Quatermass – Quatermass (1970)

Quatermass - Quatermass

Quatermass / Quatermass

1970年にUKで登場した、Quatermassの唯一のアルバム。メンバーはJohn Gustafson、J. Peter Robinson、Mick Underwoodの3人で、ベース、ハモンド・オルガン、ドラムスを軸にしたパワー・トリオ編成になっている。ハードなロックの推進力に、鍵盤の厚みや管弦楽的なアレンジを重ねた、当時のブリティッシュ・プログレ周辺に位置する作品。

サウンドの輪郭

全体の印象は、リズムの押し出しが強く、演奏の密度も高め。Mick Underwoodのドラムは前に出てきて、John Gustafsonのベースとボーカルが土台を作る。そこにJ. Peter Robinsonのキーボードが加わり、ハモンド・オルガンのうねりや、クラシカルな弦の響きが差し込まれる構成。ブルース・ロックの筋肉質な感触と、アート・ロック、シンフォニック・ロック寄りの装飾性が同居している印象。

録音の雰囲気は比較的ストレートで、音数は多いが輪郭は見えやすいタイプ。曲によっては展開が細かく、リフの切り替えやブレイクが目立つ。とくに「Laughin’ Tackle」では、弦楽器の大編成が加わり、ロック・バンドの枠を広げるような作りになっている。

作品の位置づけ

Quatermassは短命だったバンドで、このアルバムが唯一の作品。バンド名はBBCのSFドラマに由来し、70年代初頭の英国ロックらしい、ロックと物語性の近さも感じさせる。後年の活動につながる人脈も多く、John GustafsonはのちにBulletを結成し、Mick UnderwoodはEpisode Sixへと進む。

また「Black Sheep of the Family」は、のちにRainbowが最初に録音した曲としても知られている。そうした意味でも、このアルバムは単独作でありながら、周辺シーンへの接点がいくつも見える一枚。

同時代の文脈

1970年前後のUKでは、ブルース・ロックを土台にしながら、キーボード主体の展開やクラシカルな要素を取り込むバンドが増えていた時期。Quatermassもその流れの中で、ハードな演奏力と構築的なアレンジを両立させた作品として位置づけられる。The Niceのような鍵盤主体のプログレ、あるいは初期のハード寄り英国ロックを思わせる要素もあり、ジャンルの境目を行き来する内容になっている。

盤について

  • アーティスト: Quatermass
  • タイトル: Quatermass
  • オリジナル・リリース年: 1970年
  • 盤のリリース年: 1975年
  • 国: UK
  • メンバー: Peter Robinson, John Gustafson, Mick Underwood
  • ジャンル: Rock
  • スタイル: Blues Rock, Art Rock, Prog Rock, Symphonic Rock

トラックリスト

  • A1 Entropy
  • A2 Black Sheep Of The Family
  • A3 Post War Saturday Echo
  • A4 Good Lord Knows
  • A5 Up On The Ground
  • B1 Gemini
  • B2 Make Up Your Mind
  • B3 Laughin’ Tackle
  • B4 Entropy (Reprise)

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2026.05.05

Ertlif – Relics From The Past: Unreleased Recordings 1974-1975 (2017)

Ertlif - Relics From The Past: Unreleased Recordings 1974-1975

Ertlif『Relics From The Past: Unreleased Recordings 1974-1975』について

スイスのプログレッシブ・ロック・グループ、Ertlifによる未発表音源集。収録されているのは1974年から1975年にかけての録音で、作品としては2017年に登場している。バンドの初期から中期にあたる時期の記録として、グループの輪郭をそのまま切り取ったような内容になっている。

Ertlifは1970年にバーゼルで結成されたバンドで、サイケデリック・ロックとプログレッシブ・ロックのあいだを行き来する存在。英語ヴォーカルを前面に置いた編成で知られ、70年代スイスのロック・シーンの流れの中でも、演奏主体の展開を持つグループとして位置づけられる。

サウンドの印象

この作品では、70年代中盤らしいざらついた録音感と、楽器の輪郭が前に出る質感が目立つ。ギターは歪みを保ちながらも音数を詰め込みすぎず、キーボードが空間を広げる役割を担う場面が多い。リズムは直線的に押すだけでなく、曲ごとに細かく揺れながら進んでいく印象。

サイケデリックな色合いとプログレらしい構成感が同居していて、長めの展開でも演奏の流れが途切れにくい。録音は華美ではなく、むしろ当時のバンド・セッションの空気をそのまま残したような雰囲気。音の厚みよりも、各パートの動きが見えやすいタイプの仕上がり。

作品の位置づけ

2017年時点でまとめられたこの音源集は、Ertlifの初期活動を確認する資料としての意味合いが強い。正式アルバムとは少し違い、完成形よりも制作途中の熱量やバンドの方向性をたどる楽しさがある。既発のスタジオ作とは別の角度から、グループの変化を見られる一枚。

メンバーには James Mosberger、Richard John Rusinski、Teddy Riedo、Danny Andrey、Andy Seghers、Cornel Sidler、Hans-Peter Börlin、Robi Süffert、Andy Gerber、Patrick Unger、Claude Weinmann らの名前が並ぶ。現在の編成とは異なる、70年代の時期ならではの顔ぶれ。

同時代の文脈

1974年から1975年という時期は、ヨーロッパ圏のプログレッシブ・ロックが独自の色を強めていた頃でもある。英米の大きな潮流を受けつつ、より硬質で内省的な演奏や、サイケデリックな感触を残した展開が各地で見られた時代。その中でErtlifも、派手さ一辺倒ではない、演奏の積み重ねで聴かせるタイプのグループとして捉えやすい。

2017年に世に出たこの『Relics From The Past: Unreleased Recordings 1974-1975』は、そうした70年代中盤の空気を、未発表音源という形でそのまま伝える記録的な作品。Ertlifの初期像をたどるうえで、ひとつの手がかりになる内容。

トラックリスト

  • A1 Figments Of My Mind (11:55)
  • A2 Camargue (5:29)
  • A3 Distorted Dreams (4:51)
  • B Edgar Flee (20:48)

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2026.05.04

Various – Circus Days Volume Four (UK Psychedelic Obscurities 1967-72) (1991)

Various - Circus Days Volume Four (UK Psychedelic Obscurities 1967-72)

Circus Days Volume Four (UK Psychedelic Obscurities 1967-72) について

Various 名義のコンピレーション作品で、タイトルは Circus Days Volume Four (UK Psychedelic Obscurities 1967-72)。1991年のUKリリースで、作品全体としては1967年から1972年までの英国サイケデリック周辺の音源をまとめた内容になっている。ロックを軸にしつつ、ポップロック、サイケデリックロック、プログレッシブロックの要素が交差する一枚だ。

