Neuronium – Vuelo Químico (1978)

Neuronium『Vuelo Químico』

Neuroniumは、スペイン・バルセロナを拠点にした電子音楽グループで、1976年にMichel Huygen、Carlos Guirao、Albert Giménezの3人で始動したユニットだ。本作『Vuelo Químico』は、1978年にオリジナルが登場した作品で、彼らの初期活動を示す1枚として位置づけられる。

作品の位置づけ

この時期のNeuroniumは、EMI-Harvestからのアルバムを重ねていた初期段階にあたる。前作『Quasar 2C361』に続く流れの中で作られた『Vuelo Químico』は、のちにMichel Huygen中心の体制へ移っていく前の、バンドとしてのまとまりが見える時期の記録でもある。メンバー表を見ても、初期メンバーがそろった形で残る作品として読むことができる。

サウンドの輪郭

ジャンル表記はElectronicとRock、スタイルはProg RockとAmbient。実際に聴くと、シンセサイザーを軸にした構成の中に、ロック由来の展開やリズム感が入り、曲の進行そのものを聴かせるタイプの作りだ。電子音だけで閉じず、ギターやバンド的な動きが残っている点が、この時期のNeuroniumらしいところだろう。

Huygen自身がNeuroniumの音楽を「psychotronic music」「cosmic electronic music」と呼んでいたこともあり、宇宙的な広がりを持つ電子音楽として語られることが多い。とはいえ、ここでは雰囲気だけに寄らず、音のレイヤーやフレーズの積み重ねで曲を組み立てている印象がある。

同時代の文脈

1970年代後半のスペインでこうした電子音楽を鳴らしていた点は、同時代の欧州プログレやアンビエントの流れとも重なる。ドイツの電子音楽や、英国のプログレッシブ・ロックと比べながら聴くと、Neuroniumはよりシンセ主体で、しかもロックの骨格を完全には手放していない。そういう中間的な立ち位置が、アルバム全体の特徴になっている。

録音・再発の見方

盤のリリース年は1983年だが、作品そのものの初出は1978年。したがって、1983年盤はオリジナル時点の音源をあらためて手に取れる形の再登場として見るのが自然だろう。オリジナル盤との比較で細かな差異を語れる情報はここでは確認できないが、少なくとも作品の中核は1978年のNeuronium初期像にある。

ひとこと

『Vuelo Químico』は、Neuroniumがのちにたどる長い電子音楽活動の出発点のひとつとして置けるアルバムだ。バンド編成の感触と、シンセを中心にした構築、その両方が見える初期作として印象に残る。

トラックリスト

  • Abismos De Terciopelo (19:55)
  • B1 – Viento Solar (2:43)
  • B2 – Vuelo Químico (14:45)

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2026.06.15