ・ロックの文脈に置くと、当時の流れを踏まえながらも、電子音楽寄りのアプローチが目立つ作品だ。Tangerine Dreamの作品を思わせる空気感がある、という紹介もされている。
関連する背景
Sangiulianoは後年、映画「The line」(1980-81年)の音楽も手がけている。作曲家としての活動が見える点も、この作品をたどるうえでひとつの手がかりになる。さらに、のちに「Out of breath」という別作品も録音しており、彼の音楽活動の広がりを感じさせる。
1987年盤について
今回の盤は日本で1987年にリリースされたものだ。オリジナルの発表年とは時期が異なるため、作品そのものは1978年のものとして捉えるのが自然だろう。日本盤として流通したことで、当時のイタリアン・プログレや電子音楽に関心を持つリスナーの手元に届いた一枚、という見方もできる。
ひとことで言うと
電子音の層、ロックの推進力、そしてイタリアのプログレ文脈。そのあいだを行き来する、Sangiulianoの個性が見えるアルバムだ。
トラックリスト
- A1 Time Control (16:19)
- B1 Saffo’s Gardens (7:27)
- B2 Take Off (8:40)
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Gene Loves Jezebel – Discover / Glad To Be Alive (1986)

Gene Loves Jezebel / Discover / Glad To Be Alive
Gene Loves Jezebelは、1980年にウェールズのPorthcawlで結成されたUKのロック・バンド。
本作「Discover / Glad To Be Alive」は1986年の作品で、ジャンルとしてはゴス・ロックに位置づけられる1枚だ。
バンドの初期らしい、80年代UKロックの空気をまとった作品。
リズムは前に出すぎず、演奏の輪郭を保ちながら進むタイプで、ギターの質感やボーカルの響きが曲の印象を形づくっている。
録音も、当時のゴス・ロックに多い少し距離のある鳴りを感じさせる場面がある。
作品の位置づけ
Gene Loves Jezebelは、Aston兄弟を中心に知られるグループで、のちにUKとUSで別々の活動形態が存在することでも知られる。
1986年という時期は、バンドがゴス・ロックの文脈の中で存在感を示していた時期のひとつとして見てよさそうだ。
同時代のUKシーンを思わせる、硬質さとメロディのバランスが印象に残る。
クレジットについて
- アーティスト: Gene Loves Jezebel
- タイトル: Discover / Glad To Be Alive
- リリース年: 1986年
- 国: UK
- ジャンル: Rock
- スタイル: Goth Rock
メンバー表には、Jay Aston、Michael Aston、James Stevenson、Jean-Marc Lederman などの名前が並ぶ。
複数の時期の編成が関わるクレジットで、バンドの活動の広がりを感じさせる面もある。
Gene Loves Jezebelの1986年作として、80年代UKゴス・ロックの流れの中で押さえておきたいタイトル。
作品全体の輪郭は、派手さよりも、演奏と音の配置で聴かせるタイプという印象だ。
トラックリスト
- Discover
- A1 Heartache
- A2 Over The Rooftops
- A3 Kick
- A4 A White Horse
- A5 Wait And See
- B1 Desire
- B2 Beyond Doubt
- B3 Sweetest Thing
- B4 Maid Of Sker
- B5 Brand New Moon
- Glad To Be Alive
- C1 Up Stairs
- C2 Over The Rooftops
- C3 The Rhino Plasty
- C4 Worth Waiting For
- D1 Immigrant
- D2 Cow
- D3 Brittle Punches
- D4 Pop Tarantula
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All About Eve – Strange Way (1991)

All About Eve「Strange Way」について
All About Eveは、1984年に結成された英国のインディー・ロック/ポップ・バンド。1980年代後半から90年代初頭にかけて活動し、1991年の「Strange Way」は、その時期の流れの中で発表された作品になる。ジュリアンヌ・リーガンのボーカルを軸に、ロックとポップ・ロック、ニュー・ウェイヴの要素を行き来するバンドとして知られている。
作品の輪郭
「Strange Way」は、1991年のUKリリース。All About Eveの持つ、バンド演奏を前面に出した作りと、メロディをきちんと聴かせる構成が見えやすい一枚といえる。ギター、ベース、ドラムを中心に、鍵盤の色づけが重なる編成で、当時の英国ロックらしい整った音像に寄っている印象。
サウンド面では、リズムは比較的まっすぐで、録音も過度に荒さを強調するタイプではない。音の輪郭がはっきりしていて、ボーカルと楽器の分離も追いやすい作り。ニュー・ウェイヴ由来の端正さと、ポップ・ロックの聴きやすさが同居している感じがある。
アーティストにおける位置づけ
All About Eveは、英国のインディー・ロック/ポップの文脈で語られることの多いバンドで、この時期はバンドとしてのまとまりがよく出やすい時期でもある。1991年の「Strange Way」は、1980年代から続く流れの延長線上にありつつ、90年代初頭の英国ロックの空気も感じさせる作品として見ておけそうだ。
同時代の文脈
1991年の英国では、インディー・ロック、ニュー・ウェイヴ、ポップ・ロックの境界がわりと近いところで行き来していた。All About Eveもその中で、派手に音を崩すというより、メロディとバンドアンサンブルを軸にした作りを保っている。そうした立ち位置が、彼らの作品のまとまりにつながっているように見える。
クレジットまわり
- アーティスト: All About Eve
- タイトル: Strange Way
- オリジナル・リリース年: 1991
- リリース国: UK
- ジャンル: Rock
- スタイル: New Wave, Pop Rock
メンバーには、Julianne Regan、Rik Carter、Tim Bricheno、Mark Price、Manuela Zwingman、Andy Cousin、Derek Hood、Marty Willson-Piper、Ben Savigear、Toni Haimi、James Richard Jackson らの名前が並ぶ。バンドの編成の広がりも含めて、当時のAll About Eveの活動の一端が見えてくる作品だ。
トラックリスト
- A1 Strange Way
- A2 Drawn To Earth
- B1 Nothing Without You
- B2 Light As A Feather
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The House Of Love – Never (1989)