作品の輪郭

このタイトルが示す通り、いわゆる定番曲を前面に出すというより、英国ロックの周縁にある音源を拾い上げた構成が見えてくる。1960年代後半から1970年代初頭にかけての空気感を、そのまま切り取ったような編集盤という印象で、当時のサイケデリック・ムーブメントや、その後に続くプログレッシブな展開の流れも感じやすい内容だ。

Various名義であることから、特定のバンド単位で追う作品ではなく、複数のアーティストによる断片を通して時代の輪郭を見せるタイプのアルバムといえる。個々の楽曲が積み重なることで、英国ロックの実験性や、ポップなメロディと少し歪んだ感触の同居が見えてくる構成。

サウンドの特徴

サウンド面では、軽快なビートの上に、揺れるようなギター、少し霞んだ録音の質感、当時らしい素朴さのあるアレンジが想像しやすい。曲によってはポップ寄りの親しみやすさがあり、別の曲ではリズムや展開にひねりが入る。サイケデリック・ロックらしい色彩感と、プログレッシブ・ロックに通じる構成の工夫が同居している点が、この時代の英国作品らしいところだ。

録音は現代的なクリアさよりも、ややざらついた空気感や、スタジオの距離感が残るタイプのものとして受け取れそうだ。音の輪郭がくっきりしすぎないぶん、曲ごとのムードの違いが前に出る構成。

位置づけ

1991年時点でこうした英国サイケデリックの周辺音源をまとめたこと自体、当時の再評価の流れの中にある作品として見える。オリジナルの活動時期は1967年から1972年にまたがり、英国ロックがポップの延長から実験へ、さらに構築的なロックへと移っていく過程を、まとめてたどれる内容だ。

ジャンルの文脈でいうと、サイケデリック・ロックの鮮やかさ、ポップロックの軽さ、プログレッシブ・ロックの展開美が、ひとつの時代の中でゆるやかにつながっている。そのつながりを確認できる編集盤、という位置づけが近い。

まとめ

「Circus Days Volume Four (UK Psychedelic Obscurities 1967-72)」は、英国ロックの1967年から1972年にかけての空気を、複数のアーティストの音源でたどるコンピレーションだ。派手さよりも、時代特有の質感、リズムの揺れ、サイケデリックな色合い、そしてプログレッシブへ接続していく流れが印象に残る作品である。

トラックリスト

  • A1 Virginia Water
  • A2 Kamakazi Moth
  • A3 Shout It
  • A4 Baby, Come On
  • A5 Go Your Way
  • A6 Fairylights
  • A7 Tawney Wood
  • A8 To Girls
  • A9 Yes I Heard A Little Bird
  • B1 Broken Toys
  • B2 Until The Rains Come
  • B3 King & Queen
  • B4 Apple Pie
  • B5 Little Girl Lost And Found
  • B6 Go Home Ulla
  • B7 Phoebe’s Flower Shop
  • B8 She
  • B9 Sexologie

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2026.05.04

Skullcap – Snakes Of Albuquerque (2025)

Skullcap - Snakes Of Albuquerque

Skullcap『Snakes Of Albuquerque』

USのトリオ、Skullcapによるデビュー録音が『Snakes Of Albuquerque』。2025年の作品で、ジャズとロックを土台にしながら、フリー・インプロヴィゼーション、クラシカルな感触、変則的なリズム感を重ねた内容になっている。編成はパワー・チェロ・トリオという形で、名前の通りチェロを軸にしたアンサンブルの存在感が大きい作品といえる。

作品の輪郭

プロフィールにある通り、ここではロック、ジャズ、即興、そして作曲的な要素がひとつの流れの中で扱われている。メロディの分かりやすさを残しつつ、演奏の展開は読み切れない方向へ進みやすいタイプの音像で、実験性と聴きやすさのあいだを行き来する印象がある。タイトルにもある地名のイメージをそのまま音に置き換えたような、具体的な場面転換を含む作りを想像させる。

サウンドの特徴

この作品の要点は、リズムの組み立て方にありそうだ。拍をまっすぐに置くというより、ずらしたり折り返したりしながら進むタイプの演奏が想像される。そこにチェロ由来の厚みと、ロック寄りの推進力、ジャズ的なフレーズ感が重なる構図。質感としては、緻密さと生々しさが同居する方向で、録音も演奏の細部が見えやすいタイプに感じられる。

位置づけ

Skullcapにとっては初めての記録となる作品で、バンドの基礎線を示す一枚と見てよさそうだ。ジャズとロックの境界をまたぐ試みは珍しくないが、ここではチェロ・トリオという編成がその境界を少し独特な角度から見せている。同時代の実験的なプログレ、モーダルな感覚を含むインストゥルメンタル作品の流れの中でも、かなり演奏主体の立ち位置にある。

簡単な印象

  • US発のジャズ/ロック作品
  • フリー・インプロヴィゼーションと作曲性の併走
  • 変則的で動きの多いリズム感
  • チェロを軸にした厚みのあるアンサンブル
  • 実験性のあるプログレ寄りの感触

『Snakes Of Albuquerque』は、ジャンルの枠をまたぎながらも、演奏の手触りで押していくタイプのアルバムとして捉えやすい。ジャズ、ロック、モーダルな感覚、そして即興の要素が、ひとつのトリオ編成の中でどう組み合わさるかに注目したい作品だ。

トラックリスト

  • A1 Pine Trees Of Tennessee (5:35)
  • A2 Rt. 40 (3:13)
  • A3 Bear Out There (3:28)
  • A4 Journey To The Sunset (3:22)
  • A5 Snakes Of Albuquerque (4:28)
  • B1 700 Miles (1:07)
  • B2 Orange Sky (4:22)
  • B3 Just Passin’ Thru (1:56)
  • B4 Desert Turtles (6:20)
  • B5 Ambrosia Burger (1:31)
2026.05.04

Big Big Train – Woodcut (2026)

Big Big Train - Woodcut

Big Big Train『Woodcut』

Big Big Trainは、1990年に結成されたイングランド・ボーンマス拠点のプログレッシブ・ロック・バンド。ソングライターのGreg Spawtonを軸に活動を続けてきたグループで、本作『Woodcut』は2026年の作品として位置づけられる。

作品の輪郭

ジャンルはロック、スタイルはプログ・ロック。Big Big Trainらしい、組曲的な展開や緻密なアレンジを想像させるタイトルで、バンドの長いキャリアの中でも近年の編成を反映した一枚と見られる。現メンバーにはGreg Spawton、Rikard Sjöblom、Nick D’Virgilio、Alberto Bravinが並ぶ。

