Vita Nova – Vita Nova (1971)
Vita Nova『Vita Nova』について
Vita Novaのセルフタイトル作。1971年のオリジナル盤を土台にした、2004年盤。ドイツのミュンヘン周辺で活動した短命のプロジェクトで、Sylvester Levay、Eddy Marron、Christian Von Hoffmannの3人による編成になっている。
バンド名のVita Novaはラテン語で「新しい人生」の意味。作品の中身もその名の通り、ラテン語詞を軸にした構成で、クラシック寄りのロックと当時のフュージョン感覚が交差する内容になっている。プログレッシブ・ロックとクラウトロックの文脈で語られる一枚だが、演奏の中心にあるのは、ギターと鍵盤の動きが細かく組み合わさるアンサンブル。
制作背景
1971年2月、Sylvester LevayがミュンヘンのUnion Studiosを数日間借りて録音したという経緯がある。スタジオ内で自由に演奏する形で進められた作品で、ライブ活動は行わず、録音専用のグループとして完結していた点も特徴的。
メンバーは、ポーランド出身のEddy Marron、ハンガリー出身のSylvester Levay、スイス出身のChristian Von Hoffmannという国際色のある顔ぶれ。ミュンヘンのシーンの中でも、国籍の異なる音楽家が集まった編成として見ておきたいところ。
音の印象
この作品では、Hohner Clavinetの存在感が大きい。Levayが弾くこの電気ハープシコード的な音色が、ギターやドラムと絡みながら、硬質なリズム感を作っている。クラシック寄りの展開と、ロックの推進力が同居するあたりに、当時のドイツ産プログレらしい手触りがある。
演奏は簡潔なロックの枠に収まらず、組曲的な流れやパートの切り替えが目立つ。ラテン語詞のため、歌の意味を追うというより、声も含めて楽器の一部として機能している印象。
アーティストの中での位置づけ
Vita Novaは、1971年のこのアルバムだけで存在感を残したグループ。のちに活動は続かず、短い期間の記録として残った作品になっている。Eddy MarronやSylvester Levayの個性が前面に出た一作で、バンドの出発点かつ終着点という位置づけ。
同時代の文脈
同時代のドイツのプログレ/クラウトロックと並べると、即興や反復だけに寄らず、構成の細かさが際立つタイプ。英国系プログレの影響を感じさせる部分もありつつ、ドイツのスタジオ志向の制作感も見える。比較対象としては、同時期のクラシック要素を含むロックや、ジャズ寄りのフュージョンを取り入れた作品群が思い浮かぶ。
再発盤について
2004年盤は、1971年オリジナル盤の再発。オリジナルのアルバムに加えて、1971年夏に録音された未発表曲「Lacrimosa (Death Of A World)」「Olymp 99」が収録されている。もともとのアルバム本編に、当時未発表だった2曲が補われた形になっている。
まとめ
Vita Nova『Vita Nova』は、ミュンヘンのスタジオで生まれた、ラテン語詞のプログレッシブ・ロック作品。国際的なメンバー構成、Clavinetの音色、短命に終わったバンドの記録という点が重なる一枚になっている。
トラックリスト
- A1 – Quomodo Manet
- A2 – Vita Nova Inventions
- A3 – Whirl Wind
- A4 – Istanbul
- A5 – Sylvester
- A6 – Wildman
- A7 – Inventions Finale
- A8 – Heya-Cleya
- A9 – Olymp 99
- B1 – Adoramus
- B2 – Sunt Alteri
- B3 – Adoramus Finale
- B4 – Tempus Est
- B5 – Lacrimosa