The House Of Love『Never』について
『Never』は、イギリスのインディー・ロック・バンド、The House Of Loveによる1989年の作品。ロンドンで結成されたこのバンドは、ギターを中心にした編成と、Guy Chadwickのソングライティングを軸に活動してきた。インディー・ポップからオルタナティヴ・ロックへつながる流れの中で語られることの多いグループで、この時期のUKロックの空気をそのまま感じさせる一枚でもある。
バンドの初期像とこの時期の位置づけ
結成時のメンバーには、Guy Chadwick、Terry Bickers、Andrea Heukamp、Chris Groothuizen、Pete Evansが名を連ねている。Heukampは1987年に離脱し、その後はカルテットとしてデビュー作を制作した。1989年は、The House Of Loveが初期の形を固めながら、ギターの絡みと曲の輪郭をより明確にしていった時期にあたる。『Never』は、その流れの中で登場した作品として位置づけられる。
サウンドの印象
サウンドは、ギターの重なりを軸にしたインディー・ロック寄りの質感。リズムは大きく前へ出すというより、曲の流れを支える形で置かれている印象がある。録音の雰囲気も、きっちり整えすぎず、バンドの演奏感を残したタイプとして捉えられるだろう。UKの同時代インディー・シーンに見られる、メロディとバンドの鳴りを両立させる作り方の延長線上にある作品、といった見方がしやすい。
1989年のUKインディー・ロックの文脈
1989年のイギリスでは、インディー・ロックやオルタナティヴ・ロックの輪郭が少しずつ広がっていた。The House Of Loveもその文脈の中で語られることが多く、派手な装飾よりも、ギターの層や曲の流れで聴かせるタイプのバンドとして存在感を持っていた。『Never』は、そうした時代の空気を反映するタイトルのひとつとして見ておくとわかりやすい。
関連情報
- アーティスト: The House Of Love
- タイトル: Never
- オリジナル・リリース年: 1989年
- 国: UK
- ジャンル: Rock
- スタイル: Indie Rock
ギター主体の編成、UKインディーの時代感、そして初期バンドの輪郭。『Never』は、そのあたりをまとめて感じられる作品として受け取れそうだ。
トラックリスト
- A Never (4:01)
- B1 Soft As Fire (4:00)
- B2 Safe (5:31)
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Jan Dukes De Grey – Mice And Rats In The Loft (1971)

Jan Dukes De Grey「Mice And Rats In The Loft」について
Jan Dukes De Greyの「Mice And Rats In The Loft」は、1971年に発表されたロック作品で、プログ・ロックとサイケデリック・ロックの要素を含む一枚だ。メンバーはMick Bairstow、Derek Noy、Denis Conlan、Maurice McElroy。イタリアで2003年に盤としてリリースされている。
作品の全体像
この作品は、70年代初頭のロックが持っていた実験性と構成志向を感じさせる内容として捉えやすい。サイケデリック・ロックの流れと、展開を重ねるプログ・ロックの文脈が重なっている印象だ。楽曲の進み方や音の置き方に、当時らしい自由度がにじむタイプの作品といえる。
サウンドの印象
リズムは、一定のビートを軸にしながらも、曲ごとに揺れや間の取り方が変わっていくような構成が想像しやすい。録音の質感も、現代的に整えられたものというより、時代相応のざらつきや空気感を残したものとして受け取れる。ギターやリズム隊が前に出る場面と、音の余白を使う場面の切り替えが、作品の性格を形づくっている。
作品の位置づけ
1971年という時期は、サイケデリック・ロックが広がりを見せたあとで、プログ・ロックがひとつの流れとして定着していく時代にあたる。その中で「Mice And Rats In The Loft」は、両者の接点にある作品として見えやすい。Jan Dukes De Greyにとっても、バンドの個性がサウンド面に表れやすいタイトルとして扱われるだろう。
補足
作品情報としては、1971年のオリジナル発表と、2003年の盤リリースが確認できる。イタリア盤として流通している点も、この作品の聴かれ方を示す要素になっている。
- アーティスト: Jan Dukes De Grey
- タイトル: Mice And Rats In The Loft
- オリジナル発表年: 1971年
- 盤のリリース年: 2003年
- ジャンル: Rock
- スタイル: Psychedelic Rock, Prog Rock
トラックリスト
- A Sun Symphonica (18:58)
- B1 Call Of The Wild (12:48)
- B2 Mice And The Rats In The Loft (8:19)
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The Railway Children – Recurrence (1988)

The Railway Children『Recurrence』(1988)
英国ウィガン出身のThe Railway Childrenが1988年に発表した作品。メンバーはGary Newby、Brian Bateman、Stephen Hull、Guy Keeganの4人編成で、Pop RockとIndie Rockのあいだを行き来するバンドとして知られる。
作品の輪郭
『Recurrence』は、The Railway Childrenの初期を代表する一枚として位置づけられる作品。ギターを軸にしたバンド・サウンドに、きっちりしたリズム隊が重なる構成で、UKインディーらしい直線的な手触りと、ポップ寄りのまとまりをあわせ持つ内容になっている。
録音の雰囲気は、過度に飾らず、演奏の輪郭が見えやすいタイプ。ドラムとベースが土台を作り、その上でギターが前に出ていく流れが分かりやすい作品という印象になる。
バンドの流れの中で
The Railway Childrenは1984年に結成され、当初はFactory系のレーベルからシングルとアルバムを出したのち、Virginへ移っている。『Recurrence』はその活動期の中で出たタイトルで、バンドの初期の方向性を確認できる一枚と見られる。
1980年代後半のUKロック周辺では、インディー・バンドがポップな感触を取り込みながら、ギター主体のサウンドを洗練させていく流れがあった。その文脈の中で、この作品も比較的すっきりした編成と、メロディを前に置く作りが目につく。
アーティストの背景
- アーティスト名: The Railway Children
- 出身: UK
- メンバー: Gary Newby / Brian Bateman / Stephen Hull / Guy Keegan
- ジャンル: Rock
- スタイル: Pop Rock, Indie Rock
ひとこと
『Recurrence』は、The Railway Childrenの初期らしいギター・バンドの質感と、UKインディーの流れが見えやすい作品。派手な装飾よりも、演奏のまとまりと楽曲の流れで聴かせる一枚という印象が残る。
トラックリスト
- A1 Somewhere South (3:34)
- A2 A Pleasure (4:19)
- A3 Swallowed (3:40)
- A4 Merciless (3:03)
- A5 My Word (3:25)
- B1 In The Meantime (3:48)
- B2 Over & Over (4:03)
- B3 Monica’s Light (3:45)
- B4 Chrysalis (4:28)
- B5 No Great Objections (4:33)
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Whirlpool Guest House – Pictures On The Pavement (1989)