Big Big Trainは、英国プログレの流れを受け継ぎながら、過度に派手すぎない構成美と、メロディの積み重ねで聴かせるタイプのバンドとして知られている。『Woodcut』でも、そうした作風が中心にあると考えられる。

サウンドの印象

Big Big Trainの音像は、ギター、キーボード、ドラムを軸にしつつ、楽器の重なりを丁寧に組み上げていく質感が特徴的。リズムはきっちりと組まれ、曲によっては拍の流れに細かな変化が入ることも多い。録音は輪郭がはっきりしていて、各パートの分離感があるタイプの仕上がりになりやすい。

派手な歪みで押し切るというより、音の層を少しずつ増やしていく作り。そこに歌とコーラスが乗ることで、重厚さと透明感が同居するような聴き味につながっている。

バンドの中での位置づけ

Big Big Trainは1990年の結成以来、メンバー交代を重ねながら活動を継続してきた。現在はGreg Spawtonが最後のオリジナル・メンバーとしてバンドを支えている。David Longdon期を経て、現在の編成に移ってからの作品という意味でも、『Woodcut』はバンドの現在地を示す一枚として捉えられる。

英国プログレの文脈では、70年代的な叙情や構築性を参照しつつ、現代的な録音でまとめる流れが続いている。Big Big Trainもその延長線上にあるバンドで、『Woodcut』はその系譜の中に置ける作品といえる。

基本情報

  • アーティスト: Big Big Train
  • タイトル: Woodcut
  • リリース年: 2026
  • ジャンル: Rock
  • スタイル: Prog Rock
  • アーティストの国: Europe
  • リリース国: Europe

トラックリスト

  • A1 Inkwell Black (0:56)
  • A2 The Artist (7:16)
  • A3 The Lie Of The Land (2:56)
  • A4 The Sharpest Blade (4:16)
  • B1 Albion Press (5:46)
  • B2 Arcadia (5:46)
  • B3 Second Press (0:37)
  • B4 Warp And Weft (3:45)
  • C1 Chimaera (5:37)
  • C2 Dead Point (5:28)
  • C3 Light Without Heat (3:22)
  • C4 Dreams In Black And White (2:34)
  • D1 Cut And Run (6:19)
  • D2 Hawthorn White (1:54)
  • D3 Counting Stars (5:40)
  • D4 Last Stand (3:34)

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2026.05.04

Siglo Cero – Latinoamérica (1970)

Siglo Cero - Latinoamérica

Siglo Cero『Latinoamérica』

Siglo Ceroは、1969年にボゴタで結成されたコロンビアのプログレッシブ・ロック・バンドで、1970年に唯一のLPを残したグループとして知られている。その作品が『Latinoamérica』で、ジャズ、ロック、ラテンの要素を重ねた、実験性の強い内容になっている。

作品の位置づけ

バンドにとっては、短い活動の中で残された代表作という位置づけになる。プログ・ロック、ジャズ・ロック、サイケデリック・ロックの流れに、ラテン的なリズム感を持ち込んだ点が、この作品の輪郭をはっきりさせている。

サウンドの印象

演奏は、ギターや鍵盤を軸にしながらも、一定の型に収まりきらない動きがある。リズムは直線的になりすぎず、ところどころで揺れを含み、打楽器的な推進力も感じられる。録音は現代的に整った質感ではなく、時代相応のざらつきと空気感が残るタイプで、そこにサイケデリックな響きが重なっている。

曲によっては、ジャズ寄りのフレーズが前に出たり、ロックの骨格が強く出たりと、要素の切り替わりが見えやすい。まとまりよりも展開の変化が印象に残るタイプの作りで、70年代初頭の実験的なラテン・ロックの空気をそのまま閉じ込めたような盤面。

同時代の文脈

1970年前後は、ロックがジャズやラテン音楽と交差しながら、各地でプログレッシブな方向へ広がっていった時期でもある。『Latinoamérica』も、その流れの中で生まれた作品として見ると、地域性と当時の実験精神が重なった一枚として捉えやすい。

盤について

ここで触れているのは2018年盤で、作品そのもののオリジナルは1970年。オリジナルの時代感を持った音像を、後年のリリースで手に取れる形になっている。

  • アーティスト: Siglo Cero
  • タイトル: Latinoamérica
  • オリジナル・リリース年: 1970年
  • 盤のリリース年: 2018年
  • 国: Portugal
  • メンバー: Jaime “Patrón” Rodríguez, Roberto Fiorilli, Humberto Monroy
  • ジャンル: Jazz / Rock / Latin
  • スタイル: Experimental, Psychedelic Rock, Prog Rock, Jazz-Rock

トラックリスト

  • A Viaje 1 (16:00)
  • B Viaje 2 (16:00)

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2026.05.04

Anekdoten – A Time Of Day (2007)

Anekdoten - A Time Of Day

Anekdoten『A Time Of Day』

スウェーデンのプログレッシブ・ハードロック・バンド、Anekdotenによる『A Time Of Day』は、2007年リリースの作品。1991年にボルレンゲで結成されたこのバンドは、重いベース、メロトロン、そして70年代プログレの流れを感じさせる構成で知られている。その中でも、King Crimsonとの近さがよく語られるタイプのサウンド。

作品の輪郭

メンバーはNicklas Barker、Anna Sofi Dahlberg、Jan Erik Liljeström、Peter Nordins、そしてMarty Willson-Piper。ギター、チェロ、キーボード、ベース、ドラムがそれぞれ前に出るというより、全体で圧を作る編成。音の重心は低く、リズムは粘りがあり、演奏の隙間に冷たい空気が残るような質感。

録音の雰囲気も、過度に整えすぎた感じよりは、楽器の鳴りや厚みをそのまま捉えたような印象。メロトロンの響きが加わることで、硬質さの中に少し古い時代の陰影が入る構図。プログレらしい展開の多さと、ヘヴィ・ロック寄りの押しの強さが同居している作品といえる。

Anekdotenの中での位置づけ

Anekdotenは一貫して、70年代プログレの文脈を現在形で鳴らしてきたバンド。そのなかで『A Time Of Day』は、バンドの持つ重さ、緊張感、メロトロン中心の色合いをあらためて確認できる一枚として見える。2015年からはMarty Willson-Piperがツアーに参加しており、この時期の編成にもその流れが反映されている。

同時代・ジャンルとのつながり

2000年代のプログレ/ヘヴィ・ロックは、往年の70年代的な構成感を参照しながら、より暗い音像や重いリズムを前面に出す流れが目立つ。その中でAnekdotenは、派手さよりも音の圧力と陰影を重視する立ち位置。King Crimson系統の緊張感、北欧らしい冷たさ、そしてベースの存在感が印象に残るタイプの作品。

