Steve Hackett – Cured (1981)

Steve Hackett『Cured』

Steve Hackettは、Genesisでの活動で知られる英国出身のギタリスト。1977年にバンドを離れてからはソロ活動を軸に作品を重ねていて、『Cured』は1981年に発表されたソロ作のひとつである。英国ロックの流れの中でも、プログレッシブ・ロックの出自を残しながら、より歌もの寄りの作りへ寄った時期の作品として聴かれることが多い。

作品の輪郭

このアルバムでは、Steve Hackettらしいギターの存在感を土台にしつつ、Pop RockとProg Rockが並ぶ構成になっている。Genesis時代の複雑な展開をそのまま引き継ぐというより、曲ごとの輪郭をはっきりさせた作りで、ロック・アルバムとしてのまとまりが前に出る印象である。

1980年代初頭という時期もあって、70年代のプログレに比べると音像はすっきりしている。ギターのフレーズは前面にありながら、曲調は比較的コンパクトで、メロディの分かりやすさが耳に残るタイプの一枚。プログレ寄りのソロ・ギタリスト作品としても、同時代の英国ロック作品としても追える内容である。

聴きどころ

Steve Hackettのソロ作品では、ギターの表情がそのまま曲の色になることが多いが、『Cured』でもそこは変わらない。派手に弾き続けるというより、フレーズの置き方や音の抜き差しで曲を進めていく場面が目立つ。ボーカル曲でもギターが前に出るため、バンド作品とは違う視点で彼の演奏を追えるアルバムである。

代表曲として広く知られた定番曲が真っ先に挙がる作品ではないが、アルバム全体を通して聴くと、80年代初頭のSteve Hackettがどんな方向を向いていたかが見えやすい。Genesis脱退後のソロ活動を確認する上でも、ひとつの節目に置かれる作品といえる。

リリースについて

オリジナルは1981年の作品で、ここで扱う盤は1984年リリースのもの。UK盤として流通した再発盤にあたり、作品そのものは1981年の内容を収めている。オリジナル発表時の空気を残しつつ、80年代の流通の中で聴かれてきた一枚である。

まとめ

『Cured』は、Genesisを経たSteve Hackettが、ソロ・アーティストとして自分のギターを中心に組み立てた1981年作。プログレッシブ・ロックの文脈を持ちながら、ポップ・ロック寄りのまとまりも見せるアルバムで、80年代初頭の英国ロックの一断面として捉えやすい作品である。

トラックリスト

  • A1 – Hope I Don’t Wake
  • A2 – Picture Postcard
  • A3 – Can’t Let Go
  • A4 – The Air-Conditioned Nightmare
  • B1 – Funny Feeling
  • B2 – A Cradle Of Swans
  • B3 – Overnight Sleeper
  • B4 – Turn Back Time

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2026.06.16