Whirlpool Guest House『Pictures On The Pavement』
Whirlpool Guest Houseの『Pictures On The Pavement』は、1989年にUKでリリースされたロック/ポップ作品。インディーロックの流れの中に置ける1枚で、当時のUKらしい空気をまとったタイトルになっている。
作品の印象
サウンドは、ギターを軸にしたバンド感のある作りが想像しやすいタイプ。リズムは前に出すぎず、曲の輪郭を保ちながら進む印象で、録音も過度に飾り立てたものというより、演奏のまとまりを見せる方向に寄っていそうだ。ロックの骨格にポップの分かりやすさを重ねた構成、という見方がしやすい。
時代背景と位置づけ
1989年という年は、UKのインディーロックがさまざまな形で広がっていた時期でもある。そうした文脈の中で見ると、『Pictures On The Pavement』は、派手さよりも曲の流れやバンドの手触りを重視する作品として位置づけやすい。アーティスト情報は限られているが、少なくともこの盤は、当時のUKシーンに連なるロック/ポップの一例として捉えられる。
基本情報
- アーティスト: Whirlpool Guest House
- タイトル: Pictures On The Pavement
- オリジナル・リリース年: 1989年
- 盤のリリース年: 1989年
- 国: UK
- ジャンル: Rock, Pop
- スタイル: Indie Rock
トラックリスト
- A1 The Plumber’s Daughter (3:16)
- A2 Oh No (2:05)
- A3 Bag Baby (3:55)
- A4 Salon Land (3:27)
- A5 Deer On The Motorway (3:27)
- B1 Nearly New (4:23)
- B2 Contributory Negligence (3:29)
- B3 Scarecrow (3:21)
- B4 Young Forever (3:35)
- B5 Sometimes I Get So Restless (4:19)
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Violeta De Outono – Violeta De Outono (1986)

Violeta De Outono『Violeta De Outono』
ブラジル、サンパウロで1984年に結成されたロック・バンド、Violeta De Outonoの1作目にあたるアルバムが、1986年の『Violeta De Outono』。バンド名と同じタイトルを冠した作品で、グループの出発点をそのまま示すような一枚になっている。
作品の輪郭
ジャンルはロックを軸に、オルタナティブ・ロック、サイケデリック・ロック、プログレッシブ・ロックの要素が重なる構成。ギターの響きや反復するリズム、曲の流れを少しずつ押し広げていく作りが見えやすい。音の質感は、派手に前へ出るというより、層を重ねていくタイプの印象。
1980年代半ばのブラジルという時間軸で見ると、英米のロック文脈を参照しつつも、バンド独自の組み立てでまとめられた作品として捉えやすい。サイケデリックな色合いと、プログレ寄りの展開が同居している点も、この時期のロック作品らしいポイントになっている。
バンドにとっての位置づけ
1984年結成のVioleta De Outonoにとって、本作は初期の方向性を示す重要な一枚。のちの活動につながる基本の骨格が、この時点で見えてくる構成といえる。メンバーには Fabio Ribeiro、Fabio Golfetti、Claudio Souza、Renato Mello、Fernando Cardoso、Angelo Pastorello、Gregor Izidro、Gabriel Costa、Jose Luiz Dinola が名を連ねている。
ブラジル・ロックの文脈
ブラジル国内で制作・発表された1986年作という点も、作品の輪郭をつかむ手がかりになる。ロック、オルタナティブ、サイケデリック、プログレッシブという複数の要素をまたぎながら、当時のブラジルのロック・シーンに置くと、実験性とバンドとしてのまとまりが同時に見えるタイプのアルバム。
基本情報
- アーティスト: Violeta De Outono
- タイトル: Violeta De Outono
- リリース年: 1986年
- 国: Brazil
- ジャンル: Rock
- スタイル: Alternative Rock, Psychedelic Rock, Prog Rock
トラックリスト
- A1 Outono (3:18)
- A2 Trópico (4:14)
- B Reflexos Da Noite (7:00)
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Spirit Of John Morgan – Spirit Of John Morgan (1969)

Spirit Of John Morgan / Spirit Of John Morgan
1969年にUKで登場した、Spirit Of John Morganのセルフタイトル作。John Morganを中心にしたUKのブルースロック・グループで、ブルースロックを軸にしながら、フォーク、ソウル、R&B、ポップの要素も交えたバンドとして知られる。
作品の印象
土台はブルースロックだが、演奏の組み立てにはプログレッシブ・ロック寄りの感覚も見える一枚。リズム隊でしっかり支えながら、ギターやボーカルが前に出る場面と、曲の流れを重視する場面が並ぶ構成。録音の質感は1960年代末のUKロックらしい、やや生々しい空気を残したものとして受け取れる。
派手に押し切るというより、リフやフレーズの運びで聴かせるタイプの内容。ブルース由来の骨格に、当時の英ロックらしい曲展開の工夫が重なるあたりが、この時代らしいところ。
バンドの位置づけ
Spirit Of John Morganは、1960年代後半から1970年代初頭にかけて活動したUKブルースロック・グループ。John Morganを軸に、ブルースロックとプログレ的な要素を行き来する立ち位置のバンドとして捉えやすい。69年という時期を考えると、英国ロックがブルースの延長から少しずつ広がりを見せていた流れの中にある作品でもある。
メンバー
- Phil Shutt
- Phil Curtis
- John Morgan
- Mick Walker
- Don Whitaker
- Trevor James
ひとこと
ブルースロックの基本線を保ちながら、当時のUKロックらしい広がりをのぞかせるアルバム。バンドの輪郭と、1960年代末の空気感が同時に見えてくる内容。
トラックリスト
- A1 I Want You
- A2 Honky Tonk Train Blues
- A3 She’s Gone
- A4 Orpheus And None For Ye
- B1 The Yodel
- B2 Shout For Joy
- B3 A Train For All Reasons
- B4 Yorkshire Blues
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Zlatko Manojlović – Jednoj Ženi (1983)