  • アーティスト: Anekdoten
  • タイトル: A Time Of Day
  • リリース年: 2007年
  • 国: Sweden
  • ジャンル: Rock
  • スタイル: Prog Rock

トラックリスト

  • A1 The Great Unknown (6:22)
  • A2 30 Pieces (7:14)
  • A3 A Sky About To Rain (6:29)
  • A4 Every Step I Take (3:06)
  • B1 King Oblivion (5:02)
  • B2 Stardust And Sand (4:30)
  • B3 In For A Ride (6:47)
  • B4 Prince Of The Ocean (5:30)

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2026.05.04

The Pineapple Thief – It Leads To This (2024)

The Pineapple Thief - It Leads To This

The Pineapple Thief / It Leads To This

イギリス系のプログレッシブ・ロックを代表する存在として知られる The Pineapple Thief による、2024年の作品。中心人物は Bruce Soord で、1999年にプロジェクトとして始まり、その後はバンド編成へと発展していった経緯を持つ。メロディを軸にしつつ、演奏の細部で緊張感を積み上げていくタイプのグループとして位置づけられる。

作品の輪郭

It Leads To This は、タイトルが示す通り、流れのある構成を意識した印象のある一枚。プログレッシブ・ロックらしい組曲的な感覚と、比較的コンパクトにまとまった楽曲のバランスが見える。音の重なりは多いが、むやみに厚くしすぎず、各パートの輪郭を保ったまま進む作り。

録音の質感は、輪郭のはっきりした現代的なロック・サウンド寄り。ギターは鋭さを持ちつつも前面に出過ぎず、キーボードは空間を広げる役割を担う。ドラムは細かなニュアンスが目立ち、リズムの切り替えやアクセントで曲の流れを支える。全体として、派手な装飾よりも、緻密なアンサンブルで聴かせるタイプに感じられる。

アーティストの流れの中で

The Pineapple Thief は、Bruce Soord のソングライティングを核にしながら、メンバーの変遷を経て活動を続けてきた。バンドとしての形が固まって以降は、個人プロジェクト由来の柔軟さと、演奏集団としての一体感が同居している。It Leads To This も、その延長線上にある作品として捉えやすい。

プログレッシブ・ロックの文脈では、技巧の誇示よりも、構成の流れや音の配置で引っ張る現代的な作法に近い。70年代的な要素を下敷きにしながらも、録音やアレンジは現在のロック作品らしい整理された印象。ジャンルの中でも、メロディと緻密さの両立を意識した立ち位置。

基本情報

  • アーティスト: The Pineapple Thief
  • タイトル: It Leads To This
  • リリース年: 2024
  • ジャンル: Rock
  • スタイル: Prog Rock
  • アーティストの国: USA & Europe
  • リリース国: USA & Europe

トラックリスト

  • A1 Put It Right
  • A2 Rubicon
  • A3 It Leads To This
  • A4 The Frost
  • B1 All Thats Left
  • B2 Now Its Yours
  • B3 Every Trace Of Us
  • B4 To Forget

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2026.05.04

Tako – U Vreći Za Spavanje (1992)

Tako - U Vreći Za Spavanje

Tako / U Vreći Za Spavanje

ユーゴスラビアのプログレッシブ・ロック・バンド、Takoによるアルバム「U Vreći Za Spavanje」。オリジナルは1980年に発表された作品で、ここで扱うのは1992年にドイツでリリースされた盤になる。70年代後半のユーゴ・プログレの流れを知るうえで、ひとつの重要な位置にある作品として見えてくる。

バンドの輪郭

Takoは70年代後半に活動したユーゴスラビアのプログレ・バンド。メンバーには、Dušan Ćućuz、Đorđe Ilijin、Sava Bojić、Milan Lolić、Slobodan Felekatović、Miroslav Dukićらが名を連ねる。バンドとしてはLPを2作残しており、本作はその2作目にあたる。

前作「Tako」から続く流れの中で、よりバンドの個性が整理された時期の録音として捉えられる作品。70年代のユーゴ圏にあった、演奏力を前面に出したプログレ志向の文脈がそのまま感じられる。

サウンドの印象

ジャンル表記はRock、スタイルはProg RockとSpace Rock。リズムは直線的に押し切るというより、展開を伴いながら進むタイプの組み立て。キーボード、フルート、ハープ、ギター、ベース、ドラムスがそれぞれ役割を持ち、音の層を重ねていく構成が目立つ。

音像は、ロックの骨格を保ちながらも、空間の広がりを意識した質感。メロディを追うだけでなく、楽器の響きや余韻が前に出る場面もあり、スペース・ロック的な感触につながっている。録音の雰囲気も、当時のプログレ作品らしい素朴さと密度のバランスがある。

作品の位置づけ

「U Vreći Za Spavanje」は、Takoのディスコグラフィーの中では2枚目のLPにあたる作品。バンドの活動期間が限られていたことを考えると、グループの音楽性を示す中心的な記録として見やすい。ユーゴスラビアのプログレ・ロックが持っていた、演奏の緊張感と広がりの両方を伝える一枚。

関連情報

  • アーティスト: Tako
  • タイトル: U Vreći Za Spavanje
  • オリジナルリリース年: 1980年
  • リリース国: Germany
  • ジャンル: Rock
  • スタイル: Prog Rock, Space Rock

トラックリスト

  • A1 U Vreći Za Spavanje (In The Sleeping Bag) (6:00)
  • A2 Senke Prošlosti (Shadows Of The Past) (5:51)
  • A3 Na Putu Ka Sebi (On The Voyage Into Oneself) (5:04)
  • A4 Horde Mira (Hords Of Peace) (5:04)
  • B1 Priče O Leni (Stories About Lena) (9:54)
  • B2 Dolina Leptira (Valley Of Butterflies) (5:27)
  • B3 Izgubljeno Ništa (Nothing Lost) (3:58)
  • B4 Igra Devojčice (Game Of A Little Girl) (2:32)

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2026.05.04

Pictures – Pictures (1983)

Pictures - Pictures

Pictures / Pictures(1983年)

Picturesは、UKのユニットPicturesによる同名作品。Freeezのサイド・プロジェクトとして位置づけられるグループで、メンバーはJohn RoccaとAndy Stennett。電子音楽を軸に、ジャズやロックの要素を重ねた作りになっている。

作品の輪郭

ジャンル表記としてはElectronic、Jazz、Rock、スタイルとしてはSynth-pop、Experimental、Prog Rock。こうした並びからも、シンセを前面に出した80年代初頭らしい質感と、型にはまりきらない構成志向が見えてくる。リズムは機械的な推進力を持ちながら、フレーズの運びにはジャズ寄りの柔らかさも感じられる組み合わせ。

