Terry Hall – Laugh (1997)
Terry Hall『Laugh』について
Terry Hallのソロ作『Laugh』は、1997年に発表された作品。スキンヘッド・レゲエや2トーンの文脈で知られるThe Specialsのフロントマンとして名を上げた彼が、ソロでは別の角度から自分の歌を聴かせる流れにある1枚だ。2019年盤として出回っているこのレコードは、オリジナルの1997年作をあらためて手に取れる形にしたものとして見てよさそうだ。
作品の位置づけ
Terry Hallは、The Specials、Fun Boy Three、The Colourfield、Vegasといった活動を経て、1990年代にソロ名義のアルバムを発表している。その中で『Laugh』は、彼のソロ期を代表するタイトルのひとつ。バンドでの役割が強かった時代と比べると、より個人の視点が前に出る作品として位置づけられる。
音の印象
ジャンル表記はRock、スタイルはPop Rock、Alternative Rock。実際のサウンドも、その枠の中で整理しやすい内容になっている。派手に押し出すタイプというより、メロディと歌の輪郭をきちんと見せる作りで、Terry Hallの歌い方の癖や言葉の置き方がよく伝わる。
彼の声は、軽く流すというより、少し間を置いて言葉を置く感じがある。そのため、曲の中ではユーモアと皮肉、そして静かな温度差が同居して聞こえる場面がある。The SpecialsやFun Boy Threeでの経験が下地にありつつ、90年代のオルタナティヴ寄りの空気にも接続している印象だ。
1990年代英ロックとのつながり
『Laugh』が出た1997年は、UKロックやポップの中で、ソロ・シンガーがバンド的な質感を持ち込む作品も多かった時期。Terry Hallの場合は、ダンスホールやスカのイメージだけに収まらず、歌ものとしての強さを前に出している点が特徴的だ。派手なヒット曲で押すというより、アルバム全体の流れで聴かせるタイプの作品。
再発盤としての見どころ
2019年盤として流通しているこのレコードは、1997年のオリジナル盤をあらためて楽しめる形。盤としての新しさよりも、当時の音像や曲順をそのまま追える点に意味がある。Terry Hallのソロ期をまとめて辿るうえでも、ひとつの節目になるタイトルだ。
まとめ
『Laugh』は、Terry Hallの歌と曲作りが、The Specials以降の文脈の中でどうソロ作品へつながっていくかを見せる1枚。ポップ・ロック、オルタナティヴ・ロックの枠に置きながらも、彼ならではの言葉の運びと、少し距離を取った歌声が印象に残る作品だ。
トラックリスト
- A1 – Love To See You
- A2 – Sonny And His Sister
- A3 – Ballad Of A Landlord
- A4 – Take It Forever
- A5 – Misty Water
- B1 – Room Full Of Nothing
- B2 – Happy Go Lucky
- B3 – For The Girl
- B4 – Summer Follows Spring
- B5 – I Saw The Light