Zlatko Manojlović『Jednoj Ženi』について
Zlatko Manojlovićの『Jednoj Ženi』は、1983年に発表されたロック作品で、ジャンルとしてはプログレッシブ・ロックに位置づけられる一枚。Zlatko Manojlovićはセルビア出身のギタリスト、作曲家、シンガーで、旧ユーゴ圏の複数のロック・バンドで活動してきた人物として知られる。ソロ作では、そのキャリアの中で培った演奏力と作曲感覚がまとまった形で表れている印象だ。
作品の輪郭
本作は、ロックを土台にしながら、楽曲の展開や構成にプログレッシブ・ロックらしい要素を含む作品として捉えられる。ギターを軸にした進行、曲ごとの構成の変化、リズムの組み立てなど、演奏面に耳が向きやすい内容。派手な装飾というより、楽曲の流れと演奏の連動で聴かせるタイプの作品という印象。
録音の雰囲気は、1980年代前半のロック作品らしい質感を持つ。音の輪郭は比較的はっきりしていて、バンド演奏のまとまりが前に出る場面が多い。ギターの存在感が大きく、曲の推進力を支える役割を担っている。
アーティストの位置づけ
Zlatko Manojlovićは、旧ユーゴスラビアのロック・シーンでDžentlmeni、Fleš、Dah、Gordiといったバンドに関わってきたギタリストであり、本作もその流れの中にあるソロ活動の一作。1984年以降はドイツで活動し、国際的な仕事も重ねていくが、『Jednoj Ženi』はその前段階にあたる時期の作品として見ることができる。
この時期のユーゴ圏ロックは、ハードロックやプログレッシブ・ロックの要素を持つ作品が多く、演奏力を前面に出す流れも強かった。その文脈の中で見ると、本作もギタリスト主導のロック作品として位置づけやすい。
盤としての情報
- アーティスト: Zlatko Manojlović
- タイトル: Jednoj Ženi
- 作品の年: 1983年
- 盤のリリース年: 1986年
- ジャンル: Rock
- スタイル: Prog Rock
1983年の作品として捉えると、Zlatko Manojlovićの作曲家・ギタリストとしての輪郭が見えやすい一枚。ロックの骨格を保ちながら、プログレッシブな組み立てを含む内容として整理できる。
トラックリスト
- A1 Jednoj Ženi (Instrumental)
- A2 Balada Za Tebe
- A3 Ponekad Ću Da Ti Se Javim
- A4 Hej, Šta Radiš
- B1 Trebaš Mi
- B2 Volim Vas Zauvek
- B3 Sweet, Sweet, Credit
- B4 Nikad Neću Biti Tvoj
- B5 Lovac Na Snove (Instrumental)
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Trettioåriga Kriget – Efter Efter (2011)

Trettioåriga Kriget『Efter Efter』について
『Efter Efter』は、スウェーデンのプログレッシブ・ロック・バンド、Trettioåriga Krigetが2011年に発表した作品。バンド名は英語にすると「Thirty Years War」で、1970年にストックホルム南部のサルツヨーバーデンで結成された。70年代のスウェーデン・プログレを代表する存在のひとつとして語られることが多いグループで、この作品もそうした流れの中に置かれるアルバムだ。
バンドの流れの中での位置づけ
Trettioåriga Krigetは1974年のデビュー作『Trettioåriga Kriget』を皮切りに、『Krigssång』、『Hej på er!』、『Mot alla odds』と作品を重ね、その後はKriget名義での活動や解散、再結成を経てきた。2004年の『Elden av år』、2007年の『I början och slutet』に続く流れの中で登場するのが、この『Efter Efter』になる。再結成後の制作が定着していく時期の作品として見ることができる。
サウンドの印象
演奏はロックを軸にしながら、プログレッシブ・ロックらしい展開の組み立てが感じられる内容。リズムは一定の推進力を保ちながら進み、ギターとベース、ドラムの絡みが曲の骨格を作っていくタイプの音像だ。録音は過度に飾らず、各楽器の輪郭が追いやすい仕上がり。70年代から続くバンドの文脈を引きつつ、2011年時点の制作としてまとめられている印象がある。
時代背景と文脈
Trettioåriga Krigetは、スウェーデンのプログレ・ムーヴメントに数えられるバンドのひとつ。70年代の北欧プログレは、長尺の構成やアンサンブルの緻密さ、ロックを基盤にした組曲的な展開が特徴として語られることが多いが、このグループもその流れの中で独自性を築いてきた。『Efter Efter』は、そうした歴史の延長線上にある2010年代の作品として捉えやすい。
メンバー
- Dag Lundquist
- Mats Lindberg
- Christer Åkerberg
- Robert Zima
- Stefan Fredin
関連情報
- アーティスト公式サイト: http://www.trettioarigakriget.com/
- Bandcamp: https://trettioarigakriget.bandcamp.com/
- Spotify: https://open.spotify.com/artist/1ipWSA4QSeDPzdML4dxniT
- YouTube: https://www.youtube.com/@30arigakriget
2011年のTrettioåriga Krigetを確認するうえで、ひとつの節目として置かれる作品。バンドの歩みと、スウェーデン・プログレの系譜が重なる位置にあるアルバムだ。
トラックリスト
- A1 Mannen På Bänken
- A2 Barnet
- A3 Tavlan
- A4 The Dance
- B1 Glorious War
- B2 Till En Sputnik
- B3 Efter Efter
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Pete And Royce – Suffering Of Tomorrow (1980)

Pete And Royce / Suffering Of Tomorrow
ギリシャ出身のシンフォニック・プログレ・バンド、Pete And Royceが1980年に発表した初期作。ギター/ヴォーカルのPanagiotis “Pete” TsirosとベースのElias Porfirisを軸に、鍵盤、もう1本のギター、ドラムを加えた編成で形になった作品である。2013年にヨーロッパ盤として再発されており、オリジナル期の空気を今に伝える一枚という位置づけになる。
作品の輪郭
サウンドは、プログレッシブ・ロックを基盤に、スペース・ロックやサイケデリック・ロックの要素が重なる内容。ギターとキーボードが前に出る場面がありつつ、リズム隊が曲の流れを支える構成で、直線的に進むというより、組曲的な展開やパートの切り替えを感じさせるタイプの作品である。録音も当時の自主制作盤らしい質感を持つものとして受け取れる。
バンドの背景
Pete And Royceは1979年夏に結成されたギリシャのシンフォニック・プログレ・バンド。音楽面では、シンプルなオリエンタル要素やビザンティン音楽の感覚を取り込んでいる点が特徴とされている。歌詞には宗教的な要素が見られ、当時のギリシャの状況を考えても珍しいものだったようだ。
本作「Suffering From Tomorrow」は1980年に自主リリースされた最初期のアルバムで、Tsirosがすでに書き上げていた楽曲素材を中心にまとめられている。バンドはその後、1981年に2作目「Days Of Destruction」を発表し、1982年に解散。Pete TsirosはのちにRoyceとの名義で、1984年にファンク/ディスコ寄りのLPも残している。
同時代の文脈
1980年前後のギリシャでは、プログレやハードロックの作品が少数ながら生まれていた時期で、独立制作でのリリースは簡単ではなかったはずだ。その中で、民族的な旋律感や宗教的なテーマを含むプログレ作品として出てきたのが、このアルバムの面白さでもある。ヨーロッパのプログレ文脈の中でも、地域性がはっきり出た一枚という印象である。
メンバー
- Βασίλης Γκίνος
- Panagiotis “Pete” Tsiros
- Christos Tsanakas
- Ilias Porfiris
バンドの詳細や音源は、公式Bandcampでも確認できる。初期ギリシャ・プログレの流れを知るうえで、ひとつの手がかりになる作品である。
トラックリスト
- A1 Flickering Light
- A2 It’s So Unreal
- A3 Flowers
- A4 Suffering Of Tomorrow
- B1 Time
- B2 Maybe
- B3 Face Of The Moon
- B4 Round Your Grave
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Jerry Garcia – Garcia (Compliments) (1974)