録音の雰囲気は、過度に厚塗りではなく、音の輪郭を見せるタイプ。シンセの音色、リズムの反復、ギターや鍵盤の配置が、それぞれ独立しつつまとまっていく印象がある。派手さよりも、構成と音色の切り替えで聴かせるタイプの作品といえる。

時代背景と位置づけ

1983年という時期は、UKでシンセポップが広く浸透していた頃で、同時に実験性やプログレ的な組み立てを持つ作品もさまざまな形で残っていた。Picturesもその流れの中にあり、ダンス寄りの感覚と、アルバム単位での展開を意識した作りが同居している。

Freeez周辺の文脈を踏まえると、クラブ感覚や都会的なビートの延長線上にありながら、より自由な発想で音を組み立てたプロジェクトとして見えてくる。1980年代初頭のUKエレクトロニック作品の中でも、ジャンルの境目に置かれた一枚という印象。

ひとことで言うと

シンセポップの輪郭を持ちながら、ジャズやプログレの要素を差し込んだUK発の1983年作。整ったビートと実験的な構成が並ぶ、Picturesという名義の出発点として捉えやすい作品。

トラックリスト

  • A1 Lullabye (4:12)
  • A2 Nursery Rap (0:32)
  • A3 Dancing Mind To Mind (5:00)
  • A4 Skrahs (3:30)
  • A5 Battle Of The Leaves (8:15)
  • B1 Black Tiger (4:55)
  • B2 Loneliness (5:02)
  • B3 Child In A Sweet Shop (4:05)
  • B4 Adventure Lost (4:40)
  • B5 Voodoo (3:47)

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2026.05.03

The Pineapple Thief – All The Wars (2023)

The Pineapple Thief - All The Wars

The Pineapple Thief「All The Wars」

The Pineapple Thiefは、Bruce Soordを中心に活動してきたイギリスのプログレッシブ・ロック・バンド。1999年に始動し、内省的なメロディと緻密なアレンジを軸に作品を重ねてきた。「All The Wars」は、そうしたバンドの流れの中にある作品で、ロックを土台にしながら、プログレ寄りの構成感と繊細な音作りが前面に出た一枚として位置づけられる。

作品の輪郭

全体の印象は、派手さよりも組み立ての細かさに重心があるタイプ。ギターは輪郭をくっきり立てすぎず、音の重なりの中でじわじわ存在感を出していく。リズム面も、単に押し切るというより、拍の置き方や展開の切り替えで曲の流れを作る場面が目立つ。

録音の質感は比較的クリアで、各パートの分離が意識された仕上がり。空間の使い方も含めて、音数を詰め込みながらも窮屈になりにくい作りになっている。ボーカルは楽曲の中心に置かれつつ、演奏全体の流れに自然に溶け込む印象。

サウンドの特徴

  • ギター主体のロック・サウンド
  • 変化のあるリズムと曲展開
  • 音の輪郭がはっきりした録音
  • メロディを前に出しつつ、演奏で密度を作る構成

バンドの中での位置

The Pineapple Thiefは、Bruce Soordの音楽的な視点を核にしながら、時期ごとに編成を変えつつ進んできたバンド。元々はソロ的なプロジェクトとして始まり、その後はバンド形態へと発展している。そうした流れを踏まえると、「All The Wars」も、作曲者の感覚とバンドとしての演奏性が交差する地点にある作品として見えてくる。

プログレッシブ・ロックの文脈では、技巧の誇示よりも曲全体の流れや質感を重視するタイプの音作り。2000年代以降の英国プログレ周辺でよく見られる、メロディ重視でありながら構成は緻密、という方向性とも重なる。

ひとことで言うと

ロックの骨格に、プログレらしい構成感と繊細な音の積み重ねを置いた作品。演奏の緊張感と録音の整った質感が印象に残る一枚。

トラックリスト

  • A1 Burning Pieces
  • A2 Warm Seas
  • A3 Last Man Standing
  • A4 All The Wars
  • A5 Build A World
  • B1 Give It Back
  • B2 Someone Pull Me Out
  • B3 One More Step Away
  • B4 Reaching Out

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2026.05.03

Ovrfwrd – Starstuff (2020)

Ovrfwrd - Starstuff

Ovrfwrd『Starstuff』(2020)

ミネアポリスを拠点に2012年に結成された、米国のインストゥルメンタル・プログレッシブ・ロック・グループ、Ovrfwrdによる『Starstuff』。2020年の作品で、バンドの持つプログレッシブ・ロック志向と、シンフォニック・ロックの要素が前面に出た一枚として捉えやすい内容だ。

作品の輪郭

Ovrfwrdは、歌を中心に置かず、演奏そのものを軸に組み立てるバンド。『Starstuff』でもその方向性は変わらず、楽曲はリズムの切り替えや曲展開、層の厚いアンサンブルで進んでいく構成が想像しやすい。プログレッシブ・ロックらしい組曲的な流れと、シンフォニック・ロック寄りの重厚さが重なったタイプの作品といえる。

サウンドの印象

この手の文脈では、タイトなリズム隊、細かく動くギター、広がりのある音像が重要になるが、『Starstuff』もそうした要素を軸にしているように見える。録音の雰囲気は、楽器の分離感と密度の両方を意識した仕上がりが似合うジャンルで、硬質さと立体感が同居する方向性。派手な歌メロではなく、演奏の推進力で聴かせるタイプの一作だ。

アーティストにおける位置づけ

2012年に活動を始めたOvrfwrdにとって、『Starstuff』はインストゥルメンタル中心のスタイルを示す作品のひとつとして見やすい。バンドのプロフィールからも、演奏面を重視する姿勢がはっきりしていて、この作品でもその方針がそのまま反映されている印象だ。

ジャンルの文脈

2020年のプログレッシブ・ロックは、往年の長尺志向やシンフォニックな構成を踏まえつつ、現代的な音の輪郭や録音の明瞭さを取り入れる流れが目立つ。その中で『Starstuff』は、US発のインストゥルメンタル・プログレとして、演奏の複雑さと音の厚みを両立する方向に位置づけられる作品だ。

Ovrfwrdの公式サイトやSNS、YouTube、SoundCloudでは、バンドの活動や関連音源を確認できる。

トラックリスト

  • A1 Firelight (5:37)
  • A2 Let It Burn (King George) (5:58)
  • A3 Starstuff (5:09)
  • B1 Lookup (8:21)
  • B2 Daybreak (2:48)
  • B3 Zathras (4:35)
  • B4 From Parts Unknown (6:25)
2026.05.03

Professor Tip Top – Hybrid Hymns (2019)

Professor Tip Top - Hybrid Hymns

Professor Tip Top『Hybrid Hymns』について

『Hybrid Hymns』は、ノルウェー・ベルゲン出身のサイケデリック/スペースロック・バンド、Professor Tip Topによる2019年の作品。ジャンル表記はロック、スタイルはプログレッシブ・ロックで、バンドの持つ宇宙的な広がりと、組曲的な展開を思わせる性格が見えてくる一枚だ。