Jerry Garcia『Garcia (Compliments)』について
Jerry Garciaは、グレイトフル・デッドの中心人物として知られるミュージシャンで、ギター、バンジョー、ペダル・スティール・ギター、そしてヴォーカルまでこなす存在だ。ここで取り上げる『Garcia (Compliments)』は、1974年にリリースされたソロ作で、ロックを軸にフォーク・ロック、カントリー・ロック、ロックンロールの要素が並ぶ作品になっている。
作品の輪郭
このアルバムでは、バンドの大きな音圧や長尺の即興というより、曲そのものの輪郭が見えやすい。アコースティック寄りの手触りや、カントリー由来のリズム感、ロックンロールの軽い推進力が自然に混ざる構成で、Jerry Garciaのソロ作品らしいまとまりがある。
録音の雰囲気も、派手に押し出すというより、演奏の細部が耳に入りやすい質感。ギターのフレーズ、ペダル・スティールの伸び、歌の置き方が、それぞれ前に出たり引いたりしながら進む印象だ。
1974年という位置づけ
1974年は、アメリカのロックがフォークやカントリーの要素を取り込みながら広がっていた時期でもある。その流れの中で、この作品はJerry Garciaのルーツに近い感覚を、ソロ名義で整理した一枚として捉えやすい。グレイトフル・デッドの文脈を知ると、なおさら彼の歌と演奏の個性が見えやすい作品でもある。
サウンドの印象
- リズムは直線的で、過度に崩さない進行
- 質感は乾いた手触りと、楽器の分離感が目立つ方向
- フォーク・ロック寄りの素朴さと、カントリー・ロックの軽さが同居
- ロックンロールの基本的な推進力も感じやすい構成
Jerry Garciaという人物像
Jerry Garciaは1942年にサンフランシスコで生まれ、1960年代前半から活動を始めた。サンフランシスコ周辺のバンド活動を経て、1965年にはグレイトフル・デッドの前身となる編成がまとまり、アシッド・テストの場に登場していく。そうした背景を踏まえると、このソロ作にも、彼の音楽的な出自がそのまま表れているように見える。
Bob Dylanが「彼の偉大さや人間として、演奏者としての大きさを測る方法はない」と語ったという言葉も、Jerry Garciaの存在感をよく示している。『Garcia (Compliments)』は、その大きなキャリアの中で、彼の歌と演奏を比較的まっすぐに味わえる作品のひとつとして置けそうだ。
盤について
ここで扱うのは2015年リリースの盤。作品そのものは1974年のオリジナル・リリースに属する内容で、当時の空気を受けたロック/フォーク/カントリーの交差点が、そのまま記録されている。
トラックリスト
- A1 Let It Rock (3:12)
- A2 When The Hunter Gets Captured By The Game (2:46)
- A3 That’s What Love Will Make You Do (3:42)
- A4 Russian Lullaby (3:04)
- A5 Turn On The Bright Lights (5:04)
- B1 He Ain’t Give You None (3:25)
- B2 What Goes Around (3:07)
- B3 Let’s Spend The Night Together (3:40)
- B4 Mississippi Moon (3:06)
- B5 Midnight Town (3:12)
関連動画
- Jerry Garcia – Let It Rock
- Jerry Garcia – When The Hunter Gets Captured By The Game
- That’s What Love Will Make You Do – JGB – Warfield Theatre – San Francisco, CA – 1/28/93
- Jerry Garcia – Turn On The Bright Lights
- He Ain’t Give You None – Garcia & Saunders – Great American Music Hall – San Francisco, CA – 8/24/74
Matterhorn – Outside (2020)

Matterhorn『Outside』
ノルウェー・トロンハイム出身のプログレッシブ・ロック/オルタナティヴ・ロック・バンド、Matterhornによる『Outside』は、2020年に発表された作品である。メンバーはTommy Halseth。ロックを軸にしながら、Prog RockとAlternative Rockの要素を行き来する構成になっている。
作品の輪郭
本作は、バンド名義の作品として、アーティストの方向性をそのまま示すような位置づけの1枚と見てよさそうだ。曲展開やリズムの組み立てにプログレッシブ・ロックらしい流れがありつつ、音のまとめ方にはオルタナティヴ・ロック寄りの感触もある。派手な装飾に寄りすぎず、曲そのものの構造を前に出すタイプの印象である。
サウンドの印象
録音の雰囲気は、輪郭を保ったまま進むロック・サウンドという印象に近い。リズムは一定の推進力を持ち、展開の切り替えで曲の表情を変えていく形が想像しやすい。ギターを中心にした質感と、過度に加工しすぎないまとまりが、このジャンルの文脈に沿った作り方として感じられる。
プログレッシブ・ロックの要素がある一方で、オルタナティヴ・ロックの持つ直線的な感触も併せ持つあたりが、この作品の特徴になっているように見える。70年代的な長大な組曲性というよりは、現代のロック作品として整理された構成の中に、変化を織り込んでいくタイプの流れである。
同時代的な位置づけ
2020年という発表年を踏まえると、本作は現代の北欧ロックの流れの中で捉えやすい。プログレッシブ・ロックを下敷きにしながら、オルタナティヴ・ロックの感覚でまとめるスタイルは、ジャンルの境界をまたぐ近年の制作姿勢とも重なる。
トロンハイムという土地柄も含め、北欧のロック作品らしい整った構成感がうかがえる1枚である。
まとめ
『Outside』は、Matterhornのロック指向をそのまま示す作品であり、プログレッシブ・ロックとオルタナティヴ・ロックの交差点に置ける内容である。曲の展開、リズムの運び、音のまとまり方に、バンドの方向性が見えやすいアルバムとして受け取れる。
トラックリスト
- A1 Outside
- A2 Aura Noire
- A3 Bruit Blanc
- A4 Aorta
- B1 Last Page
- B2 Oceana
- B3 Silhouette
- B4 Døden Og Meg
Talk Talk – The Colour Of Spring (1986)

Talk Talk『The Colour Of Spring』
Talk Talkは、1981年にロンドンで結成されたイギリスのバンド。シンセポップとアートロックをまたぐ存在として知られ、1986年に発表された本作『The Colour Of Spring』は、彼らの作品の中でも大きな転換点にあたるアルバムだ。
それまでのシンセポップ寄りの作風から少し距離を取り、演奏や音の重なりをより前面に出した構成。リズムはきっちりと組まれつつも、音の隙間や余白が印象に残る。キーボード、ベース、ドラムの配置も含めて、整ったポップの流れの中に、実験的な手つきが入っている感じがある。
サウンドの特徴
この時期のTalk Talkらしく、音数を詰め込みすぎない作りが目立つ。打ち込み的な質感よりも、生楽器の鳴りや録音の空気感が前に出る場面が多い。曲によっては静かな立ち上がりから徐々に厚みを増していく流れもあり、アルバム全体としてもメリハリのある構成になっている。
Mark Hollisの歌は、メロディをはっきり追いながらも、感情を過剰に押し出しすぎないところがある。そこにPaul Webbのベース、Lee Harrisのドラム、そしてSimon Brennerのキーボードが重なり、バンドとしてのまとまりがよく出ている。
作品の位置づけ
『The Colour Of Spring』は、Talk Talkがより実験的な方向へ進んでいく流れの入口にあるアルバムとして語られることが多い。1980年代前半のUKポップ/シンセポップの文脈から出発しながら、この作品ではアートロック寄りの感触がはっきりしてくる。後年の評価が高い終盤2作につながる前段階としても重要な一枚といえる。
また、制作面ではSimon Brennerが録音に参加し、続く時期のバンドの音作りにも関わっていく。編成の上では4人だが、スタジオ作品ではその役割がかなり大きい時期でもある。
同時代とのつながり
1986年というと、UKではシンセポップが広く定着していた一方で、バンド主体の音作りへ戻る動きや、より内省的なアレンジを取り入れる流れも見えていた時期。本作はそうした空気の中で、ポップソングの形を保ちながら音の組み立てを少しずつずらしていくアルバムとして捉えやすい。
結果として『The Colour Of Spring』は、Talk Talkのディスコグラフィーの中でも、ポップと実験の境目に置かれた作品として印象に残る。1986年のUKロック/ポップの流れの中で見ても、静かに存在感を増していくタイプのアルバムだ。
トラックリスト
- A1 Happiness Is Easy
- A2 I Don’t Believe In You
- A3 Life’s What You Make It
- A4 April 5th
- B1 Living In Another World
- B2 Give It Up
- B3 Chameleon Day
- B4 Time It’s Time
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Josef K – Young And Stupid / Endless Soul (1987)

Josef K「Young And Stupid / Endless Soul」について
Josef Kは、スコットランド・エディンバラ出身のポストパンク・グループ。1979年に結成され、1982年に活動を終えている。
この「Young And Stupid / Endless Soul」は1987年の作品で、UKリリースのシングルとして残されている。
バンドの背景
メンバーはPaul Haig、Malcolm Ross、David Weddell、Ronnie Torrance。Paul Haig、Malcolm Ross、David Weddellは以前、The Exploitedのドラマーを含むTV Artでも活動していた。
同じ学校であるエディンバラのFirrhill High Schoolで顔を合わせていたことも、このバンドの出発点になっている。
バンド名は、フランツ・カフカの小説『審判』の主人公から取られている。ポストパンクの文脈に置くと、文学由来の名前も当時らしい要素のひとつに見える。
作品の位置づけ
1980年代後半のUKロックの中で、Josef Kのようなバンドはニューウェイヴとポストパンクの境目を意識させる存在として語られることが多い。
この作品も、その流れの中にある一枚として捉えやすい。
タイトル曲「Young And Stupid」と「Endless Soul」という組み合わせからは、シングルらしいまとまりがうかがえる。録音の質感やリズムの運びには、ポストパンクらしい硬さと、ニューウェイヴ寄りの整った感触が重なっているように見える。
サウンドの印象
Josef Kの音楽は、ギターの切れ味、タイトなリズム、必要以上に飾らない録音の雰囲気が特徴として挙げられやすい。
この作品でも、そうした要素が前面に出るタイプの一枚として受け取れそうだ。
関連情報
- アーティスト名: Josef K
- タイトル: Young And Stupid / Endless Soul
- リリース年: 1987年
- リリース国: UK
- ジャンル: Rock
- スタイル: New Wave, Post-Punk
公式サイトや関連ページも残っており、バンドの活動史をたどりやすい環境がある。
1980年代のUKポストパンクを振り返るうえで、Josef Kの名前とこの作品は、ひとつの線でつながる存在。
トラックリスト
- A1 Heart Of A Song
- A2 Endless Soul
- A3 Citizens
- A4 Variation Of A Scene
- A5 It’s Kinda Funny
- A6 Sorry For Laughing
- B1 Chance Meeting
- B2 Heaven Sent
- B3 Drone
- B4 Sense Of Guilt
- B5 Revelation
- B6 Romance
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Arabs In Aspic – Progeria (2003)

Arabs In Aspic『Progeria』について
ノルウェーのヘヴィ・プログレッシブ・ロック・バンド、Arabs In Aspicによる『Progeria』は、2003年に発表された作品。2021年盤としてあらためて流通したレコードで、バンドの初期像を知るうえで重要な一枚として扱える内容だ。
バンドの輪郭
Arabs In Aspicは、1997年にノルウェー・トロンハイムで結成されたグループ。70年代ロックの感触を土台にしつつ、重いギターとドラム、12弦アコースティック、ファンキーなベース、パーカッション、ハモンド・オルガン、フェンダー・ローズ、メロトロン、1970年代的なシンセまでを組み合わせるスタイルで知られている。メンバーには Erik Paulsen、Jostein Smeby、Stig Arve Kvam Jørgensen、Tommy Ingebrigtsen、Eskil Nyhus、Alessandro Elide が名を連ねる。
サウンドの印象
ジャンル表記は Rock、スタイルは Prog Rock。実際の音像も、その枠組みに沿った作りになっているようだ。リズムはしっかり前に出て、ギターとオルガンが厚みを作り、そこに鍵盤類のレイヤーが重なる構成。録音の雰囲気も、現代的に整えすぎるというより、楽器の鳴りをそのまま並べたような質感が想像しやすい。演奏の密度と、70年代志向の音色選びがポイントになっている作品と見てよさそうだ。
位置づけ
2003年作という時点で、Arabs In Aspicがまだ初期の段階にいたことがうかがえる。のちにバンドの持ち味として語られるであろう、重さとメロディ、オルガンやアコースティック楽器の併置、コーラスの積み重ねといった要素が、この時点から意識されていた可能性が高い。ノルウェーのプログレ・シーンの中でも、古典的なロックの語法を強く引き継ぐタイプのバンドとして捉えやすい一作。
作品について
タイトルの『Progeria』は作品名として強い印象を残すが、内容面では、派手な奇抜さよりも、バンドの基本線を確認するような作りに重心があるように見える。重いギター、ハモンド、シンセ、ハーモニーという要素の組み合わせは、このバンドのプロフィールをそのまま音にしたような並びだ。
- アーティスト: Arabs In Aspic
- タイトル: Progeria
- オリジナル・リリース年: 2003年
- 盤のリリース年: 2021年
- 国: Norway
- ジャンル: Rock
- スタイル: Prog Rock
70年代ロックの要素を軸にしたノルウェー産プログレとして、Arabs In Aspicの出発点を確認できるタイトルだ。
トラックリスト
- A1 Progeria (1:47)
- A2 Silver Storm (8:01)
- B1 Shelob’s Cave/The Great Shelob/Wizard In White (7:38)
- B2 Megalodon (9:51)
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Siouxsie & The Banshees – Kaleidoscope (1980)