バンドの輪郭

Professor Tip Topは、ベルゲンを拠点に活動するサイケデリックでスペースロック志向のグループ。メンバーにはMette Mathiesen、Stein Høgseth、Jan Reed-Larsen、Charles Wise、Sam Fossbakk、David Sundby、Sonja Otto、Svein Magnar Hansenが名を連ねる。複数メンバーによる厚みのある編成が、そのまま音の層の多さにつながっている印象だ。

サウンドの印象

この作品は、プログレッシブ・ロックらしい曲展開と、サイケデリックな揺らぎをあわせ持つタイプの音像。リズムは単純に前へ押し出すというより、曲の流れに合わせて形を変えていくような作りが想像される。ギターや鍵盤が重なり、空間を広く使う録音の雰囲気もこの系統の作品らしい要素だ。

質感としては、硬質にまとめるよりも、音が少しずつ広がっていくような感触がある。スペースロックの文脈で見れば、反復と展開、浮遊感と緊張感の行き来がポイントになりそうだ。

作品の位置づけ

2019年の時点でのProfessor Tip Topの作品として見ると、バンドのサイケデリック/スペースロック路線を、よりプログレッシブ・ロック寄りに整理した一作という見方ができる。北欧のロック・シーンには、実験性とメロディを両立させるバンドが少なくないが、この作品もその流れの中に置いて捉えやすい。

関連情報

  • アーティスト: Professor Tip Top
  • タイトル: Hybrid Hymns
  • リリース年: 2019年
  • 出身: Bergen, Norway
  • リリース国: Norway
  • ジャンル: Rock
  • スタイル: Prog Rock

公式情報としては、FacebookページとBandcampが案内されている。作品の全体像をつかむ入口としては、そのあたりをたどるのが自然だろう。

トラックリスト

  • A1 Black Holes Part 1 (1:32)
  • A2 An Awkward Choice (5:57)
  • A3 Machine Emotions (6:10)
  • A4 The Dogs Are Coming…… (4:23)
  • A5 Datamining (4:57)
  • B1 Light Generator (1:14)
  • B2 Turing Machines (5:25)
  • B3 Passion (5:25)
  • B4 Hybrid Minds (2:29)
  • B5 ……Closer (2:54)
  • B6 The Final Night (3:28)
  • B7 Black Holes Part 2 (2:12)

関連動画

2026.05.03

Naxatras – V (2025)

Naxatras - V

Naxatras『V』について

ギリシャ・テッサロニキ出身のストーナー/サイケデリック・ロック・バンド、Naxatrasによる『V』は、2025年の作品。John Vagenas、Kostas Harizanis、John Delias、Pantelis Kargasの4人編成で、ギター、ドラム、ベース&ボーカル、キーボード/シンセサイザーを軸にした演奏体制になっている。

バンドは2012年結成。『V』は、そうした活動の流れの中で届く作品として位置づけられる。ロックを土台に、サイケデリック・ロック、ストーナー・ロック、プログレッシブ・ロックの要素が重なる構成。厚みのあるギター、低音の押し出し、反復を生かしたリズム、鍵盤やシンセによる広がりが、バンドの輪郭を形づくっている。

サウンドの印象

Naxatrasの持ち味は、重さと浮遊感の両立にある。リズム隊がしっかりと土台を支え、その上でギターがうねり、キーボードが空間を広げる形。音像は密度がありつつも、サイケデリックな質感が前に出やすい。録音の雰囲気も、演奏の生々しさと音の広がりが同居するタイプとして捉えられる。

ストーナー・ロック由来の粘りのあるグルーヴと、プログレッシブ・ロック寄りの展開感が重なるところもポイント。長めのフレーズや反復を軸にしながら、単調に寄りすぎない構成が見えやすいバンドだと言えそうだ。

作品の位置づけ

『V』というタイトルからも、バンドの継続的な歩みの中にある作品であることがうかがえる。2010年代以降のサイケデリック/ストーナー系の流れを背景にしつつ、そこへプログレッシブな要素を加えるNaxatrasの方向性が、ここでも反映されている印象。

ギリシャのロック・シーンの中でも、重厚さだけでなく、鍵盤やシンセを含めた立体的なアレンジを持つバンドとして整理できる。ジャンルの枠内に収まりながらも、演奏の組み立てで個性を出すタイプの作品として見ておきたい一枚。

基本情報

  • アーティスト: Naxatras
  • タイトル: V
  • リリース年: 2025
  • 出身: Thessaloniki, Greece
  • リリース国: Greece
  • ジャンル: Rock
  • スタイル: Psychedelic Rock, Stoner Rock, Prog Rock

トラックリスト

  • A1 Celestial Gaze (5:05)
  • A2 Spacekeeper (5:09)
  • A3 Numenia (5:09)
  • A4 Utopian Structures (5:29)
  • B1 Breathing Fire (5:17)
  • B2 Legion (4:51)
  • B3 Sand Halo (6:01)
  • B4 The Citadel (5:55)

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2026.05.02

Black Window – Black Widow (1990)

Black Widow - Black Widow

Black Widow / Black Widow

Black Widowの「Black Widow」は、1990年にドイツでリリースされた作品。バンド名をそのまま冠したタイトルで、Black Widowというグループの輪郭をつかみやすい一枚になっている。もともと彼らはイングランド、レスターでPesky Gee!の流れから1969年に結成された英国のロック・バンドで、オカルトやサタニックなイメージを早い時期から打ち出していたことで知られる。

作品の位置づけ

Black Widowは、1970年前後の英国ロック史の中では、プログレッシブ・ロックとハードロックの境界線上に置かれやすい存在。劇的な構成やテーマ性の強さがありつつ、当時の重いギター・リフや土の匂いのするバンド感も持っている。三枚のアルバムを残して1973年に一度解散しており、この「Black Widow」は、その後の時期にあらためて触れられる形の作品として見ておくと整理しやすい。

サウンドの印象

ジャンル表記はRock、スタイルはProg Rock。音の作りは、派手に磨き上げるというより、バンドの演奏を軸にした厚みのある質感が想像しやすい。リズムは直線的に押す場面と、展開を追うように揺れる場面がありそうで、録音の空気感も、70年代英国ロックらしい少しざらついた手触りが似合うタイプ。リフの重さ、曲ごとの構成の変化、少し演劇的なムードが前に出る文脈。

同時代とのつながり

このバンドは、同時代のハードロックやプログレの流れの中で語られることが多い。特に、当時の英国バンドらしい重厚さや、舞台演出を含む見せ方が印象に残るグループ。メディアがBlack Sabbathとの類似を持ち出したという点も、当時の空気をよく示している。

クレジット

  • アーティスト: Black Widow
  • タイトル: Black Widow
  • リリース年: 1990年
  • 国: Germany
  • ジャンル: Rock
  • スタイル: Prog Rock

メンバーにはGeoff Griffith、Clive Box、Clive Jones、Bob Bond、Jim Gannon、Kip Trevor、Romeo Challenger、John Culley、Kay Garret、Jess Taylorの名前が挙がっている。バンドの来歴と合わせて見ると、Black Widowという名前が持つ初期のイメージと、プログレ寄りの構成感が重なる一枚として捉えやすい。

トラックリスト

  • A1 Tears And Wine
  • A2 The Gypsy
  • A3 Bridge Passage
  • A4 When My Mind Was Young
  • A5 The Journey
  • B1 Poser
  • B2 Mary Clark
  • B3 Wait Until Tomorrow
  • B4 An Afterthought
  • B5 Legend Of Creation

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2026.05.02

Visible Wind – Catharsis (1988)

Visible Wind - Catharsis

Visible Wind『Catharsis』(1988)

カナダ・モントリオールのプログレッシブ・ロック・バンド、Visible Windによる1988年作。ElectronicとRockを土台にしながら、Prog RockとSpace Rockの要素を組み合わせた作品として位置づけられるアルバムである。バンドは1983年にStephen GeysensとLuc Hébertを中心に始動し、この時期にはLouis Roy、Claude Rainville、Philippe Woolgarらが加わっている。

作品の輪郭

『Catharsis』は、Visible Windの作品群の中でも初期の重要作にあたる。のちの作品でより大きく展開していくバンドの方向性を、1988年の時点で示している1枚という印象。Christopher Wellsがボーカルを担当しており、後年の編成とは異なる顔ぶれでまとまっている。

サウンドは、電子的な質感とロックの推進力が同居するタイプ。スペース・ロックらしい広がりを持ちながら、プログレッシブ・ロックらしい構成の変化も感じられる内容で、リズムは直線的に押し切るというより、曲ごとに展開を作りながら進む形が想像しやすい。録音の空気感も、80年代後半らしい輪郭のある響きが軸になっていそうな作品である。

バンドにおける位置づけ

Visible Windにとっては、1988年のラインナップで発表された代表的な初期作。プロフィール上でも、この年の活動がひとつの節目として扱われている。後年には編成の変化を経て別の作品へつながっていくが、『Catharsis』はその前段階として、バンドの個性を確認できるタイトルと言えそうだ。

同時代の文脈

1988年は、プログレッシブ・ロックが70年代的な大作志向だけでなく、80年代的な音作りや電子楽器の感触を取り込みながら続いていた時期でもある。『Catharsis』もその流れの中に置くと、シンセや電子的な処理とロック・バンドの演奏感を並べた、時代性のある一作として見えてくる。

基本情報

  • アーティスト: Visible Wind
  • タイトル: Catharsis
  • リリース年: 1988
  • リリース国: Canada
  • ジャンル: Electronic, Rock
  • スタイル: Prog Rock, Space Rock

トラックリスト

  • A1 Blind Regards (3:27)
  • A2 The False Truths (8:42)
  • A3 Learning To Bloom (3:50)
  • A4 Wedding Game (5:18)
  • B1 Catharsis (7:32)
  • B2 Wrong Time, Wrong Place (6:37)
  • B3 Les Tortues Schizophrènes Marchent Vers Leur Destin / Les Trois Lacs (8:49)

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2026.05.02

Pure Reason Revolution – Coming Up To Consciousness (2024)

Pure Reason Revolution - Coming Up To Consciousness

Pure Reason Revolution「Coming Up To Consciousness」

Pure Reason Revolutionは、2003年にウェストミンスター大学で結成されたイギリスのロック・グループだ。電子的な質感とロック、さらにプログ寄りの構成を行き来してきたバンドで、この「Coming Up To Consciousness」は2024年の作品になる。オルタナティヴ・ロックとプログ・ロックの要素を軸にした、現行編成での到達点として見える1枚。

作品の位置づけ

バンドは2011年にいったん解散を発表し、その後2018年に再始動している。このアルバムは、再結成後の流れの中で出てきた新作で、Jon CourtneyとGreg Jongを中心に、Annicke Shireenが新たなボーカルとして参加し、Ravi Kesavaramがドラムを担っている。過去の編成とは少し違う形で、現在のPure Reason Revolutionを示す内容といえる。

サウンドの印象

ジャンル表記はElectronicとRock、スタイルはAlternative RockとProg Rock。そうした情報どおり、ギター主体のバンド感に、電子音のレイヤーや硬質な質感が重なるタイプの作品として捉えやすい。リズムはきっちりと組み立てられ、展開の切り替えもはっきりしていそうだ。録音の空気感も、ラフに鳴らすというより、音像を積み上げていく方向の作りに見える。

バンドの流れとのつながり

Pure Reason Revolutionは、初期からメロディと構築性の両方を意識したバンドとして知られてきた。2024年作の「Coming Up To Consciousness」も、その延長線上にある作品として整理できる。2026年にはデビュー作「The Dark Third」の20周年を記念するツアーも行われており、このバンドが長い時間の中で現在形を更新していることがわかる。

クレジットの整理

  • アーティスト: Pure Reason Revolution
  • タイトル: Coming Up To Consciousness
  • リリース年: 2024
  • アーティストの国: Europe
  • リリース国: Europe
  • ジャンル: Electronic, Rock
  • スタイル: Alternative Rock, Prog Rock

Pure Reason Revolutionの現在地を、電子的な質感とロックの骨格の両方から確認できるタイトルだ。

2026.05.01

Bodkin – Bodkin (2022)

Bodkin - Bodkin

Bodkin「Bodkin」について

「Bodkin」は、スコットランド・ファルカーク出身のプログレッシブ/サイケデリック・ロック・バンド、Bodkinによる作品。1970年結成のグループで、2022年にUKでリリースされた本作は、バンド名をそのまま掲げたセルフタイトル盤になっている。

作品の輪郭

ジャンル表記はロック、スタイルとしてはプログレッシブ・ロックとハード・ロック。演奏は、70年代英国ロックの文脈を思わせる骨太さがありつつ、曲の展開やリフの組み立てにプログレ寄りの感触がにじむタイプといえる。メンバーは Dick Sneddon、Zeik Hume、Mick Riddel、Doug Rome、Bill Anderson の5人編成。