Siouxsie & The Banshees『Kaleidoscope』
Siouxsie & The Bansheesの『Kaleidoscope』は、1980年に発表された作品。ロンドンで1976年に結成されたU.K.バンドによる、ニュー・ウェイヴ/ポストパンク期の流れをはっきり示す一枚だ。ヴォーカルのSiouxsie Sioux、ベースのSteven Severinを軸に、当時の編成でバンドの輪郭が固まっていく時期のアルバムでもある。
作品の雰囲気
リズムは硬質で、ベースの動きが前に出る場面が多い。ギターやドラムも含めて、音の隙間を残しながら組み立てる感触があり、録音全体にも冷えた質感がある。派手に押し切るというより、細部の配置で緊張感を作るタイプのサウンドだ。
ニュー・ウェイヴとポストパンクの文脈に置くと、装飾を抑えたアレンジ、反復するリズム、低音の存在感がこの時代らしい要素として見えてくる。1980年という年の空気をそのまま映したような、初期バンドの重要作という位置づけになりそうだ。
バンドの流れの中で
Siouxsie & The Bansheesは編成の変化が多いバンドとしても知られるが、『Kaleidoscope』の時期には、後の展開につながる人選が入ってくる。John McGeochがギターで参加し、Budgieがドラムを担当する体制へ移っていく流れの入口でもある。バンドの音像が次の段階へ進む前触れのような作品、と見ることもできる。
同時代との関わり
1980年前後の英国では、パンク以後の表現がニュー・ウェイヴやポストパンクとして広がっていた。その中でSiouxsie & The Bansheesは、鋭いリズム感と独特の間合いを持つバンドとして存在感を強めていく。『Kaleidoscope』も、その流れの中で位置づけやすいアルバムだ。
リリース情報
- アーティスト: Siouxsie & The Banshees
- タイトル: Kaleidoscope
- オリジナルリリース年: 1980
- リリース国: Japan
- ジャンル: Rock
- スタイル: New Wave, Post-Punk
1980年のSiouxsie & The Bansheesを知るうえで、ひとつの節目になるタイトルだ。
トラックリスト
- A1 Happy House (3:52)
- A2 Tenant (3:40)
- A3 Trophy (3:19)
- A4 Hybrid (5:32)
- A5 Clockface (1:53)
- A6 Lunar Camel (3:03)
- B1 Christine (3:00)
- B2 Desert Kisses (4:16)
- B3 Red Light (3:22)
- B4 Paradise Place (4:34)
- B5 Skin (3:49)
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Solaris – 1990 (1990)

Solaris『1990』について
ハンガリーのシンフォニック・プログレッシブ・ロック・バンド、Solarisによる1990年の作品。フルート、キーボード、ギターを軸にした編成で、インストゥルメンタル寄りの構成が想像しやすい一枚だ。ジャンル表記はElectronic、Rock、スタイルはProg Rock、Symphonic Rock。バンドの持つ演奏主体の組み立てが、そのまま作品の輪郭になっている。
バンドの背景
Solarisは1980年2月、ブダペストの大学生たちによって結成された。結成メンバーは、Kollár Attila(フルート)、Erdész Róbert(キーボード)、Cziglán István(ギター)、Seres Attila(ベース)、Tóth Vilmos(ドラム)。その後、80年代半ばにはドラムがGömör Lászlóに、ベースがPócs Tamásに交代している。現在のラインナップにはBogdán Csaba、Kisszabó Gáborも加わっている。
『1990』の位置づけ
この作品は、1990年にハンガリーで出たSolarisのオリジナル・リリース。バンド名義のディスコグラフィーの中でも、90年代の入口にあたる時期の記録として見える。80年代のプログレ文脈を引き継ぎつつ、電子的な要素も含む構成が、この時代の空気につながっている。
サウンドの印象
フルートとキーボードが前に出る編成だけに、旋律の受け渡しがはっきりしている。リズム隊は派手に押し出すというより、曲の流れを整える役回りに見える。録音はスタジオ作品らしいまとまりがあり、各楽器の輪郭を追いやすいタイプ。シンフォニック・ロックらしい展開の積み重ねと、電子音の使い方が並ぶところがポイントになりそうだ。
同時代とのつながり
ハンガリーのプログレ・ロックという文脈では、欧州圏のシンフォニック系の流れと接点を持つ作品として捉えやすい。1970年代的な組曲志向や演奏主導の作りを引きずりながら、1990年という時期らしく、ロックと電子音の接続も見える一枚。
クレジット
- アーティスト: Solaris
- タイトル: 1990
- リリース年: 1990年
- 国: ハンガリー
- ジャンル: Electronic, Rock
- スタイル: Prog Rock, Symphonic Rock
トラックリスト
- 1980
- A1 A Viking Visszatér (4:00)
- A2 Ellenpont (4:03)
- A3 Óz (5:12)
- A4 Mickey Mouse (3:16)
- A5 Éden (6:04)
- Los Angeles 2026
- B1 Los Angeles 2026 (23:21)
- Éjszakai Tárlat
- C1 Éjszakai Tárlat I. (6:09)
- C2 Éjszakai Tárlat II. (Szabadjáték) (7:32)
- C3 Éjszakai Tárlat III. (Éjféli Valcer) (3:33)
- C4 Éjszakai Tárlat IV. (Józsi Mátészalkára Megy) (5:58)
- C5 Éjszakai Tárlat V. (1990) (4:42)
- Ünnepi Koncert
- D1 E-Moll Concerto (Allegro Con Molto) (3:40)
- D2 Paella (2:30)
- D3 A Kígyó Szive (3:20)
- D4 Ez Nem Kán-Kán (0:56)
- D5 Magyar Tánc (3:33)
- D6 Duó (4:26)
- D7 Solaris 1990 (4:15)
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Daisaku Yoshino – ランプ製造工場 (1974)