サウンドの印象としては、硬質なギターの押し出しと、リズムの踏み込みの強さが軸になりそうな佇まい。派手に装飾するというより、ロックバンドとしての推進力を前に出した質感が見えやすい。録音の空気感も、現代的なクリアさだけでなく、クラシックな英国ロックの厚みを意識した方向性を感じさせる。

アーティストとしての位置づけ

Bodkinは1970年結成のバンドで、70年代のプログレ/ハード・ロックの流れを背景に持つ存在。セルフタイトルの本作は、そうしたバンドの輪郭をあらためて示す一枚として捉えやすい。長いキャリアを持つグループらしく、当時の空気を踏まえたうえでの現在形の提示という見方もできそうだ。

同時代・ジャンルの文脈

英国のプログレッシブ・ロックやハード・ロックは、70年代にかけてリフの重さ、曲展開の多層化、サイケデリックな感触を行き来しながら発展してきた。本作もその系譜に置くと、派手な技巧だけでなく、バンドの一体感や曲の流れを重視するタイプの作品として見えてくる。

関連リンク

2026.05.01

Zior – …Plus (1971)

Zior - Zior ...Plus

Zior …Plus / Zior

1971年にUKでリリースされた、Ziorの作品。Ziorはイングランド、サウスエンド=オン=シー出身のサイケデリック/ハードロック・バンドで、1970年に結成されたグループだ。メンバーは Keith Bonsor、John Truba、Barry Skeels、Peter Brewer。クレジットや流通の都合も含め、バンドの歩みの中で少し変則的な位置に置かれる作品として見ておくと、全体像がつかみやすい。

作品の輪郭

ジャンル表記は Rock、スタイルは Hard Rock と Prog Rock。骨格はリフ主体の硬質なロックで、そこに70年代的なプログレッシブ・ロックの展開感が重なるタイプの作品として受け取れる。サイケデリック・ハードロックの流れを引きずりながら、演奏の推進力と構成の組み立てを前に出した音像が想像しやすい。

サウンドの印象

音の手触りは、分厚いギターと直線的なドラムが軸になるタイプだろう。リズムは重く、少し引っかかるような推進感があり、録音の雰囲気も派手に磨き上げるというより、バンドの生々しさを残した質感に寄る。ハードロックの押し出しと、プログレ由来の曲展開の変化が同居するあたりが、この手の作品らしい面白さになっている。

アーティストの文脈

Ziorは1970年結成のバンドで、同時代の英国ロックに見られる、サイケデリックな感覚とハードな演奏をつなぐ系譜にいる。契約上の事情でMonument名義の作品もあるため、バンド名と作品の並びを追うときは少し注意が必要なグループでもある。そうした経緯を踏まえると、この作品も単独で完結したものというより、バンドの活動史をつなぐ一枚として見えてくる。

2026.05.01

Negasphere – Disadvantage (1985)

Negasphere - Disadvantage

Negasphere『Disadvantage』について

『Disadvantage』は、1985年に日本でリリースされたNegasphereの作品。日本のネオ・プログレッシブ・バンドとして、1983年から1986年ごろに活動していたグループの中で位置づけられる一枚で、のちに2012年から再始動する以前の時期を代表する記録でもある。

作品の輪郭

ジャンルはロック、スタイルはシンフォニック・ロック、プログ・ロック。タイトルからも伝わるように、硬質なロックの推進力だけでなく、鍵盤や構成の積み重ねを意識した作りが想像しやすい作品だ。1980年代半ばの日本のプログレ周辺らしい、整った演奏と緻密な展開を軸にした内容として捉えられる。

メンバーにはAkira Sato、Seiji Sakano、Kaoru Kawasaki、Hiroyoshi Majima、Shiro Hirata、Shiro Sugano、Hiroshi Tokutake、Toru Yataの名前が並ぶ。編成の厚みがそのままサウンドの層の多さにつながっていそうな印象がある。

サウンドの印象

シンフォニック・ロックとプログ・ロックの組み合わせからは、拍の流れを単純に進めるのではなく、フレーズを細かくつないでいくようなリズム感が浮かぶ。ギター、キーボード、リズム隊がそれぞれの役割を分担しながら、音の密度を作っていくタイプの作品として受け取れそうだ。録音の雰囲気も、当時の日本のロック作品らしい輪郭の見えやすさを持っている可能性がある。

アーティストの流れの中で

Negasphereにとって『Disadvantage』は、活動期の中盤にあたる時期の作品として見える。1980年代前半の日本では、洋楽由来のプログレッシブ・ロックを土台にしながら、独自の構成美や演奏感覚を持つバンドが各地で現れていた。その流れの中で、Negasphereもまたシンフォニックな方向性を持つ一組として記録されている。

まとめ

『Disadvantage』は、1985年の日本のネオ・プログレッシブ・シーンを考えるうえで、Negasphereというバンドの輪郭を確認できる作品。派手さだけで押すというより、構成、演奏、音の重なりで聴かせるタイプのロック作品として整理できる。

2026.04.29

Pallas – Arrive Alive (1983)

Pallas - Arrive Alive

Pallas / Arrive Alive

1983年にUKでリリースされた、Pallasのライブ・レコード。スコットランドのアバディーンで結成されたこのバンドは、UKのプログレ再興の流れの中で活動を続けてきたグループで、この作品もその時期の空気をよく映している。

作品の輪郭

タイトルが示す通り、スタジオ盤とは違う、演奏の勢いと場の熱気を前に出した内容。プログ・ロックらしい長めの展開や構成の変化を持ちながら、ライブならではの押し出しの強さが加わっている印象だ。リズムは比較的きっちりと組み立てられ、ギターとキーボードが前後しながら曲を進めていくタイプのサウンド。

録音の質感は、80年代前半のUKロックらしい少し硬質な手触りがある。音の輪郭ははっきりしていて、各パートの動きが追いやすい。派手に作り込むというより、演奏のまとまりで聴かせる雰囲気。

バンドの位置づけ

Pallasは、Marillion、Pendragon、IQ、It Bitesなどと並ぶUK第二世代プログ・ロックの文脈で語られることが多いバンド。のちにレーベルや音楽メディアからの注目が弱まり、活動がやや停滞した時期もあったが、再発や再結成を経て名前を保ち続けた。そうした流れの中で見ると、Arrive Aliveはバンドの初期の勢いと、当時のシーンの手触りを知るうえでわかりやすい一枚と言えそうだ。

参加メンバー

  • Ronnie Brown
  • Paul Mackie
  • Mike Stobbie
  • Euan Lowson
  • Derek Forman
  • Niall Mathewson
  • Graeme Murray
  • Alan Reed
  • Colin Fraser
  • Craig Anderson

ひとこと

UKプログの80年代的な空気、演奏重視のライブ感、そしてPallasというバンドの立ち位置。その3つが重なる記録として見えてくる作品だ。

2026.04.29