Daisaku Yoshino「ランプ製造工場」について
「ランプ製造工場」は、Daisaku Yoshinoによる1974年の作品。日本のアーティストによる、フォークロックを軸にしたレコードとして位置づけられる一枚だ。アーティストは1951年生まれで、70年代前半の日本のロック/フォークの流れの中に置いて見ると、当時の空気感が見えやすい。
作品の輪郭
ジャンル表記はRock、Folk、World, & Country、スタイルはFolk Rock。つまり、ロックの構成感を持ちながら、フォーク由来の弾き語り感や歌の前面性が意識されるタイプの作品として捉えられる。日本制作・日本リリースの作品で、70年代の国産フォークロックの文脈に沿うタイトルと言える。
サウンドの印象
フォークロックらしく、リズムは派手さよりも曲の流れを支える役割が中心になりやすい。録音の質感も、当時らしい素朴さや近さを感じさせる方向に収まっている可能性が高い。アコースティックな響きとバンドの鳴りが重なる、70年代前半の日本作品らしい手触り。
作品の位置づけ
1974年のオリジナル作品として見ると、Daisaku Yoshinoの活動期の中でも、70年代のフォークロック的な表現を示す一作として受け取れそうだ。日本の同時代作品の中でも、歌を中心に据えたロックの流れに接続する内容として整理できる。
ひとことでまとめると
「ランプ製造工場」は、1970年代の日本のフォークロックの空気を映す作品。ロックの骨格とフォークの歌心が重なる、時代性の見えやすい一枚だ。
トラックリスト
- A1 風の街から
- A2 掘っ立て小屋のある街
- A3 六月の空
- A4 朝陽のように
- B1 朝の賛歌
- B2 あの丘から遠く離れて
- B3 特急列車に乗って
- B4 自由
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Sacred Miracle Cave – Liquid In Me (1990)

Sacred Miracle Cave「Liquid In Me」について
Sacred Miracle Caveの「Liquid In Me」は、1990年に発表されたロック作品。アーティストはUSのオルタナティヴ・ロック・バンドとして知られ、活動期は1980年代後半から1990年代初頭にかけてのものになる。ここでは、オルタナティヴ・ロックを軸に、スペース・ロックやサイケデリック・ロックの要素が重なる構成として捉えられる。
作品の輪郭
本作は、ロックの基本形を土台にしながら、音の広がりや反復を意識したつくりが特徴になりやすいタイプの作品。リズムは前に出すぎず、一定の推進力を保ちながら進む印象で、ギターや音像の重なりが曲の空気を形づくる場面が目立つ。
録音の質感は、90年代初頭のオルタナティヴ周辺らしい、やや生々しさを残した響きとして受け取れる。きれいに整えすぎない手触りの中で、サイケデリック寄りの揺れや、スペース・ロック的な空間の使い方が見えてくる内容。
アーティストの流れの中で
Sacred Miracle Caveにとって「Liquid In Me」は、活動期の空気をそのまま映したような一枚として位置づけられる。USのオルタナティヴ・ロックが、同時期のインディー・ロックやサイケデリックな感覚と接続していく流れの中で、その輪郭を示す作品でもある。
メンバーにはChris Bagarozzi、Rob Walther、Allen Clark、Keith Telligman、Betsy Palmerが名を連ねる。バンドとしての編成がそのまま音の厚みや役割分担につながっている印象。
同時代の文脈
1990年という時期は、オルタナティヴ・ロックが徐々に広い層へ届き始める前夜のようなタイミングでもある。その中で「Liquid In Me」は、ロックの枠内にとどまりながら、空間性や反復、音の滲みを取り込む方向性を示す作品として見ることができる。
- アーティスト: Sacred Miracle Cave
- タイトル: Liquid In Me
- オリジナルリリース年: 1990年
- リリース国: UK
- ジャンル: Rock
- スタイル: Alternative Rock, Space Rock, Psychedelic Rock
1990年のオルタナティヴ周辺の空気を、ロック、スペース感、サイケデリックな揺れの組み合わせで切り取った一枚、という見方がしやすい。
トラックリスト
- A Liquid In Me
- B1 Motor Takes To Sink
- B2 Sister Blue
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Quantum – Down The Mountainside (2024)

Quantum「Down The Mountainside」について
Scandinaviaのプログレッシブ・ロック・バンド、Quantumによる「Down The Mountainside」は、2024年の作品。Bass playerでシンガーのAnton Ericsson、ドラマーのOlof Simander、ギタリストのFredrik Reinholdsenを軸にしたグループで、メンバーにはMarcus Lundberg、Samuel Walfridssonも名を連ねる。
バンドの背景を見ると、GenesisやKing Crimson系のプログレッシブ・ロックから、The Dillinger Escape Planのようなエクストリーム・メタル、さらにMahavishnu Orchestraに通じるジャズ・フュージョンまで、幅広い要素を参照していることがうかがえる。そうした文脈の中で、この作品もロックを基盤にしながら、変拍子や展開の切り替えを含む構成が想像しやすい一枚。
サウンドの印象
ジャンル表記はRock、スタイルはProg Rock。リズムの組み替えや楽器同士の掛け合いが前に出るタイプの演奏が中心になりそうで、ギター、ベース、ドラムの動きが曲の流れを作っていく作品像。録音の雰囲気も、各パートの輪郭を追いやすい仕上がりが想像される。
この作品の位置づけ
Quantumにとって「Down The Mountainside」は、2024年時点の作品として、バンドの現在地を示す一枚。クラシックなプログレッシブ・ロックの語法を土台にしつつ、より硬質な要素や現代的な緊張感も取り込む姿勢が、このグループの輪郭につながっている。
同時代の文脈
2020年代のプログレッシブ・ロックでは、70年代的な構成美を参照しながら、メタルやフュージョンの要素を重ねるバンドが少なくない。Quantumもその流れの中に置ける存在で、北欧シーンらしい端正さと、複数ジャンルをまたぐ作曲感覚が見えてくる。
作品全体としては、バンドの参照元がそのまま並ぶというより、複数の要素を整理しながら組み上げた印象の一作。タイトルの通り、曲の展開や高低差を意識した構成が置かれていそうなアルバムだ。
トラックリスト
- A1 The Hivemind & The Cockroach
- A2 On The Verge
- A3 Down The Mountainside Pt.1
- A4 Moths & Leaves
- B1 Abstract Bliss
- B2 Dots
- B3 Down The Mountainside Pt.2
- B4 The Last Stone